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途方に暮れる 犬とよばれる でも生きてゆく

ベルト式のわかんを即着脱なラチェットタイプに交換するオクトスのラチェットベルトセット

ベルト式のわかんをラチェットタイプに交換するオクトスのラチェットベルトセット

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私は以前から使っていたのですが、先日妻のワカンベルトをラチェットに換装したので簡単に報告。

ベルト式のワカンをラチェット式に交換すると着脱がスムーズ

雪山登山には欠かせない(トレースのあるルートばかり歩いてると出番は少ないですのが)ワカンこと和かんじき。似た道具にスノーシューがありますが、雪上の浮力はスノーシューが圧倒的。一方でワカンはそのサイズ、軽さによる取り回し、多少の斜面を登る力もあるので積雪期登山の必須アイテムです。

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現在はアルミ製のものが一般的で、ナイロン製のベルトでどんな登山靴にも取り付けられるのが利点ですが、難点として着脱に少々手間が掛かります。その手間を惜しんで、使った方がいい積雪状態なのにツボ足のまま粘ってしまったり、脱ぐタイミングが遅れてしまったりなど雪山あるある(?)。

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なるべく手早く着脱したいワカン

そんな着脱の時間を一気に高速化してくれるのが、オクトス(oxtos)のラチェットベルトです。

oxtos/アルミわかん用ラチェットベルトセット(EXP/MM用)

これは一部の軽アイゼンやスノーシューに採用されている、ラチェット式のベルトをワカンに組み合わせたもの。オクトス製で元からラチェットベルト式のワカンが販売されてる他、他メーカー製のワカンに後付できるラチェットベルトセットも販売されています(オクトス用、エキスパートオブジャパン/マジックマウンテン用、エアモンテ用)。

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我が家はエキスパートオブジャパンのワカンを使っているので、「OX-014」という型番のものを購入。税込み6,600円となかなかのお値段。まだワカンを持ってないなら最初からオクトスのラチェット式ワカン(アルミわかんラチェット式 OX-012)を買った方がお買い得です。

ラチェットベルトに交換することのデメリットですが、ワカンの裏返し装着(アイゼン併用時にやることがあるらしい。自分はやったことがない)ができなくなること、元のベルトよりも重量が嵩む(オクトス製のワカン比で116g差)こと。あとは靴による相性は実際に装着するまで分かりません。

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私自身はラチェット式に交換したことでとにかく快適になったのですが、妻のワカンはベルトのままだったので2人行動における着脱のスピードは大きく変わっていません。利点が大きいことは確認済みなので、今年に入って妻用のラチェットベルトセットを追加で購入。

換装作業が少々面倒なのでしばらく放置していましたが、ようやく先週末に行いました。

妻のワカンにラチェットベルトセットを取り付けた

ラチェットベルトセット一式を袋から出したところ。

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ベルト交換するワカンとラチェットベルトセット。床を傷つけないようにダンボールを敷いたり、軍手、プライヤー(写真のラジオペンチは大きすぎて使わず)、あると作業が捗ります。というかプライヤーか小さなラジペンは必須、ないとたぶん無理。

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作業前にわかんの前後左右が分かるようにテープ等で目印を付けておくといいかも。別になくてもできますが、確認がスムーズになるので自分は結構役に立ちました。

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元からついてるベルトを外して、以後の取付作業は付属の取説を見て頑張りましょう。作業時間は片足15〜25分程度と書いてありますが、最初はベルトの向きや装着手順の確認に手間取るので、片足30分以上掛かると思います。というか私は2度目なのに両足で1時間越えてしまいました……(苦笑)

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プライヤーはバックル装着時に絶対に必要になります。ないと指先がぶっ壊れる(笑)

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あと、今更気づいたのですが公式に取付手順の解説動画ありました。マジか……。最初からこれを見ておけばよかったです。プライヤと合わせてマイナスドライバーがあると良かったみたいですね。

www.youtube.com

片足が完成した時点で靴を装着して確認。

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両足が完成しました。

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以前撮った動画ですが、実際のラチェットわかんの着脱はこんな感じ。最速で両足1分で可能…… みたいな動画なので、取り付けのチェックが甘いですが、じっくり取り付けてもベルトタイプより遥かに早いのは分かるかと思います。あとは外すのがむちゃくちゃ楽(ベルト式は凍ったりして手こずることも)。


靴が小さい場合はヒールベルトを調整、あるいは別売ベルト併用がいいかも

女性用のサイズの小さい登山靴の場合、リア側のベルトを締めて、フロント側のバックルが靴の太い部分まで来るように設定するといいと思います。

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それでもズレや脱落が発生する場合はオクトスで脱落防止用のベルトが別売されているので検討してみてください。先日、同行者(女性)がこの件で結構困っていたので、靴によっては頻出する現象かもしれません。うちの妻もフィールドでは確認できてないので、念のため買っておきました。
わかん脱落防止ベルト【ラチェットわかん用】 | oxtos co,.ltd.

作業が終わったらお茶とお団子でひといき。

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おまけ:ワカンをザック等に携行する際ですが、周囲を傷つけないためのツメカバーとしてバンダナがいい仕事します(ツメ側を向かい合わせにして縛るだけ)。両足をまとめるベルト代わりにもなりますし。

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こちらもどうぞ

降雪翌日、雪の森を歩いて冬の宝永山(富士山・宝永第一火口)を目指す山行

以前から気になっていた冬の宝永山(富士山の側火山)に行ってきました。結果的に宝永山の山頂は踏めませんでしたが、直前に降ったばかりの雪が積もった樹林帯を歩き、快晴の青空にそびえる冬の富士山を心ゆくまで眺めた充実の一日となりました。

冬の宝永山に登ってみたい

南岸低気圧の通過に伴い、私の住む東京の多摩エリアでも昼過ぎにかけて雪の降った1月18日(土)、関東近郊の山間部では軒並み降雪・積雪があったそうです。翌日の19日、日曜日は太平洋岸側の天気予報が良かったこともあり(結果的にかなり広いエリアで晴れたみたいです)、以前から気になっていた冬の宝永山に行ってみることにしました。

宝永山は富士山の中腹に大きな口を開けた側火山。3つの火口のうち最大の宝永第一火口は遠くからもよく見え、美しい円錐形である富士山において、大沢崩れと並ぶ地形的なアクセントとしても知られています。宝永山山頂の標高は2,693m、これまで夏山シーズンには何度か行ったことがありますが(富士山の下山中に立ち寄ったものを含め)積雪期に登ったことはまだありませんでした。



水ヶ塚公園(水ヶ塚駐車場)

宝永山に至る登山ルートはいくつかありますが、御殿場口や富士宮口五合目に至る道路が冬季閉鎖されるこの時期は、標高1450m付近の水ヶ塚公園(水ヶ塚駐車場)からスタートするのが一般的です。水ヶ塚公園は富士山の夏シーズン中は、富士宮口五合目に至るマイカー規制パーク&ライドの拠点でもあります。

朝の4時頃に東京の自宅を出発、中央道〜富士五湖道路を走り、6時前に水ヶ塚公園に到着しました。
富士五湖道路の富士吉田ICあたりから積雪があり、チェーン規制されていました。道路は除雪されていたものの朝方はかなり凍結路でしたし、須走ICを降りてから水ヶ塚まではうっすら積もった雪道。路面の雪は帰る頃にはほぼ溶けていましたが、この時期水ヶ塚公園まで行くならスタッドレスタイヤ必須です。

広い水ヶ塚公園の駐車場は一面の雪で駐車場のラインは全く分からない状態……。適当に停めましたが、戻ってきた際に奇跡的にラインに収まっていました(笑) レストハウス(「森の駅 富士山」)は夜間閉鎖されていましたが、夜間も開放されているトイレがあってとてもありがたい。この水ヶ塚公園、ソリ遊びができるゲレンデなどがあるらしく、昼間は家族連れで賑わう場所らしいです。

駐車場すぐ横の腰切塚展望台からは富士山が綺麗に見えるそう。写真クラスタらしき車は、ここから写真を撮ったりするのでしょうか?

外気温はマイナス7度表示(少し高めに表示されるのでマイナス10度ぐらい?)ですが、八ヶ岳付近の朝に比べるとそこまで寒くない印象。

すぐに出発しようかと思ったのですが、このまま登山道に入ってしまうと朝焼けの富士山が見られないので(2時間以上は樹林帯の中なので)、日の出を待ってから出かけることにします。

この日の日の出は6時50分頃、朝日でピンクに染まった富士山が見えました。

裾野の樹林帯まで冠雪した富士山。目指す宝永山は正面の宝永火口右手前に見える丘です。火口内に小さなデブリ(雪崩の跡)が2本見えているのが少々気がかり……。正面の建物はレストラン、土産物店、トイレなどが併設された「森の駅 富士山」(冬季も営業/朝9時〜)。

冬の富士山といえば常に強風が吹き付けることによるウインドクラストのカリカリ斜面でも知られていますし、そこに前日の新雪が乗っている状態ですから、無理はせず行けるところまでということで。

「富士山須山口登山歩道」雪の樹林帯を歩く

水ヶ塚駐車場前の道を渡って登山道に入ります。こうして見ると宝永山、結構遠いな……。

雪をかぶった木々が朝日に照らされてとても綺麗。

「富士山須山口登山歩道」は裾野の須山浅間神社から水ヶ塚公園を経て、富士宮六号目へと至る古道のことだそう。そういえば以前、御殿場ルートで富士山に登った際に水ヶ塚から登ってきたという方と山小屋でお話しましたが、このルートから宝永山を経て御殿場ルートに抜けた訳ですね。

積雪はスタート時点で数センチ、吹き溜まりで15センチくらいからのスタート。この時点では先行者のトレースが2人分ぐらい付いていました。まだ真っ暗なうちに樹林帯を抜けたあたりにヘッドライトの光が1つ見えていました。

しばらくは雪の樹林帯、緩い裾野の斜面をゆるゆると歩いて行きます。


この分ならお天気も良さそうです。

まずは「須山上り 一合五勺」。ここまでほぼコースタイム通りの50分、この時点で思ったより時間が掛かってかも…… と感じていました。

徐々に斜面がきつくなってきたところで、少し早いですがアイゼンを装着。チェーンスパイクでも良さげでしたが、積雪量はそれなりにありますし(チェーンはアイスバーンやしっかりとしたトレースのある雪道は強いのですが新雪だと微妙……)、途中で履き替える手間を考えたら最初から12本爪でいいでしょう。

その後、一部雪の薄い箇所で溶岩を蹴ることもありますが、吹き溜まりでは膝から腿ぐらいの積雪が続く樹林帯。トレースのおかげで楽をさせてもらってますが、先行の方はラッセル大変だったことでしょう。

太陽が登ってきてからはグングン上がる気温に、木の上の雪がドサドサと降り注ぐのに悩まされます(笑) さらに足元の雪が緩みはじめ、足やストックが重い……。トレースを辿っているだけなのに、徐々にコースタイム通りに歩けなくなってしまいました。

それでも登山道はこの風景なので気分は最高。

木から落ちてきた雪が首の隙間に入るのが……(苦笑)

「須山上り 二号五勺」のポイントで9時20分、やはりコースタイムから少し遅れています。登山計画はスタートを少し遅く設定し、下山時間にも余裕を持たせていましたが、この分だと計画通りの山頂着かそれ以上かかりそう。


途中で下山の方と2人すれ違いました。1人は恐らく深夜スタート(駐車場かたヘッデンが見えてた人でしょうか)、1人はテント泊装備だったので富士登山の人なのかも?

その後、ソロの方を1人抜いたらその先は誰もいなかったので、日曜日にしては登山者は少なかったようです。

残っているのは下山トレース2本と上り1本。


御殿庭から森林限界へ

「御殿庭」と呼ばれるエリアを通過中。振り返るとなかなかの高度感。既に雲海が広がり初めています。


意外と長い樹林帯です…… 須山口登山歩道は富士山南側の斜面のせいか、樹林帯がかなり高い標高までああるようです(すぐ近くの御殿場ルートだとスタートしてすぐに森林限界なのに)。


ようやく正面に富士山が見えてきました。時間は10時半、既にここまで3時間半掛かっています。




「須山口登山歩道 三合五勺」もうしばらく重い雪の中を進みます。汗がダラダラ流れていますが、森林限界に出る前に風に備えてハードシェルを着ておきましょうか。


強い日差しで雪はこんな状態。ストックのスノーバスケットに乗った雪すら重く感じます(笑)


森林限界、宝永第第二火口から宝永第一火口へ

周囲を遮る木々が消えて森林限界に出るとシュカブラの斜面となり、足元に積もった雪も一気に薄くなります。風はバラクラバを軽く上げていれば大丈夫な程度。

宝永第二火口の横を通過。向こうに見えているのが宝永第一火口。ちなみに第三火口は御殿庭のあたり、御殿場口の方から二子山を抜けてくると第三火口が見えます。

宝永第一火口の中には下から見えていたデブリの他にも、小さなデブリがチラホラ。実際に歩くルートからは離れているようですが、どんなものでしょうか。

宝永第二火口〜第一火口と続く火口の縁(ヘリの部分)は馬の背のような尾根上の地形なので、トレースが消えるぐらいには風が吹いています。ただし逆にこれぐらい雪が薄くてクラスト気味の方が、かえって歩きやすかったり……?

