「天国かここは?」と夢心地になるような、素敵スポットでした。
先日、ぐるなび運営の「みんなのごはん」で紹介されていたこちらのブルーパブ。
もの凄く魅力的だったので、早速その日のうちに行ってまいりました(笑) 「気になったら即取材!」がモットーです。さらに翌々日の日曜日に、改めて奥さんと再訪。多摩エリアにこんな素晴らしいお店があっただなんて…。
登戸のビール醸造所「クラフトビア・ムーンライト」
MOONLIGHT CO.,LTD
「ムーンライト」は川崎市多摩区登戸にあるクラフトビールメーカーの名前であり、ビール醸造所併設のビアパブ(ブルーパブ)。工房直営ならではのできたてのクラフトビール(地ビール)を格安の料金で味わうことのできるお店です。最寄りはJR/小田急線の登戸駅。だいたい駅から徒歩10分弱といった所でしょうか。
ちなみに登戸は新宿から小田急線急行で20分。東京から県境の多摩川を越えて神奈川県に入ってすぐの駅です。「藤子・F・不二雄ミュージアム」へのシャトルバスが出ていることでもお馴染み(?)ですね。
川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアム
多摩エリアに越してきて6年目になりますが、今までここの存在は全く知りませんでした。登戸は結構頻繁に利用する駅で、バンドの練習でよく使っていたスタジオもありますし、駅前にも馴染みの飲食店がいくつかあるというのに…。
パブの営業時間は平日は夕方16時半から(日中は醸造所の営業がメインとのこと)、土日祭日は午前中の11時半から営業しているようです。
1人で来てカウンターでサクっと飲める気軽さ
最初に訪れたのは平日金曜日の開店直後。仕事中の奥さんに対して若干の後ろめたさを感じつつ、「あくまでこれは取材」って別に誰に頼まれた訳でもないのに…(笑)
店内は採光多めのカフェっぽい空間でテーブルが30席程、カウンターも8席用意されています。注文はセルフサービスの「キャッシュ・オン・デリバリ」で、レジで注文してその場でビールを受け取り、飲み終わったグラスはレジ横に返却するシステム。HUBなどのパブスタイルを想像して貰えればいいと思います。
メニューには全部で20種類以上のオリジナルビールのラインナップがありますが、その日飲めるビールはだいたい10種弱のようです。「本日のビール」がレジ前と店内の黒板に貼られているので注文前に確認しておきましょう。
価格はSサイズのグラスで300円からと非常にリーズナブル。さらに、淡色系の主にピルスナータイプのビールはMサイズ(中ジョッキ)まで300円というのだから驚きです!
初回訪問時は1時間程でビール4杯とミックスナッツを頂きましたが、これで1600円という驚きのコスパ。帰って夕飯の支度があったのでフードを注文しなかったのですが、思わず「次は食べますので…スミマセン」と謝ってしまったレベル。
ムーンライトのクラフトビールを味わう!
それでは実際に飲んだムーンライトの絶品クラフトビールたちを紹介していきます。
まずは「多摩の泉」と名前の付けられたペイルラガー(こちらのお店によると「ラーガー」と標記するのが正しいそうです)。やや白濁しているのは無濾過ゆえ。だから美味い! これは新鮮なうちに消費するクラフトビールならではで、それゆえビール酵母もタップリ残っているのですね(飲み終わりにグラスの底に多少のオリが見られます)。
フルーティでスッキリとした味のラガーです。普段、国産のビールしか飲まない人にとってのクラフトビール入門してもピッタリな1杯でしょう。
ミックスナッツはレジ横のお玉でひとすくい200円。ビール1杯とミックスナッツで500円、なにこれ大人の駄菓子屋か!
続いて私の好きな黒ビール系。ポーターの「登戸の渡し」です。「ポーター」と「スタウト」って何が違うのかな?と思ったのですが、ポーターを強く仕上げたのがスタウトなのだとか。ロースト具合やアルコール度数もスタウトが高めです。
確かに黒ビールにしては軽目の飲み味で、Twitterにも「スタウトにしては柔らかな飲み口」と書いておりました私。スタウトじゃなかったか…。
続いてこちらは「デュンケルバイツェン」。注ぐ際にかなり泡が立つそうで、しばらく待ってからサーブされるビール。「ヴァイツェン」といえばドイツの小麦ビール。通常はホワイトビールなのですが、そこに「濃い」を意味する「デュンケル」という言葉が付いた濃色のバイツェンです。
このような濁った赤色系のヴァイツェンは初めての経験です。しかしこれが驚くぐらいに美味しい! どっしりしてアルコール度数も高めですが、ヴァイツェン特有の豊かな香りや優しさもあるのです。Sサイズで500円とこの店ではやや高めの設定ですが、ビール好きの方にはぜひ試して貰いたいビール。
そしてこちら「中野島」。いわゆるペールエール。クラフトビールの代表格で、最近はコンビニなどでも様々なペールエールが買えるようになりましたが、やはり無濾過で新鮮なビールはひと味もふた味も違います。
ホップの香りも強烈で苦みと甘味のバランスもいい具合。
ちなみに「中野島」は登戸のお隣の地名。JR南武線でも同名駅が登戸のお隣にあります。他にも多摩エリアの地名がビールに付けられていて、地元民としては名前で頼んでみるのも楽しいものがあります。
さて、ここからは日曜日の再訪時。まず私は「スピカ」、奥さんは「多摩のせせらぎ」を頼みました。どちらも中ジョッキ300円シリーズ。
