I AM A DOG

途方に暮れる 犬とよばれる でも生きてゆく

東京の住宅地でカワセミに会える場所、野川公園を紹介してみる

本ページは商品、サービスのリンクにプロモーションが含まれています

今年に入ってから探鳥散歩で何度も通っている「都立 野川公園」。実はいつも野川沿いを歩いてばかりで、公園内の他の様子を殆ど知らなかったので、少し歩いてチェックしてきました。

かつてはゴルフ場だった広大な都立公園「野川公園」

野川公園があるのは東京都調布市、小金井市、三鷹市に跨るエリア。周囲には武蔵野公園、武蔵野の森公園、多磨霊園、浅間山公園といった公園、緑地が広がり、少し住宅地を挟んで府中の森公園や神代植物公園もあります(東京都「武蔵野の森構想」の一環)。さらに国際基督教大学(ICU)や国立天文台などの、やはり緑地を擁する施設とも隣接していて、多摩地区の平地の中でも多くの野生動物や植物が生息するエリアとなっています。

今年の正月休み期間に初めて足を運んだのですが、毎回必ずカワセミを始めとする数種類の鳥に出会えるので、バードウォッチング初心者にも楽しいエリアです(地元の府中郷土の森博物館や多摩川の河川敷に行くよりも明らかに見られる鳥が多い気がします……)。

野川周辺でのカワセミ遭遇率は今の所100%

この野川公園は1970年代以前はICUが所有するゴルフ場だったらしく(開演は1980年)、現在も航空写真や園内マップを見ると園内の芝生エリアはゴルフコースの面影が残されています。

Via: https://musashinoparks.com/kouen/nogawa/

園内には次項で紹介する野川の他に東八道路(都道14号)が横切っていて、道路で区切られた南北の移動は園内数カ所の歩道橋を渡ることになります(公園の東端では東八道路の下を野川が流れています)。

国分寺崖線からの湧水が流れ込む緑の豊かな野川

「野川公園」の名前の通り、公園の北側には多摩川水系の一級河川「野川」が流れています。都内の小川と言えばいわゆる三面張りと呼ばれる無機質なコンクリート護岸がされれていることが大半ですが、この野川の中流域はかつての自然護岸を再現したような護岸整備がされていて、都市部の住宅地にあるとは思えない緑豊かな川沿いの景観を楽しむことができます。

また河川緑道も流域のかなりの部分に整備されていて、川沿いの散策を楽しめるようになっています。

野川の左岸側にはその昔、古多摩川による侵食で作られた段丘崖の「国分寺崖線」があり(通称ハケ)、現在も段丘崖から流れ出す湧水が野川に流れ込んでいます。国分寺の殿ヶ谷戸庭園や調布の深大寺周辺の湧水もこのハケ絡みのものです。
これらは野川公園内で見れれるハケ側(左岸)からの流れ込み。恐らく湧水によるものだと思われます。

そういえば1月から2月に掛けてはそれなりの水量が見られた野川ですが、3月に入って公園内の上流寄りはかなり水が減って、一部で枯れたような状態になっています。

国分寺崖線からの流れ込みが数カ所あるので、公園内の下流側に行くとそれなりの水量があるのですが、このせいで最近は公園内の上流寄りではカワセミや水鳥の姿が見られません(水がないと餌となるエビや小魚も居ないので)。

野川公園内をちゃんと歩いてみた

いつも野川公園に行っても川沿いに鳥を探しながら歩いてばかりなので、ちゃんと公園内を歩いたことがなかった私。この日は鳥探しを少し中断して、久々に野川公園の正門を訪れてみました。
野川公園の正門があるのは駐車場などもある園内の南。柵で区切られた有料公園ではないので、公園周囲にある数カ所の門などからの入園が可能ですが、ここが正門。

野川公園の正門

正門あたりの住所は調布市の野水、すぐ近くには近藤勇の生家跡や調布飛行場があります。

調布飛行場が近いので公園上空をよく小型の飛行機が飛んでいます

鉄道の最寄り駅は西武多摩川線の多磨駅か新小金井駅ですが、丁度2駅の中間地点に隣接して野川公園があるのでどちらも徒歩10〜15分程度掛かるようです。その他、京王線調布駅やJR三鷹駅から路線バスでアクセスできるそうです。
アクセス・駐車場|野川公園|公園へ行こう!

