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途方に暮れる 犬とよばれる でも生きてゆく

曇りのち雪… 流氷に覆われたウトロの街から知床五湖スノーシューイングへ

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前夜に網走のホテルに到着し、一夜明けた2月17日の木曜日。せっかく冬の道東に行くなら知床まで足を伸ばしてみたい! そう考えた我々は、冬の知床五湖でスノーシューハイキングを楽しめるというツアーを予約していたのでした。

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知床ナチュラリスト協会HPより)

晴れていたら上のような景色も楽しめるという知床五湖ツアーですが、この日は生憎の曇り空。さらに地元のガイドさんも驚く程の暖かな気温と、午後からは雪… しかもまるで関東地方に降るような水分の多い降雪と、正直コンディションはイマイチでした。
よって本記事の掲載写真も比較的地味なものばかりになってしまいましたが、その分付加情報(という名のキャプション)を多めにしてお届けしたいと思います。

朝9:40、網走バスターミナル発のバスでウトロへ!

網走からウトロへの移動ですが、レンタカー以外の公共交通を利用する場合は、「知床エアポートライナー」という1日3往復運行されているバスを利用するのが一番お手軽。
季節により多少発着時間が変わるようですが、今の季節は朝9:40に網走バスターミナルを出るバスが一番早い便です。料金は網走〜ウトロ間で片道2600円(バスターミナルでチケットを買えますし、下車時に現金で払うことも可)。

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バスは女満別空港が始発なので、網走バスターミナルで乗り込むと、既に8割近い席が埋まっていました。よって残念ながらウトロ方面の海側を望むことになる左側の席には座れませんでした…。乗客は日本人とアジア系の外国人が半々といった感じで、これはもう北海道旅行ではお馴染みの光景です。

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網走から海沿いの国道244号に出ると、既に窓から見える海には流氷がプカプカ浮かんでいます(白鳥もたくさんいる)。翌日訪ねることになる濤沸湖(トウフツ湖)を過ぎるあたりまで、バスは海沿いを走ります。右手側の席からズームレンズでパチリ。

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その後、斜里駅の前後でしばらく内陸側を走ったバスは、知床半島の付け根辺りから再び海沿いの道(国道334号)を走るようになります。いつの間に、海には流氷がビッシリ埋め尽くされ、ウトロに近づくにつれて、その密度はどんどん高くなっていきます。

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11:20頃にウトロ(北海道斜里郡斜里町)の「道の駅うとろ・シリエトク」に到着すると、そこから見える海はこのような一面の雪原状態です。網走あたりでは流氷の接岸はかなり日によるそうですが、知床半島まで来ると凄いことになっているんですね。オホーツク海を流れてきた流氷が、知床半島に引っかかって貯まっている感じでしょうか?

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流氷の上にはキタキツネらしき動物の足跡もあちこちに見られますが、残念ながらその主の姿は見えません。

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「道の駅うとろ・シリエトク」はウトロの玄関口にあたる場所にある道の駅で、観光案内や売店、地元食材を使ったレストランも併設されています。「シリエトク」とはアイヌ語の「陸地の先端」を意味する言葉で、それが「知床」の語源になっているそうです。

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道の駅内にはウトロ漁協の直販店もあって「訳ありウニ」など「これは帰りに買わねば!」と思っていたら、戻ってきた時間には既に閉まっていました(直販店は道の駅の売店よりも閉まるのが早いみたい)残念!

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知床五湖ツアーの待ち合わせは、12:20に道の駅前予定なのでとりあえずお昼を食べてしまいましょう…。ここの食事もかなり良かったのですが、それについては改めて道東旅行の食記事としてまとめたいと思います。

ウトロの自然ガイド業者が実施するツアーに参加した

今回の旅行では、ウトロを拠点に知床のネイチャーガイドを行っている「NPO法人 知床ナチュラリスト協会 SHINRA」が運営するツアーを、事前にネット申し込みしていました。ウトロには同じような観光、自然体験事業者がいくつもあり、様々な観光、ガイドツアーを行っています。
知床の自然体験・ネイチャーガイド|知床斜里町観光協会
知床五湖|冬期散策ご案内

