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台風一過:台風19号通過翌日の多摩川左岸、府中市郷土の森〜是政橋

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2019年10月12日(土)から13日(日)の未明にかけて日本列島を襲った台風19号(ハギビス)。強い勢力のまま12日の夜には予想進路通りに首都圏を直撃し、各地に大きな被害をもたらしました。

元々、12日は都内で行われるライブイベントに出演予定でしたが、相次ぐ鉄道の計画運休や台風関連の報道を受けて、前日の時点でイベントの順延が決定……。
神奈川県と東京で暮らして40数年、ここまで首都圏が厳戒態勢となったのは私にとっても初めての経験ですし、12日は朝からネットとNHKの防災情報に釘付け状態で、多摩川各所のライブカメラを幾度となく切り替え、リロードしながら過ごした1日になりました。

私の住む府中市は南部で多摩川に面していることもあり、14時半過ぎに中央高速よりも南側の地区に避難準備警報、その後17時を過ぎてかなりの暴風雨となっているタイミングになって、より広いエリア(分倍河原〜府中本町周辺まで)に避難勧告が出ていました。自然相手なので仕方ないとはいえ、この時間になっての避難勧告に迷った人は多かったことでしょう。

結局、市内での越水等は起こりませんでしたが、近隣の地域では多摩川の支流が絡んだ越水、冠水被害も発生し(近い所だと川崎市多摩区の三沢川など)Twitterに流れてくる情報を見ながら不安な時間を過ごすこととなりました。
一方でTwitterでは台風接近に伴う気圧変化を投稿したり(TLに登山クラスタが多いので、気圧計内臓の時計の写真が溢れていた)、台風の目に入ったと思われる静かな瞬間を実況したりと、同じ嵐の夜を都内で過ごす物同士の不思議な連帯感のような空気に随分と勇気づけられた気がします。

明けて13日日曜日は前夜の嵐が嘘のような、台風一過の晴天となりました。起きがけに出たベランダから富士山がよく見えていましたが、テレビをつけると首都圏以上に甚大な被害を受けている各地の情報も飛び込んできて、再び現実に引き戻されます……。

本当はもっと早い時間に出掛けようと思ったのですが、前日にずっと気を張っていた疲れのせいか数度の二度寝をしてしまい、遅い朝食を取ってから昼前になって多摩川の様子を見に行ってきました。

広大な多摩川流域のほんの一部の区間ではありますが、多摩川左岸を中心に府中郷土の森から是政橋にかけての、台風翌日の様子を写真で記録しておきます。

郷土の森バーベキュー場あたりは一面冠水していたようですが、既に水はその先の護岸まで引いていました。通常水位よりは増水気味ですが、夜から朝にかけてかなり水位は下がったようです。

気になる増水ピークの位置ですが、一昨年の台風21号後の増水に比べると泥やゴミの跡が少なく少し分かりにくい……。恐らく芝の色が少し変化している(上の多摩川サイクリングロードから2m弱ぐらいの高さ?)所だと思うのですが……。


そんな多摩サイは台風一過のお天気もあってか、サイクリング、ジョギング、そして散歩をする人達で賑わっていました。このスロープのあたりは比較的分かりやすいゴミの跡がありました。最大増水時の水位は恐らく2年前を越えていたと思われます。

スロープ下部にはおびただしいゴミが引っかかっています。

大量のゴミが引っかかって、まるでマングローブの根っこのようになってしまった木々。


長時間水流に晒されたせいか、綺麗に洗われてしまった流木。

大丸用水堰下はまだ濁流の下です。

この辺り、河川敷の土がごっそり持っていかれて、下の石積みが見えてしまっています。

一方で砂が面白い形で集められて堆積したような場所も。

この水路も昨夜は完全に水の下だったはず。水路の縁に立てられた柵も全て抜けてしまっています……。

水門周りのフェンスが倒れているのも恐らく……。

改めて気付いたのですが、府中市郷土の森 第一野球場と郷土の森庭球場(テニスコート)を挟むように堤防が二重になっているのですね。左手側が川で正面が上流方向。堤防が左手に大きくカーブしていますが、正面の野球場の右手側も道路から一段高い堤防になっています(。所々に切れ目はありますが)

地図で見るとこのあたり(大丸用水堰下)で川幅が大きく変化しているのですが、この第一野球場とその先にある府中市郷土の森の敷地を、越水時の遊水地的に機能させる設計だったりするのかも?

朝に家から見えていた富士山は雲の中に……。

このゴミが増水の跡だとするとやはり多摩サイは水没していたようですね。


郷土の森サッカー場。ゴミ(漂流物)がすごい。




富士山!


基礎から根こそぎ倒されてしまっているのは、郷土の森第二野球場のバックネット。ネット自体は折りたたみ式で倒せるようになっていますが、それでも水の勢いで倒れてしまったようです。


マウンドもゴッソリと持って行かれてしまいました。

マウンド内の砂利が下流側に流されています。

グラウンドも大きく削り取られてしまいました。



野球場横のちょっとした歩道も途中で寸断されていました。



武蔵野貨物線と南武線の橋が並んだ場所から数10メートル上流にあった野球場のグラウンド。増水した川の橋の手前で、どのような水流と力が発生したのでしょう……?


今回の台風全体の被害規模を考えると、球場の修復に手が付けられるのはいつになるのでしょう。





こうして見ると、住宅地の直前まで増水していたことが分かりますが、場所によってゴミ跡の高さ(堤防頂上からの距離)が異なっていることが分かり(川幅が狭い場所はもっとマージンがある)、この辺りは川幅がかなり広くなっている場所ということで堤防の高さも綿密な計算で作られているのだと感じます。

水たまりにドジョウが残されていました。

しかし川までは絶望的な距離……。

この手の水たまりに残された小魚を捕ってる子ども達もいて、タイドプール(潮溜まり)遊びのようでした!?

是政橋方面へ向かいます。

この辺りも全て水の中でした。


大きなマンションが並ぶ目の前の堤防も、頂上まであと少しの所まで水が来ていたように見えます。

是政地区一般野球場もすぐには使えませんね。


スロープの段差に泥が溜まっていました。地形に変化のある所には、かならず堆積物の痕跡ができて面白い、なんて言ったら不謹慎かもしれませんが、とても気になるポイントです。

スロープのアスファルトが剥がされてしまってます。水の力って凄い……。


スロープの途中まで水が来ていた痕跡。

是政橋から上流を眺めました。昨日はここが一面水だったのですよね……。

南武線鉄橋の橋脚に引っかかったゴミ、いつ誰が撤去することになるのだろう?

奥多摩の山が良く見えていました。

是政橋を渡って多摩市側に来てみました。右岸の護岸ブロックが剥がされてます?

右岸もかなりギリギリまで水位が上がっていた痕跡。是政橋あたりは川の流れが右岸ギリギリを流れているので、水位上昇の影響も大きそうな場所。


是政橋から下流、稲城市の河川敷グラウンドもかなりの被害がありそう。集まっているのは少年野球チームかな。

台風による被害としては、全国各地の堤防決壊や冠水、浸水、土石流に比べたら遙かに被害の少なかった私の住む街ですが、それでも少し歩いてみただけでも、とてもすぐには手が付けられない多くの爪痕を確認することができました。

今回の台風により普段遊びに行ったり出掛けたり、かつてお世話になった多くの地域が被害に合っています。できることは少ないですが、何かの力になれたらと考えていますし、同時に自分たちの地域の、そして自分自身の防災についてに今一度考えてみる必要を感じます。


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