この先はもう出番がないだろうとワカンをデポします。今考えるとたかだか1kg程度の荷物を下ろしたいと思う程度には、疲労を感じていたのかもしれません。

横に少し樹林帯が伸びている場所になると、とたんに雪が深くなり、トレースもくっきり残っているので風の力(そして樹林の防風力)とは凄いものですね。

定期的に富士山の上を飛行機が飛んで行くのがよく見えます。

11時40分、ようやく「宝永第一火口縁」に到着。ここから火口内に斜め下にトラバースしながら降り、宝永山頂までジグザグに登り返すのが夏道。

既に消えかけているトレースは早い時間に登った先行者の方のものでしょうか(別のトレースは宝永火口でなく山頂方面に付いていました)。


宝永第一火口縁から宝永山へ…… 行くのを諦める

広角写真で見ると緩やかに見えますが、そこそこの斜度があり、縁部分は雪庇状になっています。

消えかけたトレースのすぐ隣にやや気になるひび割れが見えますが、恐る恐る進んでみると……

数歩進んだところで進行方向の斜め後方の表層がズザーっと広範囲に崩れました。あ、ダメだこれ。


進むのは止めて火口の縁まで引き返します。そのまま下りられたとしても、さらに雪が緩んだ状態で再び下から登ってくることを考えたら、やめておいた方がよさそう。崩れている雪の層は新たな積雪分でそこまで厚くないですが、乗っている足元が滑って流されたらかなり危険な気がします。


宝永火口内は小さなお椀状の地形ですし、新雪が降ったら危ないかな?と事前に調べてはみたのですが特に情報もないままで、来てはみたものの今回はここまででしょう。もっと雪が少ないか、安定しタイミングで出直した方が良さそうです。



そうと決まれば、ここまでコースタイムオーバー気味で疲れ気味でしたし、後は下りるだけなのでかなり気が楽になりました(笑) 宝永火口に下りられてもそこから馬の背への登り返し、正直かなりキツいんですよね……。宝永山の山頂はまたの機会に!

宝永山山頂の様子は、今年の年始に登っているickw(id:kyo_ichikawa)さんのブログ記事にてどうぞ。

雲の上を歩いて下山

後続の方もやってきましたが、やはり宝永山行きは諦めるそう。

それからはのんびりと写真を撮ったり……



記念写真を撮ったり……



いつの間にすっかり広がっている雲海を眺めながらワカンの回収ポイントで休憩。

行動食のパンを食べる。

2人上がってきました。下山中にもう2人ほどすれ違ったので、結局この日会ったのはで全部7人かな?

そろそろ13時ですがまだこの青空。




下山嫁グラフィー。

そうそう、下りではアイゼンを外してチェーンスパイクにしました。基本的にツメを効かせるほどの斜面がないのと、場所によって雪が薄く溶岩にツメがあたってしまう場所があるので。

しかし、チェーンはチェーンで靴の裏が雪だんご祭りなので、このチョイスが正しかったかは微妙です……? なんにせよ、この日の雪はひたすら重かった。

こんな倒木だらけの場所、上りでは気づかなかった…… と、朝の写真を見返したら、積雪で気づかなかったみたい。本当に半日で随分と雪が溶けたようです。

そうこうして、14時40分に水ヶ塚まで戻ってきました。想像以上に疲れました。脚がプルプル(弱)。

駐車場の雪もかなり消えています。

「森の駅 富士山」の前にいたかわいい柴ワンちゃん。脚乗ってるよ……(笑)

取り急ぎソフトクリームで軽く下山カロリー摂取。2色の「富士山ソフトクリーム」なるほど。


さわやか長泉店にて下山さわやかをキメる

さて、せっかく静岡県に来たのですからやはり“さわやか”したい。しかし御殿場インター店は数年前より慢性的な大混雑で、この日もネットで調べると150分の待ち時間だとか…… 店までの移動を含めたら3時間弱! 無理!

諦めて富士吉田に吉田のうどんを食べに行くのも考えましたが(時間的に店が開いてる?)、一度“さわやか腹”になってしまうとなかなか気持ちの軌道修正が付きません。ということで、あえて家とは逆方面ですが「さわやか長泉店」を目指すことにします。

長泉町は裾野市・三島市・沼津市に挟まれた縦に細長い町で、「さわやか長泉店」は町の三島寄りのエリアにあります。御殿場からは東名高速をひと区間の沼津IC(長泉沼津IC・長泉JCT)が最寄りになります。

水ヶ塚公園からだと御殿場方面に下りるのでなく、富士サファリパーク方面に南下する感じ。移動に40分、店に付いてからの待ち時間30分ほどで、無事テーブルにつくことができました。

げんこつハンバーグでライスは大盛り。雪山帰りなので実質ゼロカロリー。幸せでした。



山行ルートと活動データ/当日のカメラ

宝永火口で引き換えしたこの日の山行でしたが、行動時間は7時間オーバーでした。次回挑戦の際は雪の状態にもよりますが、もっと早い時間のスタートで樹林帯を抜けてから富士山のモルゲンロートを見てみたい気も……(かといって真っ暗な樹林帯3時間もアレですが)。


宝永山(富士山):水ヶ塚公園〜第一火口まで / OKPさんの活動データ | YAMAP / ヤマップ

カメラはいつものOM-D E-M1 MarkIIに2本の単焦点レンズ(M. 8mm Fisheye PRO/LEICA DG SUMMILUX 25mm)で歩いたこの日。超広角(魚眼)と標準という焦点距離ですが、案外普通に使えるなと。機材総量もコンパクトになりますし、望遠が不要ならばこんな組み合わせもいいかもしれません。


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目の前に大きな山がドーンと見える風景っていいよね(平野・盆地・市街地・高速道路・海から山)

車窓などから富士山が見えると無性に嬉しくなる私ですが、ここ最近は登山をするようになったせいか、視界に大きな山が見えてくるだけで嬉しくなります。

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山で見る山も好きですが、街中だったり登山の行き帰りの運転中だったり、主に平地から特に市街地などの平野部から大きな山がドーンとそびえているのを見るとなんともテンションが上がります。

運転中に遭遇した場合、可能であれば車を停めて写真を撮ったりしてしまいますが、そういえば八ヶ岳の帰りはちょっしゅう車を停めている気が……。ということで、今回はそんな写真を集めてみました。

平野から大きな山といえばやっぱり富士山。自分は静岡県側より山梨側で見ることが多い山ですが、甲府盆地を囲むように奥秩父山塊〜御坂山地、その向こうにそびえる富士山。

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背後に山を抱いた盆地や平野は、山の多い(限られた平地を中心に人が居住する)日本各地で見られる印象的な光景だと思います。私の住む東京の武蔵野台地にしても奥多摩・丹沢・富士山を望む平野ではありますが、身近に大きな山が迫る光景とはちょっと違うかも……。

甲府盆地からの富士山といえば中央自動車道上り車線の帰り道はこの光景を見ながら運転するのが嬉しい(助手席から妻が撮ってます)。

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高架になっている高速道路は絶好の山見スポットではあるもののなかなか写真に残せないのですが、朝方の中央自動車道に国立府中インターから乗るとすぐに富士山が見え、勝沼を過ぎると南アルプス、奥秩父、そして八ヶ岳が次々に視界に入ってくるのが毎度のお楽しみ。
そんな中央道に比べるとぐっと利用頻度は落ちますが関越自動車道からの上信越自動車道は、妙義山系、浅間山、そして八ヶ岳を北側から眺めた後に、正面に北アルプスが見えてくるのがこれまたテンションが上がる車窓です。

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写真ではいまいちスケール感が伝わらないのが残念……

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上信越道をさらに新潟方面へと進むと左手に見えてくる妙高連峰(頸城山塊)……だったかな?

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北陸自動車道を北陸新幹線と並んで富山方面へ。左手には再び北アルプスが見えてきます。

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富山市内は立山を始めとする北アルプスの山々が本当に近い。なかなか晴れた富山の街から立山を眺める機会がありませんが、いつかそんな機会があればいいなと。

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もちろん北アルプスを挟んだ長野県も街から北アルプスがよく見えます。松本・安曇野・白馬あたりを車で走っていると、車を停めたくなることだらけ(意外と道が混んでいて見るだけのことが多い)。

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そして毎度思わず車を停めて写真を撮ってしまうのが山梨県と長野県にまたがる八ヶ岳。

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特に八ヶ岳の西側、茅野市付近は比較的車通りが少なく広い道が多いので、八ヶ岳登山の帰り道、つい車を路肩に停めては同じような写真を量産しています……。

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これは反対側の長野県小諸市側からの八ヶ岳……かな?

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谷川岳に向かう関越自動車道の赤城高原SAから見える山域はなんでしょう?

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SA/PAから見える山といえば、八ヶ岳PAは八ヶ岳はもちろん南アルプスもドーンと迫って見えます。

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昨年行った山形県の庄内平野も出羽山地の月山や鳥海山がよく見える平野でした。

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そうそう、盆地からの大きな山といえば秩父のシンボル、武甲山を忘れる訳にはいきません。

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平地から山がドーン!といえば北海道。網走から斜里かけての斜里平野を車で走っていると、斜里岳や海別岳がほぼ独立峰のように見えています(山塊的には、知床連山からつながっているのでしょうか?)。

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知床半島の中央にそびえる知床連山は海から一気に山が立ち上がっていて、やはりこれも山の近さを感じられる山好きにはたまらない景色。

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ウトロと知床連山を挟んだ反対側にあたる羅臼では、海の上から水平線からいきなり雪をいだいた知床連山を拝むことができます。これもやっぱり目の前に山がドーン環境!?

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最後はスイスの首都ベルンの市街地から。背後に見えているのはベルナーオーバーラントエリアのスイスアルプス(ユングフラウヨッホやメンヒ、アイガー)です。

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ということで、同様に平野からの大きな山岳風景を楽しめそうなのが福島エリア。これまでなかなか縁がないのですが(去年の夏に行きそびれた……)、この冬こそは訪れたいなと計画しております。安達太良山、磐梯山、東吾妻山…… さて、どうしましょう。

おまけ:番外編というか今回のピックアップとは毛色が違うのですが、登山や山岳観光の拠点になる街も独特のワクワク感がありますよね。日本の上高地(よりももう少し街感ある)みたいな感じの……。行ったことありませんがフランスのシャモニなどもそんな感じなのでしょうか。
以下、グリンデルワルト(スイス)、ツェルマット(スイス)、ルクラ(ネパール)、上高地(日本)。

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元日は北八ヶ岳・黒百合平でゆるキャン鍋パ:雪の天狗岳で2020年初登山を楽しむ

2020年が明けて元旦から翌2日にかけて、北八ヶ岳の天狗岳に行ってきました。日帰りでも登れる山を、1泊2日スケジュールで贅沢に過ごした正月山行の記録になります。

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元日は奥秩父……改め北八ヶ岳へ

今年は多摩川(是政橋)での初日の出をキャンセルした元旦の朝。普通の時間に目を覚まし自宅でお雑煮を食べ、地元の駅で友人1人と合流して中央道に乗りました。

元日からの数日間は太平洋寄りの各山域は晴れるものの、かなり強風の予報が出ていました(八ヶ岳でも山頂で20m/s以上)。当初、木曽駒ヶ岳や八ヶ岳方面を検討してましたが、前日の判断で行き先は奥秩父の金峰山&瑞牆山に一端決定しました。標高の高い山は風が厳しそうなので、富士見平小屋にテントを張って、山頂手前まで樹林帯中心の金峰山に登るのもいいかな……と。

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しかしながらテント泊をする予定の富士見平小屋の積雪量がかなり少なそうだったこと、徐々に天気予報が回復傾向だったこともあり、これならば北八ヶ岳方面も大丈夫そうだなと。当初の計画に上がっていた北八ヶ岳の天狗岳へと転進を決めました(登山届けは車中で作成、再提出しました)。

