いつも野鳥や生き物の観察をしていた多摩川河川敷の藪が火災で消失してしまいました……。

三連休初日の2月21日、多摩川河川敷で火災が発生しました。
多摩川河川敷で火災、4万平米焼ける けが人の情報なし 東京・府中 | 毎日新聞
21日正午ごろ、東京都府中市の多摩川河川敷で火災が発生していると消防に通報があった。火災は府中市小柳町6で発生していて、午後2時現在で消火に至っていない。
消防によると約4万平方メートルが焼けており、10台の消防車両が出動して午後1時過ぎに延焼が食い止められたという。けが人や逃げ遅れた人の情報はない。
警視庁府中署が出火原因を調べている。
多摩川の河川敷で火事 枯れ草約4万6000平方メートルが焼ける けが人なし|FNNプライムオンライン
東京・府中市の多摩川の河川敷で21日、枯れ草が燃える火事がありました。
21日正午ごろ、府中市小柳町の多摩川の河川敷で「火と煙が見える」と119番通報がありました。
火は約5時間後に消し止められましたが、約4万6000平方メートルの枯れ草が焼けたということです。
この火事によるけが人はいませんでした。
火災によるけが人が出なかったことは何よりです。Xで見掛けた情報では男性による野焼き(焚き火?)が火元とのこと。報道では原因は発表されていませんが、失火というのが事実であれば、各地の山林火災が問題になっている中、枯れ草だらけの河川敷でなぜそんな危険なことを……。
火災で消失した範囲ですが、調布空港から飛び立った新中央航空機の機内から撮影された写真がXに投稿されていました。写真の上部に見えるのが稲城大橋で手前が上流側。多摩川右岸の稲城北緑地公園の前、対岸には府中市の多摩川親水公園が広がる河川敷の広範囲が黒く焼けているのが分かります。
調布空港から見えた煙は、多摩川河川敷の火事だったみたい。家屋の被害はなさそう。でも真上に高圧電線が通ってるみたいだからこれ燃えてたら大変。 https://t.co/JgCvb2j3SP pic.twitter.com/SToI3dARh6
— ノボリ タツミ / Ark / 新島 (@Tatsumi_Ark) 2026年2月21日
報道では「府中市小柳町」となっていますが、市境を確認すると稲城大橋から是政橋に掛けて、府中市と稲城市の市境は多摩川の右岸側にあり、中でも稲城北緑地公園前の駐車場など敷地の一部は府中市になるようです。稲城北緑地公園は以前からよく訪れている場所ですが、これには気づきませんでした。稲城北緑地公園や駐車場を管理しているのは稲城市ですし、駆けつけた消防や警察も稲城市側だとは思うのですが……。

火災は多摩川の澪筋がある低水路側で発生し、高水敷側へと延焼をしたようです。
上まで来ちゃったので稲城のコースは終わりです pic.twitter.com/dBaUQ27WxV
— ぜゆず@がんばらない (@Ze_yuzu) 2026年2月21日
対岸を含めてさらなる延焼がなかったのは何よりですが、以前からキジやタヌキを観察していた藪が含まれていることもあり、個人的にはかなりショックな出来事です。翌日になって現場を訪れてみました。
多摩川右岸の堤防上を是政橋から下って行くと、リトルリーグの野球場を過ぎたあたりから真っ黒な焼け野原が広がっていました。やはりいつも訪れていた個人的にかなりお気に入りだった藪エリア。

数日前にもここで猛禽類やキジを観察していたのですが、その際に見たこの景色が……

こんな状態に。手前は多摩川堤防で焼け野原になっているのは高水敷。低水路との間にコンクリートの低水護岸が入ってない場所なので、低水路で燃え広がった火が広範囲に延焼してしまったようです。

少し下流側を見ると稲城北緑地公園前のスロープ付近は写真左手前は黒く焼けていますが、その奥の高水敷には枯れ草が残っていました。この付近には低水護岸が入っているので延焼を免れていたようです。日曜日ということもあり稲城クロスを使ったイベントが開催されていました。

特殊防護対策工(二重防護堤)・低水護岸工事とは | 京浜河川事務所 | 国土交通省 関東地方整備局
堤防などが急流によって洗われて削られないように、河岸の内部補強として、低水路へ新たにコンクリートブロックによる護岸を施し、その前面に根固ブロックを設置し強化する工事です。
稲城クロス(シクロクロスのコース)の大半は無事だったようですが一部上流側の一部は焼けていました。自転車が踏み固めて草が生えていなかったコース部分は土の色がクッキリ残っています。

焼けてしまった高水敷に下りてみました。まだ周囲には焦げ臭いニオイが漂っています。

消化されてから既にかなりの人が立ち入っているようで、足跡が残されています。元々は枯れ草が生い茂って人が踏み入れることの難しい藪だったので、地面はふかふかの柔らかい土です。

夏は背の高い草が茂っていますが、この時期は冬枯れの藪だった場所。良い天気が続いていましたし、あっという間に火は燃え広がったことでしょう。

写真だと分かりにくいですが周囲より少し低くなった凹みは焼け残っていました。ここだけ緑の草が生えていることもあり、前回訪れた際はここでキジが草を食む様子を見たばかりでした。キジは無事に逃げられたか?

