先週末は岐阜の平湯温泉に2泊して、土曜日は新穂高ロープウェイから北アルプス西穂独標への日帰り登山、そして翌日曜日に同じ岐阜県内である高山の観光を楽しんできました(もちろん平湯温泉のお風呂とお食事も!)。
平湯温泉は昨年の秋にもマイカーで訪れているのですが、その際に温泉街から目と鼻の先に「平湯バスターミナル(アルプス街道平湯)」があるのを確認していたので、今回は高速バスを利用して訪れることにしました。
高速バスといえば、都市間の深夜バスや学生時代にスキーバスを何度か利用していますが、今回のようなレジャー利用では初めてのことです。ちなみにバス移動からの登山は、過去に秋の上高地から焼岳に登った際の片道だけ使ったことがありますが、このときは深夜出発、早朝到着の深夜バスでした。
今回、登山&観光の足として高速バスを使ってみて、メリット/デメリット色々と感じたので、その辺をまとめてみたいと思います。
- 金曜夕方から日曜までの前乗り2泊プラン
- 予約はネットから、支払いはギリギリまでOK?
- 初めての高速道路上バス停利用
- バス登山/バス旅行のメリット&デメリット
- 休憩、食事はどうする?
- 荷物は増やしすぎず、車内持ち込み分はコンパクトに
- 夜の高速バス停からの帰り道は寂しい…
- 平湯温泉&登山&高山観光の本編はこちら
金曜夕方から日曜までの前乗り2泊プラン
今回の平湯行きプランを立てるにあたり、当初は土曜、日曜の1泊2日で計画を立てました。しかし、そうすると土曜日の午前中を移動に使ってしまい、さすがに午後から登山をすることは不可能です。また、日曜の帰りのバスが16時の便(その次の最終便は満席でした)で、山から戻ってくる時間を考えるとかなりギリギリでした。
そこで、金曜夜のうちにに平湯温泉に前乗りすることで、土曜日1日を登山に充てて、天候次第で日曜日を予備日とすることに。東京を金曜の夕方に出る必要がありますが、これは同行の妻に強引に自主プレミアムフライデーを発動して貰うことで可能としました(行きのバス内でノートPCを開いて仕事してて少々申し訳なかったですが…)。
金曜日の宿泊は夕飯なし朝食のみで
今回も平湯温泉での宿泊は、前回食事が大変美味しかった「山のよろこび お宿 栄太郎」を利用したのですが、初日は到着が遅くなるため翌朝の朝食だけが付いたプランを選びました。朝イチから登山に出掛けるならば素泊まりというのもありますが、差額1000円程度であのボリュームたっぷりの美味しい朝食を食べられるのは、お得過ぎるのです(笑)
平湯のバス到着時刻は21時半の予定だったので、事前にチェックインが遅くなっても構わないかを宿に確認してから、バスと宿の予約を入れました。
これで限られた週末ながら、2泊することで現地で丸2日近く過ごすことができます。
予約はネットから、支払いはギリギリまでOK?
