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途方に暮れる 犬とよばれる でも生きてゆく

国内線でルクラに飛んでトレッキングスタート、モンジョからナムチェバザールへ【エベレスト街道トレッキング②】

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いよいよエベレスト街道を歩き始めます。まずはカトマンズからエベレスト街道の玄関口「ルクラ」へと小型飛行機で移動、そこから2日間かけてエベレスト街道最大の村「ナムチェ(ナムチェバザール)」を目指します。


飛びそうで飛ばない!? 朝一のカトマンズ発ルクラ便

3月27日、朝の4時にタメル地区のホテルをチェックアウト。ホテルが予約してくれていたカトマンズ発ルクラ行き便の時間は朝6時、勝手が分かりませんし1時間半位前には空港に着いておこうかと思います。空港までのタクシーはホテルが読んでくれます。

夜明け前のカトマンズ市内をぶっ飛ばすタクシー。ガラガラの道は予想よりもスムーズで、10分も掛からずにトリブバン国際空港に付いてしまいました。

えっ、ここ空港ですか……?

トリブバン国際空港のドメスティックターミナル。さすがにちょっと来るのが早すぎたかな?

我々の便は6時発のSITA AIR(シタエア)STA621便(上から3番目)。この通りシタエアだけで2本、サミットエアと合わせて3本のルクラ便のフライト時間が6時丁度になってますが、当然この通りに飛べる訳ないことはネパール3日目の我々にも理解できます。1本の滑走路を国内線、国際線が共用しているし、そもそも同時刻……。

国内線の搭乗手続きの流れですが、この男性/女性で列が分かれた保安検査場で荷物とボディチェックを受けた後に航空会社毎のチェックイン。その後、出発便の各ゲートで再度手荷物とボディチェックがあります。

保安検査のゲートが開くまでの時間を利用して、ホテルが用意してくれたお弁当を食べておくことにします。パンにゆで卵、バナナにリンゴ、マンゴージュース、いい感じですね。この朝食のおかげで、慌ただしい午前中を乗り切ることができました(朝一からルクラ行く人は事前にしっかり朝食を食べておくか、何か用意しておくのがオススメ)。

5時を過ぎる頃になると徐々にトレッカーやガイド達が集まってきて、そこそこの行列ができました。ネット等で聞かされていた程の大混雑ではありませんね。後になってトレッカーから聞いた話では、この前日まで3日間ほどルクラ便は飛んでいなかったそうですが本当かな?

保安検査を通過して空港内に入ると各航空会社のカウンターがあるので、自分が持っているチケットの航空会社を探してチェックイン。預け入れの荷物は航空会社によって違うようですが、SITA AIRは10kgの制限があります(とても小さな飛行機なので、追加料金はかなり高くなるそう)。私は微妙にオーバーしていましたが、些細なオーバーは問われないのか妻のザックと合わせて20kgに収まっていたせいかセーフでした。

ちなみに手荷物は6kg近くになってますが、こちらの重量は全くチェックされません。

チェックインで無事に発行されたルクラ行きのチケット。後ろは事前にホテルが予約してくれたイーチケットのプリント。この辺の手続きは航空会社によって異なるかもしれません。

待合所トイレの水道が大変なことに…… カトマンズの水道は茶色いとか聞きますが(ホテルの水道やシャワーは普通だったんですけどね)、これはアカン。さすがに手も洗えません。

搭乗前にもう一度セキュリティチェックがあります。


航空会社のマイクロバスに乗せられて駐機場へ。チケットを予約していても個人手配の場合は簡単に乗れるとは限らないと聞かされていましたが、思っていた以上にスムーズに飛行機の前に辿り着きました。

他の航空会社もスタンバイ、これはイエティエアラインズ。


この時期のネパールの日の出は6時前後、カトマンズも朝を迎えました。

まずはイエティの小型機が飛び立ちましたが、確か電光掲示板には6時台のイエティ便は乗ってなかったはず。何処に飛んで行ったのだろう?

