先月半ばの道東旅行シリーズのラスト。2泊3日の旅行最終日、網走での流氷クルーズ船を楽しんだ後、やってきたのは野鳥の楽園と呼ばれる「濤沸湖(トウフツ湖)」です。
バスの時間の都合もあって現地にいたのは1時間ちょっとの短い時間ですが、冒頭の写真のような白鳥の群れなど、素敵な汽水湖の冬の光景を楽しむことができました。
オホーツク海から生まれた海跡湖「トウフツ湖」
北海道・道東のオホーツク海沿岸には牡蠣で有名なサロマ湖を始めいくつもの湖が海沿いに並んでいますが、どれも元々海(湾)だったところが砂州などで海と隔たられたことで生まれた海跡湖(かいせきこ)。そんな中のひとつである濤沸湖は、今も湖の一部が海と直接繋がっている汽水域の湖です。
この川のような所(雪と氷で陸との境目が分かりにくいですが)が海と湖が繋がっている場所。向こうに見える釧網本線の線路の先は流氷が浮かぶオホーツク海です。
網走から濤沸湖までの交通
網走中心地から濤沸湖までは車(レンタカー又はタクシー)なら20分もかからない距離ですが、公共交通となると釧網本線かバスを利用することになります。どちらも数時間に1本という本数ですが、昼間ならばバスの方が比較的本数があるので、上手く時間が合えば網走から2時間程度で行って帰ってくることも可能です。
そんな濤沸湖までのバスの中から見えた釧網本線の北浜駅。数々の映画のロケにも使われた、「オホーツク海に一番近い駅」だそうです。
バスの場合、斜里国道(244号)沿いの「白鳥公園入口」で降りることになります。前日のウトロ行きのバスでこのバス停の名前が気になったこともあり、やってきたのでした。
斜里国道が走る橋の上から眺めた濤沸湖。今の季節はご覧の通り真っ白に結氷していますが、湖岸には多くの湿地帯があり、四季を通じて渡り鳥を含む多くの野鳥が見られる野鳥の楽園なのだそう。これから向かう白鳥公園は右手の湖に張り出した岬のあたりです。
「白鳥公園入口」のバス停から徒歩5分ほど、「白鳥公園」にやってきました。しかし湖畔は現在、高病原性鳥インフルエンザの防疫もあり、バリケードで立ち入りが規制されています。写真の湖に突き出た展望スペースにも入ることはできません。
どちらにしても結氷した湖畔ギリギリに立つのも色々と危ない季節ですし、バリケードの手前からノンビリと写真を撮ることにしましょう。
「濤沸湖水鳥・湿地センター」でオオワシを見た…?
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トイレを借りがてらやってきたのが白鳥公園に併設されている「濤沸湖水鳥・湿地センター」。環境省が設置し、地元の自治体によって運営されている施設だそうです。
館内は濤沸湖周辺の野鳥や動植物といった自然、文化や歴史などの情報、展示が充実していますが、あまり時間もなかったので(白鳥も見たかったですし)軽く流し見した程度。じっくり腰を据えて撮影するなら、まずは情報収集に来るといいかもしれません。
館内の望遠鏡に「オオワシにあわせてあります」のプレートが掛かっていました…
見えた!(接岸部にレンズを当てて撮ったもので、実際はもっとクッキリ見えます)
一応、自分のカメラでも直接撮ってみましたが、さすがに200mm相当のレンズでは太刀打ちできない距離です。400mm相当までデジタルズームしてもこんな感じ(笑) 職員の方はよく見つけたな… って関心してしまいます。
結局今回の旅行で見ることができたオオワシは、砕氷船の上からとこの2回きり。それでは少し白鳥公園の湖岸を歩いて白鳥の写真を撮ることにしましょうか。
白鳥公園から濤沸湖のオオハクチョウを高倍率ズームで狙ってみた
白鳥公園のすぐ目の前、オホーツク海と繋がったあたりには、何羽からの白鳥(オオハクチョウ)が羽を休めていました。遠くから見るとまるで雪の塊みたい(笑)
さらに湖の中央、遠くの方にかなりの数の白鳥が群れになっていました。200mm相当までの高倍率ズームレンズではこれが精一杯(デジタルテレコンで2倍にしているので400相当+トリミング)。やはり鳥撮りにはもう少し長い望遠レンズが欲しくなりますね。
そしてたまに上の群れの中から数羽の白鳥が、公園の前あたりに向かって飛んできます。さすがにこれだけ近くまで来てくれると短いレンズでも楽しめます。
あまり深く考えずC-AFの単写で撮っていましたが、白鳥は飛翔がゆったりしている上、E-M1 MarkIIになってからの対動体のAF性能が優秀なこともあり、この程度なら簡単に撮ることができます。今思えばちゃんと連写で撮っておけば良かったですね。
お、今度は一度にたくさん飛んできました。これはシャッターチャンスの予感です!?
