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寝台特急サンライズ出雲で行く鳥取&島根、復路は特急やくもと新幹線のぞみ

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8月30日の夜から9月1日に掛けて、寝台特急サンライズ出雲で鳥取&島根に行ってきました。
一番の目的はサンライズ出雲に乗ることですが、せっかく山陰に行くならと島根県の玉造温泉に宿泊して、伯耆大山の登山や2つの連結汽水湖、松江城、出雲大社なども巡って遊んできました。

寝台特急サンライズに乗りたい

新型コロナの感染などもあり以前に増して人混みの苦手意識が高まり、週末やお盆に山に行くのも混雑や渋滞がダルいな…… と何もしないでいるうちに、このまま夏が終わってしまいそう。

現在国内で運行されている唯一の寝台特急「サンライズ 出雲・瀬戸」。きくちさんや月山ももさんの記事を読んだり、以前から漠然と乗ってみたいとは思ってましたが、特に具体的な計画を立てる訳でもなかった自分。

酒器を持ち、寝台特急サンライズに乗り込んで、香川でうどんをたらふく食べる - 今夜はいやほい
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私より妻の方がこの特急サンライズへの関心が高く、随分前から定期的に乗りたいという話を聞かされていましたが、JRおでかけネットでの切符の取得方法や、特急サンライズと宿泊をセットにしたツアーの存在なども調べていたようで、それに釣られる形でプランを立て始めました。

サンライズ出雲・瀬戸は東京駅の出発時には連結されていて、岡山駅でそれぞれの目的地に別れます。どちらも楽しそうですが、まずは伯耆大山(大山:だいせん/伯耆富士)の登山を組み合わせることができるサンライズ出雲でしょうか。


サンライズ瀬戸・出雲:JRおでかけネット

サンライズ出雲・瀬戸の切符を取るには乗車日の1ヶ月前の朝10時にみどりの窓口で購入するか、JR西日本「JRおでかけネット」での予約が可能。切符を確実に取らないことには旅の計画も立てられませんが、今回は1ヶ月以上先の予約が可能だった旅行代理店の宿泊付きツアーを利用して7月の半ばに予約を行いました。
旅行の日程ですが、週末の百名山登山や観光地の行動は極力避けたかったので、妻に有給を使ってもらい週末前の平日(水曜夜〜金曜)にしました。

昨年は東海汽船の夜行フェリーで伊豆大島と八丈島に行きましたが、夜行便での旅行は独特の雰囲気があって楽しいですよね。横になって足を伸ばして寝られるのも、バスや飛行機ともまた違う開放感がありますし。

近畿日本ツーリストの個人ツアーを利用する

近畿日本ツーリストには、特急サンライズなどの寝台特急・観光列車に宿泊を組み合わせた個人ツアー(鉄道の切符と宿泊の手配)があります。サンライズ出雲の場合は、往路化復路の片道をサンライズ出雲、もう片道は「特急やくも」と「新幹線のぞみ」の組み合わせになります。宿泊地は出雲、玉造温泉、松江、米子など山陰エリアの複数のホテル、旅館から選ぶことができます。

観光列車・寝台列車の旅特集(国内ツアー)│近畿日本ツーリスト

「サンライズ出雲」往路乗車のツアーを探す
「サンライズ瀬戸」往路乗車のツアーを探す

サンライズ出雲の切符は「ノビノビ座席(仕切りのある雑魚寝タイプのスペース)」が基本で、追加料金で寝台の「ソロ(シングルより少し狭い個室)」や「シングル」を選ぶこともできます(が、私達の予約時はソロしか選べませんでした。宿泊先の選択肢も現在は異なるようです)。
一番安い寝台車のシート、ノビノビ座席で寝てきた :: デイリーポータルZ

我々が取ったのはそのタイミングで唯一選べた個室のソロ(B寝台・禁煙席)。旅行会社の手配方法や予約枠?の詳細は不明ですが、手配が確定するのは実際の発売日(乗車日1ヶ月前)の後になります。
並行してJRおでかけネットでのチケット手配(シングル、シングルツイン)も試みましたが、平日乗車でも10時チャレンジで普通に無理でした(ノビノビ座席しか取れない)。

どうせ行くなら現地で一泊ぐらいしたかったですし、復路の切符手配なども考えると個人ツアー利用は悪くないチョイスでした。ちなみに1人分のツアー料金は48,600円。往路と復路の正規料金がそれぞれ2万円強なので、宿泊料金を考えるとかなりお得だった気がします。今回は玉造温泉にある「玉井別館」という宿に宿泊しましたが、8月中の宿泊で2人で25,000円〜くらいは掛かる宿だと思います。

  • ツアー料金:48,600円(東京〜米子往復+宿泊費/1人)
  • 往路参考: 21,780円(サンライズ出雲 運賃11,880+特急料金3,300+寝台料金6,600)
  • 復路参考:22,940円(特急やくも5,170円+新幹線のぞみ17,770円)
  • 差引3,880円(これで2食付きの温泉旅館に泊まれると思うと結構なお得感!?)

