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八王子市・滝山丘陵、滝山城跡を歩いて多摩川と秋川の合流点を眺める

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多摩川中流、睦橋からの眺め。右岸側に伸びる丘陵が滝山丘陵(加住丘陵)です。

加住丘陵と滝山丘陵、滝山城跡

加住丘陵は多摩川と秋川の合流点にある丘陵で、地理的には三浦半島から高尾山まで連なる多摩丘陵に続く丘陵のように見えますが、浅川の左岸に広がる日野台地を挟み、加住丘陵へと名前を変えているようです(さらに北には草花丘陵や加治丘陵といった同規模の丘陵が関東山地から武蔵野台地に掛けて伸びています)。

入間市公式 - 加治丘陵のみどころ より

多摩丘陵と同様に西側で関東山地(奥多摩)に接し、多摩川と谷地川の間に伸びる緩やかな尾根は「滝山丘陵」とも呼ばれています。滝山丘陵の大半は八王子市で、多摩川右岸の北東側の一部が昭島市となっています。

赤地図の中央、東西に伸びているのが加住丘陵(十字の印が滝山城跡付近)。東側には日野台地が広がり、浅川の沖積低地を挟んで南に多摩丘陵。地図右上は狭山丘陵、秋川と多摩川の間に伸びているのは草花丘陵です。

国土地理院:https://maps.gsi.go.jp/development/ichiran.html

この滝山丘陵には戦国時代に山城「滝山城」が大石氏により築かれ、北条氏照(小田原北条氏)の居城となりました。滝山城は国の史跡として遺構が保存され、都立公園「滝山自然公園」として整備されています。

また八王子市内には同じ北条氏照が築いた山城「八王子城跡」が高尾山の北あたりにあります。
都立滝山公園・滝山城跡|八王子市公式ホームページ
八王子城跡|八王子市公式ホームページ

多摩川の左岸側を生き物を探しながら散策した後、暗くなるまで時間があったので対岸から見えていた滝山丘陵(滝山城跡)に行ってみることにしました。

昭和用水堰(多摩川左岸の昭島市側)から見る滝山丘陵

滝山観光駐車場からスタート

滝山自然公園、滝山城跡には丘陵周囲の数か所から立ち入ることができますが、マイカーなら谷地川に沿って走る滝山街道沿いにある滝山観光駐車場からのエントリーが一番近いでしょう。

