先月、9月9日より今月の10月22日まで府中市美術館で開催中の「フィンランド・デザイン展」を見てきました。フィンランド独立100周年として開催されている美術展で、この後は宮城県美術館に会場を移して行われるものだそうです。
フィンランドのデザインといえば、アラビアやイッタラの食器、マリメッコのケシの花柄、やや懐かしいノキアの携帯電話など私たちの日常にもすっかりお馴染となったもの(うちにある訳ではない)、そしてトーベ・ヤンソンのムーミンは世界的に愛されているキャラクターとして定着していますね。
(会場には「それから どうなるの?」の各国版の展示がありましたが、講談社版のアレさが際だっていましたね…)ただ、私個人に限って言えば、北欧の国々をふんわりとイメージで捉えてることもあって、ノルウェーと国境を接するスウェーデンやノルウェーとの違いなどもよく理解できていません(アルネ・ヤコブセンはデンマーク人ですね、位か)。
ちなみに私が三国の名前を聞いて思い浮かべるのは…
- ノルウェー:鯖とセリア
- スウェーデン:ABUとABBA
- フィンランド:ラパラとターヤ・トゥルネン
実際、展示を見て初めてフィンランドがかつてスウェーデンやロシアの支配下にあったこと、1917年に独立を果たしたことなどを知ることとなったのですが、そんな独立以前からのスウェーデンのデザイン史を地元の府中で見ることができたのは、楽しい体験でした。
http://finnish-design2017.exhn.jp/
1章 フィンランド独立以前の装飾芸術
独立以前に作られた伝統工芸品と、1900年のパリ万国博覧会フィンランド館2章 フィンランド・デザインの“礎”
フィンランド・デザインの礎を築いた巨匠たち
- マイヤ・イソラ(Marimekko)
- アルヴァ・アアルト(Artek)
- カイ・フランク(iittala)
3章 フィンランド・デザインの“完成”
フィンランド・デザインの黄金期を支えたデザイナー
- ティモ・サルパネヴァ
- タピオ・ウィルカラ
- イルマリ・タピオヴァーラなど
4章 フィンランド・デザインの“異才たち”
時代にとらわれず独自性を貫いた異才たち
- トーベ・ヤンソン
- ヴォッコ・エスコリン−ヌルメスニエミ
- エーロ・アールニオ
- エーリク・ブルーン
5章 フィンランド・デザインの“飛躍”
企業と密接に関わりながら飛躍し続けるデザイナー
- 石本藤雄
- オイバ・トイッカ
- ヘイッキ・オルボラ
- トーベ・スロッテ
6章 フィンランド・デザインの“いま””
フィンランド・デザインの“いま”として現在活躍する二人のデザイナー
- ハッリ・コスキネン
- ヘイニ・リータフフタ
会場で売っていた図録もかなり気合いの入ったもので、地方(?)の美術展でこれだけの図録が作られていたのには少々驚きました。
ところで、以前から気になっていたのですが、イッタラの「i」シールって剥がさずに使うものなのでしょうか? 展示もシールのあるもの、ないものとあって「うむむむ?」となってしまいました。