昨年に続いて、今年も「秩父夜祭」を見物してきました。
秩父夜祭は毎年12月3日に大祭が行われる秩父神社の例祭です。例年、この日は秩父市の人口が3倍以上に膨らむ人気のお祭りなのですが、さらに今年は大祭が土曜日に当たったこと、直前にユネスコの無形文化遺産にこの秩父夜祭が(全国の「山・鉾・屋台」33行事の1つとして)登録されたことで、例年以上の盛り上がりとなりました(主催者発表では今年は2日間で38万もの見物客が訪れたそうです…)。
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昨年、初めて義実家の案内でこの秩父夜祭を見物したのですが(妻が秩父出身なのです)、巨大な山車(屋台と笠鉾)がお旅所を目指して街を練り歩く勇壮な屋台曳行、そして3時間以上に渡る盛大な花火大会にはかなりテンションが上がりました。
今年もそんな秩父夜祭見物に行くことができたので、様子をレポートしたいと思います。
2016年12月3日、雲ひとつない冬晴れの土曜日
今年の12月3日は朝から抜けるような青空が広がっていました。雲ひとつない青空とはまさにこのこと… 秩父へ向けての行きすがら、府中本町駅からも見事な富士山を眺めることができました。
所沢で西武線の特急レッドアローに乗り換えます。この日はレッドアローも臨時列車が運行されるのですが、1週間以上前の予約でも、早めの9時台の切符しか取ることができませんでした。
西武秩父に到着すると早速「ユネスコ無形文化遺産登録決定」の横断幕。発表直後のタイミングではありましたが、10月末の時点でほぼ登録確実だったようで、内定が出た時点から地元では準備をしていたのでしょうね。
秩父に着いてもこの青空。西武秩父駅前には様々な屋台が並んでいますが、上里SAのラーメンはギリ埼玉として、広島風お好み焼きに中津の唐揚げ、博多のもつ鍋… ともはや秩父の名産関係なし(笑)(わらじかつ弁当や味噌ポテトなども並んでいましたが)。昨年は車で来ていたので、駅前の賑わいを見るのは初めてのことです。
午後の秩父市街地を歩く
秩父夜祭のメインイベントは夕暮れを過ぎてからですが、既に秩父の市街地は交通規制されてお祭りムード一色。丁度上町の屋台に遭遇しましたが… これはアニメ「ここさけ」のキャラでしょうかね?
昨年、屋台曳行を見物した秩父地方庁舎前も、まだ15時前だというのにこの人です…。夜になるとこの正面の方角にある羊山公園から花火が上がります。
今回は、義実家が観覧所のチケットを取ってくれたと連絡がありました。市役所前(御旅所)の桟敷席は予約制で一瞬で売り切れてしまうのですが、このようにお店や建物の庭、屋上を開放して、有料の観覧所を設けてる場所が各所にあります。
この東町会館の屋上に上がると地方庁舎前のストレート、そして団子坂直前の踏切のあたりも眺めることができます。やや視界に障害物は入ってしまいますが、花火もよく見えますし、荷物を置いたり日が暮れるまでは暖かい屋内で暖をとることもできます。
日暮れまでまだまだ時間もあるので、荷物で観覧場所をキープして、もう少し街を歩いてみることにします。
こちらが6基の山車が目指す市役所前(御旅所前)の広場。巨大な観覧席は昨年よりも増えているでしょうか? 右手は現在立て替え中の秩父市役所、もう外観はほぼできあがっていますね。
武甲山をバックにしたここが秩父夜祭の御旅所。こちらは新しく整備されたようで、白木の鳥居が眩しい。
その後は、秩父鉄道の御花畑駅で記念乗車券を買ったり…
秩父神社に行こうと思ったら、表参道はこの人混み… 明らかに昨年よりも人が多い!
