オリンパスの魚眼レンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO」を買いました。
このレンズを買うことになった経緯は、先日手放した「LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm」の代わり…… という訳ではありませんが、2本あった広角ズームの1本を放出して、新たに魚眼レンズをお迎えした流れになります。
- OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO
- レンズキャップをなくす前に交換した
- OM-D E-M1 Mark IIならボタン1つで広角単焦点としても……!?
- M.12-100mm PROとセットで運用予定!?
- M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PROお試しショット
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OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO
今回購入した「M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO」(以下「M.8mm Fisheye PRO」)は2015年に広角ズームレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO」と同じタイミングで発表された、オリンパスの対角線魚眼レンズ(対角線画角180°)です。
「M.ZUIKO PRO」を冠するシリーズでは確か最初の単焦点レンズだったと思います。魚眼レンズではかなり珍しいF1.8の明るさを持つ大口径ながらも、マイクロフォーサーズならではのコンパクトさが特徴…… といっても重量は315gと、先行していたパナソニックの8mm F3.5 Fisheye(165g)に比べると2倍近い重量があります。
魚眼レンズらしい飛び出した前玉と一体型のレンズフード。M.7-14mm PROのようにズームリングで前玉を引っ込めることができないので、運搬時には少々気を使いそうです。
他のPROレンズに採用されているマニュアルフォーカスクラッチやファンクションボタンは非搭載ということもあり、ピントリングのみのスッキリした外観になっています。
PROレンズなのでもちろん防塵防滴。ただしフード部分が小さいこともあって、雨や水滴の影響はかなり受けそうです。水滴などをブロワーで飛ばしながら何処まで使えるか、実際にフィールドで使い込んでからまたレビュー記事にできればと思います。
同じ出目金兄弟のM.7-14mm PROと並べてみるとふた回りくらいコンパクトです。後ほど説明しますが、このM.8mm Fisheye PROは広角の単焦点レンズ的にも使えるので、荷物を減らしたい際の広角担当としても活躍して貰う予定です。
F1.8の大口径かつ0.12mの最短撮影距離(レンズ先端から2.5cm)というスペックにより、近接撮影では背景を大きくボカした撮影も可能です。「寄れる広角レンズ」としてお馴染みのM.7-14mm PROと比較してもこの通り(絞り開放にて撮影、レンズ先端からの距離は目測で同じ位置に合わせています)。
レンズキャップをなくす前に交換した
レンズキャップはM.7-14mm PRO同様に被せ式のものが付属しています。サイドの爪でロッックがかかるタイプですが、山を歩いてる際などに落とさないか心配です。
M.7-14mm PROの場合、屋外での活動時はレンズキャップを外したままなのですが(レンズを引っ込めておけばまず大丈夫)、前玉が保護されてないM.8mm Fisheye PROだとキャップなしの運用は少々不安です……。
そこで、こちらの記事を参考(Twitterでご本人より教えて頂きました、感謝!)にM.14-42mm EZ用の本革レンズジャケット(LC-60.5GL BLK)を購入しました。若干キツめではあります見事にM.8mm Fisheye PROにピッタリなサイズ。
さらに付属のストラップケーブルをカメラ本体の釣り環などに引っかけておけば(私は三角環を外しているのでPeakDesignのアンカーに引っかけてます)、使用時にキャップ持っていなくても落とす心配はありません。
このレンズジャケット、M.8mm Fisheye PROユーザーにはかなりオススメできる商品だと思います。装着時のキツさが気になる場合ですが、キャップを外す際は回す(ひねる)動きよりも、キャップを傾ける感じで力をかけるとスムーズに外れます。
OM-D E-M1 Mark IIならボタン1つで広角単焦点としても……!?