この時期はドライスーツを着て流氷の上を歩いたりオホーツク海に入ったりする「流氷ウォーク」なども人気だそうですが、今回我々が申し込んだのは「冬の知床五湖スノーシューイング」というツアー。
冬の知床五湖 スノーシューイング | シンラ(知床自然ガイドツアー 株式会社)

冬期は道路が通行止めになる知床五湖に登録ガイドの車で入り、スノーシューで知床五湖を巡るというハイキングツアーです。他にも「冬の野生動物ウォッチング」といった車移動のツアーや、他会社のオオワシやオジロワシが撮影ができる「流氷クルージング」も気になったのですが、奥さんのマイルを使った家族旅行ですし写真撮影は二の次…と。

他、事前にチェックしていたウトロの観光・自然ガイド業者
冬の知床五湖一周ツアー 夏とは違う白銀の景色へ|知床ネイチャーオフィス
知床オプショナルツアーズSOT!【公式】|知床自然ガイド
根室海峡クルーズ | ゴジラ岩観光

我々が参加したこの日の午後の回は、参加者8人で催行人数MAX。ちなみに内訳は、中国人グループ3人+2人+1人に我々という圧倒的中国勢。1月から2月中旬までは外国人中心、後半から徐々に日本人が増えてくるのだそう(春節の絡みと、日本人は確実に流氷の見られる2月後半から増えるのだとか)。

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冬の知床五湖まで車で入るにはいくつか手続きが必要です。知床ナチュラリスト協会同様にガイド事業を行う知床ネイチャーオフィスに立ち寄って、ガイドさんが確認行います。

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更に、道路通行止め区間の前で全ガイド会社が集合し打ち合わせ、トランシーバー等をガイド同士で携帯した上で、ゲートの鍵を開けて入ることになります。

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今回ガイドを担当してくれたのは知床ナチュラリスト協会のガイド、吉田さん。まだ若い方ですが、さすが知床の自然や動物についてとても詳しかったです。

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* *

現地への移動中から既にガイドは始まっていて、ゲートの手間の道路からは丘の上から河口の流氷を眺めたり…(マーブル模様に割れた流氷が綺麗ですね)

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車の移動中にはキタキツネやシカにも遭遇しましたが、残念ながらカメラが間に合わず…。

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冬の知床五湖スノーシューイング

ヒグマ活動期のシーズン中は利用調整地区となっている知床五湖周辺ですが、冬季のガイドツアーも決められたコース以外を歩くことはできないそう。ということで、この地図の外周を右回りでなぞるような(全て雪に埋まっていることもあり、夏道とは違うコースもあり)コースになります。コースタイムはのんびり歩きで約2時間といったとところ。

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スノーシューはこのようなトレッキング用のものを使用します。登山用のものと違って、装着も簡単で浮力も高め。その分斜面には弱いそうですが、知床五湖のトレッキングは殆ど平坦歩きなので問題ありません。

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この苗木のような杉ですが… 実は3m近くあるあるそれなりに育った高さの木。本当の地上はもっと下にあるため、木の先っぽだけが顔を出している状態です。

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エゾシカの食害について説明するガイドさん。エゾジカはニホンジカの亜種で日本に生息するシカの中では最大級になる鹿だとか。

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コースにはこのような滑り台的スポットも用意されてますが、我々の着ている冬季用のハードシェルは、雪の上で滑りにくい素材になっているのですよね(苦笑) ツルツルのレインウェアを着ている人達には結構ウケてました。

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知床五湖には「一湖」から「五湖」まで5つの湖があって、まずは「五湖」から。この後、各湖を廻って歩いていくのですが、生憎のお天気ですので写真的には湖の大きさによって雪原の広さが違うだけです…(笑)

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各湖は全面結氷していますが底まで凍っている訳でなく、[表面が結氷 → 上に雪が積もる → 重みで沈む(水が上に回り込む)]の繰り返しで、表面の氷の下にある水の下にはミルフィーユ状に氷の層があるのだとか。

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動物の足跡もあちこちに見られますが、結局ハイキング中には鳥以外との動物との遭遇はなし。そもそも、厳冬期になると雪深い知床五湖周辺には動物の姿が一気に少なくなるそうです(雪の堆積の少ない斜面などのエリアに移動するみたい)。