冬の天狗岳は朝からなら十分日帰りでも登れる山ですが、元々奥秩父のテント泊予定で遅いスタートでしたし、居心地のいい黒百合平ヒュッテにテントを貼って、天狗岳は翌2日にのんびり楽しめばいいかなと。楽しそうなゆるキャン計画に車中も盛り上がります。

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これまで冬の天狗岳は何度か登っていますし(日帰り2回・テン泊1回)、今回も唐沢鉱泉からスタートして黒百合平を拠点に東天狗岳と西天狗岳をピストンするごくごく一般的なルート。新たに書くこともありませんので、詳細は以前のブログ記事に譲ります(最後にまとめ)。

美しい冬の北八ヶ岳の様子を写真多めで楽しんで貰えたらと……。

山行ルートと活動データ

一部、下山ルートをいつも歩いている天狗の奥庭でなく中山峠に変更していますが、雪が少なくてミックス状態の足元が歩きづらそうだったから。中山峠寄りのルートはそれなりに雪があるのでアイゼンで快適に歩くことができました。


天狗岳(唐沢鉱泉〜黒百合ヒュッテテン泊) / OKPさんの西天狗岳東天狗岳の活動データ | YAMAP / ヤマップ

初日:唐沢鉱泉から黒百合ヒュッテまで

週末や連休はかなり早朝に来ないと手前の路肩まで車で埋まってしまう唐沢鉱泉ですが、昼頃に到着すると日帰りや前日から来ている登山客が帰り始めるので、結構駐車場のいい場所が空いてたりします。狙い通りに車を停めて出発準備をします。

唐沢鉱泉手前の林道は2/3がガリガリのアイスバーン(日陰はツルツルの場所も)です。スタッドレスタイヤは最低条件。美濃戸林道と比べたら遙かに道も広く平らに整備されてますが、2駆や車高の低い車はそれなりの覚悟でどうぞ(以前、FFスタッドレスで来た際はややヒヤヒヤでした)。

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久々に背負うテント泊荷物(25kgくらい?)に苦労してコースタイム通りの2時間で、標高約2,400mの黒百合ヒュッテへ。幕営を済ませたらこの日はここまでなので甘酒を飲んだり、カップうどんを食べてダラダラ過ごします。昼頃まで晴れていた天気はすっかり曇ってしまいましたけども……。
気温は日中でマイナス5度、夕方にはマイナス10〜15度ぐらいまで下がりましたが、それ以上冷え込むことはありませんでした。防寒ウェアも一番厚いダウンでなくナノパフでしたが、十分快適に過ごすことができました。

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夕方、天狗の奥庭方面の具合をチェックがてら黒百合平の裏の丘に登ってみましたが、天狗の奥庭にかけて結構なミックス状態だったので、翌日は中山峠ピストンの方が良さそうかなと。夕日はもちろん、天狗岳すらこの日は見えませんでした。

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夜は狭い2人用テントに3人で集まって(大きな荷物を片方のテントに移動させて)鍋パーティ。特に打ち合わせなかったため、キムチ鍋とキムチ豆乳鍋と丸被りしましたが、それぞれ具材も違ったりで美味しくいただきました。日本酒を燗したり、湯たんぽのお湯を作ったりしつつ20時頃には就寝。

夜中何度か外を覗いてみたのですがメガネが曇っていたせいか外は真っ白に見えていたのですが、実際は晴れていたみたい(笑) 結局眠気と寒さに勝てず……。

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中山峠で朝日を眺めて天狗岳へ

翌朝、それなりの時間に目が覚めたものの、のんびり準備しているうちにすっかり明るくなってしまいました(笑)。まあゆるキャンなので仕方ない。アタックザックに荷物を詰めて出発します。中山峠に着くと丁度朝日が昇ったところでしたので間に合った!?

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朝日に照らされた樹氷、東天狗岳と西天狗岳もよく見えていますし最高の新年登山がスタートしました。樹林帯を抜けると強い風が吹き付けてきますが、バラクラバをしていれば問題ないレベル。やっぱり北八ヶ岳を選んで正解でした。

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写真を撮りながら東天狗岳へ。空には美しい八ヶ岳ブルー。

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同行のricoさん、カメラとレンズが丸被りしてる……
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東天狗岳&西天狗岳
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中山峠、向こうは浅間山
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稲子岳

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そういえばいつもはこの時間に唐沢鉱泉や渋の湯から登ってくるので、樹氷が綺麗に残った天狗岳を歩くのは初めてのことかも。同じ山に何度登ってもまた新たな魅力の発見があります。

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この辺りの岩の周り、今まではもう少し下の方をトラバースしていた気がしますが、雪が少ないせいか真っ直ぐに抜けて行くトレースもかなり着いていました。夏道はこちらだったりするのでしょうか?

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東天狗岳

8時40分、まずは東天狗岳(2,640m)の山頂へ。南八ヶ岳方面もよく晴れていました。この風なら向こう(赤岳方面)を選んでも大丈夫だった気がしますが、それはまた次回のお楽しみで。少し雲が出てきたタイミングで西天狗岳へと向かいます。やはり今年はかなり雪が少ないですね。

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西天狗岳山頂で流れる雲を見て過ごす

続いて西天狗岳山頂(2,646m)。少し雲が出てきましたが、風でどんどん流れていて白くなったり青空が見えたりの繰り返し。やはり山頂の雪は少なく、山頂標識は下の方まで見えています。防寒着を羽織り風裏で休憩。流れる雲で周囲の景色が変わる様子を眺めて過ごします。

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八ヶ岳といえば彩雲やハロ(?)ですが、やはり流れる雲の影響で太陽の周りに美しい虹色の輪が広がっています。

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たっぷり山頂で過ごして、そろそろお腹も減ってきそう(?)なので戻ることに。雪の少ない季節、戻るコース取りで踏み抜き地帯にハマることもあるので、レンズの望遠で良さげなトレースを確認してから下山開始。この日は少し東天狗岳を登り返してからのトラバースがいい感じでした。

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よく晴れた黒百合平に帰還しました。

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ビーフシチュー/下山/ステーキプレート

軽食充実の黒百合ヒュッテで食べるランチは久々の名物ビーフシチューセット。もう間違いなく最の高。後はテントを片付けて下山するのみです。

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15時前、無事唐沢鉱泉まで下りてきました。

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さっきのビーフシチューからは3時間以上経って、気が付いたらまたお腹が減っています。というこで、お約束(?)の美濃戸口「yatsugatake J&N」へ。大好きなステーキプレートを食べてお風呂までのフルコースを堪能します。ほんとここ大好き。

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新年から最高の山とご飯で満たされて、帰りの中央道の渋滞なんのそので帰宅したのでした。今年もいいスタートが切れました。

いつもの最高のレンズたちと今回のバックパック。

過去の天狗岳&八ヶ岳記事

過去の天狗岳


過去の冬の八ヶ岳


過去のyatsugatake J&N

バックパック沼が落ち着いた気がするので用途別にまとめてみた

登山・アウトドア趣味の人がハマりがちと言われる(?)バックパック(リュックサック)沼。

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自分の場合は沼というほどハマったり迷走してきた訳ではないですが、そういえば登山を始めてから最初に揃えた日帰り用からテント泊用のバックパックが一通り入れ替わって、ようやく落ち着いた気がするので現在使ってる5+2種類のバックパックについて用途別にまとめてみました。

どうやらパーゴワークが好きみたい

ここ1年ほどはこのブログでもパーゴワークス(PaaGo WORKS)製のバックパックばかり紹介している気がしますが、昨年Amazonの自宅フィッティングで試したBUDDY 33が妙に気に入ってしまい、その後はほぼパーゴワークス製のバックパックばかり使うようになってしまいました。

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機能的には惜しい所もあったりしてどれも完璧ではないバックパックなのですが、単純に背負い心地がいいので自分の体型や背負い方、歩き方にマッチしているのだと思います。

【25Lクラス】PaaGo WORKS BUDDY 22

日帰り登山で使うバックパック。以前は30L〜クラスのバックパックを背負っていたのですが、装備を色々と見直しているうちに、もう少し小さくてもいいのかなと今はこのクラスに落ち着いています。BUDDY 22のスペック的には22Lサイズだと思いますが、世間一般のクラスでは25Lクラスで問題ないでしょう(パーゴのザックは数値より少し余裕のある容量な気もします)。

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今年の夏山シーズンの日帰り登山は全てこのバックパックを使ってましたが、水込みで8kgまでならば非常に快適。本体重量も640gとそこそこ軽量なので、パッキング全体の重量も抑えることができます。
ウエストベルトが簡易的な細いベルトのみなので、腰で重量を分散する背負い方にはなりませんが、上記の重量ぐらいまでならば十分なことが実際に使ってみて分かりました。10kgを超える重量ならば別のバックパックを選んだ方がいいでしょう。
新カラーのアーバングレーもかっこよくて気に入っています。

そうそう、2019年モデルで改良されたギアループベルトがいい感じなので(逆に旧モデルのベルトが外れすぎてかなりストレスになりつつある……)、BUDDY 33用に新規で購入できないものでしょうか……?

【30〜40Lクラス】PaaGo WORKS BUDDY 33

少し荷物が多めの日帰り登山から小屋泊、テント泊まで対応するのがこれ。このBUDDY 33を使うようになってパーゴ製バックパックのファンになりました。スペック的には33Lサイズですが、実際には40Lクラスぐらいの容量がありそう(トップポケットが巨大なのが大きいかも)。

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雨蓋とショルダーハーネスの間に荷物を挟み込めるようになっていて、色々と工夫すると特別コンパクトではないテント泊の荷物(ステラリッジ2+サーマレストの銀マット)をパッキング可能。
背面にはしっかりと金属フレームが入っていて、それでいて本体重量は1100g止まり。ULには程遠いけど10〜15kg未満でそこそこ軽快にテント泊ができる貴重なバックパックです。

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後は頻繁に脱ぎ着するアウターウェアの他にワカンやアイゼンまで突っ込めるフロントポケットが便利なので、ハイク用のモデルなのに冬山日帰りはこればかりになってしまいました。一応アックススープも付いているし間違った使い方ではないのかな?とも。

【40〜55Lクラス】PaaGo WORKS CARGO 40

今年のネパール(エベレスト街道)トレッキング用に買った背負子スタイルのバックパック。組み合わせるスタッフバッグ、コンプレッションバッグ次第ですが、40L防水バッグをメインに組み合わせた私の使い方で50L程度の収納力になるでしょうか。

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BUDDY 33でもちょっとしたテン泊までは対応できるのですが、もう少し荷物があるならばこちらの方が確実にパッキング、携行が可能です。本体重量も1200gと軽量なので夏のテント泊、縦走ならば自分の場合はこれでほぼ事足りるでしょう。テントの中でスペースを取らない作りなのもGOOD。

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現在はディスコンで、先日新型のCARGO 55が発売されています。携行容量が大きく増えた割に本体重量も殆ど増加していないので、かなり気になるのですが、CARGO 40もまだまだ使えるので具体的に必要になってから検討するのがいいかな。

パーゴワークスのバックパックはフォーカスとの相性も良し

パーゴワークス製のバックパックには同社のカメラバッグ「フォーカス」や「スイング」「パスファインダー」を吊り下げるためのアタッチメントを取り付ける個別のループが付いているので、使っている全てのパーゴ製バックパックにはこのアタッチメントを取り付けてあります。

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フォーカスは常にアタッチメント接続で吊り下げている訳ではないのですが(むしろ斜め掛けすることの方が多い)、うっかり付け忘れなどないように、手持ちのバックパックには全て取り付けておけばなにかと安心かなと。

パーゴ以外の登山用バックパック

すっかりパーゴワークスザックばかり使うようになってしまいましたが、それ以前から使っていたバックパックもあります。登山を始めた当初はモンベルのバックパックを2サイズ使って、その後テント泊をするようになった際はドイターを買いました。それ以降の買い換えで使うようになったのが、この2つのバックパックです。

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60Lサイズ以上を携行できるバックパックはパーゴワークスにはないので(新型CARGO 55だとそこそこは行けるかも?)、これからも使い続ける予定。

【60〜75Lクラス】karrimor cougar 55-75

所謂縦走用のバックパック。冬期テント泊にも使えそうな頑丈なバックパックをいくつかフィッティングして一番しっくりきたのがカリマーのクーガー55-75でした。最小使いで55L、トップリッドを伸ばして使って75Lサイズですがサイドのマチも広く、ショベルも突っ込める大きなフロントポケットがあったりと、携行性の拡張力はかなりあります。