東京と平湯を結ぶバスは濃飛バスが運行(一部京王バスとの共同運行?)する「新宿飛騨高山線」という路線。バスタ新宿と岐阜の高山濃飛バスセンター(一部飛騨古川まで)を結ぶ路線になります。所用時間は、新宿〜平湯間が約4時間半、高山まで行くとさらにプラス1時間といったところです。
新宿飛騨高山線のネット予約は「ハイウェイバス ドットコム」のシステムを利用することになります。初回のみ会員登録が必要で、予約時に決済までしなくてよいのがユニークに感じました高速バスのハイウェイバスドットコム 全国の高速バスを簡単予約
早割プランなど、一部で決済期限が設けられているようですが、そうでなければ当日までにカードやコンビニで決済を済ませるか、バス車内での現金決済もOKなのだとか。決済後の解約や変更についても手数料が100円程度と随分緩いシステムで驚きましたけど、仮押さえ的な使われ方をしないかな?と余計な心配をしてしまいますね。
初めての高速道路上バス停利用
新宿飛騨高山線は、昨年新宿南口にオープンした大型バスターミナル「バスタ新宿」から出発する路線ですが、せっかく中央フリーウェイが走る府中市に住んでいるのだから、今回初めて高速道路上のバス停を利用してみました。
「日野バス停」とか「府中バスストップ」という名称は交通情報ではお馴染みですし、高速を運転していてバス停を目にしますが、実際に乗降で利用した経験は人生で一度もありません。
調べてみると自宅からは徒歩だとかなり(詳細はボカしますw)かかるようですが、タクシーなら大した距離ではありません。帰りにタクシーを拾えるかやや心配ですが、新宿との電車往復の手間を考えたら絶対近所のバス停の方が便利だし時間もかかりません。
高速のバス停ってこんな場所
中央自動車道の府中バス停(府中バスストップ/中央道府中)のある場所は、2015年にオープンした府中スマートICが隣接した場所。当日いきなり行って乗り場所が分からなかったら困るなと、数日前に買い物がてらマイカーで下見に行ってしまいました(笑)
ただし、タクシーに乗ったら一発で乗り口まで乗せてって貰えましたけども。
中央道の高架から階段が伸びていて、直接バス停留所まで上がって行くことができます。階段の途中にはバイオトイレがあります。水洗じゃないのが後付けっぽい。
下り車線のみですが、バス停には雨風をしのげる小さな待合室が設けられています。行きは雨が降っていたので助かりました。しばらくは先客がいましたけども
中央道を走る高速バスは、山梨、長野、岐阜方面の行き先になりますが、思ったよりも色々な便が走っているようです。近い乗車時間の行き先が違うバスがやってきた場合、「違います」とバスにジェスチャーで伝える感じ。
どうやら府中バス停は多摩川競艇の来場者が利用するらしく、ゴミとか残っててちょっと雰囲気よくない。電車では来にくいエリアから高速バスで来るのでしょうか?
いきなりの40分遅れで不安になる
さて、予定時間の15分位前から待合室にいたのですが、一向にバスがやってくる気配がありません。いくら首都高渋滞があるとはいえ、新宿起点のバスでそこまで遅れるものか? と心配にもなりましたが、なんと40分の遅延でバスがやってきました。
どうやら直前で事故渋滞があったのだとか… このように、交通状況によって高速バスは1〜2時間の遅延が発生することはザラのようです。深夜バスだと途中での時間調整なども含まれていて、大幅な遅延など経験したことがありませんでしたが、日中〜夜間移動の場合、あまりタイトな乗り換えスケジュールなどは立てない方が良さそうですね。
結局、諏訪付近で雪による速度規制などもあったため、平湯の到着は50分程遅れてしまい、途中のSA休憩にて宿に遅れる旨を連絡することとなりました。
バス登山/バス旅行のメリット&デメリット
このような感じで高速バスを使って登山(旅行)に行ってきたのですが、私の感じたメリット&デメリットをそれぞれ書き出してみると…
「メリット」
- 長距離運転しなくて楽
- 運転を気にせずにお酒が楽しめる
- 睡眠時間が増える
- 新鮮
「デメリット」
- 予定変更しずらい
- 荷物の量に制限がある
- 行ける場所が限られる
- バス停までの移動に時間がかかる
- 1人だと隣席に気を使いそう
といった感じ。どれも分かりきったことではあるのですが、気分次第であちこち立ち寄る旅行(例:北海道でのドライブ旅行など)ではマイカーやレンタカーが圧倒的に自由が効いて有利なのですが、目的地のハッキリした旅の場合(もっと言うなら平湯温泉に行くなら)、バス旅のメリットは本当に大きいなと実感しました。