灌木の多くは焼けてしまいましたが、一部はかろうじて残っていました。果たしてまだ生きているか。

灰が少なくなったこの辺りで延焼は止まっているようです。そういえば藪が薄い一帯が以前からありました。

延焼を逃れた上流方面。藪の密度は薄くなっていますが、風が強い日だったら更に延焼が広がっていたかもしれません。

低水路に下りてきました。いつも藪が深くて入るのを諦めていた場所もすっかり焼け野原になって入ることができます。やはり土がふかふかなのですね。

風が吹くと乾いた灰が舞い上がります。しばらくはこの状況が続きそうです。

少し歩いただけで靴だけでなくトレッキングパンツまでこの通り。

低水路の延焼の境目。石の河原が延焼を防いだようです。


火元は低水路側という投稿がありましたが、本当に枯れ草の少ない低水路側での安易な焚き火が燃え広がったのだとしたら、なんと愚かなことをしてしまったのか……。

かなり火が回ってしまった灌木。今後葉を付けることはあるか。

野鳥たちの隠れ家になっていた灌木にイバラなどのツル植物が絡みついた背の高い藪ドーム。下の方が焼けて屋根だけが残された状態になっていました。

双眼鏡のレビュー記事に貼っていた藪ドームもこの場所で撮ったものでした。この周辺にたくさん見られたこのようなドームの多くが焼けてしまいました。

低水護岸の下は焼け野原ですが……。


このコンクリートの低水護岸がすぐ上にある高水敷への延焼を防いでくれました。

風向きによるものか下流方面の延焼も途中で止まっています(消火活動もあると思います)。


河川敷に放置されて警告シールが張られたゴミは燃えることなくしぶとく残っていました……。

稲城クロスへの延焼を防いだのはこの通路のお陰なのか。

一部が焼けてしまった稲城クロスのコース。

稲城クロスのコースが延焼を防いだのかと思いましたが、この辺りを見ると消火活動の効果だったのかも。

先程のコンクリートの低水護岸が消えるあたり。ここは低水路と高水敷の藪が繋がっていたので、高水敷への 延焼ラインになってしまったようです。

この辺り、一年中草に覆われていて足を踏み入れられず、護岸がどこまであるのか分かりませんでしたが、土の下にもコンクリートの護岸は入ってないようです

代わりに金網で覆われた石積になっていました。


対岸の北多摩変電所にある送電塔から伸びる送電線の下まで燃えていましたが、送電線に影響がなかったのはなによりです。

一部の野鳥を除き動物たちの姿は見掛けませんでしたが、この草地にたくさんいたキジや藪ドームで暮らしていたタヌキたち、無事に逃げられているといいのですが……。

消防士の方が現場検証で訪れていました。



実際の消失範囲はどの程度が府中市で、どの程度が稲城市だったのか……?

焼けてしまったのは非常に残念ですが、これから春に掛けて新緑がぐんぐん伸びる季節なんで、どのようにして藪が復活するのかはそれはそれで興味がありまあす。



消失エリアの上流は草が少なくなりグラウンドなどもあるので、動物たちが暮らすには少々さびしい環境となっています。

大丸谷戸川樋管の下流側には少々狭いもののいい感じの藪が残っています。

稲城大橋の上から。

こうして遠くから見ると藪の中でも特に厚みのあったエリアが広範囲に消失していました。
藪の生命力は凄いので、春から夏に掛けて徐々に復活するのだとは思いますが、生き物がすぐに戻ってきてくれるか。定期的に観察してみようと思います。

そして改めてこれ以上の延焼を防げたことは不幸中の幸いだと感じます。

左岸側、北多摩変電所あたりの多摩川堤防から。そういえばキジたちはこちら側にも以前から暮らしていましたし、飛んで逃げて来ている可能性も高そう。

以上、府中市小柳町(と稲城市)の多摩川河川敷で発生した火災跡の様子でした。
