I AM A DOG

途方に暮れる 犬とよばれる でも生きてゆく

高倍率コンパクトデジカメLUMIX DC-TZ99を買ってみた

本ページは商品、サービスのリンクにプロモーションが含まれています

LUMIXの高倍率コンパクトデジタルカメラTZ99を買いました。

※当初、広角周辺部の描写がよくない個体でしたが、その後メーカーで見てもらい(別件で修理が必要になった際に周辺描写についても問い合わせ)レンズユニットが交換となりました。描写は大幅に改善されたので、改めて作例データなど交換後ものに差し替えています(25/7/9修正)。

LUMIX DC-TZ99の在庫があったので買ってしまった

先日、LUMIXの高倍率コンデジが気になっているというブログを書いたのですが、その際は当該機種は市場在庫もなく入荷は6月下旬以降とのことだったので前向きに検討中…… としていたのですが先週末にカメラ量販店のサイトを覗いたら在庫ありになっていたので、しばらく悩んで結局ポチっと。その後すぐお取り寄せ表示になってしまいましたが、無事に在庫確保されてたようで翌日には手元に届きました。


この製品もパナソニックが採用している指定価格制度の対象のようで、量販店、EC、公式ストアのどこで買っても価格は税込64,350円で統一されています。コンデジにしては少々お高い気もしますが、ひと昔前のように各メーカーが低価格コンデジで競い合っている時代ではありませんし、デジカメ市場全体が高級機中心で高価格化しているので相対的に比較的買いやすい価格帯になっているかも?

カメラ等の包装が簡素化する時代に倣ってLUMIXの化粧箱もシンプルに。茶色い段ボール箱が増えてる中、表面が薄いグレーの箱は少しでも綺麗な箱で届けたいという思いを感じられて個人的に好印象。

色はホワイトにしました。たまには黒以外のカメラも使ってみたかった。付属品は取説(裏面に保証書)、充電用のACアダプターとUSBケーブル(A-C)とストラップ。

取説は紙版が付属している通常版の他に、245ページの「取扱説明書 活用ガイド」(PDF)があるのでダウンロードしておくと良いでしょう。
サポート デジタルカメラ DC-TZ99 | LUMIX(ルミックス) ミラーレス一眼カメラ・デジタルカメラ | Panasonic

マニュアルも選ぶ露出モードにカスタマイズ性の充実した中級機

コンデジにしては少し大きめサイズ、重量322gと手に持つとややずっしりした感覚。

レンズ部にはLEICAの文字。LUMIX(パナソニック)がライカ社の品質基準に基づいて製造したLEICA DCレンズ(DC VARIO-ELMAR)が搭載されています。

手元のコンパクトなデジタルカメラ(OLYMPUS TG-6、LUMIX DG-GF10)と比較するとサイズ的には一番大きく、TG-6よりは70g重い。12-32mmレンズを装着したGF10よりは約10g弱軽いです。TZ99とGF10のそれぞれレンズを繰り出すとサイズ感は近いですね。

充電池は1025mAhのDMW-BLG10。GX7系で使っていた充電池と同じもので、GM1やGF10に使われてるBLH7(680mAh)よりも大容量で電池持ちは期待できそう。CIPA基準での撮影枚数は約380枚とのこと。数日使った感覚ではLUMIX GF10(電池切れしがち)よりも明らかに電池持ちは良いです。

ストラップはひとまず付属のものを装着しました。ストラップホールは左右にあるので両吊りも可能です。

充電端子でもあるUSB端子はUSB2.0のType-C。取説を見る限り5V充電で、PDでの急速充電には非対応ぽい。満充電まで約190分掛かるようです。

SDカードは通常サイズでカードスロットは電池蓋と兼用。

液晶モニターは184万ドットでタッチパネル式。なんやかんやでLUMIXカメラは結構使っているので使い慣れたメニューですね。カスタマイズ性も高くレンズ周辺のコントロールリングにステップズームを設定することなども。もちろんRAWデータで撮影できます。

モニターは跳ね上げ方向のみのチルト式で、正面側へ180度回転させての自撮りも可能。

モードダイヤル、4種類の露出モード(M/S/P/A)にカスタムセット(C1/2)があり、C2には3種類のカスタムセットが登録可能です。TG-6でも露出モードはA/Pの2種類だというのに、マニュアル露出やシャッター速度優先が選べるのは素晴らしい。カスタマイズ性の高さと合わせてかなり使い甲斐のありそうな機種です。