長距離運転しなくて楽
なによりこれに尽きますね(笑) 20代の頃は毎週のように釣りで長距離ドライブをしていて、片道300km程度の運転はノンストップでも余裕でしたが(ちゃんと休憩を取ろう!)、正直今はそこまでの気力がありません。
しかも今の時期は雪もありますし、北アルプス方面となると高速を降りてから1時間以上のワインディングの運転が当たり前。それを考えたら、バス移動のなんと楽なことか。バスの中では音楽を聴くなり、おやつを食べるなり、もちろん眠るなり好きに過ごせます。今回、私はTwitterしてるか寝てるかのほぼどちらかでしたね。
いざ、渋滞が発生した際に、マイカーだと我慢して付き合うか、最寄りのパーキングで寝てやり過ごすかですが、バスなら到着時刻が延びるだけで、寝ていればOKです。
運転を気にせずにお酒が楽しめる
移動中だけでなく、日中に観光地で気兼ねなくお酒が飲めるのはバス移動ならでは。マイカーやレンタカー移動では、宿泊地の夕飯ぐらいしか安心してお酒が飲めません。今回も日曜の高山観光にて、蕎麦屋で美味しい日本酒の飲み比べを楽しむことができました。
また、バスでお酒を飲み過ぎるのはやや問題ありますが(トイレも近くなりますし)、まあビール1缶程度ならいいでしょう。これから帰るぞ!ってタイミングで、缶ビールを飲み始められるのは特急電車やバス移動ならではの幸せタイム。
睡眠・休息時間が増える
これは最初と重なりますが、移動中は仕事でもなければ寝て過ごすのが一番。明るい時間なら車窓を楽しむのもいいですが、揺れる車内でスマホや読書を長時間続けるのはストレスですし、深夜バスのような快適シートでなくとも、1〜2時間程度の短い睡眠を取る分には問題ない環境です。
登山はなるべく体調のいい状態で臨みたいですし、疲れて下山してからの運転(案外シートに座ってると楽ですが)をスルーして横になれるのは色々と安心です。
新鮮
…ってふざけてる訳じゃありません。マイカーは自宅の延長なぐらいの居心地の良さがあるので、いざ旅に出掛けてもなかなか気持ちが旅モードに切り替わりません。別に登山に旅情は必要ないのですが、今回は半分は温泉旅行も兼ねているので、旅気分に浸れるにこしたことはありません。その点、途中バス停からの高速バスは何から何まで新鮮で、家の近所でタクシーを乗った時点で妙にテンションが高かった(笑)
続いてバス旅のデメリットについても。まあ、お察しの通り通りマイカーの利便性を捨ててしまう点が大半ですね。
予定変更しずらい
これはバスに限ったことではありませんが、登山のような自然を相手にしたアクティビティは、天候次第なことが多いです。特に雪山は天候でガラリと状況が変わるだけに、バスや宿を押さえた前提で登山プランを立ててしまうと、ついどこかで無理をしてしまうのでは?と心配にもなりました。
マイカー旅なら当日の体調や天候で中止を決めるのも簡単ですし、高速道路の途中で引き返す判断もできます。今回も天候が悪ければ、飛騨・高山観光でも…とプランBを考えていましたが、結局ややプランAを強行してしまった感もあるだけに、これは反省点。観光旅行のみなら少々天候が変わろうと、大きく予定は狂わないのですが…。
荷物の量に制限がある
マイカーだと好きなだけ荷物を詰めるので、使うか分からない荷物も取り敢えず持って行けます。登山靴以外に運転が楽なスニーカーやサンダルだってありますし、カメラだって一眼2台携行が最近は当たり前(笑)
しかしバス移動となると、まず雪山装備は命に関わるので一切削る訳にはいかないので、普段着は全て諦めて登山着のまま観光をすることにします。カメラも1台に絞り、靴も迷ったのですが、山以外では登山靴の紐をユルユルにして押し通すことにしました(笑)
登山だけならザックは1つなのですが、今回は宿の宿泊や観光の予定もあったので、2個のザックに荷物を分けて、体の前後に背負って移動しました。全ての荷物を持っての移動があまり発生しない旅行だったからこそですけども。
行ける場所が限られる
今回は平湯温泉という目的地ありきでの計画でしたが、長距離バスが走ってないエリアには当然行くことができません。複数の公共交通を乗り継いで行くのも色々と骨が折れますし(それが普通ですけども)、それならば「登山だけ」「観光だけ」に目的を絞るべきですね。
バス停までの移動に時間がかかる
自宅の最寄りからバスタ新宿まで、或いはバス停まで、住んでいる場所次第ですが、拠点までの移動が発生してしまうのは公共交通なら仕方のないこと。
一人旅だと隣席に気を使いそう?
