久しぶりにE-M1 Mark IIを外に持ち出して、トンボ撮影に使ってみました。
OM-D E-M1 Mark IIは今から約8年前の2016年12月、当時のOLYMPUSから発売されたミラーレスカメラです。発売当初からかなり完成度の高いカメラでしたが、大型ファームアップが2019年のVer.3.0まで続き(最終Ver.は3.7)、多くのユーザーから愛されてきたモデル。
私自身も2台所有していた時期が長く、その後E-M1 Mark IIIやOM-1を使うようになっても最初に買ったE-M1 Mark IIの1台はシャッター交換(OOC+)や幾度の修理を経て、ずっと手元に置いている非常に思い入れのあるカメラです。現在では食卓やブログ用の商品撮影など屋内用のテーブルフォトカメラとして活躍中。
現在のメインは2022年に発表されたOM SYSTEM OM-1ですが、こちらはより基本性能を高め、AI被写体認識AFの搭載やコンピュテーショナル フォトグラフィも強化した機種。未だ使いこなせてるのか怪しいぐらい高性能なカメラですが、最近は特に動体撮影の際などカメラに助けられていると感じています。
ふと、最近自分が撮っているトンボの飛翔写真などは「E-M1 Mark IIを使っていた頃にも撮れたものなのか? はたまたOM-1の性能で撮らせて貰っているに過ぎないのか?」と気になりました。もちろん撮影者によっては昔のカメラでも当たり前に撮られていたものですが、今回はあくまで自分の話。8年前のE-M1 Mark IIでもちゃんとトンボが撮れるのか?確かめてみることにしました。
改めて動体用の設定をしていて少し驚いたのがISOオートでの高感度上限がISO6400なこと(マニュアルならISO25600まで。ちなみにE-M1 Mark IIIも同様)。DxO PureRAWやLightroom等のAIを用いたノイズ除去の登場以降は、マイクロフォーサーズのカメラでも普通にISO12800やISO25600を使うようになっていたので、M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 ISのようなそこまで明るくないズームレンズでもそこそこ速いシャッター速度で手軽に撮れていたのでした。
産卵中のハグロトンボ。これはまあ撮れて当たり前。
ミヤマアカネのメス。
E-M1 Mark II、数年前まで現役のフラッグシップだったのだから写りはなんら問題ありません。M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 ISと組み合わせたのは初めてですが、本当によく写りますよね。
切り出すと複眼もバッチリ解像。
とまってるトンボはもういい気がしますが、せっかく撮ったので乗せておきます。マユタテアカネ。
少し距離があったので小さくなってますが、田んぼの上で連結産卵するナツアカネ?を撮って見ました。背景とのコントラストがあるせいか、スムーズにピントが来ました。
稲穂の上に掛けられた鳥よけの網に向かって産卵しているように見えましたが、これは別に間違えてる訳でな網をすり抜けて下まで落ちればいいということなのか? メスの腹のすぐ横、そして落ちて行く卵が見えます。
連結解除後。同定にちょっと自信がないですが、顔が赤い、メスも赤いということでナツアカネでいいのかな。
田んぼの上を飛び回るウスバキトンボ。ウスバキトンボは先日もOM-1で撮ったばかりですし、比較対象として丁度いいかもしれません。プロキャプチャーモード、C-AF中央優先、25点グループターゲットとオールターゲットを切り替えながら、飛び回るウスバキトンボを追いかけます。
ピントが来る確率はやはりOM-1に比べるとやや落ちるものの、フォーカスリミッターで背景に引っ張られないようにしておけば、それなりにピントは反応します。思ったより撮れるかも。
OM-1の方がファインダーも見やすく、(鳥と間違えて?)被写体認識をした際に枠が出るので撮影はスムーズな気もしますが、終わってみたらOKカットの歩留まりもOM-1で撮っていた際とそこまで変わらない印象です。
ただし、複雑な背景の手前などでは、E-M1 Mark IIではいつまでもピントが来ないことが多かったかも。
ベストカットはこれかな? 翅がX字に開いて、真横よりも少しこちらを見ているのがいいかも。
使える状況であれば最新OM-1ばかり持ち出してしまうので、いつの間にカメラ任せの撮影になってないかやや心配になっていましたが、E-M1 Mark IIでもそれなりに撮れることが確認できてひと安心。恐らくトンボの飛翔を撮り慣れてない少し前の自分だったら、手も足も出なかったですしOM-1でも苦労していたかも。
ナミアゲハを追いかけて撮った1枚。飛んでるところなのですが、なんだかクズのツルに止まっているように見えてしまってますね(笑)
久しぶりにE-M1 Mark IIを外に持ち出してみましたが、まだまだ現役で使えるカメラだなと(基本性能がほとんど変わらないE-M1 Mark IIIも使っているので当然なのですが)。当時からプロキャプチャーモード、電子シャッターによる高速連写唯一無二の機能でしたし、これはこれでやはりE-M1 Mark IIの性能があってこそ撮れている写真かもしれません。
今回、残暑の日差しが厳しい多摩丘陵の谷戸で撮影をしていて思いましたが、超望遠でこれよりも大きくなる(重たい)カメラ機材での撮影は自分にはなかなか厳しいなと感じました。数世代の型落ちとはなってしまいましたが、マイクロフォーサーズの強みを活かした機材の代表だと思いますし、今後も大切に使い続けて行きたいものです(ただし、壊さないように屋内用として)。