夏になる前にこんな本を買いました。文一総合出版の『トンボハンドブック(版元リンク)』。
丁度1年前に境川の上流部を歩いた際、町田の里山でトンボがたくさん飛んでいるのを見たことを切っ掛けに、散歩や外出の際にトンボを探したり写真に撮るようになりました。トンボは国内に200種類以上が生息しているそうで、身近な市街地や公園でで見られる身近な種類だけでも結構な数になります。そんなトンボの種類を調べるために最初に手にしたのが尾園暁さんによる図鑑『くらべてわかる トンボ』(山と溪谷社)でした。
『くらべてわかる トンボ』は原寸大でトンボの写真が並んだページの他に、実際のフィールドで見られる姿を写した生態写真が充実していて、トンボ初心者には最適な図鑑でしたが、B5判サイズでどちらかというと自分で撮った写真と比較しながら家でじっくり見るもの。それとは別にフィールドに手軽に持ち出せそうなハンディサイズのトンボ図鑑『トンボハンドブック』が今年の4月に出版され、これはいいかもと買ってみました。電子版もありますが、用途を考えて今回も紙版を購入しました。
著者は『くらべてわかる トンボ』と同じ昆虫写真家の尾園暁さん。Xやブログに掲載しているトンボを始めとする昆虫たちの様々な瞬間、生態を捉えた美しい写真作品は、門外漢の自分から見てもどれも魅力的で、自分でも実際に写真を撮ってみたいと思わせる動機にもなっていました。
『トンボハンドブック』は国内(本州)に生息するトンボ121種を収録した新書判のハンディ図鑑。1ページに1種類の掲載でノド側(本を見開いた際の内側)にトンボ正面の体と左右片側の翅を掲載したレイアウトになっています。左右に翅を広げたトンボの全体を掲載した場合、新書判では使える紙面に制限が出てしまうことを回避したレイアウトだと思われます。見開きのノド側に2種類のトンボの写真が縦に並ぶのですが、本の中央から両サイドに2種類のトンボの左右の翅が広がっていて不思議と違和感がありません。
Amazon.co.jp『トンボハンドブック』商品ページより
左右で比較的似た種類のトンボを並べる台割の妙などもありますが、オオヤマトンボとコヤマトンボ、アキアカネとナツアカネ、ノシメトンボとコノシメトンボなど、私のような観察に慣れてない人間が同定に迷いそうな種類を並べて掲載してくれているのも、もしかしたら制作者の狙いかもしれません。
本書を手にしてから野山に出かける際は必ず携行するようにしています。実際にフィールドで見たトンボの同定だけでなく、電車などの移動中には普通に読み物としても楽しんでいます。
基本的には近所で身近なトンボばかり見ているので、珍しい種類のトンボを同定することはありませんが、撮影中に本を開きながらオスとメスの違いを確認できたり、種類を同定できたトンボもいくつかあります。
あとはフィールド用図鑑ということでビニールカバーが標準で掛けられているのもナイス。トンボの観察は水辺に近い場所ですることが多いので、うっかり濡れた地面の上に置いてしまったりとか、バックパックの外ポケットに突っ込んだまま、小雨が降ってきた際などにも表紙や中身が濡れてしまうことを防いでくれました。
新書サイズのハンディ図鑑ということで、どうしてもキャプション等の文字級数が小さめになってしまうのは老眼世代に少々厳しいところはありますが、それでも拡大表示できる電子版よりも紙版でパラパラとページをめくれた方が個人的には使いやすいと思います。
野山歩きのバリエーションとして野鳥に続いてトンボを気にするようになってそろそろ1年が経ちました。観察も撮影もまだまだですが、これらの図鑑に手助けして貰いながらマイペースで楽しんでいます。