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32bitフロート録音対応のハンディレコーダーZOOM H1essentialを買ったのでテスト録音

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ZOOMのハンディレコーダーH1essential(H1e)を買いました。

音楽機材なので別のブログで紹介するか迷いましたが、一応これもデジタルガジェットですし、動画撮影の音声別録り用途や、フィールドレコーダーとしても使われる機材なのでこちらのブログで。

リニアPCMレコーダーを買い替える/32bitフロート録音

非圧縮でのデジタル録音ができる「リニアPCMレコーダー」。バンド練習やライブ録音、インタビュの録音などにOLYMPUSのLS-10(2008年発売)というモデルを長らく使っていました。
最近になってHOLD機能(ボタンの誤操作防止)が効かなくなったり、SDカードを使った録音でエラーが出ることがあり(メディアとの相性もありそうだけど)そろそろ加減買い替えてもいいかなと。

調べてみると最近は「32ビットフロート(32bit float)録音」なる技術が話題らしく、従来の16bit/24bit録音より遥かに高いダイナミックレンジによりクリップ(音割れ)しない録音ができるみたい。これまで録音の際に設定していた、録音レベルの調整が不要という夢のような技術です。
32bitフロート録音と、そのメリット(ZOOM)
32ビットフロート録音とは? | TASCAM (日本)

そんな32bitフロートは国産音響機器メーカーのZOOMが特に力を入れているようで、PCMレコーダーの他、マイク、オーディオインターフェース、ミキサー兼レコーダーなど様々な製品をラインナップしています。
ハンディタイプのPCMレコーダーだとやはり国産メーカーのTASCAMも32bitフロート録音対応の製品を今年発売しています(DR-05XP、07XP等)。DR-05XPは価格帯も手頃で、今回の有力な買い替え候補でした。

余談になりますが、現在楽器やPCの音声をミックスしてモニターする用途で使っているミキサーの買い替えで検討してる「LiveTrak L6max」も32bitフロートに対応した機材。

ZOOM H1essential

今回はなるべくコンパクトな機材が良かったので、ZOOMの「H1essential」を選びました。そしてZOOMといえば圧倒的なコスパの良さ、H1essentialは市場価格で13,000円と驚きの低価格を実現しています。
H1essential | ZOOM

自分がZOOMの機材を買ったのはPCMレコーダーのH2(LS-10の前に使用)以来のこと。ZOOMは昔からデザインが個性的(昭和ロボットアニメとかG-SHOCK的というか……)なメーカーですが、H1essentialは比較的シンプルな方。それでも一目で分かるZOOM感はあります。

内蔵マイクの主張は強めですが、小型のボイスレコーダー(ICレコーダ)とかなりいい勝負ができそうなコンパクトさ。

OLYMPUS LS-10もPCMレコーダーとしてはそこそこにコンパクトな機種でしたが、H1essentialはさらに小型というかほっそりしていて重量は92gという軽さ。個人的にはLS-10だったり、現行製品であればTASCAM DR-05Xのようなデザインが好きなのですが、このコンパクトさは大きな魅力。

付属品に取説はなく、安全上の注意と保証書だけ。オンラインで製品登録することで、保証期間が1年から3年に延長されれるので、忘れないうちに行っておきましょう。

取説はZOOM公式サイトにWEB版とPDF版があります。
H1essentialオペレーションマニュアル
https://zoomcorp.com/media/documents/J_H1essential_rev2.pdf

正面には128x64ドットの有機ELディスプレイ。操作ボタンは録音再生操作の5つの他、ディスプレイに下に4つ。ボタン単体の機能の他、ディスプレイの表示と組み合わせてカーソル移動や決定ボタンとしても使いますが、ZOOM製品あるあるでこれが結構使いにくいのです。普通に十字キー的な配列のボタンで操作できた方が、直感的だと思うのですが……。

内蔵マイクはステレオでXY配置(2本のマイクでステレオ録音をする際に、マイク先端を広げるのでなく同位置で90度にクロスさせてマイキングする方式)でになっています。

裏面は三脚ネジ穴と電池ボックス。電池は単4電池が2本。

使用電池は本体側の設定で「アルカリ乾電池」の他に「ニッケル水素蓄電池」「リチウム乾電池」を選ぶことができるので、ニッケル水素蓄電池を選べばエネループで使えます。

記録メディアはmicroSD(SDHC/SDHC)カードを差して使います。内蔵メモリはないので、メディアの入れ忘れには気をつけたいところ(LS-10は内蔵メモリが2GBあったのが地味に便利でした)。

右サイドにはmicroSDスロットの他、メニューボタンとUSB-C端子。USB接続でPC等にファイル転送できますが、転送速度はUSB2.0 High Speedなので、長時間の録音を行った場合(録音データはファイルシステムの壁の影響で2GBごとに分割されます)は結構転送時間が掛かりそう。USBバスパワーでの動作にも対応している他、本体をUSBマイクとしても使用可能です。また、内蔵マイクの他、ステレオミニジャック(MIC/LINE IN)にマイク等を接続して32bitフロート録音を行えます。