E-M1 Mark IIのファームウェアVer.2.0から搭載された「フィッシュアイ補正撮影」はFisheyeレンズの特徴である周辺部の歪みを補正して、広角レンズを使ったような撮影結果を得ることができる機能です。オリンパス純正の現像アプリ「OLYMPUS Viewer 3」に搭載されていた現像設定のリアルタイム処理版とも言えるもので、実際にファインダーで見えている絵が補正後のものになっています。
※C-AF、動画、デジタルシフト等、ハイレゾ等、フィッシュアイ補正と同時に使えない機能があります。
さらにE-M1 Mark IIのフィッシュアイ補正撮影は「5.5mm・7mm・9mm相当」(35mmフィルム換算で「11mm・14mm・18mm相当」)の画角を切り替えることができ、ファンクションボタンに登録しておけば、撮影時に呼び出してモードダイヤルで3つの画角を切り替えて使うことが可能なのです。
撮影結果はJPEGで保存されRAWには反映されませんが、まるで広角単焦点を使っている感覚で撮影ができ、1本のレンズで2通り(4通り?)の使い道が生まれます。周辺部はかなり無理矢理に伸ばすことになるので絵が流れたり多少画質の劣化は発生してしまいますが、この機能の面白さは実際に使ってみるとかなりインパクトがあります。
5.5mmはかなり極端な超広角ですが、効果的に使えるシーンがあれば広角ズームレンズ(M.7-14mm PRO)では撮れない表現ができますし、7mmは慣れ親しんだ超広角、9mmは「フィールドでの自然な広角」として、広角ズームが手元にない際にはかなり活躍してくれそうな機能です。
ちなみに通常であれば全くテーブルフォトには全く向かない魚眼レンズですが、9mmの補正により無理矢理こんな使い方もできました(レンズの影が入ってしまってますが……)。
F1.8のボケを生かした超広角表現ができると考えると、またひとつこのレンズの可能性が増えた気がします。
追記:ちなみにフィッシュアイ補正の対応機種でなくとも、オリンパスの純正現像ソフト「Olympus Workspace」を使えばRAW現像メニューの一環としてFisheye補正が可能となります。
画角や歪みの補正具合もより細かく調整可能なので、リアルタイムのフィッシュアイ補正と併用することで、RAW現像しつつつFisheye補正というワークフローを取ることも可能です。
M.12-100mm PROとセットで運用予定!?
上記のフィッシュアイ補正があることで、本来のFisheyeレンズの他に広角でも活躍してくれそうなこのレンズ。なるべく荷物を減らしたい登山や旅行の際に、広角ズームを装着したボディを1台減らして、このM.8mm Fisheye PROを予備レンズとして携行することで、大幅に機材の軽量化を図ることができます。
具体的には私の機材の場合で「OM-D E-M1+M.7-14mm PRO」→「M.8mm Fisheye PRO」で約770gの軽量化が可能となります。そしてM.12-100mm PROを装着したE-M1 Mark IIと組み合わせた場合、トータル1.5kg程度の重量で超広角から200mm相当の画角をカバーすることが可能となります(しかもPROレンズの画質で)。
行動中は頻繁にレンズ交換できないので広角が撮れないジレンマはありますが、足を止めてじっくり撮影する場合やテント泊をして星を撮る場合にも、明るいM.8mm Fisheye PROは大いに活躍してくれることでしょう。早くこのレンズで星を撮ってみたい!
ちなみに私が登山で使っているカメラバッグ、パーゴワークス「フォーカス」にはこのM.12-100mm PROを装着したE-M1 Mark IIとM.8mm Fisheye PROをまとめて収納、携行することが可能です。
付属の中仕切りを使ってFisheye PROのためのスペースを作ってあげることで、カメラを突っ込んだ際に傷を防ぐこともできます。この組み合わせでの運用は以前、山でお会いしたブログ読者の方から教えていただいたアイディアです。
M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PROお試しショット
最後に、このM.8mm Fisheye PROを購入してから撮った作例をいくつか……。まだ登山などで使えてないのでお試し程度のものですが、やっぱり魚眼レンズは面白いですね。