斜里岳をバックに頂きました。
そんな流れで冒頭の連続コマ写真を合成したような1枚も撮れたのですが、その次のカットだとこんな感じ… ちょっとバラけてしまいました。やはり連写でベストなタイミングを押さえておくべきだったか…。
このコマの中には12羽の白鳥が写ってます!
濤沸湖を見渡せる「白鳥展望公園」に登ってみた
もう少し別の角度から写真を撮ってみようかと、「白鳥展望公園」なる小高い丘の上の登ってみることにしました。白鳥公園からは歩いて10分程度でしょうか。
既に綺麗なトレースが付いていたので、上まですぐでしたが、雪が降った直後だとラッセルの覚悟が必要ですね。ホテルに預けてきたハードシェルパンツとゲイターがあれば、もっとあちこち行けたのに… と少々公開しました(笑)
丘の上まで来たらオホーツク海〜濤沸湖が一望できました。白鳥以外の鳥(オオワシとか)撮れないものかなーと思いましたが、ほんの10分程度待っていた程度で、見つかったり飛んで来てくれるほど甘くはない(笑)
オホーツク海をズームしてみると海にははぐれ流氷がポツポツ… さらに写真を拡大してよく見ると沖には白い流氷の陸地が一筋見えています。
結局また下に降りてきて白鳥見学。灰色の子たちは幼鳥でしょうか。
また飛んできました。
お、目の前に降りるぞ!
ナイス尻もち着氷!
こんな感じで、実際に濤沸湖の付近にいたのは1時間半弱なのですが、白鳥も沢山見ることができましたし、寒くなってきたので網走市街地に戻ることにしました。
この日は前日の知床五湖よりも明らかに冷え込んでいたので、ハードシェルの下にダウンを着ていましたが、手元や足下は街着程度の防寒だったので、油断していると大夫冷えました。手元も撮影の際に便利なマムートの指出し&ミトンの手袋だけでは寒く、ホテルに預けてしまったインナーグローブも持ってきておけば良かったなと。
カメラはこの時も2台持ちしていて、広角ズームを付けていた初代E-M1も使いましたが基本は望遠ズームの12-100mmのみでほぼ事足りました。本格的な野鳥撮影にはもちろん全然短いのですが、このように比較的近い距離から白鳥のような大きな鳥を狙うならば十分。それ以上に、瞬時に自由な画角を選べる高倍率ズームの利便性はこのような旅行スナップには最適。撮れていた写真も、十分満足できる写りだと思います。
最後のオマケに網走を離れ女満別行きのバスの中から見た網走川と夕焼け。咄嗟にカメラを出したのでピントも怪しいですが、最後に素敵な光景を見ることができました。
空港までのバスの中から見た網走川や網走湖のロケーションも素敵でしたし、また機会を作って冬の道東を訪れてみたいもの。できれば今度は2泊程度でなくもっと長期滞在できるといいのですけども…。
冬の北海道旅行記事
追記:今年(2017年)の北海道旅行の記事をまとめました。
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「網走流氷観光砕氷船 おーろら」に乗って冬のオホーツク海をクルージングしてきた - I AM A DOG
冬の網走〜ウトロの2泊3日で食べた北海道の食まとめ - I AM A DOG]
オホーツク海沿岸の湖「濤沸湖」でオオハクチョウを見たり撮ったりしてきた - I AM A DOG
昨年(2016年)の北海道旅行はこちら。
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