左サイドにはヘッドホン/ラインアウトとボリュームダイヤル、そしてスライド式の電源スイッチ(HOLD機能あり)。

不要な低域をカットするローカットは「80Hz/160Hz/240Hz」から設定できます。楽器の録音なら80Hzに入れておけば良いと思いますが、屋外のフィールド録音で風切音などが気になるようなら、160Hzや240Hzまで使ってみてもいいかもしれません。この後貼っているテスト録音では80Hzのローカットを入れてます。

録音時のビット深度は32bitフロートに固定されますが、サンプリング周波数は「44.1kHz/48kHz/96kHz」の3段階。デフォルトでは48 kHzになっていました。128GBのSDカードを差したところ、96kHzでは46時間14分、48kHzで92時間28分の録音ができるようです。ただし1ファイル2GBの壁があるので、長時間録音をする際は分割されたファイルをDAW等を使って編集する(繋ぐ)必要があります。

……といったZOOMのH1essentialの基本的な仕様、使い方はZOOM公式のクイックツアーを見てもらうのが一番分かりやすいと思います。


WSH-1e Hairy Windscreen

屋外でのフィールド録音をする場合、マイクの吹かれ(風切音)対策として風防(ウインドスクリーン)を使いますが、今回は数量限定の風防セットを購入したので、最初からモフモフのウインドスクリーン「WSH-1e for H1e」が付いていました(12/29時点でまだZOOM公式ストアの在庫はあるようです)。
【数量限定】H1essential&専用風防セット | ZOOM STORE

ZOOM製の複数ハンディレコーダーに対応する「WSU-1」とは異なるH1essential専用のモデルのようです。
ポケット状になっているWSH-1eをH1essentialのマイク部分に被せるだけです。

屋内の録音(バンドやライブ、インタビュー等)ではウインドスクリーンを使ったことはないので、寒風吹きすさぶ河川敷のフィールド録音でその効果を確認してみようと思います。


試しに録音してみた

早速使ってみることにしますが、直近でライブやリハスタに入る予定はありません。
アコースティック楽器ではないライン楽器でこのような録音をすることはないのですが、シンセのピアノによる演奏(バンドでやってる曲)を一旦ライン録音したものをスピーカーで鳴らして、H1essentialで録音してみました。三脚等は使わず、スピーカーの目の前でH1essentialを手持ちしています。
(WAVファイルは上手く貼れなかったのでMP3変換)

音が少々小さいですが、H1essentialでは録音レベルを設定する項目はないので、録音後に本体でノーマライズを行いました。この作業はDAW等でも行えますが、本体でノーマライズをした場合はファイルの後ろに「_NORM」と名前の付いたファイルが元ファイルとは別に保存されます。

本体でのノーマライズはそれなりに時間が掛かるので、長時間の録音の場合ははPCに取り込んでからDAWや波形編集ソフトでボリューム調整した方が良いでしょう。

多摩川や鉄道の音を録音してみる

続いて屋外でのフィールド録音にH1essentialを使ってみました。ごく普通の環境音ではありますが、ヘッドホンで聴くと臨場感が感じられてなかなか楽しい!?かもしれません。

野鳥観察とフィールド録音は相性がいいかも?

まずは多摩川の水辺で川の流れの音を録音してみました。川面の音を拾いながら、徐々に排水樋門の流れ込みに近づいて行きます。ウインドスクリーンを装着し、80Hzのローカットを入れてます。

冬の多摩川河川敷、かなり風が強いので、ウインドスクリーンを外すとこんなことになってしまいます(風切音が爆音過ぎるのでノーマライズしてこれでもかなり音量を下げています)。

ウインドスクリーン、やはりフィールド録音には必須のようです。たまにミラーレスカメラで動画撮影すると、風切音が酷いことになっているのはそういうことでしたか。

続いてJR南武線の多摩川橋梁の下で通過する電車の音を録音。

真上で電車が通過する際にはまあまあの爆音になるので、波形は完全にピークが潰れていました。こちらも本体でノーマライズを行っています。

ノーマライズ前後の波形を並べるとこんな感じ。ピークオーバーで海苔状態になっていた波形が、ちゃんと抑揚のある音量になっています。この作業はDAWや波形編集ソフトでも行えますが、現在の環境にDAWを入れてないのでGarageBandでそのまま2本の波形を並べたキャプチャーです。

サンプルとしてもう充分かと思いましたが、せっかく録ったのでもう2本。
駅を続けて出発する2本の電車(JR南武線に続いて武蔵野線)。

こちらは踏切を通過する京王線。

爆音のバンドやライブ録音はこれから

今はちょっとした録音や録画ならスマートフォンがあればできますし、敢えてリニアPCMレコーダーを使って音声のみを録音する必然性はかなり低いかもしれません。それでもやはり自分の用途だとスマホで代替の効かない機材ですし、今までは録音の度に設定が必要だった録音レベルの調整が不要(録音後の調整は必要になりますが)になったことは、とても有り難いです。

フィールド録音が目的で買った訳ではないので、肝心のバンドやライブなどの録音は今後のお楽しみですが、そちらの用途でのレビューは今後別ブログの方で行えればと考えています。