面白いレンズを使ってみたので紹介します。中国Pergear(パーギア)社のマイクロフォーサーズ用単焦点レンズ「Pergear 25mm F1.8」です。今回の記事はメーカーより製品を提供していただいての紹介、ファーストインプレッションとなります。
- PERGEAR(パーギア)25mm F1.8(マイクロフォーサーズ用)
- 激安レンズには見えないルックスの良さ!?
- レンズ作例:思った以上によく写る!?
- Pergear製レンズはラインナップも豊富:クーポンコードあります!
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PERGEAR(パーギア)25mm F1.8(マイクロフォーサーズ用)
Pergear(パーギア)は中国深センの映像機器メーカー。Pergearブランドの他、7artisansやGodoxといった日本でも知られるカメラ系ブランドの正規代理店でもあるようです。
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Pergear Lens
今回手にしたレンズは25mm F1.8というスペックのマニュアルフォーカスレンズ。APS-Cセンサーまでのイメージサークルに対応し、マイクロフォーサーズ版の他、フジフイルムXマウント、ソニーEマウント版も販売されています。驚きなのはその価格で、本レポートの執筆時点で7,499円(参考価格:Amazon)とまさかのアンダー1万円…… から2500円も安い!
今回メーカーよりPergear製の好きなレンズを試して良いとオファーを貰ったので、Eマウント用も少し迷ったのですが(フルサイズ用があれば使ってみたかった……)、やはりマイクロフォーサーズで標準画角となる25mm F1.8がこのブログ的にも紹介する価値がありそうかと選んでみました。
マイクロフォーサーズの25mm単焦点はこれまオリンパス、パナソニック、コシナ(フォクトレンダー)と都合4本所有していて使い慣れていることもあって、比較的判断もしやすいかなとも。
元箱はメーカー名のない(Mirrorlessとだけ)もので、フロントキャップ、リアキャップの他、レンズ用ポーチが付属していました。取説、保証書などはありませんでした。
色はブラックとシルバーがあり、今回はブラックを使っています。APS-Cまで対応しているレンズにしては驚くほどコンパクトで重量は実測で165gとそこそこに軽量(マイクロフォーサーズ用だとより軽量なAF単焦点レンズがあるので……)。本体全体が金属製なこともあって見た目の割にはずっしりとした塊感があって、とても7500円の激安レンズと思えない質感があります。
マウント部はちゃんと金属製。私が手にした個体はバリやネジの緩み、浮きなども見られず、ボディへの着脱もスムーズでした(E-M1 MarkIIとGX7MK2で確認)。電子接点はないのでExifへのレンズ情報の書き込みはありません。レンズ装着の際の目印になる赤ポッチが側面でなく、マウント上に刻印されているのでよく見ないと装着時の位置合わせに少し戸惑います。
フィルター系は43mmですが、せっかくの激安レンズですし保護フィルター等は付けない方が断然カッコいいと思います。今回はメーカーよりレンズと一緒に金属製のネジ込みフードを送って貰ったので(Amazonレビューを見るとフード付属はブラックのみといったものも……)付いているなら使うのもいいかも。でもフードを付けない見た目の方が個人的に好きです。
マニュアルフォーカスのレンズで最も使う、フォーカスリングの回転幅は100度程度でしょうか(直角+α)。距離指標も刻印されていて、最短距離に回した際に前玉側が少し飛び出す形になります(無限遠側で最も短い状態)。
最短撮影距離はスペックでは0.2m(20cm)とのことでしたが、そこまで寄れるように感じなかったので実測してみたところ約25cmといった所かも……。だとするとオリンパスやパナソニックのF1.7/F1.8シリーズと同じ程度でしょうか。
レンズの主な仕様
Pergear 25mm F1.8 Manual Focus Prime Fixed Lens for Fujifilm/Sony/ M4/
- 型名:Pergear 25 mm F1.8
- マウント:マイクロフォーサーズ(Eマウント、Xマウント)
- 焦点距離:25mm(35mm判換算50mm相当)
- APS-C利用画角:37.5mm相当(Eマウント、Xマウント)
- レンズ構成:3群5枚
- 開放絞り-最小絞り:F1.8-F16
- 最短撮影距離:20cm
- フィルター径:43mm
- 絞り羽根:12枚(円形絞り)
- 最大径×全長:φ38.0mm x55mm
- 重量:約195g
- フード:付属(ブラックのみ?)
激安レンズには見えないルックスの良さ!?
早速GX7MK2に取り付けてみましたが、このルックス最高では!? マイクロフォーサーズのカメラでこのバランスなので、マウントが対応するAPS-Cのカメラでもかなりコンパクトに見えることでしょう。
カメラがシルバーボディなのでシルバーも合うと思ったのですが、ブラックにもシルバーパーツが入ってますし、オールドレンズ風でカッコいい。やっぱりレンズフードは付けない方が好きですね。
フォーカスリングの手前(マウント側)に絞りリングがありますが、絞りはクリックレスになっていてF1.8からF16まで約6段分を1/4回転ほどの可動範囲で調整することになります。
クリックレスということで、もしかしたらビデオ用の格安レンズがベースになっていたりするのかもしれませんが、ともかく正確な絞り値はほぼ出せないものと割り切って使う方が良さそう(感覚的に1/3ずつ回してF1.8、F2.8、F5.6、F16…… みたいなイメージでしょうか)。
E-M1 MarkIIに装着するとかなりコンパクトですが、これはこれで良いと思う。
値段のことばかり言うのもなんですが、とても7500円のレンズを付けているようには見えません。
公式サイトやAmazonなどの製品写真で気になるブランドロゴの白いプリントですがカメラ装着時に真下に来る場所なので、特に気にならないと思います。
レンズ作例:思った以上によく写る!?
