I AM A DOG

途方に暮れる 犬とよばれる でも生きてゆく

無印OM-1の最新ファームウェア Ver1.7、オールターゲット時のAFを昆虫飛翔&動物園で確認

本ページは商品、サービスのリンクにプロモーションが含まれています

先日、OM SYSTEMSよりOM-1及びOM-1 Mark IIの最新ファームウェアアップデートが公開されました。

今回のOM-1のファームウェアはOM-1 Mark II 発表後の今年の2月に予告されていたものです。後継機であるOM-1 Mark IIでソフト的に強化された差分を考えるとやや物足りなさはあるものの、AF性能の最適化については期待する声も多かったと思われます。

インフォメーション | OM SYSTEM公式サイト|OMデジタルソリューションズ

ということで発表された最新ファーム(Ver.1.7)のアプデ内容ですが、以下の通り。「手持ちハイレゾの合成アルゴリズム改善」については同時に発表されたOM-1 Mark IIのファームウェアVer.1.2にもある内容です。

Firmware Update for OM Digital Solutions DIGITAL CAMERA
Ver.1.7 (2024/8/29)

  • S-AFとC-AFの(オールターゲット) 時の、主要な被写体に対するAF性能を向上しました。
  • 撮影時の(消去) ボタンでのメニュー操作に対応し、右手でのメニュー操作を可能にしました。
  • 手持ちハイレゾショットの合成アルゴリズムを改善しました。
  • その他カメラの動作安定性を向上しました。

まず、消去(ゴミ箱)ボタンをメニューボタンとして使う機能。これを入れることで「通常時はメニューボタンとして/画像再生時には本来の消去ボタンとして動作」するので結構いい機能ですね。

OM-D E-M1 Mark IIIから左肩に移動したメニューボタンは暗闇でも間違えることがなく結構使いやすいと思っていましたが、メニューボタンがボディ右サイドに設定されていたE-M1 Mark IIも未だ併用しているのでMark III時代にもあったら嬉しい機能かも。
ハイレゾについては自分は全く使ってない機能なので、使っても恐らく何が変化しているか分からなそう。

そして、最も期待していたAF性能の向上について。「オールターゲット時のS-AFとC-AFの」ということなので(オールターゲット以外では性能据え置きということでしょうかね?)、カメラによる構図内の主要被写体の判別、AI被写体認識の精度に関するものと考えて良さそうです。

ピント位置までをカメラ任せにするオールターゲットは以前は殆ど使っていませんでしたが、素早く飛び回るトンボを撮影するようになってから、そもそも丁寧に構図を作っている余裕がないので「どこか引っかかってくれ!」という思いでオールターゲットを選ぶことが増えていました(笑)

それでは早速フィールドで試して見ることにしましょう。
奥の背景(小川の対岸の護岸)にピントが行ってる状態から、手前を飛ぶモンキチョウ(白いのは白色型のメス)にスムーズにピントが移動した状況。メカシャッターで細かく連写しながらC-AFの親指AF。Exifのタイムスタンプでは2秒差の2枚です。


以前のファームでも来るときは来ていたので新ファームの効果かは不明ですすが、撮影を始めてすぐだったこともあってかなり印象の良かったシーンです。

続けて既にブログにに乗せていますが、同日に撮影したトンボの飛翔シーン。AFはC-AF、オールターゲットでプロキャプチャーでの撮影。半押しの常時キャプチャー状態で飛んでるトンボを追いかけながら親指AF、ピントが来た瞬間をファインダーで確認したらシャッターを押し込んで前後を記録する方法です。
このような背景ならば元々それなりにピントはすぐに合っていました。

このような騒がしい背景の際にもピントが来やすくなったか……? 気持ち打率は上がった気もするけど、そもそも素早く飛び回るトンボたちをファインダー(構図内)に捉えられるまでに苦労しすぎて、AF性能がどれだけ進化しているのかよく分からないかも(笑)

野生?のトンボ相手ではAF云々の前に撮影シーンの機会、ファインダーに被写体を捉えるまでの苦労があるので(これは私の技術の問題)、続いて多摩動物公園にて昆虫園のチョウに協力してもらうことにします。

