これまでカメラホルスターを始め様々なカメラ携行グッズを使ってきましたが、最も出動機会が多いのはパーゴワークス(PaaGo WORKS)の一眼レフ用チェストバッグ「フォーカス L」。速写性を売りにしたトップローディングスタイルのカメラバッグです。
そんなフォーカスは数年前にディスコンとなり、その後「SWING(スイング)」という新ラインが出たのですが、やはりフォーカスの人気が高かったのか、昨年リニューアル版の新型フォーカスが登場しました。
パーゴワークス(PaaGo works)の一眼用チェストバッグ「フォーカス」がリニューアルしていました - 山と旅とカメラのブログ。
旧フォーカスLやSWING-Lよりも収納容量が増えたという「新型フォーカス(CB03)」。先日私も手に入れたので、旧フォーカス Lと比較しながらチェックしていきましょう。
2019年10月追記:現行フォーカスがマイナーチェンジしていたので、新モデルを購入してみました。基本的には同じ仕様ですが、全体がブラックで統一されるなど一部変更が見られます。
- PaaGo WORKS|CB03 FOCUS外観チェック
- 新フォーカスのカメラ収納はインナーバッグ式
- フォーカスに目一杯収納できる荷物の例
- フォーカスを使ったカメラ携行例
- 旧フォーカスユーザーは買い換えるべきか?
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PaaGo WORKS|CB03 FOCUS外観チェック
それでは早速外観から見ていきます。形状、色など先代フォーカス(写真左)を踏襲したデザインで、フラップ状の上蓋を閉じた状態でのサイズは大きく変わらずほんの少し大きくなった位の印象です。
メーカー発表のスペックを比較してみると、確かにサイズが大きくなり容量が増えていることも分かります。表地の素材についてもPVCコーティングされた420Dナイロンで同じ。
型番 | フォーカスL(旧) | フォーカス(新) |
---|---|---|
カラー | ブラック | ブラック |
サイズ | 200x200x100mm | 250 x 280 x 90mm |
最大容量 | 約3.0L | 約3.5リットル |
重量 | 約370g | 約350g |
主素材 | ナイロン420D PVCコート | ナイロン420D PVCコート |
附属品、各部の仕様
附属品はバッグ本体にショルダーバッグとして使うためのストラップとバックパックへの取付アタッチメント(ベルト)。このアタッチメントはパーゴワークス製品共通のもので、当然旧フォーカスとも互換性があります。
ショルダーストラップのベルトの色はグレーからブラックに変わりました。
フラップ状の上蓋は旧フォーカスやスイング同様に正面のバックル1箇所で止める仕様。ベルトの長さを調整することで、収納量を調整できるようになっています。
上蓋のポケットは開口部の前後に収納スペースがあった旧フォーカスと違い、上側ペースはなく蓋側に入るのみ。全体の容量は減りましたが、財布などの曲がらないアイテムを入れる場合は上蓋側に中身を寄せた方が収まりが良いのです。
上蓋を開けた内側のフロントポケット部分は大きくデザイン変更されました。
メッシュの左右ポケットは姿を消し(ここ、結構便利だったんですけどね)、5インチディスプレイのスマホを収納してチャックを閉められるサイズのポケットが2つ付きました。
バッテリーやSDカードなど、以前のフォーカスは姿勢によって中身が落ちやすくなってしまうことがありましたが、新型はチャック付きなので安心です。また、ポケット内には小さな仕切りもあるので小物を分けて収納できます。
新型フォーカスは本体の防水性能を高めたということで、旧フォーカスでレインカバーが入っていた裏側のポケットは、そのまま普通のポケットになりました。
しかし、表の素材などは同様ですし、旧フォーカスではレインカバーをしないまま長時間雨に打たれていると上蓋のポケット内まで浸水することがあったので、実際どの程度の雨にまで耐えられるかはまだ分かりません。
本体にはPVCコーティングを施した防水性の高いナイロンを使用し、徹底的に縫い目を減らしたデザインとすることで雨に強いバッグになりました。
https://paagoworks.wixsite.com/paagoworks/focus-1
新フォーカスのカメラ収納はインナーバッグ式
メインのカメラ収納部はインナーバッグ(インナーケース/インナーボックス)になっていて、保護材が本体と一体型だった旧フォーカスとは最も異なりる仕様です。インナーバッグは黒いベルクロ部分で本体に固定する仕組み。
本体とインナーバッグが別れることで、場合によってはカメラをインナーバッグごとザックにしまって、本体をサコッシュ的に使うようなことも可能です。
インナーバッグの位置口は巾着状になっていて、中仕切りが1個付属しています。
中型ミラーレスのセット+1本の交換レンズを収納
私の機材を使った収納の一連です。中央よりも右側に寄せて仕切りを取り付け、小さめの交換レンズを1本入れてみました。このレンズは単焦点のM.ZD 25mm F1.8です。
上の写真の状態のまま、 M.ZD12-100mm F4.0 IS PROを付けたオリンパスのミラーレス一眼OM-D E-M1 MarkIIを問題なく突っ込むことができました。
12-100mm PROはレンズフードを逆付けにせず、正位置のまま突っ込むことができます。逆にこれ以上長いレンズだとフォーカスへの収納は難しそうです。
ちなみにオリンパスE-M1以外のサイズのカメラ対応ですが、購入時に付属していた説明書には「CANON 7Dクラスのボディに対応」と書いてあります。メーカーサイトは「70D」の記載になってますが、旧フォーカスLが「ニコンD7000/キヤノン60D対応」だったので、それよりも少し大きくなっているのなら恐らく7Dで正解だと思われます。
中型ミラーレス、小型一眼レフを収納した場合
手持ちのカメラでもう少し収納サイズを確認してみましょう。上は標準ズームレンズ(FE28-70mm)を装着したSONY α7、下は単焦点レンズ(DA35mm)を装着したPENTAX K-S2です。どちらも余裕でかなり奥まで入っているのが分かると思います。
このようにあまり長さのないレンズを付けた場合は、先ほどの中仕切りを横側に入れることで、奥に交換レンズや財布などを収納することも可能です。
カメラの取り出しやすさは旧フォーカスに軍配?