滝山観光駐車場の横には西東京バスの滝山城址下バス停もあり、八王子駅方面からのバス移動も可能です。

滝山観光駐車場は29台のスペースがあり、朝8時から18時まで(冬季は16時まで)無料で利用できます。

駐車場内にはハローサイクリングのステーションもありました。

八王子市の重要な史跡ということで、案内看板も豊富に設置されています。山城といっても高低差100mもない丘陵なので、動きやすい格好であれば軽装で大丈夫。

この散策路ルートを時計回りに歩くと1時間程度でしょうか(看板等スルーすれば半分ぐらいかも)。

駐車場の隣にある滝山城跡碑の近くには滝山自然公園(「滝山公園」との表記揺れあり)の看板と案内パンフレットが配布されていました。

住宅地の脇を入って行きます。メインの散策路は舗装されていますが、山の神曲輪方面など未舗装路もあるので足元は最低限スニーカー程度で。

「都立 滝山公園」の表記の方が多いようです。

小宮曲輪の解説。同様に各曲輪や馬出、虎口など城内の史跡を解説する看板が各所に設置されています。ただし点数も多いので今回はコース紹介程度に留めます。

三の丸の空堀。

小宮曲輪と三の丸の間で順路は本丸方面と、城の西にある山の神曲輪の2つに別れます。

先に山の神曲輪へ。丘陵の緩やかなアップダウン。


山の神曲輪から多摩川トライアングルを見下ろす

敵の攻撃の際、城下や周辺の民衆を避難させる場所だったと言われる山の神曲輪。

山の神曲輪からの展望。ほぼ真北で多摩川と秋川の合流点には水辺の森、NHKの自然ドキュメンタリーでお馴染み「多摩川トライアングル」が広がっています。

秋川左岸には田植えの終わった水田。

多摩川の睦橋に、右奥は多摩川緑地福生南公園の駐車場。中央付近の森が多摩川トライアングル。

手前側が秋川からの流れ。

多摩川緑地福生南公園(福生市」と水鳥公園(昭島市)の間、「下の川」の流れ込み。段丘崖からの湧水や雨水排水、玉川上水からの熊川分水の水が流されているようです。

再び三の丸に戻ってきました。


千畳敷は休憩スペースになっているようですが作業中で入れず。

中の丸と本丸の間、空堀の大堀切。木橋が掛けられていたそう。

本丸へ。


滝山城本丸、そして中の丸

滝山城本丸。

史跡 滝山城跡の石碑。

本丸にある霞神社。その先にも本丸は続きます。


金毘羅社。

そして本丸からの展望。正面に多摩川の昭和用水堰、ハーフコーン型の魚道も確認できます。


むつみ橋と奥の鉄橋はJR五日市線。正面が多摩川トライアングルで手前の流れが秋川。

橋を渡って中の丸へ。

本丸よりも広い中の丸。


立派な公衆トイレ、自販機の設置もありました。

瓦屋根の建物はかつて国民宿舎として使われていた旧滝山荘。

続日本100名城のスタンプ(123番)がありました。

中の丸からも展望があります。本丸とほとんど同じだけど、多少見晴らしが良いかも。手前のグラウンドは滝ガ原運動場、多摩川右岸の河川敷だと思いますが、Googleマップで見ると運動場の敷地からそのまま田畑が続いていて明確な護岸の境が分かりません。

昭和用水堰の右岸側と多摩川トライアングル。

二の丸横の丁字路を駐車場方面に戻らず南西に進みます。

広い二の丸の一部。


かたらいの路 滝山コースを歩く

古峯ヶ原園地方面に進みます。


右手側(南)は深い谷になっています。自然地形のようにも見えますが、城の地図では「大池」という池があった場所みたい。

家臣屋敷跡。尾根からの攻撃に備えて親戚筋などの信頼の置ける家臣が居住していたそう。

滝山丘陵の尾根を滝山自然公園からさらに西に抜けるのが「かたらいの路 滝山コース」。

緩やかな尾根は滝山城の弱点だったため、堀を掘って引き橋にしていた木橋。

尾根道といっても緩やかな丘陵なのでアップダウンもない雑木林の林道です。尾根(かたらいの路 滝山コース)の途中から滝山街道方面に下りる道はいくつかあるようですが、終点まで行くと駐車場まで戻るのが面倒ですしどうしようか……。

少し道を外れて滝山丘陵の最高点へ。二等三角点があります。夏草が伸びて踏み跡が分かりにくくなっているのでこの時期はGPSを確認して行くのが無難。戻る際に尾根を外れないように注意しましょう。

海抜170.72メートル、滝山丘陵の東側、尾根の北側は昭島市になるので昭島市の最高地点となるようです。

かたらいの路 滝山コースをゴールまで行ってしまうと駐車場まで戻るのが面倒なのでここで尾根を下ります。

八雲神社裏手の斜面を抜けて滝山町一丁目会館の横に抜ける細い道。

こんなところに出てきました。


滝山街道を駐車場へ

滝山街道に戻ってきました。

滝山街道の南、谷地川を挟んで、加住丘陵のもう1本の丘陵があります。丘に上に並んでいるのは、パルテノン神殿のような創価学会東京牧口記念会館(東京富士美術館からよく見える)、そして創価大学の校舎。

馬がいるな… と思ったら八王子乗馬倶楽部だそう。

ウィラーエクスプレスのバスが何台も止まっていて、こんな場所にウィラーの拠点があったのねと思ったら、ウィラーと提携しているバス事業者、ニュープリンス観光バスとのこと。

ワークマン 八王子丹木店の向かいに「せっかくワークマン来たんだから NEP 日動エコプラントにゴミ捨てにきて!」の看板。産廃業者のようですが、手書き文字なのとか穴埋めお題フリップ風なのとか、ガチ宣伝なのかジョークなのかいまいちノリが分かりません。

駐車場に戻ってきました。この日はもう夕方だったので「かたらいの路~滝山コース」を途中で切り上げて下りてしまいましたが、なかなかいい丘陵のハイキングコースでした。全体は樹林帯の中ですが、夏場はそれなりに汗はかくと思うので水分の携行をお忘れなく。

駐車場スタートだと一周して戻ってくるコースになってしまいますが、電車利用の場合は八高線の小宮駅と五日市線の東秋留駅を結んで歩いてみるといい感じに滝山丘陵を楽しめそうです。