PERGEAR(パーギア)のマクロレンズ「Pergear 60mm F2.8 」を使ってみました。
今回もPERGEARさんよりモニター品の提供を受けてのレビューとなります。
- Pergear 60mm F2.8 Ultra-Macro Lens
- Pergear 60mm F2.8 Ultra-Macro Lensの主な仕様
- レンズ外観等
- 最大倍率4倍相当ってどれぐらい?
- 開放からそれなりにシャープな描写
- Pergear 60mm F2.8 Ultra-Macro Lens作例
- こんな記事もあります
Pergear 60mm F2.8 Ultra-Macro Lens
先月、7月20日に中国のカメラ機器メーカーPergear(パーギア)から発売された、Pergearブランド初のマクロレンズです。焦点距離60mm、APS-Cフォーマット用のマニュアルフォーカスですが(Eマウント、Xマウント、Zマウントに対応)、いつものようにマイクロフォーサーズ版もラインアップされています。今回レビューするのはもちろん(?)マイクロフォーサーズ用となります。
最大撮影倍率2倍のマクロレンズで、APS-Cで使った場合は35mmフィルム換算で90mm相当、3倍相当の倍率となり、さらにマイクロフォーサーズ用の場合は、120mm相当の画角に、倍率はなんと4倍相当と今まで体験したことのないスーパーマクロレンズとなります。m4/3用レンズでは「Laowa 50mm f/2.8 2x Ultra Macro APO」などが同様の4倍相当の倍率を備えていますね。
ちなみにフルサイズセンサー機でも僅かなケラレで使えるそうですが、実際どの程度なのでしょう。
Pergear 60mm F2.8 Ultra-Macro Lensの主な仕様
【新発売】Pergear 60mm F2.8 マクロレンズ新登場!花、昆虫など撮影が最適|イングレート・ジャパン株式会社のプレスリリース
- マウント:フジX、ソニーE、ニコンZ、マイクロフォーサーズ
- 焦点距離:60mm(APS-C画角:90mm相当)
- マイクロフォーサーズ利用画角:120mm相当
- レンズ構成:11群8枚
- フォーカス:マニュアル
- 絞り:F2.8-F16
- 最短撮影距離:19.1cm
- 最大撮影倍率:2倍(APS-C:3倍相当/マイクロフォーサーズ:4倍相当)
- フィルター径:Ø62mm
- 絞り羽根:10枚
- 最大径×全長:Ø68mmx118mm
- 重量:600g
レンズ外観等
それでは早速、レンズを見て行きましょう。付属品はフロントキャップとリアキャップ、Amazonの商品ページによるとPergearロゴの入ったクロスも標準で付属するようです。
さて、このマクロレンズですが手にして驚いたのがその重さ。オール金属外装の鏡筒はなかなかの質感の良さですが、手に持ってみるとかなりズッシリ。公式スペックの重量は600gとなっていますが、手元のm4/3用レンズは実測で626gの重量がありました。E-M1 Mark IIIに装着してみたところ1.2kg越え!
同じ焦点距離と開放絞りを持つOLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro(重量185g)と並べるとこのサイズ差。重量はなんと3倍強。ちょっとした望遠レンズなみのサイズと重量です。
鏡筒デザインはシンプルで格安レンズ(2.4万円)とは思えない質感(主に大きさと重さの印象もあり……)。レンズ先端側からピントリングと絞りリング、どちらもなかなかズッシリとした回し心地です。先端部のブランドロゴは個人的な好みだとない方が良かったかも。
前玉側は保護フィルター的なガラスで覆われていて、長方形の窓枠のような感じに。インナーフォーカスの前玉がその内側で大きく前後に移動しています。
マウント側。電子接点ないMFレンズなのでレンズ情報はEXIFには記録されません。後玉は固定されてなくやはりフォーカスで前後に大きく移動します。うっかりゴミとか付けないように気をつけたいですね。
ピントリングの回転範囲は180度弱、MFのマクロレンズとしては一般的なのでしょうかね。実際に使ってみるともう少し微妙な調整域があると嬉しい気もします。
最初、手にしてみて何か違和感があったのですが、ピントリングの向きが今までのPergearレンズとは逆向き(左側に無限遠マーク)になっていて、これはかなり紛らわしいかも。無限遠の先まで回るオーバーインフで、マクロ領域以外の撮影ではピント合わせがややシビアに感じます。
そして絞りリングがクリックレスでピントリングと並んでいるので、実際に使っているとピントリングを回しているつもりで、絞りを動かしてしまっていることが何度もありました。TTartisanのレンズようにクリック付きにするか、もう少しピントリングと離れた位置にあると使いやすいのですけども。
E-M1 Mark IIIに装着するとなかなかバランスはいい感じ。あまり小型のボディだとレンズの大きさと重さに負けてしまいそう?