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ヤマブドウの木に付けられたヒグマの爪痕。あー、これは恐いな。夏の知床五湖周辺はヒグマだらけなのだとか(シーズン中はヒグマ出没による遊歩道の閉鎖が多い)。

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向こうに山がちょっと見えた… 晴れてたら雪原の向こうに、羅臼岳や硫黄山が綺麗に見えるそうです。

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凍裂した木。知識としては知っていますが、見事にスッパリと裂けるものなのですねえ。

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キツツキ科の鳥が空けた穴について説明するガイドさん。

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各運営会社ごとのツアーが同じエリアに重ならないよう、ガイド同士である程度距離を取ることを意識して引率しているそうです。

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休憩では北海道のガイドさんらしく、ロイズや六花亭のお菓子を差し入れしてくれました。ロイズのフルーツバーチョコ、登山の行動食にもピッタリな感じだったので(ただし冬限定)、空港にてお土産に買って行きました。

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そのうち雪が降ってきたのですが、結晶でなく小さい氷の粒や針状の雪が速いスピードで降ってくる感じ。これ、関東でよく見る雪だ!(笑)

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気温が高いせいでウェアに降った雪もどんどん溶けていきますし、せっかくの北海道の雪を体験している気分がどうにも出てきません…。もっと試されたい!

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このお天気では風景は期待できませんし、カメラにフラッシュを付けて遊び始める私…。この日もカメラは新旧E-M1の2台持ちでしたが、記事で採用している写真を見ると、超広角のものはほぼボツになっていますね(笑)

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そろそろツアーも終盤。あの小高い丘の上からは、晴れていればウトロやオホーツク海の流氷が一望できるそうですが、このお天気では… ねえ。

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ツアー前半はガイドさんの後ろで直接話を聞かせて貰っていましたが、他が外国人のツアー客ということもあって、後半は最後尾でのんびり写真を撮りながら歩いておりました。

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といった感じでそれなりに楽しんだものの、お天気と気温のダブルパンチで景色も雪質も残念だったのはやや切ない。こればかりは自然相手ですし仕方のないことですので、改めてまた別の季節に、違った角度から知床を体験してみたいものです。

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ウトロに戻ってきてからバス待ちの2時間弱…

さて、再び道の駅まで送って貰ったのですが、時間は16:30頃。12:30の集合から知床五湖にて約2時間、移動その他で前後に1時間ずつといった感じのタイムスケジュールでした。
ウトロ漁協の直販店は既に終わってしまっていましたが、とりあえず道の駅の売店でウトロ土産を買い求めます。そして道の駅も17時には閉まってしまうのです。

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ウトロ発の網走行き(女満別空港行き)バスは18:30なので、まだ1時間半の時間つぶしが必要です。軽くお酒を飲める店でもあればいいですが、周囲にそんな店は見当たりません。
北海道最強のコンビニチェーン「セイコーマート」に寄って、お土産にセコマPB商品のお菓子(職場等でのばらまき土産に最適!?)を買い求めたりとか…

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ガイドの方に教えて貰ったセコマの激安ワインコーナー。海外でB級品などを直接買い付けて、500円前後という格安の価格で販売しているそう(しかも結構美味しいらしい)。試してみたかったですが荷物になるので我慢。それにしても安い!

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その後、帰りのバスが出る「斜里バス ウトロターミナル」に行ったのですが、これがひっそりと静まりかえって、おじさんが1人雪かきをしているだけのかなり寂しい建物…。

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さすがに夜になってかなり冷え込んできたこともあり、屋内に入れるだけ有り難いのですが、暖房は消えていますし、ご覧の通りに薄暗くて寂しい。1人だったらかなり心細くなりそうな待合室でした。

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昼間だとチケット販売や観光案内的なスタッフの方もいるのかもしれませんが、特にこの季節網走方面の最終バスに乗る方は、ホテルや飲食店などでギリギリまで時間を潰しておいた方がいいかもしれませんね。網走まではあと2時間弱の道のりです…(寝てた)。