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雪の浅間山・前掛山登山:噴煙を上げるガトーショコラを登った成人の日

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昨年、11月の終わりに登った浅間山(前掛山)、雪が積もったらまた来たいと思ってましたが、年が明けた2019年の成人の日、1月14日に無事訪れることができました。

雪化粧した浅間山(前掛山)をひと月ぶりに訪れる

昨年の11月25日に外輪山から前掛山にかけての登山を楽しんだ浅間山。とても楽しい山行だったので、雪が降ったらまた訪れたいと思っていたのですが、1月三連休の最終日にようやく行くことができました。

昨年12月に谷川岳に登った際、浅間山が真っ白に雪化粧している姿を見て「これは行かねば!」と思ってたのですよね……。その後はあまり大きな降雪がなかったようで、ガトーショコラを思わせる(?)見慣れた冬の浅間山に登ることとなりました。

目指すのは2018年8月に噴火警戒レベルが引き下げられ、現在も入山規制が解除されている第二外輪山の前掛山(2524m)です。

「火山館ルート」天狗温泉 浅間山荘からの前掛山ピストン

この日のルートは昨年歩いた車坂峠からでなく、車坂峠に向かう途中で分岐した「天狗温泉 浅間山荘」からスタートする通称「火山館ルート」。
スタート地点の標高は標高1410mとやや低くなりますが、車坂峠ルートのようなアップダウンはなく、真っ直ぐに前掛山を目指すルートになります。

雪の外輪山周遊ルートにも興味があったのですが、中途半端な積雪でのJバンドや草すべりを歩くのも少々不安でしたし、連休最終日の日帰りということもあり今回はコースタイムも短くて済む前掛山メインの火山館ルートにて計画を立てました。

天狗温泉 浅間山荘より

天狗温泉 浅間山荘への車でのアクセスは、ラスト4kmが未舗装の林道になります。といってもかなり綺麗に整備されてる林道なので、雪がなければ殆どの車は大丈夫でしょう。ちなみに道中の道に雪は全くありませんでしたし、天狗温泉 浅間山荘の周辺もこの程度。

天狗温泉 浅間山荘は温泉旅館の浅間山荘とその周りにテン泊可能なキャンプ場(コテージやロッジもある)が併設された施設。駐車場はこちらの施設を使わせて貰うことになります(500円/1日)。ちなみに浅間山荘はあの「あさま山荘」とは全く別の施設です。

日の出前に到着すると、駐車場の目の前には雲海が広がっていました。方角的には南側だと思いますが、あの山は北八ヶ岳あたりでしょうかね?(一番右が蓼科山っぽいかな)

そんな雲海を撮ったカメラに付けていたレンズは高倍率ズームのM.12-100mmPROだったのですが、ふとザックを見ると…… 久々にキャプチャーを付け忘れてしまいました! 先日、木曽駒ヶ岳を登った後に外してしまったのが我ながら謎過ぎる行動です。


まあ元々、この日は「カメラ1台でもいいかな」と思っていた位なので、望遠側はコンデジのTG-5に任せることにして、M.7-14mmPROを付けたE-M1MarkIIのみを持って出発です。携行は当初パーゴワークス フォーカスを使っていましたが、途中から直接斜めがけにしたらそっちの方が快適だったような……?(岩稜のない山なら普段から斜めがけでもいいのでは?と思ってしまった)

歩き始めると何やらフゴフゴ……と荒い動物の鳴き声と共に登場したのがこの豚くん。ミニブタらしいのですが、結構成長著しく小型の猪くらいあります。放し飼いされているのか、朝のお散歩時間なのか……?


まずは火山館まで樹林帯の登り道

スタートはこちらの鳥居から。ここが「浅間山 六合目」だそうです。

鳥居を潜ってすぐに登山届けのポストがあります。例によってコンパスで提出済みですが、雪山登山ですし、くれぐれも登山届けは忘れずに(もちろん夏も出さなきゃですよ)。

雪はあったりなかったりで、昼のうちに溶けては夜に凍結している感じ。

火山の山で温泉もあって、沢の色もこんな感じで赤茶色です。

少し登って行くと徐々に雪が増えてきました。一ノ鳥居で登山道が2本に分かれますが、ここは右手の不動滝側へと進みました。

こちらが不動滝。氷瀑化していますがなんだか茶色くてきたな…… いえいえ、恐らく温泉成分などの関係でこのような色になっているのでしょう?