飛行機には既に荷物も積み込まれていてあとは乗り込むのを待つだけ…… のですが、ここでまさかのウェイティング。一度バスに戻されてしまいました。

どうやら、ルクラの滑走路が前日の雨(向こうは雪)で凍結しているらしく、滑走路が使えるようになるのを待つらしい……。
結局、滑走路上で1時間半以上待たされることとなり、我慢しきれなくなった乗客が職員用のトイレに駆け込むイベントなども発生(ダイアモックスを飲んでいるとトイレが近くなる)。

こちらもルクラに飛んでいるサミットエアですが、やはり駐機場から動きません。

8時近くなってようやく飛行機に乗り込むことができました。朝の便でも飛んだのは午後なんてこともあると聞いていたので、定時から2時間遅れ程度はかなりスムーズだな、と思える位にはネパール感覚が身に付いてきました(ここから飛行機が飛ぶのはさらに40分後です)。

機内サービスは飴と耳栓代わりの綿。綿か……

ドルニエ 228、こんな小さいプロペラ機に乗ったのは生まれて初めて。

8時40分、無事にカトマンズを飛び立ちました。良かった良かった。


突然現れたヒマラヤ山脈

……と思ったら突然窓の外にヒマラヤが飛び込んできました! いかにカトマンズが盆地だったかが分かります。

マジか・・・・

延々と続くヒマラヤの高峰・・・・・(ルクラ便の機内からヒマラヤが見えるのは左側の窓なので、可能であれば左側に座りましょう)

山座同定なんて全く分かりませんが、とんでもない峰々が見えているのは理解できます。

20分程で飛行機がグングン高度を下げて、この谷へと吸い込まれて行きます。

カトマンズからルクラは飛行機だとたった20分の距離ですが、バスで来ようとするともっと手前の街「ジリ」(ルクラまではトレッキングで6日)まで8時間以上かかります。飛行機マジ便利。

テンジンヒラリー空港に着陸した瞬間の動画。外国人のおじさんが肩バンバンして嬉しそう。

ルクラ:テンジンヒラリー空港

「世界で最も危険な空港」とも言われているらしいルクラのテンジンヒラリー空港(当然、エベレスト初登頂のテンジン・ノルゲイとエドモンド・ヒラリーに由来する名称)に無事着陸したシタエアーの機体。奥に見えている滑走路がかなり急な坂道になっているのが分かるでしょうか。

いきなり目の前に5000m峰。手前がルクラの街。標高は2840mなので、丁度八ヶ岳の主稜線あたり。同じ時期の日本に比べたらかなり暖かいですが、朝方はそれなりに冷え込みます。

足下は雪が凍ってツルツル滑ります…… 確かにこれは滑走路も凍るし、おもいきり斜面なので使えないわ。

到着便をガイドやポーターたちが待ち受けていますが、我々のようなソロトレッカーにもガイドの勧誘がガンガンとやってきます。飛行機から見たヒマラヤ、空港からの景色、そしてこの勧誘…… 一度に大量の情報が飛び込んできて、脳の処理が追いつきません。

預けていた荷物を受け取り、ガイドやポーターの勧誘をいなしつつ空港を回り込んで歩きます。

噂のテンジンヒラリー空港の滑走路。この坂道を利用して離陸時はスピードを付けて、着陸時はスピードを殺すのだとか。この後もガンガンとプロペラ機が飛んで来ては、すぐに客の乗せてまた飛び立っていきます。

ガイドの勧誘を断る文句は「ガイドは予約してるから」。「何処で?」と返してくることもあるので、「ナムチェのガイドを予約してる」と嘘をつくのが定番。

エベレスト街道も犬だらけ。このわんちゃんかわいい。

ルクラのメインストリートに入りました。


ルクラにもアウトドア用品店は揃っているので、飛行機に持ち込む荷物の重量が気になる人は一部をルクラで揃えるのもアリかも。あとはナムチェまで行けばアウトドア用品店だらけです。


トレッカー達。まだルクラに着いたばかりで、みんなファッションがバラバラ。我々も荷物を軽くするためにハードシェルを羽織った状態、冷えるといえば冷えるのですが、天気もいいのですぐに暑くなるのは見えています。

道路は雪溶けの水でビショ濡れですし、空港からは逃げるように歩いて来たので一旦落ち着くためにためにカフェに寄って荷物整理をすることに。こうして見ると、かなりの絶景カフェですよね。


