久々に北海道に行きました。今回は羅臼のホエールウォッチングのレポートです。

6月16日(火)から20日(土)に掛けて北海道の道東(主に知床エリア)旅行に行ってきました。日程は4泊5日ですが、格安な航空券の都合で初日の夕方に道東の女満別空港着、最終日は昼過ぎには女満別を飛び立つスケジュールとなり、初日と最終日はほぼ移動日で中3日間がメインです。今回は日程の真ん中、6月18日に知床半島の羅臼で参加したホエールウォッチングのクルーズ船の模様をお伝えします。

羅臼のクルーズ船には9年前の2017年にオウンドメディアの取材で乗ったことがあり、そのときは1日に2便乗って午後の便でシャチを見ることができました。素晴らしい体験だったので、以来妻にも羅臼の海を泳ぐシャチを見てもらいたいと思っていましたが、ようやく今回それが叶いました。

旅行全体のスケジュールや宿泊先などは改めて記事にまとめますが、今回のホエールウォッチングクルーズ船でお世話になったのは「ゴジラ岩観光」。知床半島を挟んだウトロと羅臼の両方で観光クルーズ船を運航する業者で、今回の旅行では前日にウトロ側でもゴジラ岩観光のクルーズ船に乗っています(ルシャ湾の往復コースでヒグマやイシイルカ、カマイルカ、ケイマフリなどが見られました。その模様についてもまた別記事で)。


羅臼でホエールウォッチングのクルーズ船を運航している業者は複数あり(以前は「知床ネイチャークルーズ」にお世話になりました)、巨大な羅臼港(羅臼漁港)の西側に観光船の乗り場があります。
今回はホエールウォッチングの午前便と午後便を事前にネットから予約しておきました。出航時間(午前便9時、午後便13時)の30分前に羅臼港近くの事務所で受付をし、パスを貰って羅臼港の乗り場へと向かいます。

近年、羅臼のシャチ見クルーズは人気のアクティビティになっていて(特に最近は白いシャチの出現などもあり)国内外から訪れる観光客で平日でも多くのクルーズ船の予約が埋まることもあります。午前便、午後便共に日本人の観光客、シャチ&カメラガチ勢の他に、海外からの旅行客の姿も多く目にしました。
ゴジラ岩観光は羅臼側に2隻のクルーズ船を所有していて、我々が乗船したのは写真の「カムイワッカ」。出航時刻になっても天気は写真の通り海霧で真っ白ですが、さてどうなることやら……。

羅臼が面する根室海峡(知床半島と国後島の間)は大陸棚から急激に水深1000メートル(最深部で2500メートル以上)まで落ち込む地形となっていて、冬の流氷がもたらす栄養分による豊富なプランクトンやオキアミ、それらを食べる小魚、そして多くの鯨類や動物が集まる豊かな海となっています。


海に出てまず出会えた生き物は(港からたくさんいるオオセグロカモメを除くと)ウトウ、フルマカモメ、そしてハシボソミズナギドリ。観察しようにも霧の中なのでただ横を通り過ぎるのみという感じ


気温は出航前で15度ぐらい、沖に出ると気温も下がりそこそこ冷え込みますが(体感ひと桁台)、ソフトシェルの上にレインウェアを重ねる程度でデッキ上でも快適に過ごせ、念のため携行していた保温着を着るほどではありませんでした。クルーズ時間は2時間半ですし、キャビン内に避難することもできるので、朝方の気温で陸上で寒くないと感じる格好にレインウェアの上下があれば十分だと思います。

オルカはおるか?と 白い海を走り続けて約30分、霧の中から複数のクルーズ船が集まり始め、無事最初のシャチに遭遇しました。こんな視界の限られた中でシャチを見つけるクルーズ船スタッフはすごい!

シャチが見つからない場合は他のクルーズ船とも無線で情報はやり取りしてするはずですが、常に船団で行動している訳ではなく、それぞれの船が違う群れ(シャチは数頭で構成された家族単位で行動するそう)を探して追いかけるなど柔軟なガイドを行っているようです。この日はガスが濃かったこともあり、午前便では複数のクルーズ船が同じシャチの群れに集まっていました。
メスのシャチを挟んで見える船は、9年前に乗った知床ネイチャークルーズの「エバーグリーン」。

背びれの後ろ側が特徴的な形のオスのシャチ。シャチの背びれはオスの方が大きく、背びれの形は個体ごとに違うそうで個体識別の重要なサインになっています。

2頭のシャチの向こうに見える大きなクルーズ船は2020年に新造された、知床ネイチャークルーズの「エバーグリーン38」。羅臼のクルーズ船はやはり大きなビジネスになっているようです。

他のクルーズ船よりもひと回り以上大きな船で、乗せているお客さんの数も多いですね。

徐々にガスが薄くなって視界も良くなってきました。

北の知床観光のクルーズ船「Ohwashi」。

シャチやクジラ、イルカなどの鯨類は哺乳類なので、人の鼻にあたる噴気孔という穴で呼吸(息継ぎ)をします。その際にはブロウ(潮吹きとも呼ばれますが海水ではなく呼気の水滴だそうです)を行い、「ブシュー」という音と共に水しぶきが上がり、大きな体を水面に浮上させます。

この頭の上に見えているのが噴気孔。

背びれが曲がったオスを含む3頭?の家族。


背びれは形や曲がり方にも個性があるようです。

船の下を通り過ぎたり……

胸びれ(片手)を出して泳いでみせたり……

下側(腹側?)が白くなった尾びれも見せてくれました。


遠くはまだ白くガスってますが、シャチの周りはかなり晴れてくれました。向かいを並走しているのは同じゴジラ岩観光の「カムイワッカ55」。船のサイズはカムイワッカとほぼ同クラス。