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スノーギア一式やカメラ機材を諸々詰め込んで25kgちょっとまで背負ったのが最高でしょうか。もうひとまわり大きなcougar 75-95もありますが、自分の場合は収納力が増えても恐らくまともに歩けなくなってしまうだけだと思うのでこの辺り(75L)が上限ではないかと。

karrimor カリマー クーガー 55-75 ネイビー

karrimor カリマー クーガー 55-75 ネイビー

  • メディア: ウェア&シューズ

【30〜40Lクラス】MILLET SAAS FEE 30+5

BUDDY 33を買うまで同じ用途(夏〜冬の日帰り)でずっと愛用していたサースフェー。定番製品だけあって何の不満もなく、非常に使いやすいバックパックです。BUDDY 33が来てから一切出番がないのですが、予備というかかあいちゃくもあるので手放せずに手元に置いてあります。

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サースフェーは1〜2年毎にリニューアルされているのですが、新型と背負い比べてみたらこちらの方が自分には合っていたので、もうしばらく手元に置いてみることにします。むしろ1サイズ上の40+5に買い換えて軽量テント泊で使ってみるのも良さそうですが、それはそれでBUDDYなりCARGOがあるからなぁ……。

普段使いのバックパック

登山用ではなく、仕事や買物などの日常使い、タウンユースのバックパック。これもいくつか使ってみましたが今はマムートの2種類に絞られています。

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【仕事用】MAMMUT Seon Transporter 26L

2017年に購入、気が付いたら丸2年も使っていました。自分の場合は使用頻度が週1程度なので物持ちが良かったりするのですが、型崩れすることもありませんし、飽きの来ないデザインでまだまだ使えそう。

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後になって少し小さい(というか薄い)18Lサイズも出ましたが、ちょっと仕事帰りに買物したりすると(普通にスーパーで食材とか……)26Lの収納力に助けられることも多いです。

2年使っているうちに少し汚れていたようなので、一昨日風呂場で洗ってみたところ、かなり綺麗になりました。来年もまだまだ使いますよ。

18Lの方はショルダーバッグにできるストラップなども付いた3WAY仕様。26Lの方は15%OFFクーポンでかなりお買い得になっています(1/6まで)。ブラックカッコいいですね…… 欲しいけどさすがに色違いは……(笑)

【買物用?】マムート Rock Pro SE 28L

3年前の誕生日にプレゼントして貰ったバックパック。タウンユースなデザインですが、クライミングギアを放り込めるデザインがベースになっているせいか、とにかくモノが入る。ちょっとした旅行はもちろん出張、荷物多めの仕事、最近では徒歩で少し歩いて買物をする際などに活躍中。

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在宅仕事のフリーランスだとなにかと運動不足になってしまうことを反省して、最近では日常の買い出しに車や自転車を使わずに徒歩で行く回数を増やしています。片道数十分ですが両手で持ちきれない量の買物も、これを持って行けば楽々背負うことができます。

買物で10kgとか相当な量ですが、10kg背負うとか登山ならばごく当たり前ですものね。荷物はご褒美、お米とビールはバックパックを背負って買い出しに出掛けよう!

【精米】山形県産 白米 つや姫 5kg 令和元年産

【精米】山形県産 白米 つや姫 5kg 令和元年産

  • 発売日: 2014/01/27
  • メディア: 食品&飲料

各バックパックのレビュー記事など


その他のパーゴワークス

わたしの今年の山 #2019年のベスト登山

Twitterのタイムラインとnote界隈で流行っている(?)感じだったので、私もまとめてみました。夫婦揃ってのインフルエンザ罹患につき年内の登山はもう絶望的ですし……。

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今年は妻の仕事や生活パターンに変化もあり、夏山シーズンに入ってから土日を使った登山に全く行けなくなってしまい、山行日数自体もかなり激減してしまったのですが、3〜4月にネパールのエベレスト街道をたっぷり2週間歩いた思い出貯金で夏までなんとか生き抜きました(笑)

山行数が少なかっただけにどの山も思い出深く、ランキングベストという訳ではありませんが、今年特に印象深かった登山を4つピックアップしてみました。

2019年の山行一覧

  • 1月:木曽駒ヶ岳・伊那前岳
  • 1月:浅間山(前掛山)
  • 1月:雁坂峠・雁坂嶺【2日】
  • 2月:赤城山(黒檜山・駒ヶ岳)
  • 2月:八ヶ岳(赤岳)【2日】
  • 2月:唐松岳
  • 3月:奥高尾縦走路(陣馬山〜高尾山)
  • 3月:奥高尾縦走路(高尾山〜陣馬山)
  • 3〜4月:エベレスト街道【13日】
  • 4月:立山(奥大日岳・別山)【2日】
  • 5月:上高地
  • 8月:月山
  • 8月:鳥海山
  • 9月:谷川岳
  • 9月:爺ヶ岳
  • 10月:唐松岳
  • 11月:立山(雄山・室堂山)【2日】

全17回 合計33日
各山行記事の詳細は山行記録の一覧より

【2月】八ヶ岳・赤岳

厳冬期の赤岳に登るタイミングは以前から見計らってたのですが、降雪積雪の少ない前冬シーズン、気付いたらもう2月。ようやく天候と都合のタイミングがあった週末に、行者小屋にテン泊して翌日地蔵尾根から赤岳山頂へ。快晴の赤岳山頂を踏むことができました。
妻と2人、体力的にも技術的にも無理なく雪山に登ることを第一としているので、ここまで来るのに結構時間がかかりました。赤岳はどの季節に訪れても好きな山なので今シーズンは年越しでも…… と考えていたのですが、夫婦揃ってのインフル罹患によりこの目標はまた持ち越しになりそう。

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【4月】ヒマラヤ・カラパタール

今年最も大きかった山体験といったら、妻の転職タイミングに乗じて計画したネパールヒマラヤのエベレスト街道トレッキング。当初、カラパタールとチュクンリという2つの5500mを超えるトレッキングピークを目指す計画でしたが、天候や体調の問題もあって到達したのはエベレスト展望で有名なカラパタール。高度順応で登ったナンガソンピークも素晴らしい光景でしたが、夜明け前から登ったカラパタール山頂で見たエベレストへの日の出は今年見た最高のご来光。

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【8月】出羽三山・月山

信じられないことにネパールからの帰国直後に立山に行って以来、転職した妻の激務もあって4ヶ月山間の山行空白が続きます……(上高地や乗鞍ハイク程度)。ようやく夏休みを取って行ったのが山形の月山。緩やかで嫋やかな山容は、久々の山歩きにも丁度よく、とにかく久しぶりに山を歩いてることが嬉しかったことを覚えています。以前から訪れたかった庄内平野の酒田を味わい、翌々日には出羽富士こと鳥海山にも登り(これも楽しかった)最高の夏の日々でした。

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【11月】立山・雄山

11月の雪の立山。前年にも室堂を訪れていますが、そのときは雪の室堂平を楽しんだのみ(それでも十分に楽しかった)。今年は前日までにたっぷり降雪した翌日という最高のタイミングで雄山に登ってきました。雪、天候とこれ以上ないコンディションで、4月の立山以来の雪山を再び立山でスタートする幸せな山行となりました。その夜、宿泊したみくりが池温泉も相変わらず最高でしたっけ。

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この他にも日数は少ないなりに(少なかったからこそ?)他のどの山行も印象深い2019年の登山。
来年はもう少しテント泊や縦走も増やして行きたいですし、まずは始まったばかりの冬山シーズンをたっぷりと楽しみたいものです(まずはインフルエンザからの復活を!)

https://moognyk.hateblo.jp/archive/category/%E5%B1%B1%E8%A1%8C%E3%83%AD%E3%82%B0

今年も一緒に山を歩いた最高の相棒たち。

「黒いテムレス」ことSHOWA TEMRES 01 winterを買いました

これまで2シーズンの雪山登山で使ってきたショーワグローブの「防寒テムレス」。見るからにゴム手袋な青い防寒テムレスに対して、新たに登場した「TEMRES 01 Winter」を購入しました。

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防寒テムレスとは……

ショーワグローブの作業量ゴム手袋、テムレスの裏起毛防寒手袋である「防寒テムレス」が雪山の定番アイテムになった経緯については詳しく知りませんが、バックカントリースキやアイスクライミングの一部の界隈では、薄さと防寒性能を両立させた防寒テムレスが以前から使われていたようです。
国際山岳ガイドに聞くバックカントリースキーの面白さ | 手袋とくらす | SHOWA

我が家が本格的に雪山登山に行くようになった頃になると、比較的頻繁に雪山で「青い手袋」を見るようになりました(私が最初に使ったのは2017年の冬シーズンから)。

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基本的にはメインのグローブ(ブラックダイアモンド ソロイストフィンガー)に対する予備の位置づけですが、モコモコの厳冬期用グローブに比べてカメラを扱う際の操作性がよいこともあり、冷え込む朝夕や稜線以外では結構な割合で防寒テムレスを使うことが多くなりました。完全防水の手袋なので、テント場での作業にも欠かせません。

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テムレスブラックからTEMRES Winterへ

そして、この青い手袋のテムレスにアウトドアでの使用を意識した黒いカラバリモデル「テムレスブラック(TEMRES 282-01)」が登場したのは昨2018年冬シーズンのことです。

このテムレスブラック、数量限定だったせいか私などは店舗で見ることもなく完売してしまったように記憶していますが、今シーズンは遂に「TEMRES」というアウトドア・スポーツ向けのブランドとして確立。まずは2種類の黒いテムレスが発売となりました。

各モデルの詳細はショーワグローブサイトのTEMRESブランドサイトを見て頂くのがいいと思いますが、既存の防寒テムレスの黒バージョンである「TEMRES 01winter」、さらにカフ(袖口)やドローコード、左右を合わせられるバックルを付けた「TEMRES 02winter」の2種類です。

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市場価格はTEMRES 01winterが税込2,178円、TEMRES 02winterが税込3,828円といったところ。元々の防寒テムレスが1,200円ちょっとで買えたことを考えると、TEMRES 02winterは少々割高に感じられるかも(もちろん冬期用グローブとしては十分低価格なのですが、テムレスだけに……)。
(Amazonマーケットプレイスでプレミア価格で売られている商品にご注意ください)

少し前に店舗で両モデルを確認、試着していましたが、TEMRES 02winterのカフ周りは自分の用途では却って邪魔になりそうなので、TEMRES 01winterを購入しました。実店舗にはLサイズがなかったので、今回はヨドバシ.comにて購入しました。同様に妻もMサイズを購入しています。

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防寒テムレスはいかにもゴム手袋的なビニール包装でしたが、TEMRES 01 Winterは新ブランドとしてアウトドア専用を強く打ち出した製品タグが付けられています。

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注意して欲しいのはテムレスの「-60℃」アピールは、素材が柔軟性を保つ温度の話。マイナス60度下での防寒に使える訳ではないので、厳冬期の冬山もテムレスのみで大丈夫な訳ではありません。

仕様上の注意は各自よく確認して頂きたいのですが、巻き込みの危険がある回転体を伴う作業、クライミングのビレイデバイス操作では使用しないように書かれています。

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八ヶ岳・赤岳鉱泉のアイスキャンディ(アイスクライミング用人口氷瀑)でもビレイ時のテムレス使用は2017年時点で禁止されています(登攀はOK)。

黒い以外は普通に防寒テムレス、リーシュを取り付けて自分仕様に

本体は黒くなった以外は通常の防寒テムレスと同じ(手触り、柔らかさ、中のボアなど)。手の甲側のプリントは「SHOWA 防寒テムレス」から「TEMRES 01winter」に変更されています。
防寒テムレスはサイズによってカフの縁の色が変えられていましたが、TEMRES winterは全サイズブラックで統一されています。

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そういえば通常テムレスは購入直後はややゴム臭い匂いが気になりましたが、TEMRES winterは最初からそれがないかもしれません(我が家で買った2サイズとも)。

カフ付きのTEMRES 02winterを買わなかった理由のひとつがリーシュコードは自分で取り付けるため。ハトメなどで丁寧に穴を加工する人もいるようですが、私は千枚通しで穴をあけて強引にぶっ刺すだけの簡単加工。前任の防寒テムレスはこれで2シーズンなんともありませんでした。

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ちなみにリーシュの取り付け位置ですが、使用時にケーブルがカメラ操作などの邪魔にならないようグローブの小指側に付けるようにしています。