そしてこの不動滝辺りの凍結がかなり強烈なので(滝を撮ろうとしてコケました)、チェーンスパイクを履きました。この先の火山館までは所々土のエリアもありますし、ギリノーアイゼンでも行けますが、軽アイゼンがあるにこしたことはないでしょう。

この辺の凍結はかなりやばめ。うっかり滑ると谷側に落ちる可能性もあるので、無理せずスパイクを使った方が安全です。

二ノ鳥居は昨年老朽化により崩壊してしまったようです。修復のための募金は先ほどの登山届けポストの場所にありました。帰りに気持ち程度入れておきました。

進行方向が開けた場所が「カモシカ平」。右手に「牙山(ぎっぱやま)」、左手に見えている崖が「トーミの頭」(とかその周辺)でしょうか。

浅間山の特徴的な頭も見えてきました。かなり雪が少ない!?

牙山を振り返って…… 確かに「牙」ですね。

この辺りから硫黄臭がかなりキツくなってきますし、沢の色もこんな感じ。

2時間弱で火山館に到着。昨年11月もここまでトイレを借りに来たのでした。この時期もトイレは開放されていて、行き帰り共に利用させて貰いました。トイレのある雪山は安心して水分補給ができるのでとても有り難いですね。

そしてここでチェーンスパイクから12本爪のアイゼンに履き替え。結果的にはこの日の雪の状況ならば頂上までチェーンのみで行けた感じですが、積雪状況は刻一刻と変化するものですし冬期に降雪地域の2000m以上に登るのですからアイゼンの携行は絶対です。

火山館からしばらくは湯ノ平〜賽ノ河原と平坦な樹林帯歩きです。平和だなー。

ウサギの足跡があちこちに残されていました。

トーミの頭へ続く壁のような草すべり。この時期は雪の斜面なので草すべりならぬ「雪すべり」か…… って滑ったら大変なことになりますけども。

Jバンド方面への分岐を通り過ぎたら、もう少しで樹林帯は終わりです。


樹林帯を抜けると浅間山が目の前に!

いよいよプリン改めガトーショコラな浅間山の山頂部分に突入します。

夏道と変わらない急登という程でもない1時間ちょっとの登山道。斜面に対してトラバース気味に高度を上げていきます。

雪はしまっていてとても歩きやすく、太陽でキラキラ光る雪面が美しい……。

Jバンドにも雪が積もっています。ここから見る限り雪岩ミックスにはなっていますが、上り下りは特に問題なさそうでしょうか。雪が増えたらどうなるかは分かりませんけども。

振り返るとカッコいい外輪山、そうこれが見たかったのです。

途中で太陽が山の影に…… 少し寒くなります。

同じような写真が量産される一本道ですが、高度が上がると外輪山の向こうに北アルプスが見えてきます…… 足下の状況も変化しているのに注目。



開けた北側の展望(ざっくり)。遠くの山にはちょっと雲が掛かっています。

前掛山の稜線というか第二外輪山の縁に出たところで右手側に折り返します。

浅間山の山頂は火口のある最高峰(標高2568m)地点は立入禁止になっていて、前掛山は火口のすぐ外側にある第二外輪山の山頂になります。
正面が浅間山の火口方面(立入禁止のロープが貼られているのが見えます)。立ち上っているのは雲でなく噴煙です。

避難小屋(シェルター)を通り過ぎて……

この格好いい縁の部分に沿って進みます。左奥に見えているのが前掛山の山頂。

このように何もない吹きっさらしの稜線、雪の状態を見ても普段はかなりの強風が吹いているのが分かりますが(先週あたりは避難小屋から先に進めないレベルだったこともあるみたい)、この日は嘘みたいに風がありません。

もちろんゼロではないのですが、常に10m以上の風が吹いてることが当たり前のような冬山の稜線としては無風といっていい位です。11月に来たときは雪がなくてもめちゃくちゃ寒かったのに……。