新フォーカスは本体+インナーバッグ形式になってしまったことで、保護材一体型だった旧フォーカスに比べるると、カメラの出し入れがややスムーズでなくなってしまいました。
特にインナーバッグ入口の巾着部分が(最大限に開いていても)出し入れの際に引っかかりやすく、小さいカメラならいいですが、ジャストサイズのカメラだとノールックでの出し入れは少々難しいかもしれません。
底の形状が新旧で変化してるのが分かると思いますが、新型は縦幅(厚み)が少し落ちています。カメラを入れてない状態では、少し潰れたような状態になるので、厚みのあるカメラ(特に一眼レフ系)だと入れる際に手で広げてあげる必要があるのです。
このカメラの出し入れについてひとつ解決策を考えてみました。巾着の口部分の布を外側に折り返して、本体とインナーバッグの間に隠してしまいました。
これでカメラの出し入れがかなりスムーズになりました。雨が降ってきたら巾着の口を戻してあげればいいですし、普段はこのように運用した方がストレスがないかもしれませんね。
グリップ付きのミラーレス機は入りません
最大容量は旧フォーカスLよりも増えているという新型フォーカスですが、実は旧フォーカスでは収納することができた、バッテリーグリップを装着した初代E-M1(あるいはSONY α7)は入口でグリップがつっかえてしまいます。無理に押し込めば入らないこともないのですが、頻繁にカメラを出し入れする用途のケースとしてはイマイチです。
旧フォーカスは保護材が一体だったため、カメラの形状に合わせて開口部をギリギリまで広げてあげることができましたが、インナーバッグが別になっていることもあり、開口部が一回り小さくなっているようです。
現在のメイン機であるE-M1 MarkIIではグリップを使っていませんが、これはちょっとした誤算でした。グリップ付きのミラーレスカメラを使いたい場合は、もう少し入口の大きなトップローディングバッグを使った方が良さそうです。
フォーカスに目一杯収納できる荷物の例
目一杯といっても取り出しにくくなる程でなく、無理のない程度に荷物を詰めてみました。
カメラはOM-D E-M1 MarkII+M.ZD12-100mm F4.0 IS PROの定番セット。更に交換レンズとしてM.ZD 25mm F1.8。その他、交換バッテリーに、スマホ(iPhone 7)、レンズクリーナー等のメンテ小物、ティッシュ、山用の財布などを収納できました。
上蓋のベルトはまだ余裕がありますし、無理のない状態であることが分かるかと思います。
フォーカスを使ったカメラ携行例
ここからは、旧フォーカスでも散々やってきたことなのでお任せください!(笑)
まずは最も基本になる、バックパックへの吊り下げスタイル。バックパックのショルダーストラップの長さ調整ベルトに、付属のアタッチメントベルトを装着します。
ザックのベルト長さ調整に干渉しないように取り付けるられるとベストです。
ザックを背負ったらアタッチメントにフォーカス本体を取り付ければ、チェスト位置での携行スタイルが完成。吊り下げたバッグをブラブラさせたくない場合、ザックのヒップベルト(ウエストベルト)を本体背面のスリット(写真2枚目)に通してあげればOKです(私は面倒くさいのでやってません)。
フォーカスを使った一眼2台持ちについて
ここまでが一般的なフォーカスの使い方ですが、私の場合はOM-Dの2台持ちが最近のデフォなのでこのように使うことになります。フォーカスを斜めがけのショルダーバッグとして使いつつ、もう1台のカメラをバックパックホルスターでザックに装着します。
メインのカメラはホルスターですぐ使えるようにしておいて、超広角など特別な画角が欲しくなったとき、フォーカスに入れてあるカメラを取り出すのです。
三点確保しながら登るような岩場には向きませんが、2本足で歩ける一般登山道なら充分。むしろ体の正面にバッグがぶら下がっているチェストスタイルより、足下がよく見えて快適な位です?(私だけかも) ホルスターは以下の2種を使っています。
旧フォーカスユーザーは買い換えるべきか?
これについては正直微妙ですね。上でも紹介した通りカメラの出し入れは旧フォーカスLの方がスムーズですし、バッテリーグリップを装着したミラーレスカメラも新フォーカスでは収納することができません。もし、既に現在旧フォーカスLを所有していて、特に大きな不満がないようならば、今のまま使い続けるのが正解だと思います。
ただし、この新フォーカス単独で見ればこれまでのパーゴワークスのカメラバッグでは最も充実した製品に仕上がっています。上蓋ポケットは使いやすい位置になり、スマホも収納可能な2個のフロントポケット、さらに防水性能を高めたことでレインカバーが不要になるなど、細かな部分で様々に改良が施されています。
あなたが使いたいカメラとサイズがマッチするならば、この「フォーカス」は最高の登山用(バックパック用)カメラバッグとなってくれることでしょう。