テムレス使用時はインナーグローブ併用がお勧め、予備グローブも必須

さて、テムレスの名前の由来は透湿素材であることから「手が蒸れにくい」の「手・ムレ・LESS」らしいのですが、あくまで“蒸れにくい”だけで蒸散を発汗が上回れば普通に蒸れます。

これはインナーグローブを併用することである程度抑えられるので、個人的にはテムレスにはインナーグローブが必須(つまりインナー装着前提のサイズを選びます)。先日、立山で室堂の平地を歩くのにインナーを使わずに直接テムレスを付けていたのですが、徐々に手汗で中が湿っていくのを感じたので、登山の際に素手に直接テムレスは個人的にオススメしません。

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Mサイズだと素手で丁度いいサイズだけどこれはダメ

テムレスの保温力自体もそこまで高い訳ではないので(稜線で風に吹かれると結構冷えます)、組み合わせるインナーも自分のベストなものを探すといいでしょう。私はモンベルの薄手のメリノウールインナーと組み合わせていますが、これで寒く感じるような場合はテムレスを使うことをやめます。

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インナーを使ってLサイズが私のベストサイズ

後はテムレスをメインのグローブにしてもいいのか問題。これは行く山域、行動によっても変わりますが、個人的には厳冬期の雪山に対応するより保温性の高いグローブ(レイヤリングで)を別途持っておくべきだと思います。
実際に使っていればテムレスが快適に使える気温や天気なども分かってきますし、雪山に入る場合は最低2セット(当然インナーグローブも)の冬期用グローブを用意することは必須です。

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登山や撮影で使っている各種グローブの使い分けについては昨年こんな記事も書いていますが、道具は適材適所で上手く使い分けてこそ。今年の冬はこの新しい黒テムレスに活躍して貰う予定です。

ちなみに今年の4月のエベレスト街道。一番寒いときが夜明け前のカラパタール(マイナス10度になるかぐらい)で後は氷点下前後〜プラス気温が多かったので、BDでなくテムレスを持って行けば良かったと結構後悔しました(笑) 帰りに雨に降られた際も、BDのオーバーグローブはずぶ濡れになってしまいましたが(確認不足、防水ではなかった)テムレスだったら雨でも余裕だったろうなぁ……。

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記念写真が青手袋だったらそれはそれで面白いかも……?

※Amazonマーケットプレイスでプレミア価格で売られている商品にご注意ください。TEMRES 01winter(税込2,178円)/TEMRES 02winter(税込3,828円)が適価になります

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moognyk.jp

初冬の立山・室堂に泊まって楽しむ、みくりが池温泉と室堂山展望台スノーハイク、やっぱり帰りたくない……

11月17日(日)から18日(月)にかけて富山県の立山・室堂で過ごしてきました。前回は初日に登った雄山登山のレポートでしたが、今回は1年振りに泊まったみくりが池温泉と、翌日の室堂山展望台までのスノーハイクの模様をお届けします。


昨年、最高だったみくりが池温泉を再訪する

昨年の11月初旬に宿泊して最高だった、室堂平の温泉宿「みくりが池温泉」。温泉宿というよりは山小屋のスタイルに近いのですが(個室もあるけど相部屋が中心)、一般的な山小屋を基準にすると設備もサービスも充実していて、食事も美味しくて、とにかく居心地がいい宿なのです。


当初、11月の頭に予約の電話をしたのですが、11月中旬の日曜〜平日は閑散期かつ天候不順な時期なので直前の予約で大丈夫ですとの話。改めて宿泊の2日前に天気予報を確認し、予約を入れました。

実は宿泊前日にみくりが池温泉より連絡があり、予約の再確認と合わせて現在温泉設備が不調で温泉が出ない可能性(普通のお湯とシャワーのみ)を告げられます。そのような状況なのでキャンセルも可能であるとの話でしたが、結局そのまま予約を続行しました。

温泉も楽しみにしているだけに宿の変更も考えましたが、前年の食事の良さと、温泉が直っている可能性、あとは今回予約したデラックス相部屋(後述)が気になっていたこともあって、まずは予定通りにみくりが池温泉に泊まろうと。その上で、場合に寄って雷鳥荘の温泉に日帰り入浴に行ったり、延泊の場合に宿を変えればいいかなと(結果的に2日目で帰ることになりましたが)。

当日、雄山の登山を終えて3時半過ぎにみくりが池温泉にチェックインしたところ、少し前に温泉が上がって来たとのこと。しばらくしたら入れるとのことだったので、温泉については解決です。良かった。

みくりが池温泉の源泉がある地獄谷

みくりが池温泉のデラックス相部屋が最高だった

さて、今回みくりが池温泉に泊まるにあたり予約したのが「デラックス相部屋」。昨年宿泊した通常の相部屋も1人1人のスペースが確保されて十分快適でしたが、こちらは1部屋4人シェアのスペースで、1人あたり1段ベッド+荷物スペースが確保されています。

というか4人部屋が我が家2人で貸し切りだったので、個室同然だったのですけども(笑)

1人あたり畳1畳のスペース+足元に荷物スペースに簡易テーブル、頭側には読書灯、各スペース毎にコンセントと設備は申し分なし。もちろん1人毎のスペースを仕切るカーテンもあります。
【公式】みくりが池温泉:客室
足元も広く取られているのでザックを置いても邪魔になることはありません。通常の相部屋料金(9500円)+500円で泊まれるので(HPを見ると差額は季節によるかも?)またみくりが池温泉に泊まる際は、開いているならばまたデラックス相部屋を選びたいところ。

相変わらず美味しい料理

そしてみくりが池温泉といえば昨年泊まった際に感動した料理もお楽しみ。特に夕飯は標高2410mの山の上ではあり得ないような料理がたっぷりと出てきます(アルペンルートで食材を運べるとはいえ、それなりの手間だと思われます……)。

この日のお品書きはこちら。訪日観光客も多い立山の宿なので、殆どの記述が二カ国語対応。確か前回泊まった際は館内放送も二カ国語でした(この日は日本のお客さんだけでした)。

山の中、でこんな豪華な夕飯が食べられるなんて。柔らかい角煮がゴロリと、エビグラタンにカブのたらこ和えと、どれもご飯もビールも進みまくり。

当然ご飯は大盛り。これでもおかずを捌ききれずにお代わりをすることに……。さらに温泉の件があったことで、ワンドリンクサービスとなっていました。生ビールごちそうさまです。

うどんすきの牛肉も美味しくて、これまたご飯が進んでしまう……。

朝食バイキングも相変わらずの充実ぶり。朝からこれだけ食べればたっぷり活動できますね(笑)

今年も大満足だったみくりが池温泉の食事、つさっき3000mの雪山に登ったばかりなのに、1時間下山したらこんな快適なお宿があるなんて。しかも室堂は立山火山のお膝元で、みくりが池温泉のすぐ横は火山ガスが立ち上る地獄谷、いつでも掛け流しの温泉に入れるのです。

貸し切り温泉からのレストランで過ごす夜

夕飯が豪華であまりに満腹となってしまったので、食後は1時間以上部屋でゴロゴロしてから温泉へ。立山に来る度に入浴している日本一高所にある天然温泉です(室堂の他の温泉も建物の標高が数十メートル差なだけで、源泉の標高はあまり変わらないような気もしますが?)。

宿泊者が少ないこともありますが、完全に貸し切りでした。

温泉は復旧したばかりでまだシャワーの調子が悪く、この日はシャワーや蛇口から熱いお湯が出ませんでしたが、温泉をくんで体を流せばいいだけなので問題なし(シャンプー、ボディソープは常設)。ちなみに宿泊者は翌日のチェックアウト後にも無料で入浴可能なので、翌日の昼前に再度訪れましたが、その際にはシャワーもお湯が出るようになっていました。

昨年は夜は外に星を見に(写真を撮りに)出掛けましたが、今回は夕方から完全に曇ってしまったのでお出かけはなし。レストランでお茶を飲みつつ、マンガや雑誌をのんびり読むのも幸せです(喫茶みくりも談話室として使えます)。昨年から2年越しで無事「孤高の人」も読み終えました(笑)


そうそう、今年の春に立ち寄ったときから、少し宿のシステムやレイアウトが変更になっていました。「喫茶みくり」が改装されて、正面側の入口や厨房がかなり変わっています。
その他、レストランの食券機が廃止されてフロントで注文をする方式に。宿泊の会計も含めてiPadを使ったレジシステムが導入されていたので、会計周りが諸々変更になったようですね。

一部のメニューがリニューアルされたレストランについては記事後半にて。

室堂2日目は強風なので室堂平スノーハイキング

2日目の朝は普通に寝坊して朝食準備の放送で目が覚めました。夜中に晴れることを期待して目覚ましをかけていたのですが、結局晴れることはなくそのまま朝の目覚ましをセットし忘れて寝てしまったのでした……。

みくりが池温泉をチェックアウトをして外に出てみると、青空は出ているものの上空には大きな笠雲(レンズ雲)。一般的に強風や天候悪化のサインですが、天気予報も午前は晴れるものの強風で午後から雨、夜には吹雪というものでした。

当初、2日目は立山三山の浄土山に登る計画を立てていましたが、この日の予報では稜線で28m/sという強風が吹いているようなので、昨年も行った室堂山展望台までにしておきました。
前日に登った雄山から真砂岳にかけての稜線も既に雪煙が上がっています。

剱岳を見る。

夜からかなり強風が吹いてる音が聞こえていましたが、場所によってはご覧の通りカチカチのウインドクラスト。前日のパウダーの面影もありません(凍ったか飛ばされてしまったか)

晴れているのになんとも不穏な雲。やはり無理はしない方が良さそう。ちなみに気温は前日よりも上がっていて、日中はプラス気温。強風+気温上昇となると雪の状態もなにかと不安です。

山崎カールや雄山の中腹からも雪が舞い上がっています。

この日のコンディションだったら雄山登山も一ノ越あたりで断念していたかも。

この時期、まだ浄土沢の川は埋まってないのですね。雷鳥沢キャンプ場から一ノ越方面に出る場合は夏道が使えるのか、室堂側を回るのか……?

この日もわかんで行動することにします。お約束のエキスパートオブジャパンのわかんですがラチェット式に交換してあるので、着脱がめちゃくちゃスムーズです。片足1分もかかりませんね。

スノーシューの方が沈まずに楽だとは思うものの、運搬時の重量や使用回数に対するコスパを考えるとなかなか手が出せない。山の道具でコスパとか言ってたらダメですが……。

向かう先は正面に見えている丘の室堂山です。

室堂山展望台(2675m)へ

ダイヤモンド浄土山。次こそあの山頂へ……。室堂山は右手側になります。

ちなみに立山の入山ルールによると、夏山シーズンはハイキングエリアの室堂山展望台といえどこの時期は入山エリアに入るように読み取れるので、観光のついでに行ってもよい場所ではないと念のため書いておきます。実際、遊歩道のない(完全に埋まってます)雪面を200m以上登るちょっとした登山になります。気になる人はまず室堂ターミナルの入山安全相談窓口で相談してみるといいでしょう。

なだらかな真砂乗越の向こうにもレンズ雲が。稜線は爆風でしょうか?