かなり晴れましたが、海上の日露中間線の向こうにある国後島は見えません。

そして羅臼港に戻ると、まだこのお天気でした。沖は晴れていたのに面白いものです。

羅臼シャチ速報 pic.twitter.com/BqZvYwyF0J
— OKP (@iamadog_okp) 2026年6月18日
お昼を食べている間に徐々に天気が晴れてきました。羅臼で2泊宿泊したゲストハウスの方によると、今の時期の羅臼は午前中に海霧に覆われ、午後から晴れてくる天候が多いそうです(知床峠まで上がると雲の上に出て雲海が見えたりするそう)。午後便は晴れの中のスタート、午前中と同じカムイワッカに乗船します。

船首のポジションが取れました(ただしシャチを見始めると各々がデッキ上の見えやすい位置に移動するので、最初の位置取りはそれほど重要じゃないです)。

クジラの見える丘公園がある羅臼灯台。

午後便では沖に出ていくとすぐにシャチの家族が見つかりました。こちらは5頭のメスだけで構成された家族。遠くにエバーグリーン38が見えますが、午後はあちこちに複数のシャチの家族がいて、それぞれのクルーズ船がバラバラにガイドを行っていました。同じゴジラ観光のカムイワッカ55も近くにはいません。

突然、シャチとは違う波紋が水面に表れました。これはザトウクジラだそう。

水面付近にいたのは数十秒でしたがゴツゴツした背中と、最後に尾びれを見せて(写真は撮り逃した)潜行して行きました。短い時間でしたがシャチだけでなくクジラが見られたのは嬉しかった!

動画に少し声が入っていますが、操船をする船長とは別のスタッフの方が、主に2階デッキから海上を見ながら解説を行ってくれます(ワイヤレスのヘッドセットマイクを使ってる)。
羅臼のクルーズ船でザトウクジラを見ました🐋
— OKP (@iamadog_okp) 2026年6月21日
潜行前の尾ビレを撮り逃してしまいましたが、クジラは初めて見たので嬉しい!#羅臼 #知床 #ザトウクジラ #シャチ pic.twitter.com/WecIqHwxQ7
そして再びシャチタイム。水面に浮上して大きな音とともにブロウ。


息継ぎを終えた1頭目のシャチが潜ると同時に今度は隣のシャチがブロウして顔を出す。こんな光景が目の前で何度も繰り広げられています。


少し離れた所ではOhwashiの起こした引き波にシャチが乗って遊んでいました。


ハシボソミズナギドリ、今回は小規模な群れしか見られませんでした。

午後は晴れてくれたので知床半島、知床連山をバックにシャチが見放題。

午前中のガスガスが嘘のようなお天気に。

羅臼の街までよく見えています。

スタッフの方がオスがいる別の家族を見に行きますということで少し移動。

午前中に見たオスとはまた違うオスがいる家族ですね。恐らく5頭だと思います。

知床半島バックのメス、子供、オスでしょうか。


反対側には午前中はずっと見えなかった北方領土の国後島が見えてきました。

そんな国後方面をズームしてみると…… 遠くの水面にシャチの背びれがチラホラ。

こちらも5頭ほどの家族のようです。スタッフの方がそこら中シャチだらけとおっしゃっていましたが、確かに観察している近くの群れ以外にも遠くを双眼鏡で見ているとシャチの背びれが見えています。

もちろんじっくり観察できるのは近くのシャチ。

水面付近でローリングしてお腹を見せながら……


尾びれでバシャーン! この他にも、1度だけ全身を見せるようなジャンプを見せてくれましたが、肝心なシーンを撮り逃してしまいました。ファインダーだけでなく肉眼でも見ていたいのでシャチ写真は難しい……。

あっという間に楽しい2時間半のクルーズは終了、いつの間に羅臼の街がよく見える場所にいました。

羅臼の街からも見える高い山は知床連山の最高峰、日本百名山の羅臼岳。標高は1,661mですが中腹にはまだ残雪が多く見られます。

羅臼港に戻ってきました。


1日お世話になりました。午前便と午後便、両方予約しておいて正解でした。

今回利用したゴジラ岩観光ですが、ウトロと羅臼の両方でクルーズ船に乗る場合(同日或いは2日間で)、お得なセットプランがあります(6月1日〜9月30日)。今回利用したウトロのルシャコースと羅臼のホーエルウォッチングの場合、通常料金で大人17,000円(ウトロ8,000円+羅臼9,000円)が14,600円に割引されます。
また羅臼のクルーズだけを予約する際は、じゃらんからの予約が8,500円と500円お得になっています。
(有)丸は宝来水産ゴジラ岩観光知床半島ラウスクルーズ(じゃらん)

クルーズ船は天候次第ですし(風速、波高、視界が規定の運行中止基準を上回ったら中止)、相手は野生の生き物なので必ず見られることが約束されている訳ではありません。羅臼でシャチを見るなら可能な限り余裕のある日程を作ることと、複数回の乗船機会を作るのが良いでしょう。ちなみに連絡をすれば運航当日でもキャンセル料を取らない運行会社が殆どです。

写真を撮りたい人は鳥や遠くのシャチを撮る訳でなければそこまで長い望遠レンズは必要ないかも。船の周りのシャチを撮るならフルサイズの画角で70-200mmズームレンズぐらいが一番使い勝手が良さそう。大きくズームしたり、少し離れたシャチまで引き寄せて撮る場合でも400mmぐらいまであれば十分でしょう。
今回は高倍率ズームのM.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROと超望遠ズームの100-400mm F5.0-6.3 ISを使いましたが、撮影枚数が一番多かったのは200mm相当になる100mm付近でした。

とても楽しかった道東旅行、今まずは羅臼のシャチクルーズの模様からお送りしました。