激安で見た目も良し…… と来ましたが、写真を写すための道具なので、レンズとして使えなければ意味がありません。実際にこのレンズを使って撮った写真を見ていきましょう。
お約束のテーブルフォト。今まで様々な標準レンズで自宅の食卓を撮ってきたので、これを撮ればとりあえずレンズの基本性能は分かります。
絞りは開放。周辺にかけて徐々に甘くなっているようですが、見ての通り特に破綻のない無難な描写。
こちらは1/30秒になっているのでもしかしたら少し絞りリングが動いていたのかもしれませんが、ミートソース周辺の描写が抜群なので最初別のレンズで撮った写真だと思ってしまったほど。
ピント面からアウトフォーカスにかけてのボケもスムーズです。
屋外にも持ち出してみました。特に触れてなければ絞り開放で撮っています。マイクロフォーサーズのレンズにしては柔らかな写りですが、十分に「使える」描写ではないでしょうか。
標準画角というのもありますが、それほど目立った歪曲もありません。絞り開放だとやはり周辺描写がかなり甘いですがフルサイズ用のレンズのように周辺減光が目立つ訳でもない。
このレンズはAPS-Cのイメージサークルまで対応するレンズなので、マイクロフォーサーズ版だとレンズ中央部に近い美味しい部分のみを使えているのかもしれません。
少しずつ絞っていくと(左→右)目に見えて周辺部もすっきりした描写になりました。
ピント位置を最短距離付近にした場合の絞りでの変化。
こちらはもう少し被写体と距離を取った場合。
最短撮影距離はスペック(0.2m)ほどではないもののそこそこに寄れます。ピントはピーキングで合わせていますが、微妙に分かりにくいような、拡大フォーカスまでしてきっちり合わせたい程でもないので適当に撮ってしまった。
ピントリングを回し切ると無限遠を通り過ぎるオーバーインフな仕様。これはまあ想定外。
個人的に開放で遠景気味を撮った際の柔らかさとフレアっぽい描写が結構好きかも。同じスペックのオリンパスやパナソニックのAFレンズだとこんな写りにはならないと思います。
こうして見ると決して綺麗なボケという訳ではないのですが、これはこれで悪くないですよね?
雰囲気モノでつい撮りたくなる枯れあじさい。被写体との距離が近いとピント面はかなりシャープかも?
というかかなりよく写ってます。スマホではまず撮れない描写だし、キットズームでもこのボケは無理です。例えば初心者向けの初単焦点レンズとして、格安中華レンズってのはさすがに人を選ぶかと思ってましたが、いやいや十分に単焦点の楽しさを味わえるレンズです。難点は絞りがクリックレスなので、絞り値の正確な感覚を身につけるのには難しいかも……?
今年の府中郷土の森では新型コロナ対策で混雑を避けたのか、彼岸花のシーズンだというのに殆ど刈られてしまっていましたが(追記:その後、今年も府中郷土の森が咲いたようです。かなり綺麗に刈られているように見えたのですが一気に伸びて咲くんですよね……)一部で咲いていたのを撮ることができました。
後ボケに比べると若干前ボケにクセがあるかな。
マイクロフォーサーズのF1.8、結構行けるでしょう?
白い彼岸花もいいですね。
絞り開放でピントリングを回しながら最短のしべから花、奥の花へとピントを移動させてみました。
先程も書きましたが遠景、開放、逆光気味のシーンでのややフレアっぽい写り。オールドレンズっぽいのかな? いい意味でマイクロフォーサーズっぽくない描写だと感じます。
この感じ(伝わります?)。
絞ると普通になるけど、やっぱり遠景ではそこまでカリっとしないかも?
マニュアルフォーカスですし決して万能なレンズではありませんが、価格を考えたら十分過ぎる描写をしていますし、条件によって予想外に転ぶのもまた面白い(かも?)。
優等生が多くクセ玉の少ないマイクロフォーサーズでは他にないタイプのレンズなので、初心者が最初の単焦点レンズとして手にする用途でもレンズ交換の楽しさを味わえると思いますし、個性のあるスナップレンズとしても最適かと(このレンズで人を撮るとどうなるのでしょうね?)。
とにかく価格が価格なので合わなかったとしても後悔は少ないと思いますし、ここまでの作例を見て貰えたら決して使えないレンズなどでないことはお分かりいただけるかと思います。
追記:PERGEAR 25mm F1.8でヒガンバナを撮ってきました。
Pergear製レンズはラインナップも豊富:クーポンコードあります!
Pergear製レンズラインナップですが、今回紹介した25mm F1.8の他に、35mm F1.2、35mm F1.6、50mm F1.8、7.5mm F2.8の魚眼レンズなどもあり、レンズによってはニコンZマウントやキヤノンEOS-Mマウントも用意されています。
35mm F1.2なんてマイクロフォーサーズ(70mm相当)、APS-C(52.5mm相当)のどちらで使っても面白そうですし、F1.2の大口径レンズが1万円ちょいで買えてしまうなんて恐ろしい話です(笑)
ちなみにPergear公式サイトで使える当ブログ専用のクーポン( JP-okp5% )を使うことで各商品が5%OFFとなります。Pergear製レンズの他、GodoxやVILTROXの製品もクーポン対象となりますので、興味がございましたらぜひご利用くださいませ。