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町田・野津田公園 上の原広場と湿生植物園について、リニア小野路非常口と稲城南山

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町田市立野津田公園にきました。

野津田公園の話題を見掛けたので行ってみた

先日、相模原の実家に立ち寄りつつ川崎にある多摩丘陵の霊園に墓参りに行ったのですが、丁度前日にXで野津田公園に関するちょっと気になる話題を目にしていたこともあり、帰りに立ち寄ってみました。

野津田公園は東京都町田市にある総合公園で、最近ではJリーグのFC町田ゼルビアがホームスタジアムとして使用する町田GIONスタジアム(町田市立陸上競技場)の所在地としても知られるようになりました。
多摩丘陵の中にあるので園内には起伏が多く、各鉄道最駅から大きく離れていることで交通の便も悪いのですが(スタジアムのアクセスの不便さが話題になりがち)、そのような環境もあり過度な開発がされることなく、近隣の小山田緑地と並んで里山風景を残す市民の憩いの場にもなっています。

そんな野津田公園内にある調整池を利用した「湿生植物園」を潰してスケートパークを建設する計画は、以前Xで話題になっているのを見て知っていましたが、今度は公園内の「上の原広場」をバスの転回広場に整備するという計画についてXで知りました。多摩丘陵に残る自然、できることなら保全して欲しいですが、現地の状況もよく分からないのでとりあえず実際に見ておきたい。

オンライン署名 · 上の原広場の利用計画を見直してください〜町田市の宝、野津田公園・上の原広場の自然を未来につなごう - Machida, 日本 · Change.org

野津田公園は平日なら駐車場が無料でいつも空いているので、犬の散歩やカメラ機材のテスト、自然観察で昔から何度か訪れています。湿生植物園や球場付近の緑地は何度か歩いたことはありますが、園内全域を知ってる訳ではないので、「上の原広場」がどこのことだかよく分かりません……。
いつも停めてる中央第2駐車場、平日はいつも空いてる。

園内マップを確認すると、上の原広場があるのは園内の一番南側のエリア。芝溝街道や野津田車庫バス停側から、スタジアムへアクセスする際の入口(南口)近くにある広場のようです。

アクセス | 町田市立野津田公園公式ホームページ

スタジアム側からだと気持ちの良い丘陵の緑地の中を抜けて行きます(舗装された遊歩道もあります)。

雑木林の中に入るとキツツキ類のドラミングが響いていていい雰囲気。

園敷地の南の端、小さな八戸に目指す原っぱ「上の原広場」がありました。


上の原広場とバス転回広場の計画を確認する

上の原広場の中を突っ切るように鎌倉古道(上ノ道)の古道があり(地下には遺構があるそう)、奥にはサッカー用の「上の原グラウンド」があります。

野津田公園の東に現在の鎌倉街道がありますが、古道はここを通っていたのですね。綾部原トンネルができたのだって2000年代に入ってからですし、かつて多摩丘陵越えでは歩きやすい場所を選んでいたのでしょう。

上の原グラウンド。人工芝と天然芝を混ぜたハイブリッド芝を採用しているそう。

上の原グラウンド側から広場の入口方面を見る。新緑時期ということもあり広場内には緑が茂っています。

Google Earthや国土理智院の航空写真を確認すると、野津田公園として整備される以前は農地として、80年代以降も森やヤブ原になることはなく、季節によってはしっかり刈り込まれるなど常に人の手が入って管理されてきた草地のようです。まさに里山風景ですね。

そんな上の原広場の開発に反対する声が掲示板にまとめられていました。

どうしてこの場所にバス転回場の計画があるのか、町田市のサイトで資料に目を通してみました。
町田市第二次野津田公園整備基本計画/町田市ホームページ

この転回広場の計画は突然降って湧いた話でなく、2014年に町田市が作成した「町田市第二次野津田公園整備基本計画」の段階からあった話。野津田公園は多摩丘陵に残る広大な緑地里山ですが、陸上競技場や野球場、テニスコートなど複数の運動施設を擁する総合公園でもあります。その園内を「競技スポーツゾーン」「パークセンターゾーン」「レクリエーションスポーツゾーン」そして「人と緑のふれあいゾーン」にソーニングし、市民のためのスポーツの森「総合スポーツパーク」として整備する計画のようです。