「スピカ」はホップの苦みがキリっと効いた、これぞピスルナーといったテイスト。ゴクゴクとあっという間に飲んでしまいます。

「多摩のせせらぎ」はまた全くタイプが違い、苦みは控えめで香りの強い仕上がり。見た目はそっくりですが、全く違う個性があるのがビールの面白さですね。
2杯目につい前回も飲んだ「中野島」を頼んでしまいましたが、やぱりペールエールも好きなんです。肉料理などを味わう際にも、負けない力強さがあります。
こちらは奥さんが頼んだハーブエール。レギュラーラインとは別の限定醸造のビールです。飲み口もアッサリでハーブの香りが効いたライトなビールでした(ベルジャンスタイルとも違います)。
写真を撮る前にひと口飲んでしまいましたが「中野島」。スタウトのお手本のような濃厚さ。黒ビール好きは絶対頼みましょう! 奥さんは「中野島」と「多摩の泉」をハーフ&ハーフにして貰って飲んでいました。
ピルスナーに戻って「津久井道」。ムーンライトの王道ピルスナーのようです。ホップの苦みと爽やかな香り、まるで柑橘類の八朔を思わせるようなビールです(フルーティという意味でなく)。
いいなぁ「津久井道」、相模原市で育った私にとって、登戸と実家方向を結ぶ旧街道でもあるのです。
結局この日は2時間以上も長居をしてしまったのですが、「多摩の泉」の再度飲んだ後、最後に冬季限定の「ホットビア」を頂きました。これは「江戸前」を温めたもので、砂糖とシナモンを加えて頂きます。
シナモンシュガーを振りかけるとこのように泡が立ってきて楽しい…。
最初はかなり熱いですが、徐々に飲みやすくなってきます。うーん、やはりコーヒーのように飲みやすいものではないです。好きな人はハマるかもしれませんが、私は今回限りで結構かな(笑)
Sサイズグラスで色々なビールを味わえるのが嬉しい!
私、お酒を飲むのは好きなんですけど、基本的にアルコール耐性があまりないんです。ワインや日本酒などアルコール度数の高いお酒は直ぐに酔っぱらってしまいますし、うっかりちゃんぽんするとまず気持ち悪くなってしまいます。
ビールは利尿作用が高いので飲み過ぎると脱水症状になりやすいと言いますが、私的にはビールだけを飲んでいる分には一番後に残らないタイプのお酒(後で水分は沢山取ります)。
それでも某フミコ課長のように中ジョッキをグビグビと何倍も続けて飲める程の強さはないので、「ムーンライト」のような小さいグラスで美味しいビールを何種類も飲めるお店は本当に嬉しいのです。
地元野菜から点心まで!? お料理メニューも美味で充実!
「ムーンライト」は、かんたんなおつまみ類から揚げ物、燻製、飲茶、メインのお食事系(ピザ、麺類等)まで自家製のお料理メニューも充実しています。ビールやビール酵母を使用したメニューも多く、何を頼むか迷ってしまう程…。
黒板に書かれた本日のオススメを中心に色々と頼んでみました。
まずは「のらぼう菜の粒マスタードオイル和え」に「ホタルイカのアヒージョ」。
のらぼう菜は地元で取れたというこの時期限定の野菜。菜っ葉の和え物を粒マスタードで味付けって、意外でしたがサッパリしていてすごく美味しい! これは家でも試してみたい。ホタルイカはもう間違いありませんよね。
肉団子。なんとなく外側固めの肉団子を想像していたら、柔らかふわふわの肉団子がやってきました。甘いソースがよく合ってます。これは、ビールが、進む…。
ビール酵母を使ったピクルス。サッパリしてて美味しいです。
奥さんが食べたがってた水餃子。味の付いたスープが閉じ込められていてこれまた本格的。ビールが、進む(もういい)。
自家製ミートソースのラザニア、どう見たって美味しくない訳ないでしょう。これだけ料理も充実してると、食事メインで来て、ビール1杯で帰るのも悪くない。1杯で済めば、の話ですけど。
そして最後に奥さんが頼んだ黒ビールアイス。これは黒ビールの風味が出ていてとても美味しい。黒砂糖のような香ばしがあって、かつサッパリしてしつこくない。
専用ペットボトルでビールのテイクアウトが可能!?
さて、レジ横ではムーンライトの瓶ビールも各種販売されていますが、面白いのがペットボトルに「今日のビール」を詰めてテイクアウトできるシステム。ビールは日替わり、というか樽変わりとなっているそうで、500ml(500円)と1l(1000円)のペットボトルに、その場で充填機でしっかりと詰めてくれます。
生ものなので早めに飲んで欲しいそうですが、きっちりとキャップも閉められていて、自宅で開けてみたらしっかりとガスも充填されておりました。
これをお土産にして飲ませて奥さんを口説き、翌々日に再訪したというね…(笑)
ビール好きそして地元夫婦の天国?
テンション上がりすぎて、つい記事が長くなってしまいましたが、とにかく私のようなビール好きには、まさに天国のようなお店でした。
平日に1人で飲みに行ってもいいですし(奥さんごめんな)週末に奥さんと2人で昼から訪れて、帰宅したらもう何もしないでゴロゴロ過ごすビールクズな休日も素敵。
曜に訪れた際は14時近くに店に入って、後から入ってきたのは、ほぼ夫婦(と思われる)お客さんばかり。2時間位の間に7〜8組ぐらいのカップル客が店内で飲食を楽しんでいたように思います。
確かにこの店のカフェっぽい雰囲気は、休日ぐらい家事を休んで外で羽を伸ばしたいよね、という夫婦には最適な憩いのスポットでしょう。我々の地元にもこんなお店があったらいいよね… と何度も話しながら、結局すぐに来てしまうんだろうなぁ(笑)