最大倍率4倍相当ってどれぐらい?
実際、どの程度まで寄れるのか確認してみましょう。比較としてまずはオリンパスのED 60mm F2.8 Macroの最短あたりで撮影してみました。ピントは中央付近、これで約2倍相当。
続いてPergear 60mm F2.8のピントリングを1倍(2倍相当)の辺りに合わせて撮影。上のED 60mm F2.8 Macroとほぼ変わらない拡大率ですね。それにしても随分と色味が違いますね。カメラ側のホワイトバランスや露出設定は同じままです。見た目に近いのはED 60mm F2.8 Macroの方かな
さらにPergear 60mm F2.8のピントリングを最短撮影離まで回して寄れる所まで寄ってみます。これが4倍相当…… 確かにめちゃめちゃ寄れます。
上の写真はミニ三脚を使って撮っていますが、ISO200、F2.8でシャッター速度1.3秒、手持ちだとかなり難しくなってきます。ピントも薄々ですし、ここから絞るとなるとそれなりに感度を上げたりしないと手持ち撮影で使いこなすのは厳しそうです。
これだけ寄れるのはかなり凄いと思いますが、ハッキリ言って4倍相当の接写が必要なシーンは自分にはあまり思い浮かびません。お札とか印刷物の網点を撮ったらそれなりに面白いとは思いますが、そこまで実用的な倍率でない気もします。
開放からそれなりにシャープな描写
最短まで寄りすぎるとわけが分からなくなってしまうので、もう少し距離を置いて絞りによる違いを見てみましょう。開放のF2.8から1段ごとの目盛りを目安に絞りながら撮ってみました。ピント面だけ見ても開放から描写は安定しているようです。
もう少し離れて、F2.8からF5.6まで1段ずつ。今までのPergearレンズのような開放だけ少し甘い写りをするレンズという訳ではなさそうですね。
Pergear 60mm F2.8 Ultra-Macro Lens作例
ということで、以下作例。全て手持ちでの撮影なので、ほぼ開放F2.8で撮っていると思います。
風で揺れる花や動き回るミツバチを撮るのは、何枚も撮ってマグレを狙うような感じでないと難しい。
スペック的にはもっと寄れますが、手持ちだとこの辺が限界でした。
もちろん120mm相当の中望遠レンズとしても使えますが、フォーカスリングが重めなので軽快に撮るのはややおっくう。レンズ選択肢の多いマイクロフォーサーズであえてこの重たいレンズを中望遠単焦点として使う必要はなさそう(TTartisan 50mm F1.2とかありますし)。
被写体との距離を詰めながら、徐々にマクロ領域に迫っていくような使い方は面白いかも?
価格は2,4000円と60mm F2.8のマクロレンズとして見たらかなりリーズナブル。しかしながら近い価格帯でオリンパスのM.ZUIKO DIGITAL ED 30mm F3.5 Macroもありますし、焦点距離は異なるものの手軽にマクロ撮影を楽しむならばAFも効くこちらの方がオススメかも。
個人的には60mm(120mm相当)の中望遠マクロはワーキングディスタンスを適度に取れるので、屋外で花や虫を撮るのに重宝しています。最大4倍相当の撮影倍率も上手く使うことができれば、他のレンズでは見ることのできない世界を切り取ることができるかもしれません。