米子下車、現地移動はレンタカー、玉造温泉泊

サンライズ出雲の終点は出雲市駅(島根県)ですが、今回は大山(鳥取県)の登山を考えていたので、大山に近い米子駅(鳥取県)までの切符としました。現地での移動はレンタカーで、帰りも米子からの乗車です。

切符は出発前までに自宅に送られてくる

レンタカーは別途楽天トラベルで米子駅前のニッポンレンタカーを予約しました。軽自動車で保険付き約19,000円(2日)。高速道路は島根県内から大山への移動で一度だけ乗りましたが、久々のレンタカー旅行だったこともあり、うっかりETCカードを持っていくのを忘れてしまいました。

大山登山は天候次第なので滞在の2日間のどちらでも行けるよう、宿泊は島根の玉造温泉にしました。松江や米子の方が大山には近いのですが、せっかくなら温泉旅館に泊まりたいですし、滞在中に機会があれば出雲大社にも行けそうな場所ということで。

サンライズ出雲は米子に朝の9時に到着。米子駅から大山の登山口まで車で30分程なので、米子駅前からレンタカーで移動すれば10時までにはスタートできそうです。
また、玉造温泉から大山の夏山登山口までは車で1時間ほどなので、9時までにチェックアウトすれば同様のスケジュールでの登山が可能です。実際は8時過ぎに旅館をチェックアウト、途中コンビニでの買物を挟んで9時半頃に登山口に着きました。


東京駅で餃子&ビール、駅弁を買い込んでサンライズ出雲へ

水曜日の夜、仕事を終えた妻と東京駅へ。サンライズの出発は21時50分、ホームへの入線は同20分頃ですが、車内で食べる駅弁の手配もありますし、久々の旅行ということで20時半前には東京駅に到着しました。

平日ということもあり駅弁の在庫が豊富なことを確認しつつ、残り2個になっていた押し寿司の詰め合わせを翌日の朝食用にゲット。夕飯も駅弁のつもりですが、時間もあるのと少々腹減りだったので改札内にある「東京ギョーザスタンド ウーロン」で「常陸野ネストビール 橙IPA」と水餃子&焼餃子。


その後、改めて改札内の「弁当屋 祭」にて駅弁とビールを購入して東海道線ホームへ。完璧な流れ!?

東海道線ホームにサンライズ出雲・瀬戸が入線してきました。

左がサンライズ瀬戸、右がサンライズ出雲。進行方向は←。瀬戸が前方です。

シングルの寝台が並ぶ9号車。通路は上下2階に分かれていています。

人が来る前にシングルの個室を拝見。テーブルもあってかなり快適そう。1,000円差ならば(切符が取れるなら)シングルを選ぶのが良いでしょう。

サンライズ出雲:B寝台 ソロ

私達は隣の10号車。ソロは上下段共通の通路から、階段で上下に向かって個室が設置されています。9号車に比べるとドアが多いことが分かります。我々は8番と14番でどちらも2階側の部屋でした、偶数号室だと2階で奇数だと1階になるのかな。

この狭い階段を登ります。階段を登る最中はドアは開いたままで、ベッドまで上がってドアを閉める感じ。スリッパと足元にはゴミ袋が設置されてますが、ベッドからごみ袋を狙うには少し高低差があります。個室の中で立ち上がることは難しいですが、階段の上ならば一応立つことはできます。

シングルよりも明らかに狭い(細い)個室ですが大人が1人寝るだけなら十分なスペース。上部には荷物置きのような空間もあります。

部屋ごとにシーツを掛けた毛布と枕、寝巻き(洋風浴衣?)が用意されています。ベッドサイドのコントロールパネルには目覚ましの他、室内灯、常夜灯、足元灯のスイッチなど。

