久々に小型三脚(テーブルトップ三脚)を新調してみました。ARTCISEのCS20Cなるモデルです。
- ARTCISEの小型三脚を買ってみた
- ARTCISE CS20CはLeofoto LS-223Cによく似てる!?
- ARTCISE CS20Cの各部をチェック
- Leofotoほどではないものの十分なビルドクオリティ
- 付属雲台DB30について
- スマートフォン用のホルダーが付属
- ミニ三脚より遥かに安定するので、雪山等のお供にも良さげ?
- こんな記事もあります
ARTCISEの小型三脚を買ってみた
ARTCISE(アートサイス)は中国深センに本拠地を置く、カメラ用の三脚や雲台を製造販売するカメラアクセサリのメーカー(ブランド)。創業は2016年と比較的新しい企業のようです。

AmazonでLeofoto製の三脚を調べていた際に、デザインが似たカーボン三脚があり名前を知ったメーカー。高品質&低価格を売りにしたLeofoto以上に低価格だったこともありTwitterで話題にしたところ、コスパの高さについての話題や、実際にフィールドで使っている人を見たといった話が聞けました。
三脚といえばLeofotoにどことなく似てるARTCISE。カーボン製、雲台付きで謎の安さだよなぁ……https://t.co/B4k7a3BZXZ https://t.co/7ETZEZDbU5
— OKP (@iamadog_okp) 2021年9月16日
ちなみにINNORELという中華ブランドもよく似たラインナップの製品を扱っていて、ARTCISEとはOEMなど比較的近い関係なのかもしれません。元々は、LeofotoもOEM元メーカーからスタートしている歴史があるようですし、中国では同様の新興メーカーがしのぎを削っているのでしょう。
Amazon.co.jp: ARTCISE
Amazon.co.jp: INNOREL Technologies Co., Ltd.
10層構造のカーボンファイバーを売りにしている所などもLeofotoとよく似ていますが、ブルーのブランドロゴシールを貼ったデザインなどかなり確信犯的なもののように思われます(笑) Leofotoも他人気ブランド製品を多いに模倣している所はありますし、この辺はお互い様といったところか?

軽量カーボン三脚は既にLeofotoのLS-224Cを持っていますし、剛性の高い中型以上の三脚を使う予定もありません。気になったのは足の短い小型三脚(テーブルトップ三脚)の「CS20C」というモデル。
ARTCISEのミニ三脚(CS20C)が気になってきた。LS-223Cに似てるけど少し全高が高い。雲台やスマホホルダーまで付いてるのに激安だ。足のみの重量が知りたいな…… https://t.co/j7fBMkaDR2 pic.twitter.com/mX5b2cq4tO
— OKP (@iamadog_okp) 2021年9月26日
ミニ三脚はここ数年はLeofotoのMT-03が軽さと安定性から最もお気に入りですが、そんなMT-03よりはもう少し普通の三脚らしい(?)カーボン製のポールを使ったモデルです。
「ミニ三脚」「小型三脚」「テーブルトップ三脚」…… 特に言葉の定義はないと思いますが、本記事ではポール式でないクラスのものをミニ三脚と呼ぶことにします。
このクラスの小型三脚はFotopro(KING)のM-4 MINI(現行X-go mini相当)を持っていて、以前は登山用として、最近はほぼ引退状態ですが物撮りや地元の花火大会などに使っていました。CS20Cは重量、サイズ共にM-4 MINIと同クラスですが、Fotoproがセンターポール付きで足を逆向きに収納するトラベル三脚タイプなのに対して、CS20Cはセンターポールがないタイプ。Fotopro M-4 MINIは古い三脚で雲台も一体型ですし、そろそろ入れ替えても良いか頃かなと考えました。


ARTCISE CS20CはLeofoto LS-223Cによく似てる!?
ちなみにこのクラスのカーボン三脚は先行してLeofotoからLS-223Cが出ていて、CS20CはLS-223Cをかなり意識したモデルだと思われます。LS-223Cは以前から気になっていたこともあって、スペック的にも酷似してて、価格が安く、さらにLS-223Cより軽量であるCS20Cを買ってみることにしました。



