I AM A DOG

途方に暮れる 犬とよばれる でも生きてゆく

OMデジタルソリューションズからOLYMPUS PEN E-P7とM.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO

本ページは商品、サービスのリンクにプロモーションが含まれています

オリンパス改めOMデジタルソリューションズよりミラーレス一眼の「OLYMPUS PEN E-P7」と広角ズームレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO」が発表されました。

OLYMPUS PEN E-P7 | デジタル一眼カメラ PEN | オリンパス:カメラ、オーディオ、双眼鏡
f:id:OKP:20210613171823j:plain

M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO | 交換レンズ M.ZUIKO PRO | オリンパス:カメラ、オーディオ、双眼鏡
f:id:OKP:20210613172638j:plain

どちらも今月6月25日に発売予定。今回の発表に際してはTwitterでちょこちょこと反応してしましたが、個人的な感想を少しまとめておきます。

OMDSからの待望の新型ボディが出た!

M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PROの方は昨年7月のレンズロードマップ更新の際に発表されていたものですが、PEN E-P7については最近まで噂もなかった(CP+2021の配信で若干の匂わせはありましたが……)久しぶりのPEN E-Pシリーズの最新モデル。先代のE-P5は2013年6月の発売なので、なんと8年ぶりのE-Pボディです。

f:id:OKP:20210613173011j:plain

今回のPEN E-P7に一部で意匠が引き継がれているPEN-Fですら2016年のモデルだったので、本当に久々のPENシリーズのフラッグシップモデル。恐らく開発計画などは分社前のオリンパス時代から引き継がれたものだと思われますが、まずはなにより新会社となったOMDS体制での新型カメラボディの発売を素直に喜びたいと思います。

E-P7、目新しさはないけどバランス良くまとめられた新型PEN

ということで久々のPENフラッグシップ機ですが、良く言えばPENシリーズの良いとこ取りな1台(20Mセンサー、TruePic VIII、4.5段ボディ手ブレ補正、プロファイルコントロールスイッチ)。
一方で身も蓋もない表現をするなら、基本性能はほぼOM-D E-M10 Mark IVの中身に、PEN-Fライクな味付けをして、PEN E-PL系を切る軽量ボディに再構成した感じでしょうか。当機種が出たことで、E-PL10の立場が微妙になってきますが、今後も廉価ラインとして残すのか、PENは1モデルに整理するのか……?

綺麗にまとめられた機種だとは思いますが、現在のオリンパスブランドカメラのラインナップを考えると、2019年頃のE-M5 Mark IIIと同じタイミングで出ていても良かったとも思える構成でもあります(それを言い始めるとE-M1X以降の機種、全般に言えることではあるのですが……)。

f:id:OKP:20210613180619j:plain
会社はOMDSになりましたが製品名でOLYMPUS PENを強くアピール

現在のマイクロフォーサーズ機は撮像素子(センサー)が殆ど進化できない状況なので、画質面で性能を向上させられる要素が少なく、E-M1系の上位モデルではAF性能や手ブレ補正、ハイレゾショット、ライブNDといった変化球でなんとか差別化を図っている状況。
唯一画質に寄与しそうなE-M1 Mark IIIから搭載された画像処理エンジン(TruePic IX)の搭載が見送られているのはは、下剋上云々よりもコスト面や量産化のハードルがあるのもしれません。TruePic VIIIも登場からかれこれ5年近く経ってますし、何かしらのファインチューンとかされてたりはないのでしょうかね。
かといって、本機にハイレゾが搭載されたとしても何か違う気がしますし(PEN-Fにはあったんでしたっけ)、新型PENに搭載する内容としては妥当なところなのかもしれません。

元々オリンパスのミラーレス機はPENシリーズから始まっているのですが、OM-Dシリーズに松竹梅の選択肢を作ってしまったことで(特にE-M10系の存在が難しい……)PENシリーズの立ち位置が難しくなってしまっている気もします。
個人的にはOM-Dは防塵防滴のM1/M5系以上のみで、PENシリーズはEVFの有無で松と梅の2ラインぐらいが分かりやすい気もするのですが、そこはOMDSの狙いは別にあるのかもしれないので、あくまで外野の勝手な意見として。

なんとなくFUJIFILM X-E4の対抗を狙ってるようにも感じさせる機種ですが、そう考えるとEVF非搭載でコンパクトさを追求した部分も理解できます(かつオリンパス得意のボディ手ブレ補正は入れつつ)。E-PLシリーズの物足りなさ、ゆるふわ路線に舵を切りすぎたデザインの修正という意味でも、PEN E-P7は本来のPENらしさを取り戻したボディと言えそうです。実際、私もGX7MK3からの買い替えも一瞬検討しましたが(ブラックとホワイト迷う)、やはりもう数年前に出してくれていたならなぁ……(しつこい)。