行動食の類はエベレスト街道でいくらでも買えるものなので、日本やカトマンズから持って行く必要はありません(荷物になるし)。スニッカーズとプリングルスは何処に行っても売ってます。

ルクラの犬も基本寝てる。


「Khumbu Pasang Lhamu Rural Municipality」のチケットカウンター。Rs2000を支払ってチケットを発行して貰います。サガルマータ国立公園のゲートはナムチェ手前の「ジョルサレ」という村にあります。

チケットを発行したらこちらのツーリストポリスでチェックイン手続きを行います。パスポートとチケットを見せて、行き先(EBC)とルクラに戻ってくる予定日を告げます。

ニワトリと犬と子犬。ニワトリ強そう……。


ルクラを出発、エベレスト街道を歩き始める

ルクラ街の端っこ。いよいよエベレスト街道がスタートします。

このゲートの像はネパール人女性で初めてエベレストに登頂した人みたい。

ルクラをスタートするとしばらく下り道が続きます。そう、エベレスト街道は下りから始まる…… ということは、戻ってくるときは最後が登りになるのね(あまり考えたくない)。

ポーターを始め、現地の荷運びの人の荷物の量は本当にエグい……。しかも明らかに私達のザックの倍以上はありそうな荷物を背負って、ガンガン我々を抜いて行ったりします。足下を見るとスニーカーはザラで中にはサンダル履きの人も…… 地元民恐るべしです。

エベレスト街道にはこんな感じでちょいちょいポーターが立ち休憩できる石積みが用意されています。

ナムチェまでは30分〜1時間置き位に大小の村があって、ミネラルウォーターやお菓子を買ったり、レストランやカフェでの食事が可能。そんな環境もあって、エベレスト街道は「ティーハウストレッキング」なんて言われていたりします。


妻に犬が着いてきた。初日のみ足下の泥濘みが気になったので、ゲイターを装着しています。

まさにティーハウストレッキング。


ストゥーパ(仏塔)やマニ車同様にエベレスト街道でよく目にするお経の刻まれた石「マニ石」。基本的に左側を通ることになっているようですが、現地の人は特に気にせず最短距離を歩いているようです。

荷運びのロバたち。仕事を終えて戻る所でしょうか。

牛とヤクのハイブリッドであるゾッキョ。どうやら一代限りで繁殖能力がない動物らしいです。

ヤクは標高3000m以上の高地に住む動物なので、それまではロバ(ロバでもない馬でもない奴もいる)やゾッキョたちが荷運びを担っています。
こいつはゾッキョかなぁ…… 牛かなぁ……? いまいちよく分かっていません。

こんな巨大なマニ石もあります。前を歩く小さなザックの人達はツアーのトレッカー。同じツアーでも一団になって歩くチームと、バラバラになって緩く行動するチームがあるみたい。欧米やアジア系は若者中心の賑やかなツアーも多く、日本のツアーは中高年ばかりでモンベル率が高いのでひと目で分かります。

ホテルで貰った朝食だけで歩いてきたので、そろそろエネルギー切れ。なにか食べて行きましょう。


実はトレッキング途中の街で食事をしたのは、この初日とEBCから戻ってくる際(登り2日分位の距離を移動する)に合計3回のみでした。基本行動食を食べながらの行動で、あまりティーハウストレッキングって感じではなかった……。

「チョウメン」はネパールの中国風?焼きそば。味付けは色々ですが、焼きうどんみたいな感じ。ビールはスモール缶を頼んだのに「これしかない、最後だからラッキーだよ」とロング缶が出てきました。こちらももう細かいことは気にしない。

こちらはネパール餃子の「モモ」。どちらも見た通りの味です。普通に美味しい。

ちなみにエベレスト街道(に限らず)のレストラン。頼んでから出てくるまで結構時間が掛かることがあります。ダルバートとか米から炊き始めたりすることもあるので、気長に待ちましょう。合い言葉は「ピスターリ」(ネパール語で「のんびり、ゆっくり」の意味)。

犬が大型化してきたような……?

