初めての中華イヤホン体験、確かにこれは面白い世界ですね!?
前回も最近買ったイヤホンの紹介でしたが、そんなfinal E2000を買う少し前に見て気になっていたのが、KZ EDX Liteなるイヤホンを紹介する加野瀬さんのこのツイート。
千円弱のKZ EDX Liteの評判が良いので買ってみたけど、驚くぐらい音が良い! 高音がクリアで低音マシマシのドンシャリで、楽しく聴けるイヤホンだった。最近はダイナミックドライバー1基のイヤホンの音質向上が目覚ましいhttps://t.co/L1PGMkaA2m
— 加野瀬未友 (@kanose) 2024年3月11日
よく知らないブランド、ドンシャリ系(という紹介)、耳掛け式ということで、そのときの候補にはならなかったのですが、final E2000のあまりに素直で飾り気のない音を聴いていたら(用途としてはピッタリでしたが)、先ほどのツイートが再び気になってきて、1000円ちょっとなら試してみるかとポチってみました。
KZは中国深センを拠点とするイヤホンメーカーで高性能でコストパフォーマンスの高い所謂「中華イヤホン」を代表するブランドなのだろう。この辺の情報、疎いので全く知りませんでした。
KZ (イヤホン) - Wikipedia
そんなKZのイヤホンはライブステージのイヤモニ(イヤーモニター)として使ってるミュージシャンもいるのだとか(そして最近はインディーズやアマチュアのプレイヤーでも自分でイヤモニのシステムを組んで、ライブハウスでも使ったりするそうですね。これも全然知らなかった……)。
あと、最初に初めての中華イヤホンと書きましたが、よく考えたらSoundpeatsやEarFunのワイヤレスイヤホンはいくつも使ったことがありました(EarFun Air Pro 2は結構気に入っていて、今も外出時などに使ってます)。正確には「有線中華イヤホン初体験」ですね。
ということで、KZ EDX Liteです。Amazonで1200円ぐらい。AliExpressとかだともっと安く売られてたりしますが、これだけ安いと誤差みたいなものかな。ツイッター等の声を拾ってみると、製造時期で配線や音が微妙に異なるなどもありますが、メーカーがOKとしている品質なら違いを気にする価格帯でもないかな。
シンプルな印刷の紙箱に簡素な包装、イヤーピースは3サイズ付属しています。そしてなんと本体とケーブルが別になっています。リケーブル(ケーブル交換)できるイヤホンは断線時に交換もできますし、価格帯が上のイヤホンに限られると思っていましたが、KZの製品はどれもこの仕様のようです。
本体側は透明の樹脂製、ケーブルはやや太め硬めですが、丈夫そうでとても1000円ちょいとは思えません。中華イヤホンを知らなければ、もっと高価格帯のイヤホンだと思ってしまうかも(スケルトンの耳掛けってSHURE SE215あたりのイメージが強いし)。装着は耳掛け式に慣れていれば普通に使えると思います。つけ心地は耳掛け+本体サイズが大きいこともあって、耳の中にも外にも存在感がありますね。
さて肝心の音。ドンシャリと聞いていたので少々構えて聴いてみましたが、なんだか下がスカスカ…… どうやらイヤーピースが合ってなかったみたいで、大きいサイズに交換して装着(ちょっとキツいけど)。
なるほど、これは元気で楽しい音。音を表現するのに「元気、楽しい」はかなり抽象的ですが、他に形容しようがないぐらい適切な表現だと思います。ドンシャリといえば確かにドンシャリですが、程よくクリアでシャキっとした元気な音(また言ってしまう)。
ロック、フュージョン、JPOP全般に聴いていて楽しい。立体感のある音像というよりは耳の真横で音が鳴っていて、左右の定位もかなりくっきり。臨場感があるので、ライブ音源などにもいい感じ。早速プライムビデオで映画『BLUE GIANT』を見ましたが、なかなか良い感じでした。
Chick Coreaが亡くなってもう2年が経ちますが、昨年リリースされた再々結成The Chick Corea Elektric Bandのライブ盤。再結成後はやや音色的にやや大人しくも感じていたデイブ・ウェックルのドラム(叩き方も昔とかなり変わりましたよね)が、この録音ではとてもヌケ良く聴こえて気持ちがいい。
最近お気に入りのギタリストLari Basilio(リズム隊がすごい!)、このあたりのロック/フュージョン系のギターインストはもちろん合います。
Andy Timmonsからの影響を感じるプレイとトーン、いいですねえ(すぐ脱線する)。
キラキラプログレメタル?のArch Echo、タイトで音数多めの演奏をスカッと鳴らすのはお手の物。
つい数週間前に知ってすっかりファンになってしまった(先週末はライブにも行ってきました!)今、激推しのアーティスト、森大翔さん。冒頭の高音域のループサウンドなどはやや耳に刺さりますが、今どきの音圧高めJPOPは元気に鳴ってくれます。ボーカルもギターもクリアに聴こえます。
昨年の年末あたり、音楽番組に出演しているのを見て今更ながらよく聴くようになったMrs. GREEN APPLE。サビのバックで鳴っているギターのタッピングフレーズはモニター系だともっとよく聴こえるのですが(中域寄りのE2000でも)、KZ EDX Liteだときらびやかなストリングスにやや埋もれがちかも(少し意識すればちゃんと聴こえますが)。楽器演奏や耳コピにはもう少しフラットなイヤホンの方が良さそうですが、別にこれはこれで楽しく聴けるからアリかも。
Pat Methenyがバリトンギターで録音したアルバム『One Quiet Night』は昔から好きな作品で、新しいヘッドホンを手に入れるとよく聴くのですが、このような音源だとバリトンギターのふくよかさより、高い倍音が強調されたややジャキジャキした(なんならピエゾっぽい)音に聴こえてしまいます。
このギラつきを生々しいと感じる人もいると思いますが、自分の好みだと前回紹介したE2000みたいなイヤホンの方が音量を上げても気持ちよく聴けます。
やはり最初の印象の通りアコースティック系の繊細な録音よりも、バンドサウンドなどパワフルな音源を鳴らすのが得意なイヤホンのようですね。
基本的には自分はモニター系の音が好きなので(全てが聴こえてる中から、意識的に聴きたい音に注目したいので)普段は音源のジャンルに併せてヘッドホン、イヤホンを選んぶような聴き方はしないのですが、たまにこういった得意なジャンルのあるイヤホンを手にしてみると、これはこれで楽しいものですね。
- モデル:KZ EDX Lite
- ドライバー:ダイナミックドライバー
- 感度:108±3dB
- インピーダンス:23±3Ω
- 再生周波数帯域:20 - 40,000Hz
- 本体重量:23g(実測)
- コード長:1.2m(実測)
- 付属品:イヤーピース(3サイズ)
KZ EDX Liteやその他のお手頃な中華イヤホンについてはkanoseさんのこちらの記事もどうぞ。
そんなkanoseさんや私のツイートも見てくれた、ネタフルのコグレマサトさんも買って気に入ったそう。