9月末で多摩川からの通水を終え、段丘崖からの湧水のみが流れるようになった府中用水を追いかけてみた記事を3本ほど書きました。その際に既に通水が終わっている（水の涸れた）用水路の写真も一部撮っていました。線で追いかけている訳ではありませんが、せっかくなので記録だけ残しておきます。
この記事で写真を載せている各水路のざっくりした位置関係。
本宿用水（四谷用水）
まずは府中用水よりも多摩川の下流で取水して、国立市、府中市の多摩川に近いエリアを流れる農業用水の本宿用水（四谷用水）から。取水しているのは多摩川の四谷本宿床止です。
本宿用水の取水口は既に閉じられていました、水門設備も閉じているのだとは思いますが、ゴミの流入を防ぐためなのか多摩川に面した取水口に堰板が入っていました。
取水されて多摩川堤防を越えてすぐの本宿用水。既に水は涸れています。
谷保緑地内。
北多摩二号水再生センター内、敷地を出た直後の用水路。
中央道のランプウェイ中へ流れていく用水路の前後。
日新町4丁目、中央道下。
日新町3〜2丁目、野猿街道を挟んだ用水路（ワークマン横）。用水路内に残る長方形の跡が気になる。
NEC府中事業所の南側に沿って流れる暗渠。
府中用水新田川（新田川緑道）との合流。行人橋。
本宿用水（四谷用水）②
日新町5丁目、野猿街道を挟んだ水路。この水路は完全に素掘りのようです。
四谷2丁目。3本の水路が合流して中央道下を越える水路。
四谷2丁目、中央道北側の水田へ流れる水路。
本宿用水（四谷用水）③
四谷2丁目、水田の脇を流れる本宿用水の暗渠。
四谷2丁目、中央道の南側、側道を流れる暗渠。
中央道沿いから離れて東大山道に沿って新府中街道方面へ。
本宿用水（四谷用水）④
四谷自然樹林横で分岐する水路。本宿用水の中でも四谷用水だった範囲になるのかと。
野猿街道を越えて四谷4丁目で東大山道を越える水路。
三社宮神明社。関係ないけど立ち寄ったので。水路は神社の裏手から府中市四谷方面を流れます。
市川（府中用水）
市川緑道から新府中街道との交差。水路が2つに別れているのはこの後、雑田堀への分岐があるからか？
三好町丁目、清水坂橋。かつてハケからの湧水が多かった場所とのこと。
府中用水市川（下の川）沿い。
暗渠になった市川を表現するペイント。分倍河原駅前を越え、第二都市歩道となり府中本町駅方面へ続いています。
分梅町3丁目あたりで市川から分岐している水路。
南武線沿いの第二都市歩道。
暗渠が顔を見せるのは是政6丁目の南武線の線路下と中央道の側道が接近するあたり。道を挟んで反対側にはサントリー天然水のビール工場。ハケ沿いを流れる市川は涸れていたはずですが、ここは水があります。
こちらのブログ記事によるとサントリー工場の工場排水が流されているそうでなるほど。
ちなみにビールの醸造に使われている水は深井戸からの地下水になりますが、工場で使われている水の全てが天然水という訳ではないと思います。
南武線と府中街道の間の住宅地の裏を流れて行く市川というか既に下水路。
二ヶ村緑道に突き当たって100メートルほど並走して暗渠に消えていきます。
府中市下水道の「矢崎都市下水路スクリーン施設」という下水関連の施設のようです。
この先は暗渠といってもすぐに多摩川。是政橋も見えています。
お馴染みの「矢崎都市下水路吐口」。
府中市の下水道は約78％が合流式ですが、多摩川沿いのエリアは分流式になっていることもあってか、少し上流にある是政排水樋管と共にに臭気を感じることはありません（以前は雨の後など気になることもありましたが）
雑田堀（府中用水）
分梅町2丁目にある「分量橋」の碑。府中用水市川から分水される雑田堀のスタート地点。
市川には水が流れてないので当然雑田堀も涸れています。
住宅地の中を分岐しながら流れる雑田堀。
京王線を越えて中央道の側道に出るあたり（雑田橋）で生産緑地へ分岐しつつ暗渠となって中央道の南へ。
矢崎町の柴間通りの下から開渠となります。水があるように見えますが……
すぐ横の「雑田堀親水公園」の池の水が周辺の水路側に流れ出て滞留してるだけだと思われます。この池は冬になっても完全には涸れませんが、雑田堀からは水は消えます。
現在はまだ雑田堀親水公園から小さなな流れが発生していました ……がサントリー工場の裏手に入る頃には干上がっています。
二ヶ村用水（府中用水）
こちらはかつての農業用水路の名残を親水施設にしているような場所。是政排水樋管から多摩川堤防を挟んだ金塚桜広場にある円筒分水のモニュメント。水源は何でしょうね…… やはり地下水？
金塚桜広場の中を二股に別れて流れて……
二ヶ村緑道で合流します。サントリーのラグビー場の横をしばらく流れて……
矢崎都市下水路スクリーン施設の少し手前で暗渠へ。下水路と繋がっているかは不明。二ヶ村緑道はこの先、府中街道を越えて競艇場方面に続いています。二ヶ村緑道沿いの水路は稲城大橋たもとの北多摩一号水門で多摩川に流れ込むようです。
この二ヶ村用水についても、やはりこちらのブログ記事が詳しいです。
以上、府中用水の湧水エリアを巡った際に、記録だけしておいた涸れ水路写真のまとめとおまけ。来年、府中用水の通水が再び始まったら、気が向いたら今度は水の流れを追いかけてみるかもしれません。