モデル | Leofoto LS-223C | ARTCISE CS20C |
---|---|---|
パイプ径 | 22mm | 22mm |
段数 | 3段 | 3段 |
全高 | 310mm | 350mm |
最低高 | 45mm | 50mm |
縮長 | 200mm | 210mm |
耐荷重量 | 10kg | 10kg |
重量 | 540g | 518g |
参考価格 | 24,200円 | 8,450円 |
どちらもセンターポールなしの3段ですが、CS20Cは縮長が1cm長い分、全高が少し高くなっています。
参考価格はLS-223Cが国内正規品で雲台(LH-25)付きのもの、CS20CはAmazonで500円OFFクーポン適用のものです。CS20CのAmazon販売モデルは雲台付きが標準になります(AliExpressのARTCISE公式ストアでは雲台なしも選べ、本体のみ5,548円です)。つまりCS20Cはめちゃくちゃに安いのです。
ARTCISE CS20Cの各部をチェック
ARTCISE CS20Cが届きました。今回の購入はAmazonでしたが、その他に中国のECサイトAliExpressにもARTCISE公式ストアがあります。楽天でもARTCISE製品の取り扱い店はあるようですが、見た限りAmazonかAliExpressの価格が安いようです。
ナイロンケース付きですが、恐らく使わないでしょう。ただし使わないパーツなどをなくさないように収納しておく場所になります(ケースの内側に小物を収納できるポケットがあって便利)。
CS20C本体と雲台(DB30)、中央手前はスマートフォン用のホルダーです。つまり、雲台とスマホホルダーが付きの小型カーボン三脚が8,500円を切っているのです。
Amazonの商品ページには掲載されていない三脚のみの重量を計測すると518g、なかなか軽いですね。
付属の雲台DB30は287gと少し重め? ハンドルと固定ネジを外すと249gでした。


普段使うことが多いLeofotoの雲台LH-25(170g)と並べてみるとかなりボリューム差がありますね。私はなるべく軽量に使いたいので2個持っているLH-25に交換して使うことにします。
付属雲台のDB30については、後ほど紹介します。
CS20Cの足に雲台LH-25を取り付けてみると688gでした。
Leofoto MT-03+LH-25が333g、Leofoto LS-224C+LH-25が898gなので(ミニカラビナ込)、その中間の重量。MT-03より300g重くて、LS-224Cより200g軽い。用途によって少しでも軽い三脚を選ぶ使い分けとしてはかなり刻んでますが、縮長によるサイズ差なども含めたらいい感じの三兄弟です。



Leofotoほどではないものの十分なビルドクオリティ
外観は実質5,000円台(本体のみで)の三脚とは思えない質感で、一見するとLeofotoの三脚と変わらないレベル。
カーボンポールはLeofotoのようなクロス巻きではなく、昔ながらのカーボン釣り竿のような感じ。
ナットロックもスムーズですがLeofotoに比べると緩めたり締める際の回転角度が大きく、同じ感覚で回転させると足りなかったりすることも。固定する際に締め込む遊びも少し大きいようです。


本体のネジは1/4インチと3/8インチのネジ径に対応するので、雲台を使わずにカメラを直接取り付けることも可能です。これ、Leofoto LS-224Cで初めて体験しましたがとても便利ですよね。
水準器も付いてます。
足の角度は3段階に調整可能。ロックの方式はLeofotoと同じです。


石突のゴム足は3/8インチネジ径になっているので、市販のスパイク石突に交換可能かも。
あえて難癖を付けるとすれば、足の開閉時のトルクが3本で均一でなく1本だけやや固かったことでしょうか。個体差な気もしますし、気になるようなら付属のレンチで緩めて調整すればいいのかも(他2本を締め込んで固くする方向で揃えることは難しそうでしたが)。
付属雲台DB30について
CS20Cで使う予定はありませんが、付属の雲台はDB30というモデル。ハンドル付きの自由雲台でパンニングにも対応しています。ボール雲台の締め込みはLeofoto製の雲台に比べるとそこまで緩やかにトルクが掛かる訳ではありませんが、パンニング用に別のネジがあるのはいいかも。
付属のクイックリリースプレートは脱落防止のピン付き(ピンは付属レンチで取り外しできます)。クランプはアルカスイス互換なので私は殆どのカメラに装着している、ピークデザインのキャプチャー用プレートを介して取り付けることになります。