それでは室堂山展望台への登りスタート。前日のトレースはわずかに残っていますが、風が強くてかき消されています。昨年はアイゼンで軽いラッセル状態だったので、わかんで登って正解。

風と共に巻き上げられた雪が…… アイタタタタ……

浄土山の登り口に出ました。本当は右側が室堂山展望台の方向なので、登ってくる道が少しズレていたみたい。ここで修正します。

浄土山登山口側に戻って。

この「山」の石が見えたらもう少し。

振り返れば剱岳。

この日は空には雲があるものの地平線は富山から能登半島までよく見えています。上空が晴れて足元には雲海が広がっていた前日とは逆ですね。

広い雪原を突っ切ったところが室堂山展望台。

室堂山展望台(2675m)に到着。やはり風が強い(写真では伝わりませんね)。山と高原地図には「360度の展望」とありますが、室堂側は足元が見える訳でなく(もう少し手前の方がよく見える)、主に南側の展望が開けた場所です。

この日も北アルプス南部がよく見えてます。


足元から南西方向に広がる立山カルデラ。

歩いて来たトレースがもう風で消えかけています。そろそろ戻りましょう。

スキーで登ってきた人達。

かなり上空の雲も厚くなってきました

大きなレンズ雲が室堂平の上にあるように見えます(実際はもっと山寄り)。

この日のYAMAP活動記録

一応スノーハイクの活動記録も乗せておきます。


立山 室堂山展望台スノーハイク / OKPさんの活動データ | YAMAP / ヤマップ

みくりが池温泉で温泉&ビール&富山ブラック/レストランの新メニューなど

室堂山展望台から降りてきたら、再びみくりが池温泉へ。前泊していればチェックアウト後でも無料で温泉に入ることができます(9〜16時の間は普通に700円で日帰り入浴も可能です)。

温泉からのビールが最高過ぎて足に根っこが生えてしまい、もう帰れないかもしれない……(ちゃんと酔い覚ましもしないと)。富山の海の幸「白えびのから揚げ」「ホタルイカの沖漬け」「げんげのから揚げ」からおつまみが選べる生ビールセット、ここは天国か(地獄谷)。

レストランのメニューは少しリニュアルされたようで、美味しかった炙りサーモン丼がなくなっていました(残念)。変わりに加わったのが自家製のチャーシューを使ったチャシュー丼やラーメン。

ということで、新メニューの黒チャーシューメン。つまり富山ブラック。チャーシューも美味い。

妻は白エビラーメン。スープも海老出汁。

こんな感じで14時近くまでみくりが池温泉でダラダラを過ごしてしまいました。帰りたくない……。

白い室堂と雨のアルペンルート

しかしながらいつまでも…… という訳にもいきません。気が付いたら外は真っ白。しかも雨まで降ってきました。前日に比べて気温が高いので雪でなく雨なのですね。

どんどん辺りもガスって行きます…… 山なんて全く見えませんし室堂ターミナルに付く頃にはほぼホワイトアウト。ほんと山の天気は一瞬で変わります。

ザックもすっかり濡れてしまった。

月曜日のアルペンルート室堂ターミナル内はガラガラ。

扇沢〜黒部ダム間の関電トンネルは電気バスになりましたが、室堂〜大観峰間の立山トンネルはまだトロリーバスが走っているんですよね。

風が強いと立山ロープウェイ内には、このようなウエイトが積み込まれるのだとか。

土砂降りの黒部ダムを歩く。

扇沢まで戻ってきましたがこの雨……。今頃室堂は暴風雨かそろそろ吹雪になっているのか……。

駐車場に戻ったらお猿さんたちが群れておりました。

貫禄のある猿だこと。

ハードシェルは丈夫なレインウェアみたいなものだから……。

最後は雨でしたが、今年も最高だった11月の立山。来年もまた来られることを祈ります…… ってその前に、また4月のアルペンルート開通直後に来てしまいそう?

おまけ:レストラン 十字(松本市)

温泉は室堂ですませているので、後は何か美味しいものを食べて帰るだけ。早急な空腹でもないので、松本まで移動してあずさ街道158沿いの「レストラン 十字路」に寄ってみることにしました。松本ICと上高地の行き帰りで以前から気になっていたレストラン、ようやく来ることができました。

正統派のザ・洋食。レア系でもふんわりジューシー系でもない、このハンバーグが食べたかったのです。焦げ目がしっかり付いて、玉ねぎの食感も残ってる。

こういうのが食べたかったのです。

他にも魅力的なメニューだらけで、これはまた来なくては!


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今年も初冬の立山室堂へ… たっぷり降雪した翌日の立山主峰・雄山に登ってきた

今年も11月の立山・室堂平へ行ってきました。昨年は11月頭でしたが、今年は11月17日(日)と18日(月)の2日間。昨年同様に長野県の扇沢から立山黒部アルペンルートでアクセスしました。

初日17日は立山の主峰・雄山に登り、昨年同様に「みくりが池温泉」に宿泊。翌18日は浄土山に登る計画でしたが強風につき室堂山展望台までのハイク、さらにもう1泊できる予定でしたが、天候悪化もあり2日目のうちに扇沢に戻るスケジュールとなりました。

今年は11月の立山・雄山に登ってみたい

昨年も11月の頭に室堂を訪れていますが、雪の室堂平に泊まることが目的で室堂山展望台に行ったのみでした。今年は立山の主峰、雄山まで行くことを目標に、降雪と天気のタイミングを狙っていました。

昨年よりも降雪、冠雪のタイミングが遅れていたこともありますが、我が家の都合もあって11月も後半に入った17日から19日に掛けて休みを確保しました(最終週は混み合うので避けました)。

あとは天気次第ですが前々日の15日から降雪があり、16日には午後から吹雪(富山側のアルペンルートが閉鎖)、17日から18日にかけて晴れの予報が出て、再び18日の夕方から荒れる予報というかなり綱渡りのタイミング……。現地に行くまでは本当に晴れているか怪しい状況でしたし、山に登るかは現地の状況を見て判断するとして、第一の目標は雪の室堂で過ごして、みくりが池温泉でのんびりすることにと決め15日の時点でみくりが池温泉を予約しました。

11月の立山室堂での過ごし方などについては、先日書いたこちらの記事もどうぞ。

ちなみにこの時期の立山は完全に冬山。アイゼンやピッケルもちろん、稜線では10m/s以上の風が吹き付けるので完全な冬山装備が必要です。この日の室堂の予報では最低気温-8℃、最高気温-3℃だったかと。

その他、4月、5月、11月の立山室堂周辺での登山、スキー、スノーボードに際しては、指定様式での登山届け提出(指定用紙の他、Compassからも行えます)やビーコン携帯等の入山ルールが設定されています。事前によく確認しておきましょう。

最新の山の情報は室堂ターミナル1階の入山安全相談窓口にて入山安全指導員の方に確認や、2階への階段踊り場に掲示されている山岳情報も確認しておくといいかと思います。

11月18日(帰宅日)の山岳情報@室堂ターミナル

アルペンルートを扇沢から室堂へ

17日の未明に東京を種発、暗いうちに到着した扇沢の無料駐車場は昨年以上にガラガラでした。
11月5日以降の室堂始発バスは8:30ですが、時刻表を2度も読み間違えて6時台、7時台に扇沢の駅に行ってしまい、もうそのまま駅のロビーで始発を待つことにしました(笑)

完全に間違えている時間帯(日の出前の空が綺麗でした)

去年は間違えなかったのですがおかしいなぁ……。
駐車場から日の出を見るぐらい時間を間違えてしまったので、扇沢の駅がモルゲンロート(誤用)してるのまで見てしまいました(苦笑)

モルゲンロート扇沢駅を見た1時間後に出直し(これも1時間以上早かった……)

土曜日まで降雪した翌日の日曜日なのでそこそこに混み合うかと思ったら、スキーや登山客はごくわずか。最終週を除いたら、冬のアルペンルートは(日〜平日)そんなものだそうです。

最終的には始発バスまでに数十人の列ができていました

2019年シーズンからトロリーバス(無軌条電車)から電気バスになった関電トンネルバス。4月は富山側からのアクセスだったので、初めてお目に掛かります。

黒部ダム、黒部平、大観峰……と乗り物を乗り継いで10時前に室堂ターミナルに到着しました。黒部ダム側から見た雄山はまだ雲が掛かっていましたが、予報では昼過ぎにかけて晴れるようです。

ターミナル内で準備をして外に出るとこの青空。雄山の山頂付近に少し雲が見えますが、ほぼ快晴の室堂平です。前日は80cmの降雪があったようで、気温も氷点下、完全なパウダースノーが積もっています。


わかんを履いて雄山登山スタート

10:30に登山スタート。しばらくつぼ足で歩いてみて、これはアイゼンよりもわかんだなと立山室堂山荘の手前でわかんを装着しました。雄山にかけては既に先行者のトレースが付いていますが、それ以外は前日までの新雪パウダーなのでわかんの方が何かと楽です。

目指すはこの中央の雄山。夏山ならコースタイム2時間程度ですが、この時期はどんなものでしょう?

一ノ越に掛けての緩い登り。この状況なら一ノ越まではわかん+ストックで良さそうです。

それしても降雪直後の立山なんて初めてです。すっかり周囲の山は雪化粧していますし、足元にはサラサラのパウダースノー。贅沢な雪山シーズンのスタートに恵まれました。

気温は氷点下ですが、動いていると汗ばむぐらいなのでハードシェルは脱いでフリースでの行動。浄土山の影に入るとちょっと冷えます。


ハイマツもすっかり雪化粧。霧氷というかエビの尻尾が育った樹氷になってますね。

雄山を見上げる妻。まだまだ遠いですね。

徐々に斜面が急になりますがジグザグしつつ一ノ越まではわかんで行くことにします。


バックカントリーのスキーヤー、ボーダがいるのは山崎カール方面でしょうか。

室堂ターミナル方面を振り返る。

この最高さ、伝わりますでしょうか?

一ノ越直下の登りはなかなかキツいですね。しかし前を行く妻がなかなかに調子よさそう。普段は3000mに近づくと軽い高山病の症状が出やすい妻ですが、朝方扇沢でダラダラしてからアルペンルートをやって来たのでいつもより順応できてるのでは?と自己分析していました(本当かは知らん)。

風が強くなってきたのでバラクラバを被って……

ハードシェルも羽織ります。

さて、もうひといき。

足元がことごとくエビの尻尾になっていて風の強さが想像できるかと……


一ノ越でアイゼンに履き替えて雄山山頂へ

一ノ越に到着。だいたいここまで1時間。

雄山直下の登り。これはわかんでは無理っぽい。山荘の風裏でアイゼンを装着し、ストックをピッケルに持ち替えます。わかんとストックは一ノ越山荘の脇にデポさせて貰い少しだけ軽量化。

風は強くなってきましたが行けない程ではない。予報では15m/sになっていましたが、体感でも10数m/sはあるように感じました。4月に別山側から縦走した際はこちら側の斜面はかなり雪が消えていましたが、雪が付き始めのこの時期の方が雪深いですね。

比較的急登なのでグングン標高が上がります。岩と雪のミックスですが、雪はクラストする手前ぐらいでアイゼンもよく効きますし、風の影響以外は歩きやすい印象です。

先行していたグループが下りてきました。立山スタートで準備が早かったのか、前日土曜日から室堂に泊まっていた人達か?(一ノ越の手前でも既に下りてくる人達はいました)

日本海側はっけこう雲がありますね。

そしてギザギザなエビの尻尾できまくりの雄山斜面。雪山始まってますね。


あ、槍ヶ岳が見えてる。

槍ヶ岳、水晶岳、笠ヶ岳…… 北アルプス南部もよく見えてます。

三ノ越で少し息を整えて……

笠ヶ岳。その向こうは乗鞍?

ここまで上がってくるとみくりが池もよく見えます。

もう少しかな。

最後の先行者が下りてきて、この後我々が下りるまで山頂貸し切り。ラッキーなタイミング。

最後の階段を登り切ったら……


雄山山頂を貸し切り状態で過ごす午後

13時10分過ぎに雄山山頂に到着。そういえば冬期の3000m峰は初めてですね。

上空にはやや雲が出てきましたが、富士山や南アルプスまでよく見えてます。

雄山神社の峰本社 神殿。鳥居も結構雪を被ってます。本当に3000mを超えているのはあそこだけかな。

こちらは雄山神社の社務所。風を避けられるので、後でこの前で休憩させて貰ったりと。

それでは神殿の方へ。夏山シーズンは拝観料を払わないと入れないそうです。積雪期にしか来たことがなかったので、少し前まで知りませんでした。

神殿の直下。大汝方面のトラバースはかなり恐そうです(いくつかのトレースを確認)。神殿の裏から直接下りるのもまだ雪が少なくて恐そうですし、なんにせよ我々はここまでにしておくのが良さそう。


雄山山頂3,003m。立山の稜線の向こうには剱岳。お天気もなんとか持ってくれました。

縦走路から剱岳。

室堂平絶景なり。

いつの間に凄い雲海が広がっていました。ということは富山の街からここは見えてない?

北アルプス南部方面。

後立山方面。秋に登った爺ヶ岳。種池山荘も見えています。

右から鹿島槍ヶ岳、五竜岳、唐松岳……その奥のひときわ白い山は白馬かな?