外輪山好き過ぎて何でも撮ってしまう。

TG-5の望遠側も使ってみました。精細感はありませんがブログ掲載ならなんとか……。

この稜線が良すぎて山頂に到着してしまうのが惜しい位。


風のない前掛山山頂にて

ということで、一ヶ月ぶりの浅間山・前掛山の山頂(2524m)に到着しました。この辺りは風の影響か結構雪が飛ばされていますね。

火口もほぼ同じ目の高さに見えています(実際は向こうの方が40m位高い)。

中央から左側は噴煙、右側は雲です。

立入禁止になっている火口方面をTG-5でズーム。登山道らしき道筋が見えていますが、調査などで今も使われているのでしょうか? さすがに噴煙が近すぎますね。

こちらもTG-5にて。まるでナイフリッジを歩いているように見えますが……

実際はこんなです。雪が下方向から吹き飛ばされて、縁の部分に深く雪が残ってる感じ。

山頂から見る外輪山。次は向こうも歩こう!

ということで11月よりも快適な位だった山頂を堪能して、避難シェルターまで戻ってきました。熱いお湯を飲んだり簡単な食事でエネルギー補給。

このお天気、まだまだ登って行く人は次々にやってきます。チェーンスパイクや軽アイゼンの人もそこそこいますが、中にはノーアイゼンな人もいて、さすがにそれは危険なのでは(訓練とかでなければ)…… と思ってしまいました。


下山してビーグル2頭と戯れる

それでは下りますー。

少し下ったところでコースを外れると、そこそこ雪は深かったりします。

せっかくなので、ちょっと草すべり方面にお散歩。ほんの少しだけ登り返して、ガトーショコラを一望してみました。もう少し頑張るとさらに絶景が待っているはずですが、恐らくあと10分以上は登る必要がありそうだったので、この辺にしておきましょう(笑)

この次に展望が良さそうなのは、この最後の樹林帯を抜けきらないとダメっぽいでしょ? それにしてもこの時期ここを上まで登り返すのはかなり大変そうですね。

ところで浅間山の右上あたりに月が見えてるの分かりますかね? TG-5で目一杯ズームしてみましたがやっぱり厳しいか。

こちらもTG-5でトーミの頭。次回はキャプチャーを忘れないようにします。

火山館にてアイゼンをチェーンスパイクに付け替えてサクサクと下山。チェーンスパイクを外す場所は行きのタイミングで見つけておくと、ドロドロのチェーンの処理に困らずに済みますね。どちらもお世話になりました。

結局年中使っているパーゴワークスのBUDDY 33。正面の大きなポケットが便利でアイゼンやらゲイターやら何でも突っ込めます(ワカンも入る)。冬期日帰り用のザックも欲しいなと思うのですが、良いのが見つかるまではひとまずこれで行きましょう。

どうもパーゴワークスは相性がいい気がするので、やっぱりカーゴ40を買ってしまうべきだろうか? アックスホルダーがないのが気になってるけど、何でも挟んでパッキングできそうですし大丈夫かな……?

ということで、シーズン中に同じ山を2度登るのは珍しいのですが、冬の初めとは全く姿が変わっていて今回もいい山行となりました。もう少し雪が降ってくれたら、今度は黒斑山や蛇骨岳など外輪山の周遊にも訪れたいのですが、さてどうなることでしょう?

そうそう、天狗温泉 浅間山荘にはミニブタの他にビーグルも2頭いて車の前で日向ぼっこしてました。とっても人懐っこい子たち(多分結構お年寄り)。

いやはやどうも、 I AM A DOGというものです(挨拶)。

荷物を片付けていたら仲良く寝てました(笑)

下山してくる登山者と犬たち、平和な世界。

ようやく使えるようになったM.12-100mmの望遠が火を噴く!


天狗温泉〜大浅間爆裂ハンバーグ

さて、天狗温泉 浅間山荘に寄って駐車料金を支払いがてら日帰り入浴していくことにします。入浴料金は800円ですが、駐車料金から300円の割引がありました。1人だと1000円で分かりやすい感じですね。

温泉は沢で見た赤茶色のお湯。空いていたのでのんびりできました。

入浴後は冷たい牛乳と妻はホットミルク。

軽食メニューも意外と充実しています。

しかし、登山後の我々はすっかりハラペコで、「肉食べたい腹」になってしまっているので、やってきたのはまたしても「車留夢」。

浅間山に登ったらやっぱり「大浅間爆裂ハンバーグ」を食べなくてはいけないのです。

真っ赤な熔岩が……(前回よりもレアだった)。


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