クランプ側はLeofoto LH-25に比べて幅広になっているので、むしろLS-224Cと組み合わせて望遠レンズなどの使用時に使ってみるのもいいかもしれません。
雲台のハンドルを使う撮影もしたことがありませんが、動体撮影時には使えたりするのでしょうか。


このDB30、Amazonでは単体で買うことはできませんが、AliExpressのARTCISEストアで見ると3,385円で売られているようです。相変わらずめちゃくちゃな価格です。
CS20Cと組み合わせるならば同じARTCISE製でもよりコンパクトかつ安価なモデルもあるはずですが(例えばこのEB-30Sなど)、オマケ的に付いてきた雲台としてはかなりお得感があります。
スマートフォン用のホルダーが付属
さらにこのCS20Cのパッケージにはスマートフォン用のホルダーも付属します。これがオマケとしてはかなりよくできていて、欲しかった訳ではないのですがなんだか嬉しくなってまいました(笑)
CS20C本体の足と足の間にある1/4ネジ穴に差し込んで使います。
取り付けるとこんな感じ。そこそこ可動域もあります。


スマートフォンを取り付け、用途に合わせて縦横の向きに対応。Leofoto LS-224Cにも同様の1/4ネジ穴があるので使えますし、Leofoto MT-03の脚部にも取付可能です。




必要だったのはCS20C(脚のみ)なので、AliExpressの本体のみ5,548円でも良かったのですが、このあたりのオマケが妙に充実していたのでAmazonのセットで買って良かったかも(笑)
ミニ三脚より遥かに安定するので、雪山等のお供にも良さげ?
このようなARTCISE CS20Cですが、今後の利用シーンは屋内での物撮り用途やテーブル三脚の他、やはり旅行や登山のお供。Leofoto LS-224Cを持ち出す程ではないけどLeofoto MT-03では物足りないシーンはたまにあり、高さ、角度の調整の面でやはりポール式の三脚の方が自由度が高いのです。
また、屋外で使う際に地面が砂や土、雪だったりする場合、MT-03の細い脚(特に折りたたんでる側を伸ばした場合)は刺さってしまいやすくなります。特に雪面はMT-03と相性が悪く、撮影時はなるべく岩などの安定した足元を探しますが、CS20Cの石突きの方が安定するのは間違いないでしょう。
高さについては雲台を付けても最大40cm程度ではありますが、夜中に星を撮影しながらカメラを放置する場合(防犯上よろしくないですが)、ミニ三脚ではあまりに低すぎて目立たなかったりするので(人から見えにくいだけでなく、自分でも足を引っ掛けそうになったり……)、適度な高さとサイズ感が役に立ってくれるかもしれません。
試しにM.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO+MC-20を装着したOM-D E-M1 Mark IIIを乗せてみましたが、足を伸ばして最も閉じた状態でも十分な安定感がありました(本来はレンズの三脚座を使った方が安定しますが、デコレーションリングを外すのが面倒だったので……)。
今の所はこれより重いレンズも使っていませんし、特に高さを必要としない撮影に関しては考えられる殆どの状況に対応できるでしょう。今後もお守り的に携行するミニ三脚はLeofoto MT-03になりますが、夜に星を撮るよう可能性がある際には今後はこのARTCISE CS20Cを携行するつもり。
先日、栗駒山を歩いた際にも試しにザックのサイドに差し込んでいましたが、ペットボトルを1本入れてるようなものなので、特に気になることもありませんでした(実際存在すら忘れていましたし、撮影に使うこともありませんでしたが……)。
あと、夜中の駐車場で車の上にCS20Cを立てて星を撮ってみました。MT-03と比べても車の屋根に乗せても安定してて安心というか、MT-03とLS-224Cの間を埋めるいい三脚が手に入ったと思います。
さて、今後ARTCISEからLeofotoのLS-224CやMT-03に対応する三脚が出てきたら非常に注目だと思いますが(主に価格面で)、今の所はそのようなモデルはないようです。三脚もこの小型三脚のCS20Cのみがやや特殊モデルで、その他の三脚や雲台は中型クラス以上のもう少し安定感のあるラインナップが中心のようです。
CS20Cの次に軽量なモデルがCS50Cで、これは26mm径からの4段、耐荷重15kg、重量は1.36kgという安定感のある軽量三脚といった感じ(LeofotoだとLS-254CとLS-284Cの間に相当?)。