こちらも実際はかなり苦労していますが(単純に同じ撮影機会ならトンボよりチョウのほうが難しいかも)、撮影機会だけはとにかく稼げるので。

プロキャプチャーなのでピントが合う前の写真も残っています。背景や周囲に引っ張られそうな要素があっても、狙い通りの被写体にピントが来るとファインダーを見ていても気持ちがいいものです。ちなみにAI被写体認識は「鳥」でオンにしていて、たまに枠が出ています(トンボでもチョウでも)。


やや暗めの背景に黒いチョウでもしっかりピントが来ました。


撮影方法がとにかく下手な鉄砲の数打ちで膨大な失敗カットを量産しているので、AFがどうこうというよりも技術で外していることの方が圧倒的に多い。どれだけAF性能が改善されたのか実感しにくいので、もう少し簡単な被写体でも確認してみましょう。

動物園の檻(柵)越しに撮る動物。被写体の手前側にある柵には結構引っ張られることがあり(AFリミッターで切れる場合はいいのですが)、従来は広いAFターゲットエリアはほぼ使うことがなく、細かなシングルポイントで柵の隙間を狙う使い方が多かったシーンです(逆にほとんど試してなかったとも言えるのですが……)。以下、すべてオールターゲットです。

AI被写体認識「鳥」、エミューのような大型の鳥でもしっかり目を認識。檻の柵(右手前のボケ)はレンズの最短撮影距離より近い事もあって、全く障害にはなりません。

コウノトリも一発で認識。

何度か試していたら手前のネットに引っ張られました。今まではこうなるとAFポイントを細かくして対処していましたが、オールターゲットのまま少しズームレンジを変えたら再度掴んでくれました。


結構目の細かい網が貼られたバードケージも、引っ張られることなく中にいる猛禽に合いました。


かと思ったら網を掴んでしまってなかなか戻らないことも。このときはAFリミッター(レンズ側、ボディ側それぞれ)で手前側は切ってみたのですが、それでも引っ張られてしまうことがあります。何なのでしょうね……。

以前、結構泣かされた気がするサーバルの檻(AFリミッターで切りたくても、檻すれすれまで出てくることもあるので難しい)。今回はそこまで柵に引っ張られることもなく(完全になくなった訳ではないけど)撮ることができました。1枚目でふわっとしているのは檻のボケ。



「以前とは別物!」と感じられるほどの劇的な差があるか?といえば正直自分の使い方だとまだよく分からないものの、ターゲットサイズを切り替えずとも「オールターゲットのまま撮り続けて大丈夫かも」と感じるようにはなりました。微妙な感想で申し訳無いですが、人がやるべきことを確実にできている上でカメラの性能を頼りにしている状況ではないので、現時点では「ちょっと打率上がったかも?」程度の違いでした。自分の場合は、技術を磨いたほうが間違いなくヒット率は上がると思います。
現状ではOM-1を使いこなせているとは言い難いですし、自分には過ぎた道具だと感じています。型落ちとはなってしまいましたが、今回のファームアップによりまだまだ可能性を感じられるカメラです。お使いの方はぜひ最新ファームを試してみてくださいませ。

その他、作例おまけ。全てオールターゲットのC-AFで撮ったものです。








XでフォローしているOM-1でモータースポーツ撮影されている方のVer1.7報告なども。私よりもシビアな視点でOM製品のAF性能を評価されているように感じますし、一連のスレッドは参考になると思います。

ちなみにOM-1のファームアップを行うと、言語設定と日時がリセットされてしまうのことに注意。
言語設定が英語になって焦ってしまう方もいるかもしれませんが、スパナのマークの6ページ目3段目「English」を選んで変更すればOK。日時は一旦適当な日時に合わせてから、スマホアプリのOM Image Share(OI.Share)に接続すれば、自動でスマホの日時に合わせてくれています。(OI.Shareの[カメラ管理]→[日時自動設定]はオン)。


OM Image Share

OM Image Share

  • OM Digital Solutions Corporation
  • 写真/ビデオ
  • 無料
OM-1 Mark II ボディー

OM-1 Mark II ボディー

  • OM SYSTEM/オリンパス
Amazon