先日、ソニーのノイズキャンセリングイヤホンについての記事を書きましたが、その際に存在を知ったキングジムの「デジタル耳せん」を買ってみました。
ノイズキャンセリング(NC)ヘッドフォンから音楽を聴く性能を省いて、NC機能だけを独立させたような「非常にキングジムらしい」ニッチ製品。製品自体は2014年ぐらいからあるようなので、もしかしたらどこかで目にしていたかもしれませんが、私が普段殆ど耳栓を必要としないので気にしたことがありませんでした。
といっても使うのは私でなく妻。私が先の記事を書いている中で、この製品の存在を教えてあげたら「欲しい!」とのことだったので買ってみたのです。そして当然ブログのネタにさせて貰うのです(笑)
KING JIM「デジタル耳せん MM1000」
ということで「デジタル耳せん MM1000」の一式です。イヤホン一体型のデジタル耳せん本体、八つ折になった取扱説明書、布製ポーチに、交換用のイヤーピースのセット。それにしても型番のMM1000(みみせん)はダジャレですか…。
本体の周りの溝にグルグルと巻き付けるようにイヤホンのコードが収納されています。長さは長くもなく短くもない85cm。イヤホンの形状はいつの頃からか増えてきた、耳の穴の入口でストッパーが引っかかるタイプのカナル型(この表現で伝わります?)。
本体とイヤホンは一体になっていて取り外すことはできません。断線したらアウト。
イヤホンは緑のシリコンゴムパーツをスライドさせることで、バラバラにならないよう固定できます。さらに収納時はこの緑のパーツを本体の溝に差し込むことでイヤホンを固定できまるようになっています。ナイスアイデア。
イヤーピースはL/M/SにさらにSSサイズが付いた4サイズ。私は標準のMサイズが丁度良かったですが、耳穴の小さい妻はSSサイズが合うそうです。子供などが使うことも考慮されているのでしょうかね。
イヤーピースはかなりガッチリとハマって、通常のカナル型イヤホンなどよりも外れにくくなっています。頻繁にイヤーピースのサイズ交換をするような使い方には向いてないかもしれません。また、イヤホンのハウジング側の直径が通常のカナル型イヤホンより太いため、汎用のイヤーピースが付くかは微妙。妻愛用の3段きのこ(ER)は付かなかったそうです。
裏側には電池ケースの蓋があり、単四電池1本を入れるようになっています。動作時間はアルカリ乾電池で約100時間、エネループを使用した場合で約60時間とのこと。この動作時間の長さは、NCイヤホンでなくあえてデジタル耳せんを選ぶ理由になりそうです。
あと、少し分かりにくいですが裏側の角(上写真の右上)にストラップホールが付いています。女性の場合、男性に比べてあまりポケットのある服を着ないと思うので、外出時にはバッグに入れるか、やはりバッグ等にストラップで吊す携行になるのでしょうか。
デジタル耳せんを使ってみる、その効果は?
使い方はとても簡単でイヤホンを耳に入れて、本体の電源をオンにするだけ。オレンジ色のLEDが点灯していればNCが効いた状態。電池残量が減ってくると点滅になるそうです。
ノイズキャンセリングの仕組みはごく一般的なもので、イヤホンのマイクで環境音のうち300Hz以下の周波数を集音し、逆位相の音を鳴らすことでノイズを打ち消すというもの。人の声や電車のアナウンスなどはもっと高周波の音になるので、ノイズといっしょに消されることなる聞こえるという仕組みです。
試しに屋内で食洗機が作動している状況で、さらに空気清浄機を「ターボ」にし、そこそこ大きい環境ノイズを鳴らして、ノイズキャンセリングON/OFFで確認してみました。うん、完璧な無音になる訳ではありませんが、しっかりとNCの効果を感じることができます。「ザー!」「ゴー!」と大きな音で鳴っていた環境音が「サー」という静かな音へ。
イヤーピースの耳への収まり具合がかなりNCの効き具合に作用するので、4種類のサイズから最もしっくりくるのサイズを選ぶとよいでしょう。ちなみに私は妻が丁度いいSSサイズを使った場合、殆どNC効果を感じられません。
ちなみにNCイヤホンであるSONY MDR-EX31BNとも比較してみましたが、NCの効き方は同系統のものですが効果はMDR-EX31BNの方が高く感じられました。これには妻も同意見。これはまあ、製品の価格差を考えたら仕方が無いことでしょうかね。
となると、MDR-EX31BN同様に電車や道路の走行音、飛行機のエンジンや風切り音などにはそれなりの効果を発揮してくれそうです。人の声には効果がないとは言われてますが、人の多い場所での“ざわめき”のようなノイズには多少なり効果があるかもしれません。
ちなみにデジタル耳せんを妻に勧めてみたのは、彼女が寝る際によくイヤホンをしていることや(後で聞いたら単純に音楽聴いてることも多いみたいw)、普段から大きな音が苦手と話していたからです。
2人でよくライブにも行きますし、昔は吹奏楽やバンドをやっていたぐらいなので、大音量がダメとか聴覚過敏という程ではないのかもしれませんが、大きな声やざわついた騒がしい場所も苦手らしく、私が意識的にノイズをシャットアウト(多少の騒がしさなら意識しないレベルにできる程度です)できるような状況でも、よくしんどそうにしていました。まあ、デジタル耳せんで人の声は消せないので、どの程度の効果があるかは微妙ですけども。
そんな妻ですが、早速このデジタル耳せんを使ってみてなかなかお気に召した模様。通勤時にはイヤホンで音楽を聴いているので、それほど外では使わないのかな?とも思ったのですが、音楽を聴かずに電車に乗っていたいこともあるらしく、常に携帯することにしたそうです(うっかり電源を切り忘れても、電池持ちが長いので助かるともw)。彼女は飛行機での出張も定期的にありますし、結構役立ってくれるのではないでしょうか。
追記:デジタル耳せんの進化版「MM2000」(ダジャレになってない……)が発売されています。