秩父神社の境内には「宮地屋台」と「中近笠鉾」の2基が既にスタンバイしていました。「笠鉾」といっても笠を外した状態なので(笠を付けると15m近い高さになり、曳行の際に引っかかってしまうので)見た目はどちらも、所謂“屋台”型です。
ふんわりとした笠鉾は、夏の秩父川瀬祭に来れば見ることができます。
西武秩父駅近くの「タイ国家庭料理 居酒屋バンコク」にしてトムヤムクンを買ってみました。具材たっぷりで大きな海老も入って500円! 冬にしては温かい日ではありましたが、日が暮れるとそれなりに冷えることもあって、いい感じに体が温まります。美味しかったので、改めてちゃんと食べに来たいお店かも。
屋台曳行が始まると、写真の奥に見える秩父鉄道の団子坂前踏切にかかる架線が外されます。結構ギリギリまで電車は走っているんですね。
屋台曳行と花火大会を交互に楽しむ
日暮れ頃まで大勢に人が歩いていた地方庁舎前のストレートですが…
6時半を過ぎて、秩父神社からスタートする屋台曳行が始まると、警官によって綺麗に交通整理されます。最初の屋台がこのストレートにやってくるのは19時を少し過ぎた頃。それにしても沿道の人の数が半端ない… 昨年はもう少し身動きが取れたのですけど、これでは後ろを歩けるか怪しいものです。
まずは山車に先立って、馬や神輿、お供え物などの御神幸行列がやってきます。それに続いていよいよ6基の山車が「中近笠鉾」「下郷笠鉾」「宮地屋台」「上町屋台」「中町屋台」「本町屋台」の順番にやってきます。
屋台の曳行に併せて、羊山から上がる花火大会もスタート。大小様々なプログラムが20時近くまで3時間以上、計6500発もの花火が上がります。多少間は開くとはいえ、これだけ長い花火大会も珍しいですね。
6基の山車は数十分感覚でやってくるので、その合間に振り返って花火を眺めたりと飽きることがありません。中盤以降は、地方庁舎前に2〜3基の山車が並ぶことも。
ちなみに屋台の車輪は固定されているため直進しかできません。カーブを曲がる際は人力ジャッキアップで90度山車を回す必要があります。テコの原理を使うとはいえ、重さ10〜20トンの山車ですからそれはもう命がけの作業なのでしょう。
町会によっては屋台を一端停めた曳き子の若衆たちが、道路の両脇に別れてから一気に走り回ったり(私はこれを「夜祭WOD」と呼んでる)、まるでロックフェスのような賑わい!
今回も三脚は持って来ていないので(よほど開けた場所を確保できない限り、人が多くて邪魔ですし危険なので)、スローシャッターは切れず、花火は上手く開いた瞬間を撮れたらラッキー程度のまぐれ当たり。
昨年の感覚で望遠レンズは必要ないと思ったのですが、今年の観覧場所からは望遠レンズが欲しかった…。結果的にデジタルテレコン&トリミングしまくりになってしまいましたが、お祭りの雰囲気を楽しむことが優先なので写真は二の次かな?
やはり、広角から望遠まで任せなさい!な12-100mm F4.0の必要性を強く感じてしまいました(笑) 夏の「川瀬祭」も秋の「龍勢祭」もこのレンズ1本あれば…
団子坂を登る直前の山車を見物
東町会館の観覧所からは団子坂前の踏切を渡る山車を見物することもできます。踏切にかかる秩父鉄道の架線が外されて、下におろしているのが確認できます。
上町屋台がやってきました。ここからの団子坂が屋台曳行のクライマックス!
やや花火が見切れてしまってますが、花火大会と団子坂を引き上げるタイミングを併せている感じもありました。
こちらは踏切の少し手前あたり。写真を撮るには障害物も多いですが、人混みを気にせずに色々な角度から屋台曳行を眺められる面白い観覧所です。用意してくれた義実家に感謝しなくてはいけませんね。
周囲の建物の屋上も人でビッシリ。中央あたりに見える観覧所は、以前紹介した「珍達ラーメン」が入ってる建物の2階です。
花火もいよいよ派手になってきます。時間は21時過ぎ、もうすぐフィナーレです。
6基全ての山車が御旅所前に集められ、21時55分からの「黄金の滝」で花火大会はフィナーレを迎えます。昨年はこの時間には既に義実家に戻って、ベランダからこの花火を眺めていましたっけ…。
さすがにこの頃になると、体もすっかり冷えてしまいましたが、観覧所のストーブでゆっくりと暖を取ってから、義実家へ帰ることにします。
22時ともなると電車の時間もあるので見物客も大夫減っているのですが、徒歩圏内というのが非常にありがたい。出店で買った熱々のたこ焼きをほおばりながら帰路につきました。