道はよく整備されていて歩きやすい。

それも地元の人たちが整備してくれているから。

整備したての綺麗な石畳。

最初の大きな村「パクディン」。ルクラを出発してここで宿を取るトレッカーも多いようですが、我々はせっかく午前中から歩いているので、もう少し先の村まで進みます。

出た、吊り橋! エベレスト街道といえば吊り橋のイメージですが(?)、その大変は最初の2日ぐらいの場所に集中しています。

ワンワン。


川の両岸を吊り橋で行き来しつつ上流へと……

途中、桜の花が咲いていました。原種のヒマラヤザクラかと思ったらあれは秋に咲く桜で、これは日本人の実業家が日本から移植したソメイヨシノなのだとか。隣はシャクナゲ系ですよね。

今年は日本の桜の開花直前に出国してしまったので、まさかネパールで見られるとは嬉しい限り。

イケメン犬。

吊り橋を馬で駆け抜ける。

この谷と吊り橋の光景が見たかった。

登ったと思ったらまた下る…… そう、エベレスト街道は実はかなりアップダウンが激しいのです。パクディンの時点でルクラよりも200m以上標高を下げています。

あまり大写ししませんがエベレスト街道はゾッキョやヤクのウンコだらけ。急な坂道などは力んだ弾みで出してしまうのか、「もうここしか足を置く場所がない」という所にデカいウンコが大量にあったりします。

そのうち、「この辺りの土は全てウンコでできてる……」とどうでもよくなりますが、標高4000mあたりまでは結構匂うので(分解する微生物の関係か)、マスクやバフなどがあるといいかも。

最初の宿泊地「モンジョ」のロッジにチェックイン

急な坂を息を切らせながら登って「モンジョ」のチェックポストに到着。この先に見えているのがモンジョの村、初日はこの村に宿を取ります。標高はルクラと同じ2840mです。下りた分登ってプラマイゼロなエベレスト街道初日です。

ということで、妻がチェックした「ロンリープラネット」の情報を信じてセレクトしたこの日の宿「マウントカイラッシュ」。オシャレなカフェの建物が併設された綺麗なロッジです。


受付をして分かったのですが、ここのご主人は日本語がかなりペラペラ。我々が英語で頑張るよりも、普通に日本語で会話した方がスムーズです。話を聞くと北海道のアウトドアショップ「秀岳荘」で働いていたことがあるそう。オフシーズンの出稼ぎか、日本からの客を取り込むための営業努力か。

部屋はこんな感じ。エベレスト街道のロッジはこのスタイルが基本(これはかなり広いタイプ)。

まだ標高が低い街ということもあってトイレは水洗、なんとシャワーもありますが、残念ながらお湯は出ませんでした(主人は午後ならお湯が出るって言ってたのだけど……)。

かなり大きなロッジですが、この日はそこまで混み合ってはいませんでした。

エベレスト街道では水分を沢山取ることが重要だと「神々の山嶺」で学んでいるので、ポットで紅茶を注文します。なんなら「ナマステ」と「ブラックティー、スモールポット」がこの旅で最も使った言葉では? 水分は摂って摂り過ぎるということはないのだ。

食事の直前に熱々の蒸しおしぼり(ハーブの香り付き)が出てくるのがネパールスタイル。

ツナとトマトのパスタ。そういえば昼も麺だったな……。

妻はピザ。この辺りのメニューは何処のロッジでも確実にあります。

ロッジの部屋には暖房はないので、宿泊客の多くはストーブが炊かれているダイニングに集まりがち。既にダウンを着てる人が多いですが、まだ標高が低いのでそこまで寒くはありません。

マウントカイラッシュのご主人、パサンさん。他のロッジもそうですが、宿のスタッフを始めエベレスト街道にいるネパール人はホントに働き者ばかり。

エベレスト街道2日目の朝食は軽めのオムレツ。パサンさんに朝から食べた過ぎるとナムチェまでの急坂がキツいとアドバイスもあったので…… でもさすがに軽すぎたかも。

あれこれと頼んでいたら1泊目からRs4550も使っていました。昼食などを考えると当初の想定よりお金がかかりそう……? もう少しナムチェのATMで現金をキャッシングしておく必要がありそうです。