駐車場からすぐの場所にあるのが「野川公園サービスセンター管理所」。パンフレットが置かれていたり、バーベキュー広場や少年キャンプ場、テニスコート(いずれも現在は閉鎖中)の利用受付はこちらで行うようです。すぐ横には売店(パークス野川)なども。

公園管理所と売店。園内はトイレも豊富にあります

「自然観察センター」と「自然観察園」

野川公園サービスセンター管理所から園内を北方面に縦断して東八道路を越えると「自然観察センター」があります。自然観察センターの中は野川公園周辺で見られる動植物の解説やちょっとした展示など。

管理所から園内をまっすぐ北上……
東八道路に掛かる歩道橋を渡ります
自然観察センター

ICUの森にアナグマが住んでいるのは以前NHK『ダーウィンが来た!』で見たことがありましたが、キツネやリス、フクロウやオオタカまで付近の森で見られるのは知りませんでした。

自然観察センターを出て目の前の野川を渡ると金網で仕切られた保護エリアの「自然観察園」があります。ICU敷地との境界部分になっていて、国分寺崖線からの湧水による湿地帯や複数の池などもある場所。この自然観察園の池でもカワセミを見ることができるようですが、何度か歩いているものの未だ遭遇せず(横の野川では毎回見られますが……)。

自然観察園の入り口
中は雑木林と一部木道が整備された湿地帯や池など

東西に細長い雑木林ですが出入りは自然観察園の入り口のみで、休園日は時間外の入場はできません(月曜休園/9:30〜16:30)。ICUの敷地には入れませんし、アナグマやフクロウ、オオタカが見られる可能性があるのは、この辺りになるでしょうか?

追記:自然観察園内にはヒガンバナの群生地があり、9月後半になると見頃を迎えます。



上流側には武蔵野公園、流域を全部歩いてみたい

野川沿いを上流に歩くと西武多摩川線の線路が横切っていて、その手前で野川公園の敷地はおしまい。

奥の一段高くなっている橋が西武多摩川線

その先にも野川沿いに緑地が広がっているのですが、そちらは「都立武蔵野公園」。別の都立公園になります。武蔵野公園は府中運転免許試験場の北側に隣接していて、東八道路を挟んで多磨霊園〜浅間山公園(府中市)まで緑地がつながっています。

武蔵野公園の端から上流方面

下流側はどこまでが野川公園なのか分かりにくいですが(ずっと歩けるので)園内マップによると人見街道と野川が交差する地点までのようです。

下流側より。見えている橋の向こうが野川公園エリア

野川公園の周辺は毎週のように散歩に行ってるものの、鳥を探していると川沿いにどんどん上流、下流へと歩いてしまうので、公園内をちゃんと歩いたことがなく、自然観察センターに入ってみたのもこの日が初めてでした。たまには季節の動植物の情報収集に、立ち寄ってみるのもいいかもしれません。

後は、野川沿いはかなり遊歩道が整備されているので(河川敷に降りて歩ける場所も多い)、最上流の国分寺(野川の水源は国分寺駅北にある日立製作所 中央研究所敷地内)から多摩川との合流地点である二子玉川まで一度歩いてみたいと思っているのですが、未だ実現はしていません。
途中に京王線の柴崎・国領駅、小田急線の北見・成城学園前駅もあるので、自由なタイミングで切り上げることもできますしハイキングコースとしても良さそうですよね。

追記:国分寺から二子玉川まで歩いてみたのでレポートをまとめました。

都立公園の駐車場は2/27から当面閉鎖中 → 終了

現在、野川公園を含む都立公園の駐車場は、新型コロナ対策により閉鎖されています。 どうやら緊急事態宣言の延長に伴い、2月27日から閉鎖となっていたようです。今年の1月にバードウォッチングを初めた当初は、野川公園の駐車場に車を停めていましたが、その後は別の近隣駐車場などを利用していたのでずっと気づいていませんでした。

233台停められる有料駐車場はしばらく使えず……

閉鎖期間は当面のことらしく、公式ブログでは3/21までとなってますが、これから見頃を迎えるお花見シーズンにも引き継がれる可能性は高いので最新情報は公式ブログ等でご確認ください。

駐車場の受付と、都立公園駐車場閉鎖についての案内

野川公園は桜の名所でもあるので、お花見での来園者増加に備えた動きもあるのかもしれませんが、マイカー移動は不特定多数の密集を避ける手段ですし、せっかくの広大な公園への来園を抑制することが(テニス、バーベキュー施設などは既に閉鎖中)どれだけ意味のある対策なのか考えてしまいます。

シートを広げての花見、飲酒を伴う宴会等は禁止です

シート等を広げるお花見や団体での利用を遠慮して貰えば良い気もしますし、かといって人的リソースが限られた中、導き出した対策が駐車場の閉鎖だとするとなんとも切ないものです。

データ:野川公園


こんな記事もあります(野川公園&周辺)