今年のゴールデンウィークはどこも出掛けることなく自宅でダラダラと過ごしていたので、地元で行われる大國魂神社の例大祭「くらやみ祭」の行事を過去一番見た年になりました。
5月3日:競馬式
まずは5月3日の20時から旧甲州街道で行われる「競馬式(こまくらべ)」。旧甲州街道の府中市役所前交差点と大国魂交番の間を4頭の御神馬が3往復走る儀式です。
19時半前には旧甲州街道が交通規制され、神職の方々が祈祷を行います。
競馬式に参加する4頭の馬たちはスタートまで競馬のパドックよろしくスタート地点周辺をグルグルと歩いてウォーミングアップ。
東京競馬場の街、府中市の馬イベントということでJRAが全面協力。
スタート前に馬もお祓い。
アスファルトの上を走るからなのか蹄の上に靴のようなものを履いています。走るとカッポカッポ音がします。
いざ!
一之駒から四之駒まで名乗りを上げながら順番にスタート。神事なので全力疾走はしませんが、軽めのギャロップぐらいになることも。
行って帰ってくるのを4頭で3往復行います。
せっかくなので流し撮りにしてみました。
スローダウンして駈歩でも流す。
最後にそれぞれ名乗りを上げて終了。
5月4日:萬燈大会
続いて翌日、5月4日。昼12時からの「萬燈大会」を見に出かけました。市内15の青年会によるカラフルな巨大花笠のデザインとパフォーマンスを競うイベント。それぞれの萬燈は重さ40〜50kg、高さ3mもあり、各青年会を代表する持ち手が交代しながら萬燈を回転させながら制限時間2分間の演舞を行います。萬燈の読みは「まんとう」「まんどう」のどちらもあるようです。
それぞれの萬燈は色、段数、てっぺんの飾り、傘の中にある巨大花札のような絵で個性をアピールしています。この萬燈には宝船が乗っていて中の絵は七福神の宝船。
けやき通りにある源義家(八幡太郎)の像をモチーフにした萬燈。
白蛇と藤。巳年ということで蛇モチーフの飾りは複数見られました。
萬燈のパフォーマンスが行われるのは旧甲州街道とけやき並木通り通りが交わる大鳥居の前。
新成区青年会の萬燈はヒマワリをモチーフにしているようです。中にはゴッホのヒマワリ。
馬場先青年会、府中といえばやっぱり馬。
強く回転した瞬間に花笠がパッと広がって中の絵が見える瞬間は見せ所のひとつ。
五月人形の武者を取り付けた片町青年会の萬燈。
けやき並木通りには演技を控えた萬燈が並んでいます。
町名が一目で分かる本町青年会。
金の鯱を取り付けた緑町青年会。
萬燈の出来栄えはもちろんですが、持ち手の体力や魅せ方もかなり重要で、見事な演舞には大きな歓声や拍手が上がります。
意表を付いた?パステルカラーの萬燈、かわいさでアピールする西馬場青年会。
萬燈の運搬は、萬燈を運ぶために木製や市販の台車を改造した台車を使っています。
京所青年科も蛇。白と紫で先程の萬燈と少し被ってしまいましたね。
演技を終えた萬燈は大鳥居前から旧甲州街道の両側に捌けて行きます。


神戸青年会の萬燈のモチーフは多様性。
今回のくらやみ祭で目立ったのが長い棒を使った撮影。スマホ、ミラーレスカメラ時代になって(一眼レフ時代には少なかった)手でカメラを掲げてチルト液晶のライブビューで撮影する人は徐々に増えていますが、今年は特にスマホやアクションカム、さらにはミラーレスカメラを棒に固定して撮影する人の姿を目にしました。より自由なアングルを求めてだったり、あとは動画で撮る人が増えたこともその一因かもしれませんね。
大國魂神社の狛犬を乗せた新宿青年会。演舞も見事でしたし、演舞中に掛け声で盛り上げるなど、最も印象に残ったパフォーマンスでしたが、どうやら今年の優勝となったそう。おめでとうございます!