バスの転回広場は園内で唯一駐車場のない南口側に2000㎡の大型車転回スペースを作るというもの。現在の上の原はらっぱの半分弱のスペースをアスファルト舗装に整備する計画です。さらに上の原はらっぱの入口には150㎡の「ネイチャーセンター」を作る計画もあり、各種活動の拠点、ネイチャーギャラリー、軽飲食スペース、トイレ等の設置も計画されています。このネイチャーセンターには南口駐車場(20台程度)の設置計画もあります。かなりざっくりですが転回広場周辺の計画はこのような感じ。

町田市第二次野津田公園整備基本計画/町田市ホームページ

南口に大型車を乗り入れる必要性、規模については検討の余地はあると思いますが、ゼルビアのJリーグ上位昇格に伴って健在したスタジアムのアクセスの悪さ、公共交通輸送の脆弱さを補う新たなバス乗降場として湧いた計画という訳ではないようですね(なので作ったらいきなり有効活用されるという訳でもない?)。
ネイチャーセンターの建設については現状反対も見られないようですし(?)、そこに付随する最低限の駐車スペース、大型車の侵入、転回スペースを確保することについては全く理解できないという訳ではないかも。

ストリートビューで見ると軽自動車は入れるようですが(原っぱ内に軽トラが停まっているのも確認できる)、ネイチャーセンターの建築を考えるとやはり最低限の園路の拡幅や整備は必要だと感じます。

ところでこの南口まで入ってくる芝溝街道からの道も、見ての通り結構狭い。大型バスの通行に問題があるレベルではないものの、すれ違いとなると難しそうかも。

転回広場の予定地からスタジアムのある競技スポーツゾーンまでは徒歩で丘陵の中を5分ぐらい歩く必要がありますし、せっかく周辺を「人と緑のふれあいゾーン」に指定する以上は、転回広場の必要性(規模も含め)はもう少し検討されてもいいのかもしれません。

ちなみに計画の見直しを求める署名サイトには「この上の原広場以外の公園内外に代替案となる場所があるにもかかわらず」とあるのですが、できればその代替案についても掲載して欲しかった。

そういえば、公式サイトの上の原広場の写真は2018年頃のようですが、隣接する上の原グラウンドは臨時駐車場として利用されることもあったのですね。この当時の運用ならばグラウンドに臨時の転回広場の機能を持たせることもできたのでは?とも思いましたが、芝のグラウンドになってしまうとなぁ……。


上の原広場のご紹介 | 町田市立野津田公園公式ホームページ

転回広場の計画については何が何でも反対すべきとは思えませんでしたが、ネイチャーセンターの計画と合わせて規模などもう少し検討されてもいいと感じたので、先の署名には参加しました。

野津田車庫(神奈中バス町田営業所)と野津田公園南口周辺

さて、せっかく普段来ない野津田公園の南口まで来たので、芝溝街道に出て神奈中バスの町田営業所へ。

かつては相模原町田エリアの民だったので「野津田車庫」の名前は昔からよく見てましたし、芝溝街道も車ではよく走りますが、野津田車庫の前を歩いたのは初めてかも。

野津田車庫バス停、営業所内に大きなバスロータリでーでもあるのかと思っていたら、芝溝街道沿いにある普通のバス停でした。

芝溝街道の拡幅計画があるみたい。確かに路線バスの起点になるような通りにしてはちょっと狭いか。大蔵のY字路も詰まりやすいし、鎌倉街道を別所から小野路経由に抜ける車も相変わらず多いですし、それでも綾部原トンネル(2005年完成)ができる前のことを考えると随分と便利にはなったと思いますけども……。