ドリンクホルダーと紙コップ、枕元にはコンセントもあります(周波数は関西仕様の60Hz)。

個室は4桁の暗証番号を設定してロックできるので、トイレや洗面所に行く際も安心。

ソロ1階個室の方が通路から少し降りるだけで入室は楽そうですが、ホームからは中の様子がよく見えます。

シングルと違って個室内にテーブルのないソロですが、10号車にはミニラウンジスペースがあるので(通路の反対側にも4席)、食事の際はここを利用することもできます。

自販機と洗面所。

シャワー室があるのも10号車。シャワーカードはすぐ買わないと売り切れてしまうみたい(出発前にシャワーは浴びていたので特に購入せず)。シャワー室の中も出発前に覗いておきました。

お隣、A寝台の11号車。シングルDXとサンライズツインで、通路は片側になっています。


サンライズ出雲出発、ラウンジで駅弁を食べ個室で過ごす

10時50分、定刻通りにサンライズ出雲が出発、米子まで11時間の寝台列車旅の始まりです。早速、ラウンジで駅弁を食べることにします。妻は「とりめし」、私は「牛すきと焼肉弁当」。ちなみに検札は出発前に車内をウロウロしていた際に、通りかかった車掌さんに済ませてもらっています。

夜なので車窓の風景は特にありませんが、東京らしい夜景を眺めつつの駅弁。

なかなかおいしいですね、このお弁当。

ラウンジでは他にも駅弁を食べてる人がいますが、混み合う感じではなく適度に人が入れ替わって行きます。

食事を終えてそれぞれの個室に戻ります。バックパックを荷物入れに押し込んで、寝巻きに着替えてリラックス。ビールを飲みつつ読書などして眠くなるまで過ごします。

窓際には飲み物やスマートフォンを置ける程度の幅のスペースしかありませんが、食事をする訳でなければ十分です(列車の揺れもあるので飲み物は窓際でなくドリンクホルダーに置いた方が良いでしょう)。

窓にはロールカーテンがありますが、2階の部屋なら外からの視線も気にならないのでずっと開けっ放しにしていました。外の明かりが見えたりする方が寝台列車感があって楽しいですし!?

エアコンが効き過ぎでやや寒く感じましたが、風量はこの送風口で調整可能。寝るときは閉じました。

2階のソロ個室はコンセントの位置がやや特殊です。ベッド脇ですがコンセントの下は階段のスペースで下は1.5m以上の高さがあるので、コンセント一体型のモバイルバッテリーなどはうっかり落とすとダメージがあるかも。小型のUSB充電器と多少の長さがあるケーブルがあると安心です。

ビールを飲み終えたら洗面所で歯磨きやコンタクトを外し、しばらく読書をしながら寝台列車の雰囲気を楽しんで0時過ぎに就寝。目覚ましは岡山着の少し前、朝6時にセット。多少揺れるものの音なども特に気になることなく(伊豆諸島行きのフェリーよりはよっぽど静か)、普通に熟睡できました。

目覚めると岡山、山陽から山陰へ

目覚ましで起床。洗面所で顔を洗って寝巻きから着替えた頃に、列車は岡山に到着します。

岡山駅。サンライズ出雲と瀬戸の連結切り離しを見に行く人達。

やってます。すごい人……。

切り離し完了。

すぐに連結器にカバーが取り付けられます。

先に出発して行くサンライズ瀬戸。サンライズ出雲は岡山から伯備線の線路に入り、倉敷から北上して日本海を目指すことになります。

ここで朝食にします。東京駅で買った「押寿司食べ比べ」。

小鯛、小鯵に中鯵。サッパリしてて朝から押寿司は悪くない。

部屋に戻ってまたしばらく寝ます。微妙なお天気の下、車窓は山あいの田園風景が続きます。

列車に沿って流れていた高梁川は太平洋側へ流れていましたが、分水嶺を過ぎて日野川水系の川が列車の進行方向(日本海側)へ流れるようになると、岡山県から鳥取県に入ります。……といった情報が車掌による車内放送で流れます。

進行方向右手側(東方面)に大山が見えてきましたが山頂付近は雲の中。このあたりから見える山容がいわゆる「伯耆富士」と呼ばれる所以のようです。直前の天気予報からこの日の登山は既に諦めていますが、翌日の天気も残念ながらあまり期待はできないようです。

山陰本線に合流すると北の空には青空も見えていました。


サンライズ出雲が米子駅に到着

東京駅から11時間掛けて、9時3分に米子駅到着。この日は大山には登らないことにしたので、そのまま出雲市まで乗ってたい気分ですが、レンタカーを取っているのでそうも行きません。