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— 府中観光協会 (@fuchukankoukyo1) 2025年5月4日
くらやみ祭
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5月4日 力と技の競演「萬燈大会」
地元の青年会が中心となり、萬燈の出来映えやそれを操る者の技、力強さを競い合います
令和7年奉納 第43回大会優勝は#新宿青年会(しんしゅく/府中市宮町1〜3丁目)の皆さんでした。!#大國魂神社 #例大祭 #くらやみ祭 #萬燈大会 #府中 pic.twitter.com/7R3skKim4e
矢崎町青年会、50の数字と鈴かと思ったらやはり蛇モチーフでした。
最後は東馬場青年会、白と青でクラゲかな?
けやき通りの見物客最前、待機してる萬燈の演舞が終わるとどんどん前に出てこられるみたい。最後は大鳥居前を360度から見物客が囲むことになります。
唯一パフォーマンスを見逃してしまった屋敷分青年会の萬燈。
最後に甲州街道に並んだ全ての萬燈で2分間の一斉演舞が行われます。審査結果は見ずに家に戻りました。
実は萬燈大会を見るのは今年が初めてだったのですが、くらやみ祭=夜のお祭りかと思っていましたが、昼間の華やかな萬燈大会、かなり面白いですね。来年以降も機会があれば積極的に見に来ようと思います。
5月4日:山車行列
萬燈大会と同じ5月4日の夕暮れ(18時頃〜)から行われる山車行列。市内の各町内会から合計22台の山車が旧甲州街道とケヤキ並木通りをお囃子と共に巡航します。山車行列は神輿渡御ほど沿道も混み合いませんし、山車の数も多く常にどこかの山車を見ることができるので、特にお目当ての山車があるという訳でなければ、沿道を移動しながらでも十分に楽しめます。
個人的には祭りのクライマックスと言われる神輿渡御よりも、この山車行列の方が華やかで好きかも。18時から始まりますがスタートから1時間ぐらいしてのんびり出掛けました。
大鳥居前の丁字路、萬燈大会を見ていた場所の対岸で見物します。
山車行列と神輿渡御はJ:COMの生中継がYouTubeでも同時配信されているので、祭り全体の流れを楽しむなら自宅で……というのもありますが、結局祭りの空気を感じられるのは現地だけなのですよね。
5月5日:神輿渡御
くらやみ祭クライマックスの「神輿渡御」、18時になると8基の神輿(武蔵国の六宮:一之宮〜六之宮神輿、御本社神輿、御霊宮神輿)が大太鼓の音と提灯に先導され、大國魂神社の本殿から旧甲州街道と府中街道の交差点にある御旅所まで渡御を行います。
7基の神輿は大鳥居を出た後、フォーリス/ミッテンの外周を回って渡御を行うので、最初の一之宮神輿が御旅所に到着するのは20時近く。最初の2時間弱は自宅でJ:COMの中継を見て、そろそろ一ノ宮神輿が旧甲州街道の大鳥居を通過したのを確認してから出かけます……
御旅所がある府中市役所前の交差点に到着すると、丁度のタイミングで一ノ宮神輿、二ノ宮神輿、三ノ宮神輿が交差点に入ってきたところでした。
二ノ宮神輿と三ノ宮神輿。
順番に御旅所に入って行く神輿。
四ノ宮神輿。秩父の玉ねぎ。
五ノ宮神輿。
以前は見られなかった警察官による雑踏警備(いわゆるDJポリス)。府中市役所前交差点の歩道内に入れたランクルの車上から拡声器を使って、ルール違反の動きをする見物客にすかさず声を掛けるなど、交差点付近に滞留しやすい見物客の誘導に一定以上の効果が出ているように感じられました。
少し場所を移動して六ノ宮神輿を見送ります。
御本社神輿。
御本社神輿まで御旅所への渡御を終えると祭りも終焉ムードで見物客もどんどん駅方面へと戻って行きますが、そんな落ち着いたタイミングで御霊宮神輿がやってきます。雅楽隊に先導されて……
他の7基とは違う府中街道の面した門から御旅所へ入って行く御霊宮神輿。
おつかれさまでした。