上の原広場にもありましたが、かつての鎌倉街道の古道とのこと。

南は鶴見川を越えて七国山(トトロの七国山でなく「ななくにやま」)、北は小野路宿。

スタジアムへ歩行者通路の案内にはカワセミの意匠。町田市の市の鳥のようです。鶴見川に恩田川、境川、池のある公園も多いですしカワセミは多そうですね。

ススキ草地、町田GIONスタジアム、バラ園

再び上の原広場。右手奥に小高い丘がありますね。

それがススキの丘。

市民の方が手を入れて草地を保全しているようです。

よく手入れされた草地(自然任せのヤブだと普通に歩ける状態にはならない)、少し草の深い場所に入っていったら、メスのキジが飛んで逃げていきました。

これが東京都町田市。

上の原広場と道を挟んだ反対側は公園エリアではなく、私有地でしょうか。

丘陵の中を歩く。


そういえばJ1基準に改修後の町田GIONスタジアムを初めて見る。


立派なバラ園に移築古民家など。


スケートパークになってしまう湿生植物園

湿生植物園にやってきました。雨水調節池を利用しているので、八戸の中に下りて行きます。


湿生植物園内の東側は浅い池が広がっています。

池の中にはヨシやススキがびっしり。

池の西側は湿地帯で木道を周囲を歩けるように道が整備されています。丁度キショウブやカキツバタが見頃のようです。

湿地帯の中を水が流れています。

湿生植物園といっても、神代植物公園の水生植物園や東高根森林公園の湿生植物園のように様々な植物が見られるよう管理されている訳ではなく、常に鬱蒼とした湿地帯ではあるのですがこれはこれで趣があって好きな場所なのですよね。

この湿地帯や池を潰してコンクリート仕上げのスケートパーク施設を作る計画が進んでいます。園内ではあまり人が訪れることもない静かな場所ではありますが、ここが消えてしまうのは勿体ないなぁ。

昨年11月に行われた「野津田公園スケートパーク基本設計説明会」の資料がアップされています。
野津田公園スケートパーク基本設計説明会を開催しました/町田市ホームページ

質疑応答を読むと、スケートパークは市民の要望が多い訳ではない。整備費の概算は不明。夜間開放するが監視員の常駐は未定。騒音は日常生活騒音レベル(スケートパークなのに?)……と色々疑問符もちらつきますが、そもそも調節池は自然保護の場所でなく湿生植物園はとりあえずの運用だったので、既定路線を進めるといったニュアンス。

リニア中央新幹線 小野路非常口

さてこの日、川崎の多摩丘陵にある霊園に行った際、そういえばこの近く、尻手黒川道路沿いに現在大深度地下で進んでいるリニア中央新幹線工事の犬蔵非常口(北部市場の横)と東百合丘非常口(王禅寺あたり)があるんだよなぁ……と思ったのですが、その次の(西の)小野路非常口がこの近くにあったはず。

野津田公園北交差点のあたりから、工事エリアが見えます。周囲は高い仮囲いで囲われていて、中を覗き見ることはできません。


この巨大なクレーンが伸びている下に直径30メートルを超える立て坑が掘られているのでしょうか。


さらにこの西、桜美林大学野球場の近くに上小山田非常口があり、相模原市橋本駅南の神奈川駅(仮称)に繋がります。

もう少しよく見える場所はないかと丘の上グラウンドの横を登ってみたりなど。

やっぱり中までは見えませんね。

この先は入れませんでしたが、今後この丘もテニスコートに整備する計画があるみたい。平日に来てしまうとグラウンド他、あまり利用されてるのを見ないので、これ以上施設を作る必要あるのかな……なんて思ってしまうのですが。散歩おじさん的にはスポーツ施設より自由に歩き回れる緑地が一番ありがたい(笑)

多摩丘陵の立派な森、できることなら残して欲しいものです。

小野路非常口、やはり工事前から定点観測してる方の記録がありました。

多7・5・7号 南山街路2号線、給食センター前

町田市の小山田公園とは全然関係ないですが、その後買物でヤオコー稲城南山店に行ったので、ついでに「多7・5・7号 南山街路2号線」の進捗を見てきました。

前回は給食センター(稲城市立学校給食共同調理場)の前で行き止まりでしたが、さらに数十メートル舗装路が伸びていました。



新たな立ち禁ゲートの向こうも既に車道、歩道の舗装は終わって街灯も並んでいます。ランド通りへの丁字路の開通は早そうですが、日本山妙法寺前までの道がも同じタイミングで完成するか?


稲城よみうりランド坂トンネルの出口付近を上から見ることができます。

ジャイアンツタウンの裏から、先日開通した稲城南多摩線との丁字路へ。