からぱた氏のブログで見ていたココナッツビスケット。高カロリーで安くて旨い。スニッカーズやキットカットは高いので、トレッキング中の行動食は本当にこればかり買っていました。

味のある顔をしたロッジの飼い犬。

エベレスト街道2日目、晴れ。それでは出発しましょう。

どうなってるんだろう、この荷物(人です)。

肉のデリバリー販売中。なんの肉だろう。



ジョルサレゲートを越えて、ナムチェ坂へ

ジョルサレのゲート。ここからサガルマータ国立公園の域内に入ります。我々はカトマンズでチケット取得済みなので、ここではチェックを受けるのみ。

この日はご覧の通り空いていましたが、帰りに通った際は大量のトレッカーで溢れていました。恐らくルクラ便等の都合で、トレッカーが詰まっていたのでしょう。

ジョルサレからはまたしばらく下りが続いて、ナムチェまで一気に600m登るのがこの日のルート。

この吊り橋、先に行けば行く程凄いのが登場すると思っていましたが、恐らくこの辺のものが一番規模が大きかったりします。途中からは急峻な谷というよりモレーン(氷河が削った谷)を歩くので。


右のポーターが運んでいるのがトレッカーの荷物。左のポーターが運んでる荷物が強烈で目立ちませんが、めちゃくちゃ重いらしいです。

エベレスト街道沿いはゴミ箱も充実。ロッジにも必ずゴミ箱がありますし、ゴミを定期的に捨てられるので、なにかと助かります。日本の登山だと自分で出したゴミはお持ち帰りが基本ですからね。

狭い急登で渋滞するのは日本の登山道と同じ。というかこの辺り、上高地の横尾本谷を歩いてる気分になるんですよね。前が詰まっていると特に(笑)

谷が一番深い吊り橋はこの辺りかな。


エベレスト街道を歩く際はゾッキョやヤクが優先…… というか彼らは避けてくれないし道の端に逃げたつもりでも、はみ出した荷物が体当たりしてくることもあるので避ける際は必ず山側に。

トレッカー泣かせの通称「ナムチェ坂」。ナムチェにかけて600m程の登りが続きます。そして上に見えて来た公衆トイレは、なんとエベレストのファーストビューポイント。

ここの木の隙間から初めてエベレストの山頂が見えます。あれがエベレストって言われて分かります?

ズームすると分かりやすくなるかも。先端部分が少しだけ見えています。確かに写真で何度も見たことがあるエベレストの山頂部分です。手前はヌプツェという山に遮られています。

一旦ここで見ることができたエベレスト。この先はナムチェの街を通り過ぎるまでは見えません。

そしてまだまだ続くナムチェ坂…… 日本の樹林帯にも似ていますが、既に3000mを越えています。

ナムチェに入る前にもう一度チェックポストがあります。

最初の2日間は頻繁にチェックポストが搭乗するので、パスポートとチケット2枚はすぐに取り出せるようにしておくのがいいでしょう。ナムチェから先に進むと後は1箇所しかありません。

こんなすり鉢状の地形と家が見えてきたらそこはもうナムチェの始まり(街のすぐ手前の小さな村みたいな感じ?)

ちなみにこの左側の道が正式なナムチェの入口に通じていて、右は街の中に直接通じる道。近道だけど、街の入口をスルーしてしまうことになるので、トレッカーはとりあえず左から行きましょう。

下からゾッキョたちを見上げつつ斜面の上に登っていくと……


標高3500mの巨大な街「ナムチェバザール」

いきなりナムチェの街の横手に放り込まれてしまった我々。あれ?もうナムチェに、居るの……?

ということでトレッカー諸氏はナムチェ手前の分岐は左。覚えておきましょう。

アウトドアショップが並ぶ路地。「ともだち」が気になりますが、一週間後にまた改めて。

そしてナムチェのメインストリート。大きなすり鉢状になっている斜面の中央にメインストリートが走り、その両側にホテルや各種店舗、そして住居などが広がった街になっています。

ナムチェの街を丘の上から見下ろすとこんな感じ(翌日撮影)。向こう側にそびえる巨大な山は「コンデ峰」(コンデ山群)。

ここでもロンリープラネットの情報を頼りに「グリーンタラホテル」にチェックイン。このナムチェには、高度順応のため2泊する予定です。

このホテルは広いルーフバルコニーがあって洗濯物を干したり、ソーラー充電も思いのまま(後にダイニングに行くと充電無料かつモバイルバッテリーの充電まで自由なことを知る)。

というか目の前絶景!