我々は2人での移動だったので、座席でのストレスはありませんでしたが、一人旅の場合は中距離移動のバスはたいてい2席セットの4列シートなので、お隣さんがいると荷物の上げ下ろしや、軽食をつまむ際にも少々気を使いそう(又は、隣が気を使わない人だとそれはそれでストレス)。
帰りのバスでは席が前後に離れてしまった2人組の女性客が、隣の乗客に交渉して席を替わって貰ってる姿も見ました。予約は多少余裕を持っておいた方が良さそうですね。
休憩、食事はどうする?
新宿飛騨高山線は高速で2回、さらに平湯で1回の休憩があります。それぞれ10分程度、食事をするには厳しいですが、トイレを済ませたり、軽食を買ったり、体を伸ばす程度なら充分な時間です。
ちなみに高速のSAでは(当然ですが)アルコール類は売っていません。行きはコンビニで買っておけば良かったと後悔(笑)(平湯バスターミナルでは、お土産の他軽食や缶ビール等も買うことができます)。
食事はなかなかバス移動中に取ることはできませんが、行きはおやつをつまみながら平湯温泉に到着してから、事前に調べておいた遅くまで営業しているラーメン居酒屋に駆け込みました。
帰りのバスは16時乗車〜20時過ぎの東京到着予定だったので、帰宅してからでもいいかと思ったのですが、途中休憩の諏訪湖SAにて「峠の釜めし」のおぎのやが出店してるのを見つけたので迷わずゲット。
周囲に気を使うような匂いの強いものでないですし、いいものに出会えました。「峠の釜めし」が買えるのは横川周辺だけかと思いましたが、諏訪や長野にも店舗があったのですね(恐らく、諏訪店から持ってきているのかと)。大好物という訳ではないのですが、たまに食べたくなるんですよね、この釜めし。
荷物は増やしすぎず、車内持ち込み分はコンパクトに
30L以下の小さなリュック程度ならば網棚に上げることができますが、大きな登山ザックやスーツケースはバスのトランクに入れて貰うことになります。登山だけが目的だとザック以外の荷物を持たなかったりしますが、お財布やスマホなど最低限の身の回りの荷物を車内に持ち込むため、小さな鞄やサコッシュ等用意しておくといいでしょう。
その他、車内で快適に過ごすための様々なグッズもあると思いますが(枕やS字フックなど)、深夜の長距離バスでもありませんし、4時間程度のために余計な荷物は増やさない方が良いという判断。
今回利用した京王バス(帰りは濃飛バス)はシート横にコンセントが用意されていましたが、スマホの充電セットやモバイルバッテリー等は併せて持ち込んでおくといいでしょう。
夜の高速バス停からの帰り道は寂しい…
平湯から帰りのバス、途中いつもの相模湖付近で8km程度の渋滞に巻き込まれましたが、予定時刻プラス30分程度で無事、府中バス停に到着しました。
分かっちゃいましたがバス停を降りるとこの寂しい風景… 橋脚にはタクシー会社の電話番号が貼られていて、どう考えても流しのタクシーはつかまりそうにありません(笑)
じっとしていてもらちが明かないのでタクシーが拾えそうな大通りを目指し、登山ザックにお土産の詰まったバッグを持って移動することになったのですが、その後の我々がどうなったか…?についてはご想像にお任せします。