黒部ダム。

春は雷鳥だらけでしたが、この日見たのはホシガラスのみ。

しかしこの絶景なので文句はありません。


最高過ぎて帰りたくない……


富士山から北アルプス…… はさっきも撮ったっけ。


社務所の前で風を避けつつ軽く食事をしたりで、気が付いたら14時過ぎ……。
かれこれ1時間弱山頂を“2人じめ”してしまいました。その間に太陽の角度も変わり、より山の陰影がクッキリと…… 到着した頃とはまた周囲の印象が変わって見えます。

いつまでも眺めていたいですが、そろそろ下山しますか。


翌日は一ノ越を挟んだあちらの浄土山に登る計画を立てていましたが、かなり風が強くなりそうな予報も出ていますし無理はやめておきましょうか。また来年以降のお楽しみですね。

11月の雄山、最高でした。また来よう。

一ノ越、そして室堂へ……

下りも十分に注意して……



再び一ノ越山荘。まだ14時半ですがのんびり写真を撮りながら歩いているので、一端みくりが池温泉に電話を入れておきます。日没は16時半と教えて貰いました。

強風に晒された斜面はかなり締まっていたのでそのままアイゼン+ストックで下山します。





人のいない室堂平の夕暮れ

15時過ぎの室堂平。この時間になるともう日帰りの観光客はいません。

ただただ静かな雪原が広がっています。

太陽は雲に隠れてるので山は焼けなさそうですが、富山湾方面の空は雲海と淡い色に染まっています。

そしてみくりが池。

風は収まっていますが既に池が凍り始めていてリフレクションはありませんが、これはこれで素敵じゃないですか。

そして本日の宿、みくりが池温泉へ。よく見たら向こう側の雷鳥沢方面にはいくつものシュプール。雪の感じを見ると別山方面、まだ夏道が使えるのかな?

こちら側はかなり凍ってしまっていますね。

一端みくりが池温泉にチェックインしてから外に出てみるとこの夕焼け。

日が暮れる頃には完全に曇ってしまったので今夜はぐっすり眠れそうです。

この日泊まったみくりが池温泉と、翌日の室堂山ハイキングについては別記事にて。

カメラはいつもの2台。2台目のE-M1 MarkIIもオーナーズケアプラスに加入してメンテナンスを終えたばかりです。宿に入る前に結露対策で、FOCUSの巾着の雨蓋をきっちり閉めておきます。

山行ルートと活動データ

当日のYAMAPログ。記録はPRO TREK Smart WSD-F30にて。


初冬の立山・雄山 2019-11-17 / OKPさんの立山(雄山)の活動データ | YAMAP / ヤマップ

この日は私のiPhone 8が不調で、雄山山頂で落ちたり、モバイルバッテリーを接続しても再起動を繰り返すような状態でした。一方で妻のPixel 3は安定して動いていたようなので、スマートフォンでログ取りをする場合は、なるべく新しめの機種を使った方が良さそうですね。
冬山シーズンに向けてそろそろスマートフォンの買い換えを真剣に検討する必要がありそうです。

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村松昭氏の河川絵本「日本の川」シリーズ3冊をアトリエ77で購入、最高なので全力で紹介したい!

今年の2月にブログで紹介した、絵地図作家 村松昭(むらまつあきら)さんによる山や川の絵地図と、府中本町にある村松さんのアトリエ兼店舗の「アトリエ77」について……の続編(?)。


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前回アトリエにお邪魔した際に拝見して、絵地図と共に気になっていたのが、「日本の川」という絵本シリーズ(公式サイトリンク)。村松さんが得意とする、鳥瞰絵図(鳥の視点のような俯瞰の絵図)で描かれた河川の絵本で、上流から河口までを全32〜40Pほどのボリュームで描いています。

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対象年齢は小学校低学年からの子供向けとして作られた絵本ですが、各河川流域のランドマークから代表的な河川施設、そしてその土地に纏わる歴史ネタなども盛り込まれていて(ブラタモリ的?)これが大人が見ても十分に楽しめる内容になっています。

先日の台風19号による全国の河川災害もあり、以前から馴染みの深い川について色々と思いを巡らすこともあったりして、改めてこの絵本をちゃんと読んでみようとアトリエ77を訪問しました。
展示されている見本を拝見しつつ、今回3冊の「日本の川」を購入してきました。「たまがわ」「ちくまがわ・しなのがわ」「あらかわ・すみだがわ」の3冊です。

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これがどれも最高の絵本でして、皆さんにもぜひ実際に手に取って見ていただきたいものなのですが、その魅力の一端でも伝わればと一部をご紹介します。

* *

まずは、私にとって相模川と並んで身近な川である「多摩川」。表紙は丁度私の住む(というか村松さんの地元である)府中市の武蔵野線、南武線鉄橋のあたりですね。郷土の森博物館やサントリーのビール工場も見えています。

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中扉は多摩川源流域のイラスト。いやー、ワクワクしますね。

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どの川でも神様と子供がナビゲーターになって源流域から下流までの流域を紹介していくスタイル。多摩川は山犬の神様、荒川は白髭の川の神様、信濃川は天狗がナビゲーターです。

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そう。多摩川は奥多摩湖(小河内ダム)を過ぎるまでは多摩川と呼ばれてないのですよね。そんな多摩川源流部にしっかり4ページ割いてします。奥多摩(奥秩父)の山も描かれています。

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「丹波川(たばがわ)」が「多摩川」の名前の元になった説を紹介しつつ、諸説ある所にもしっかり触れる神様。荒川の神様もオオカミがいないとは言い切らなかったりと非常に好感が持てます(笑)

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数頁ごとに流域地図だけでなく、河川の大きな施設を紹介すページも。小河内ダムのページには余水吐水門もちゃんと描かれています!

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羽村の取水堰!!!!

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府中郷土の森は多摩川の砂利を採取した跡地だったのか!知らなかった!

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私の生まれた年に起こった狛江の洪水。

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二ヶ領用水の円筒分水。先日の台風で越水のあった三沢川や平瀬川、かつての湿地帯であることなどがネットで指摘されていましたが(なんなら住むには適さない土地、ぐらいの論調のものも……)、江戸時代から農業用水が整備され、常に人の手によって水と戦い水と共に暮らす努力がなされてきた土地であることにも(人は水がないと生きていけない)目を向けて欲しいなと…… すみません、脱線しました。

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等々力、宇奈根など多摩川を挟んで同じ名前がある土地のエピソード。

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そして河口部へ。この「日本の川 たまがわ」は羽田空港D滑走路がまだ工事中だった2008年に出版された、日本の川シリーズの第一作なのでした。

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続いて「千曲川・信濃川」。甲武信ヶ岳スタートと思いきや金峰山の五丈岩が登場! たしかにどちらの山も信濃川の源流域かつ、中央分水嶺なのですよね。

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八ヶ岳も確か千曲川の源流域のひとつ。小海線にめっちゃスポットが当たってる!

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千曲川・信濃川メインではありますが、忘れてはならない犀川。槍ヶ岳に源流部を持つ我らが梓川に、同じく北アルプス源流の高瀬川、鹿島川ともう山ファン大満足のページ。

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流域の途中で季節が変わっていく演出も素敵ですねー。北信から新潟へ、千曲川から信濃川に名前を変えるエリアは雪国として描かれています。

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この先の西大滝ダム、大河津分水路の描写も最高なので、ぜひ現物を手に取っていただきたい!

そして3冊目は「荒川・隅田川」。

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日本の川シリーズで最も新しい本(2016年出版)なので秩父の滝沢ダムにしっかり水が貯められています。「秩父市(旧大滝村)」と合併前の村の名前もちゃんと分かる親切設計。

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秩父の街は三段に分かれた河岸段丘。秩父出身の妻から教えて貰いましたっけ。

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ムサシトミヨ!

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みんな大好き荒川放水路と岩淵水門。

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各本、巻末には索引もあるので逆引きで楽しむのもいいかも。

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以上、駆け足でごく一部のご紹介でしたが、ぜひ実際に本書を手に取ってみていただきたい絵本シリーズ。この他にも「筑後川」「吉野川」「石狩川」「淀川」の全7種類。流域の取材はかなり時間を掛けて行われているそうで、もっと他の河川も見てみたいのですが(私はやっぱり地元の相模川……)製作には相当の手間が掛かっているようなので、あまり無理も言えませんね。

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といった感じで大人の私が大喜びで楽しんでいるこのシリーズですが、本来は子供向けの設定で作られている本なので(平仮名多めで漢字には全てルビがふられています)、川好きなお子さんがいらっしゃるご家庭にもぜひ知って貰いたいなと。

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村松さんの本や地図はAmazonや書店などでも手に入りますが、アトリエ77で購入するとこんなオマケも付いてきたりします(写真を撮り忘れましたが「秩父・奥秩父散策絵図」の絵はがきも貰えます)。

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日本の川 たまがわ

日本の川 たまがわ

  • 作者:村松 昭
  • 発売日: 2008/01/01
  • メディア: 大型本
あらかわ・すみだがわ (日本の川)

あらかわ・すみだがわ (日本の川)

  • 作者:村松 昭
  • 発売日: 2016/07/07
  • メディア: 単行本
ちくまがわ・しなのがわ (日本の川)

ちくまがわ・しなのがわ (日本の川)

  • 作者:村松 昭
  • 発売日: 2010/03/16
  • メディア: 大型本
よどがわ (日本の川)

よどがわ (日本の川)

  • 作者:村松 昭
  • 発売日: 2013/07/18
  • メディア: 単行本
ちくごがわ (日本の川)

ちくごがわ (日本の川)

  • 作者:村松 昭
  • 発売日: 2009/04/01
  • メディア: 大型本
よしのがわ (日本の川)

よしのがわ (日本の川)

  • 作者:村松 昭
  • 発売日: 2011/07/08
  • メディア: CD-ROM
いしかりがわ (日本の川)

いしかりがわ (日本の川)

  • 作者:村松 昭
  • 発売日: 2012/07/26
  • メディア: 単行本

こちらもどうぞ

1年がかりで描かれる巨大絵地図:村松昭氏による山と川の散策絵図をアトリエ77で見てきた

突然ですがこの大きな絵地図、何だか分かりますでしょうか?

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滝沢ダムのループ橋にサントリーのビール工場、私にとってもなじみ深い秩父エリアや多摩川流域が詳細に描かれたこの絵地図について今回は紹介します。

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以前から気になってた謎の絵地図屋さん?

東京の府中市に住んでいる私。以前、記事にしたこともある、ワンタン麺がとても美味しい府中本町のラーメン屋「いつみ屋」の隣に、以前から気になっている場所(店?)がありました。看板も何もないこの場所は一体……?

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シャッターが下りているのがこの日は定休日の「いつみ屋」

よく見るとディスプレイされているのは地図でしょうか? 大きな絵地図が何枚もディスプレイされた店内、よく見ると山っぽい地図も飾られています。地図専門店(最近はあまり見なくなりましたね)かなと思ったけど、それとも違うみたい。

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これまでなんとなく気後れして入るのを躊躇っていたのですが、昨日近くに用事があったので、思い切って飛び込んでみました。

村松昭さんと「アトリエ77」

ここは村松昭(むらまつあきら)さんという絵地図作家さんによる店舗を兼ねたアトリエ(名前は「アトリエ77」)でした。中に入って拝見していると、村松さんご本人が出てこられ地図を見ながら色々と話を伺うことができました。ブログに掲載する許可を頂いたので、ちょっとご紹介してみたいと思います。

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アトリエ77 村松 昭(むらまつ あきら)
1940年、千葉県市川市に生まれる。
都立立川高校卒業後、桑沢デザイン研究所などでデザイン、油絵、リトグラフ(石版画)を学び、そのかたわら1972年頃より絵地図、鳥瞰図(ちょうかんず)を作りはじめる。現在は東京都府中市に在住。
via: アトリエ77 ~村松昭 絵地図の世界~>TOP

アトリエ内に飾られている絵地図は、全て村松さんによる水彩のイラストが元になっているそうです。主に山と川の絵地図が中心で、山の地図はその多くが約90×60cmという大きなサイズのもの(原画はさらに大きなサイズで描いているそうです)。参考までに一般的な国土地理院の2万5千分1地形図のサイズが46×58cmです。

さらに掛け軸のように下がっている川の地図は、幅20cmに対して長さが300cm(3m!)というまるで絵巻物のような作品です。

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それぞれの絵地図は所謂「鳥瞰図」(文字通り鳥が上空から俯瞰したような視点で、斜めに見下ろした図法)で描かれていて、縮尺やランドマークなどはデフォルメされつつも、独特のリアリティを併せ持つ楽しい絵地図になっています。驚くべくはその細かな書き込みの量!