ゲゲゲの鬼太郎が至る所に見られる米子駅。水木しげるがお隣の境港市で育ったみたい。

列車基地?的になってる幅の広い米子駅ですが、出入り口があるのは片側だけ。

米子駅前のロータリー。駅前にはビジネスホテルが並ぶいかにも地方都市的な駅。

真新しい駅舎にはお土産屋やリトルマーメイド、セブンイレブンなども入っていて、2階にはガラス張りの待合所もあります。

駅前のニッポンレンタカーで予約していた軽自動車(ムーブ)を受け取ります。

さて、大山登山以外は何処に行くか全く決めてなかったのですが、いきなり出雲に直行するよりは中海や宍道湖、松江市も見てみたい。島根半島の先端あたりにあるえびす様を祀った「美保神社」は漁業の神様、鳴り物の神様でもあるそう。釣りも楽器も趣味ですし行ってみますか……。


特急やくも&新幹線で東京に戻る復路

鳥取&島根で過ごした2日間はまた別記事にするとして、帰りの行程もまとめておきます。

一気に時間が飛んで翌日の16時半過ぎ。再び米子駅前に戻ってきました。レンタカーを返却し、米子駅構内の「おみやげ楽市」で夕飯に食べる駅弁を購入します。乗り換えの岡山駅でも駅弁は買えますが、せっかくなので山陰の駅弁を最後に食べたかった。

電車旅なのでなるべく荷物は増やしたくないのですが、なんやかんやで帰りには荷物が増えてしまう(行きはバックパックのみ)。車移動だと途中立ち寄った道の駅等で気になったお土産や産直野菜など好きに買えるのですが、それも我慢しなくてはいけないのがちょっとストレスですね(送るほど欲しい訳でもなく……)。

まずは特急やくもで岡山まで。ホームには丁度反下り方向のやくもも停まっていました。

乗り込む直前の岡山行き特急やくもの表示を撮った写真を見返していたら、出雲市行きの表示になっていたことに気付きました。その場でちゃんと確認してたら少し焦っていたかも?(笑)

米子から岡山までの所要時間は2時間、結構掛かるようですが普段は本州の太くなった辺りの太平洋側に住んでいて日本海なんて滅多に目にしないので、山陽山陰の距離感はまた違いますね。
この日登った大山が見えてます。私達が登ったときは中腹から上は虚無でしたけど……。

1時間半前に下山飯を食べたばかりでお腹は減ってませんが、もう運転はないのでビール。

北八ヶ岳のにゅうコレクションに加えたくなる?根雨駅。

文庫本を読んだりウトウトしているうちに岡山駅に到着。
ホーム反対側に止まっていた「スーパーいなば」と伯備線の普通列車。なるほど岡山と山陰方面を結ぶ路線はいくつかあるのですね(Google Mapを見ながら……)。

岡山駅構内、前日の朝にサンライズ出雲・瀬戸の切り離しを見た際は気付きませんでしたが、山陽のターミナル駅だけあってかなり大きな駅です。

新幹線のホームは何処に行っても立派でそこまで変わり映えしないのに対して、在来線のホームって地域ごとの特色があってやっぱりいいものだなと今更ながらに。

岡山を出て新神戸を通り過ぎる頃から食べ始める、山陰の「かにめし弁当」(アベ鳥取堂)。

蟹の身がぎっしり。前日の旅館でも蟹は食べましたが問題ない。カニ風味のご飯もうまい!

蟹の身を少し残してご飯を食べ終えてから、蟹の身をつまみに岡山で買った独歩ビール。

復路は米子発17時26分で岡山着が19時39分。岡山発20時1分の新幹線で東京に到着したのが23時23分でした(そこから府中までがちょっとダルい)。
復路は都合6時間。往路のサンライズ出雲は11時間掛けて米沢だったので、やっぱり新幹線は速い!(伊豆諸島に夜行フェリーで行って高速艇や飛行機で帰ってくる旅に似てるかも)。でも寝台列車は楽しい。ちなみに帰りもサンライズ出雲にした場合、20時の米子発で翌朝7時に東京着なので、それはそれで悪くないかも!?

境水道(中海と日本海を結ぶ川のようなほぼ海)に掛かる橋がカッコよかった!

次回はできればもう少しお天気を引き当てたいところですが(特に大山に登るならば)、サンライズ出雲の予約は乗車1ヶ月前なので天候が全く読めないのがなかなか難しい。雪山の大山にも登ってみたいですが、冬の山陰は晴天率が低いようですし悩みどころです。今回の島根観光と大山登山についてはまた別の記事にて。