電源をオンにするとレンズが飛び出して広角側で撮影可能に。起動はレンズを繰り出す必要があるので高速という程ではないけど、そこそこにスムーズだと思います。

焦点距離は広角4.3mmから望遠129mm(35mm判換算で24mm〜720mm相当)までの光学ズーム30倍で、開放絞り値はF3.3〜6.4。iAズームとデジタルズームがそれぞれ2倍、4倍まで使えますが、RAW撮影の場合は光学ズームの望遠端が最高です。

広角24mmから超望遠720mm相当まで

さて、気になる写りとズーム域の変化を簡単に見ていきましょう。まず広角24mmと少しだけズームした35mm相当、JPEG保存でフォトスタイルはスタンダード、超解像は弱に設定しています。


50mm、90mm相当、標準から中望遠も精細感のある描写です。


200mm相当。TG-6の光学ズームだと100mm相当までですし、多眼レンズのスマートフォンも一部の機種を除くと、このあたりの焦点距離はデジタルズームが併用されるエリアに入ってきます。それにしてもこのカメラ、手ブレ補正がかなりよく効きます。

400mm相当、多摩川対岸(約400m先)のサイクリングロードを走る自転車もしっかり写っています。河原の石や河川敷に生えている草も溶けずに判別可能。超解像を強めたりRAW現像ならもっとシャープネスを強く掛けることもできますが、個人的にはシャープネスはこれぐらいで十分かも。

光学ズーム最大の望遠720mm相当。鉄塔の接合ボルトまでしっかり写っています。

24mmから65、200、720mm相当までズームしながら撮影。同じ場所からこの4枚が撮れるのは面白いですね。こちらはRAWをLightroom Classicで現像しています。

とりあえずの作例

もう少し使ってからインプレッション記事など改めて書こうと思っていますが、とりあえずの作例。
広角24mm相当は今どきのスマートフォンの広角レンズでも撮れる画角で、センサーサイズにしても画像処理にしてもスマートフォンカメラの方が有利ではありますが、まあ大きな問題もなく写ります。

届いた直後に出掛けた地元の駅前のイベントライブ。soLiのギタリストISAO氏の両手タッピングを214mm相当までズームして。屋外ですが曇天気味だったこともあり、絞り優先だと被写体ブレしてしまうので、シャッター速度優先に切り替えて1/500で。感度はオートで上限ISO1600に設定、ISO1250まで上がってしまったので、Lightroom ClassicのAIノイズ除去を掛けました。この辺りも追々レビュー予定。

あと1ヶ月ほどで終わる多摩川 大丸用水堰の改築工事の現場。河川敷に残る土砂を運び出す作業中の重機がかっこよかったので347mm相当までズーム。片手撮影ですが手ぶれ補正が効くので構図や水平も決まりやすい。

やはり気になるのは超望遠での野鳥や生き物の撮影ですが、超望遠といっても720mm相当だと小鳥を大きく撮るのはちょっと難しい。カルガモぐらい大きな被写体ならば構図いっぱいに引き寄せることができます。

この春の多摩川通いの楽しみになっているキジにも出会えました。最近は河川敷の草がどんどん伸びていて、キジの鳴き声は聴こえるものの姿は見えず…… という状況が増えていますが、この個体は草の隙間からホロ打ちの様子を見せてくれました。最大望遠の720mm相当で撮影してさらにトリミングを行っています。

このキジがいる場所をTZ99の広角端24mm相当と200mm相当で写すと、こんな感じの撮影距離です。青丸の中に黒っぽく見える影がキジ。身を屈めて草が影になってるので全く見えませんが、双眼鏡や超望遠のレンズで覗くとしっかりその姿を確認することができます。これだけ離れたキジを、小さなコンデジで上の写真のレベルまで引き寄せられるのは素晴らしい!

個人的にに可能性を感じたのが望遠マクロ的な使い方。639mm相当から少しトリミングしてますが、物理的に近づくの難しい(逃げられる)昆虫から一定の距離を取りながら、ここまで寄れるのは、超望遠レンズかつ小センサー機であるTZ99の強みかもしれません(TGだと最大100mm相当なので物理的な寄りが必要)。

まずは購入報告と外観、基本スペックの紹介ということで、作例はこの程度にしておきます。
1/2.3型センサーの高倍率コンデジということで、画質的には今どきのスマートフォンのカメラに叶わないシーンも多いかと思いますが、作例として掲載した5枚はどれもスマホカメラでは簡単には撮れない(或いは不可能)な写真だと思います。久々に楽しいカメラを手にしたので、積極的に使ってみたいと思います。

追記:まずは望遠側での撮影を中心にファーストインプレッションを書きました。