あとは2021年に出す新製品としてUSB Micro-Bというのはあまりにお粗末。USB Type-C端子自体は2016年のE-M1 Mark IIから搭載できていた訳で(USB充電非対応だったけど)、格安スマホや中華イヤホンにすらUSB Type-Cが採用されてる時代に、Micro-Bはかなりズッコケてしまいました。充電スピードや端子の耐久性もですが、いい加減持ち歩くケーブルを統一させて欲しいのです。

カラープロファイルをもう少し上手くアピールできると……

PEN E-P7がFUJIFILM X-E4対抗であるかについてはあくまで私の想像ではありますが、カメラのハードウェア性能では決して大きく劣ってないものの(センサーで及ばずとも手ブレ補正強いぞ等)、本体のみで出せる絵作りの部分でどうしてもフジのフィルムシミュレーションには距離を開けられてしまっている印象はあります。

オリンパスのピクチャーモードには長年ほとんど変化がありませんし(i-Finish、Vivid、Natural、Flat、Portrait)、鳴り物入りだったアートフィルターも派手な絵作りが目新しかった頃は良かったものの、今となってはクセが強すぎて使う用途が限られてしまう。

f:id:OKP:20210613171831j:plain

だからこそのカラープロファイルコントロールや専用スイッチの搭載だとは思うのですが、フジにせよシグマにせよクラシッククロームなりT&Oなりのプリセットがウケているのが周知の事実な今、真似をしないまでももう少し具体的なプリセット(ネガ風、ポジ風、シネマ風……等)を提示できても良かったのでは?と思ってしまいます。ユーザーの手で作り出せる調整幅が大きいのは理解できますが、初心者には伝わりづらいですし、どうもオリンパス(OMDS)はその辺は妙に生真面目というか融通がきかないというか。「あなたの好きな絵作りができます」よりも「あなたが欲しい絵はこれでしょう?」がPENの購入層には響きそうな気がします。
個人的にもOM-Dとは別で、フジのような雰囲気のよい絵作りがプリセットで選べるMFTカメラがあれば普通に欲しいです。

M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PROはしばらく見送る予定

でもって新型広角ズームの「M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO」。昨年開発の発表があった際に「これは買う!」と確信してたのですが、思ったよりも発売タイミングが伸びてしまったことで、少し熱が冷めてしまいました。
先日うっかりE-M1 Mark IIIを買ってしまったことで、すぐに手が出せないのもありますが……。

f:id:OKP:20210613173433j:plain

魅力はやはり広角ズームレンズでは恐らく他にないズーム域の広さ。35mmフィルム換算で16mmから50mm相当の画角は旅行や登山での活躍間違いなし。それ以上の望遠が欲しい場合は12-100mm PROでなく40-150mm PROに繋ぐことで、さらに望遠側を伸ばすことができます(MC-14を使ってF4.0で繋ぐのも良いですね)。

フィルター装着の可能な前玉形状、恐らく7-14mm PRO比でも確実に逆光耐性も上がっていると思われます。実際、自分の用途を振り返ってもどうしてもF2.8が使いたいのは星を撮るときぐらいなので、星を撮らない日帰り登山や旅行ならこのレンズ1本(カメラ1台)で完結させられることも増えそう。

逆に少し気になるのは使用時のサイズ。沈胴構造が採用されているので、縮小時の製品写真では分かりづらいですが、実際に広角8mm側のズーム位置でもかなり前玉が飛び出した状態となります。実際にはさらにフードが付くことになるので、使用時の全長に関しては既存のレンズの中では12-100mm PROに近いぐらいかもしれません。

f:id:OKP:20210613171811j:plain

f:id:OKP:20210613171819j:plainf:id:OKP:20210613171815j:plain
沈胴を伸ばしてフードも付けたら7-14mよりは確実に長い……

沈胴レンズを伸ばした状態のままカメラバッグに突っ込むのも心配ですし、クラッチレスとはいえ毎度撮影時に沈胴からの繰り出しを行うのか、結局伸ばしたままの運用となるか、気になるところではあります(PDキャプチャー運用なら伸ばしたままでも良さそう?)。

正直に言えば気になるし使ってはみたいですが、先立つものがない(笑)
というか未だ遠征の外出を控えている状況なので、出番の見えないレンズへの投資に意欲的になれないのが本音です(むしろ、相変わらず超望遠が気になってします)。
スペック的には間違いなく魅力的ではありますが、7-14mm F2.8 PROも手元にありますし、過去にはパナライカの8-18mmを買い足したのに、結局7-14mm F2.8 PROを残して手放してしまった経緯もあるので、今しばらくは7-14mmを使いながら新レンズの情報や評判の収集をしながら様子見の予定。我慢できなくなってしまったら、そのときはそのときということで。

こんな記事もあります