カフェでこの先食べられそうにないハンバーガーと(殺生禁止のサガルマータ国立公園内に入ったのでこの先肉は極力避けようかな……と)、ナムチェ以降の標高では飲まないことにしている最後のビール(経験上3000m台まではビールOKかなと)。肉は牛なのか、バフ(水牛)だったのかは不明ですが美味しかったです。

おこぼれをたかりに来た犬。足が短くてかわいい。

ナムチェも犬だらけ……。



メインストリートを歩くロバたち。つまりナムチェの街中もウンコだらけです。油断禁物。


ナムチェバザールを散策する午後

ホテルにアウトドアショップ、お土産屋、カフェ、バー、レストラン、ATM、両替所、旅行代理店、SIMの販売所…… このナムチェにはなんだってあります。



しかしながら、ここは道路が通ってない標高3440mの街なんですよね。

この先にある有名な「ホテルエベレストビュー」に泊まるツアー客専用の小さな空港は丘の上にあるのですが、これだけの街を構成する建材だったり、数々の物資、例えばATMの機械だったりホテルやレストランの設備等々…… 一体どうやって運び込んだのでしょう? 人力、ゾッキョ、ヘリ……? 人間ってすごいね。

登山靴しか持ってきていないので、ロッジ等で履くサンダルをアウトドアショップ購入します。クロックスの偽物でCROOS、2個買うからと少しマケて貰いました。

このサンダル、今回の旅でめちゃくちゃ活躍したアイテムです。当初はエベレスト街道で使い捨てるつもりが、そのままカトマンズまで持ち帰って熱帯のチトワンやタイは殆どこれを履きっぱなし。最終的には登山靴はバックパックにしまって、こいつを履いたまま羽田まで帰ってきました(笑)

さらに本家クロックスよりも軽量なので、今後も登山のテント場サンダルとして活躍予定です。

そして改めてナムチェの入口とメインストリート方面へとお散歩。本来はこんな光景を目にしながら街に入ってくるのです(笑)




メインストリートには水路があって、地元の人が洗濯などに使っています。



2日目の午後。徐々に分かってきましたが、午前中は晴れて午後から雲に覆われるパターンが多いこの時期のエベレスト街道。なるべく移動日は早め早めの行動を心掛けることにしましょう。

翌日は高度順応日で、ナムチェの裏手にあるシャンボチェ丘を登ってエベレストを眺めたり、有名な「ホテルエベレストビュー」、そしてシェルパの村であるクムジュンなどをハイキングする予定。

シェルパ料理の夕飯とナムチェの星空

夕飯は「トゥクパ」と「シャクパ」。トゥクパは「シェルパシチュー」という呼び名が一般的なシチューで、ジャガイモ他色々な野菜とすいとん(?)の入った煮込み料理。味付けはこれといった決まりはないようですが、ニンニクと塩気が効いているものが多いです。

日本のすいとんのような小麦粉を伸ばしたものが入ってます。

シャクパは同じタイプのスープに麺が入ったもので、どちらもグリーンタラホテルではイチ押しのシェルパメニュー。価格もRs500程度で安くて美味しくて野菜もタップリ取れる。

どちらもとても美味しいので、この先も困ったときにはシェルパシチューを頼んでおけ、みたいな感じになりました(ロッジによって味も違いますが基本どこでも美味しい)。日本人はきっと気に入る味です。

夕飯後、ルーフバルコニーに出てみると雲が晴れて結構いい感じで星が見えていましたが、ナムチェは街明かりも強烈。日本の標高だと富士山の山頂にこの街があるようなものなのですよね。

ちなみに持って来たミニ三脚を使ったのはこのときだけ。以降は夜になると天候が悪くなってしまうことが多く、星を撮る機会もありませんでした。(ザックの重さに)何度投げ捨てたくなったことか……。

先日、書店で見かけたネパール特集の雑誌、なかなか面白かったです。

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