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どの地図も普通の平面地図をただ鳥瞰図に起こしただけでなく、実際に現地に足を運ばないと分からないような様々な情報が事細かに盛り込まれています。

村松さんによると1枚の地図を描き上げるために、現地に赴いての取材やスケッチなども含め1年近くかかっているそうです。

個人的に馴染みの深い奥多摩や高尾、秩父、富士山から富士五湖や外輪山の山々まで含んだ地図もあり、食い入るように見てしまいました。

私が「登山をやってるんですよ」と話すと村松さんが見せてくれたのが「南アルプス鳥瞰絵図」。「全てに登った訳ではないですよ」と仰ってましたが、あの広大な南アルプスエリアを1枚の絵地図にまとめるご苦労を考えたら、それはもう気の遠くなるような作業だったことでしょう(2016年作と新しい作品のよう)。

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南アルプス鳥瞰絵図 ([バラエティ])

南アルプス鳥瞰絵図 ([バラエティ])

  • 作者:村松昭
  • 発売日: 2016/08/03
  • メディア: 地図

また、例えば今回購入してきた「秩父・奥武蔵散策絵図」を見ると初版は1984年になっていますが、2015年に最新の改訂が入っています。そんなこともあり、冒頭で紹介したように1998年竣工の浦山ダムや2008年竣工の滝沢ダムもちゃんと描かれているのです。

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「荒川・隅田川散策絵図」でもやはり東京スカイツリー完成時には、当然書き足すことになったのだとか。「元々何もなかい場所なので書き足しやすかったですよ」と仰ってました(笑)。
ちなみに現在は新規の地図製作はお休み中とのこと。とても大変な作業なのだと思いますが、村松さんが描く八ヶ岳エリアの地図なんてぜひ見てみたくなりました。

現在入手できる作品の目録がこちらで、山の絵図が7点、川の絵地図が9点、その他屋久島や北陸新幹線など4種類、さらに偕成社から出版されている絵本「日本の川」シリーズが7冊あります。

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この絵本がまた素敵で「ちくまがわ・しなのがわ」は水源である甲武信ヶ岳から始まり、ページをめくっていくと槍ヶ岳水源の梓川が犀川と名前を変えて千曲川に合流、新潟県に入り遂に信濃川に流れを変えて日本海に注ぐまでが、横位置のイラストで描かれています。こちらも気になるものばかりなので、欲しくなってしまいました……。

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日本の川 たまがわ

日本の川 たまがわ

  • 作者:村松 昭
  • 発売日: 2008/01/01
  • メディア: 大型本
ちくまがわ・しなのがわ (日本の川)

ちくまがわ・しなのがわ (日本の川)

  • 作者:村松 昭
  • 発売日: 2010/03/16
  • メディア: 大型本

追記:「日本の川」シリーズを3冊買ってみました。


「秩父・奥武蔵散策絵図」

それぞれの絵地図の詳細はぜひアトリエ77に足を運んで見て頂きたいのですが、今回私が購入してきた絵図の中から少しだけ雰囲気をご紹介します。

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商品パッケージは山と高原地図よりも少し縦長な程度で意外にコンパクト
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魅力的な山地図の中から今回選んで買って来たのは「秩父・奥武蔵散策絵図」。奥秩父山塊の上に(つまり西が上)下(東)は飯能〜越生〜寄居。南(左)は雲取山や奥多摩〜青梅といった東京の端、北(右)は神流町あたりまでの範囲を絵地図化したもの。

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アトリエ77の外からよく見える場所にもディスプレイされています

山や川、峠の名前から公園や観光のランドマーク、秩父エリアでは「夜まつり」や「龍勢まつり」といった祭りの名前も書き込まれています。

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他にもみかん栽培の北限とされる寄居の風布や……

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私の好きな旧大滝村の滝沢ダムに二瀬ダム(アーチ式に描いて欲しかったなあ ←)、以前から名前が気になっていた「芋掘ドッケン」の名前を見つけて嬉しくなってしまいました。

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ちなみに秩父育ちのうちの妻は地元夜祭りの日程が書き込まれていることに喜びつつ、「秩父鉄道は4両編成でない」などとツッコミを入れておりました……(笑)

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前回の記事でお届けした奥秩父の雁坂峠に雁坂嶺、よく見ると雁坂小屋もありますね!

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……なんてことを見始めると止まらなくなる遊び心満載の地図なので、これは秩父の義父、義母にプレゼントしようかなと買ってまいりました(と言いつつ開けて見まくってる)。

念のためですがこの地図は登山地図ではないので、登山のガイドとしては用いませぬよう。もちろん山が好きな人が見る分にはめちゃくちゃ楽しめます。

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「多摩川散策絵図」

そして20cm×3mの多摩川全流域の絵地図。源流の笠取山から小河内ダム(奥多摩湖)を経て秋川等の支流と合流しながら、羽田と浮島を両岸とする河口で東京湾へと注ぐまでの138kmが1枚に繋がった絵巻は圧巻!

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奥多摩の渓谷エリアかかる橋、何気に秋川、北秋川も源流部から描かれているサービスっぷり、流域に住む動物から史跡まで、より実用性の高い文字通りに「散策地図」の色が強い作品になってます。

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府中市民としてはやはり地元である是政橋周辺だったり、個人的に毎年桜を楽しみにしている二ヶ領用水、もちろん多摩川台古墳群だってあります。

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「はけ」とも呼ばれる河岸段丘もしっかり描かれています。

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極めつけはガス橋付近に懐かしの「タマちゃん(2002年8月)」の姿(笑)

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「手塚ワールド(計画断念)」なんて知らなかったな……。

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村松さんによると「山はもう登れないけど」という世代の方が、この散策絵図を手に羽田から奥多摩までを数度に分けて歩かれたりしているそう。確かに下手なガイドブックよりもデフォルメされたイラストで興味や想像力をかき立てられて、この絵地図を見ていると実際に現地を歩いてみたくなります。

この川絵図にはメジャーな大河の他に「玉川上水」や「野川」なんて渋いセレクトもあって、これらを片手に現地を散策するのは普通にやってみたいかも……。

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地図を手に想像を広げ、街を野を歩く楽しみ

私自身は登山を趣味にしていることもあって、今も紙の地図とはそれなりに縁がありますが(現地では紙地図よりGPSマップを見ることばかりですけども)、道路地図はほぼカーナビに置き換わっていますし、外を歩く際に参照する地図はスマホのGoogleMapのみ。
スマホがあれば、どんな知らない街に行っても安心ですし、ルートナビや最新情報の更新速度など紙地図時代ではありえないぐらい便利になりました。

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しかしながら今回出会った村松さんの散策絵図は、そんな便利で正確な地図とはまた違う、散策の楽しさを久々に思い出させてくれました。
細かい道や最短のルートが載っている訳ではありませんが、イラストをヒントに季節の花や鳥を探して歩いたりたり、今まで気付かなかった史跡との出会いを楽しんでみたり、普段の登山とはまた違う街や野歩きをしてみたくなる地図たちでした。

気になった方は、ぜひ一度村松さんのアトリエ77を訪ねてみてください。
公共交通の最寄りはJRの府中本町駅(徒歩3分)か京王線府中駅(徒歩10分)、アトリエ77の地図も村松さん手書きのものがホームページに掲載されていました(地元民はこれを見ているだけでも楽しくなります)。

via: アトリエ77 ~村松昭 絵地図の世界~>お問合わせ
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それにしてもなんというラーメンからの囲まれっぷり(笑) 実は現在さらにもう1店舗のラーメンがアトリエを挟んだ府中街道沿いにあったりするのですけども……。

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アウトドア、防災に… かれこれ20年使ってるイワタニのカセットガス ジュニアバーナー

アウトドア用のストーブ(バーナー/コンロ)として20年近く前に購入、現在も現役で使っているイワタニのジュニアバーナーを紹介します。

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先日の台風19号の接近に備えて久々に動作確認をしてみましたが、相変わらず健在でした。これからもまだまだ活躍してくれそうです。

子供の頃からの趣味で特に20代の頃は釣り(ルアーフィッシング)にドハマリしていて、釣り場で、車中泊の際、そしてボートの上で(危険なのでやめましょう)カップラーメンを食べるためのお湯を沸かしたり、簡単な調理用のコンロとして使っていたのがこのイワタニのジュニアバーナーです。

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私が持っているモデルの型番は「CB-JRB-T」。当時、通常モデル(確かケースなしのブリスターパッケージで売られていたような……)とは別に販売されていた、ゴトクと足にチタンが採用された「-T」モデルでした。現在も「CB-JCB/カセットガス ジュニアコンパクトバーナー」の型番・名称で、当時と殆ど同型のモデルが販売されているロングセラーモデルです。

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一番の特徴は同社のカセットコンロ「カセットフー」等でみなさんもお馴染みのカセットガス(CB缶/カセットボンベ)を燃料に使う仕様。ネットでファンも多い「炉ばた焼器 炙りや」や「たこ焼器 スーパー炎たこ」「焼肉グリル "やきまる"」でも使うあのガス缶です。

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我が家には普通サイズのカセットコンロがない……

当時からOD缶(登山道具でよく見るお椀型のガス缶)タイプのバーナーはありましたが(スノーピークの「ギガパワーストーブ 地」が世界最軽量のバーナとして話題になっていた頃でした)、旅先のコンビニやホームセンターでも交換用のガスが買えるということで、CB缶仕様のジュニアバーナーを選びました。思い返すと、旅先でカセットガスを買った記憶もないのですが……。

ここ最近の趣味である登山を始めた際も、しばらくはこのジュニアバーナーを使っていました。

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その後、妻がプリムスのストーブ(プリムスP-114F)を使っていたこともあり、ガスを合わせる意味でも(羨ましかったし)私もプリムスのど定番ストーブ「P-153 ウルトラバーナー」に買い換え、色々なバーナー類を使うようになるのですが、今でもこのジュニアバーナーは手放さずに持っています。

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左上からジュニアバーナー、JETBOIL ZIP、プリムスP-114F、P-153、SOTOウインドマスター

CB缶用のコンパクトなストーブに比べると本体も大きく、専用のケースに入れるとそれなりに嵩張ってしまうのですが、大きく広がる四つ足ゴトクは安定感していて、そこそこのサイズの鍋まで乗せられます(公式では18cm鍋まで仕様可能とのこと。それ以上は輻射熱の危険もあるので止めましょう)。

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さらに本体の足+ガス缶で支えるので安定感もあります。あまりの不整地には向いていませんが、一般的な登山やハイキングで使えなかったことはありません。

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ガスはもちろん通常サイズのイワタニカセットガスで使えますが、アウトドアに持ち出すならコンパクトな「カセットガスジュニア」と組み合わせるのがベスト。

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バーナーパッドを使うと火力もゴトクの座りも安定します。

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冬にはガス缶を温めて気化を促進する「パワーブースター」(コンロの火で金属パーツを熱して熱伝導でガス缶を温めるアイテム)などもセットで使っていました。

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現在パワーブースターは売られてないアイテムのようですが、低温時に気化しやすいガスの配合になっている「カセットガス パワーゴールド」を使えば一般的な低温環境ならば十分対応してくれるでしょう。

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(本来、低温時以外は使ってはダメです)

ということで、台風の接近前にもしものガス停止に備えて、家にあるガスストーブをひととおり確認してみたところ、これだけ在庫があれば当分は大丈夫だろうと新たにカセットガスの購入はしなかった次第。鍋物やたこ焼きで使っているカセットコンロも合わせれば、3口コンロが2セットは作れるなと(笑)

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アウトドア趣味の有無に限らず、カセットコンロが壊れた際の予備にもなりますし(改めて、あまり大きな鍋を使うのは輻射熱でガス缶が熱くなる危険があるので注意!)、非常持ち出し用のコンロとしても一家に一台あると何かと安心だと思います。

ちなみに、もう少し予算を割けるならSOTOのST-310もCB缶型のバーナーとしては定番製品で、ボンベへの輻射熱を防ぐ遮熱板も付いているのですが、メーカー各社の仕様として異なるメーカーのガスを使うことはNGとなっている点についてはご注意ください(実際は使えてしまうので、私も含め異メーカーのガスとストーブを組み合わせたりもしていますが、原則としてNG行為です)。

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超秋晴れの八方尾根を歩いて唐松岳へ、八方池のリフレクションも満喫した日帰り紅葉ハイク

10月10日の木曜日、北アルプス方面(に限らず)の天気予報があまりに良かったこともあって、いてもたってもいられなくなり白馬八方尾根からの唐松岳登山を楽しんできました。

予報通りの素晴らしい快晴と風も殆どないコンディション。以前来た際はあまり綺麗に見られなかった八方池のリフレクションに、見頃を迎えた八方尾根の紅葉、そして唐松岳山頂からは360度秋晴れの展望をたっぷりを満喫してきました。

紅葉登山に行きたい……

今年の紅葉シーズンは毎週末に登山とは別の趣味であるバンドの予定が入っていて、10月三連休までは身動き取れない状態でした。10月半ば以降に標高を下げた場所での紅葉は狙えますが、やはりアルプスの紅葉も見ておきたいなと。

そんな折に三連休には大型の台風19号が直撃する予報…… そしてその直前の10月10日(9日も)の平日に晴れ予報が出ていたこともあり、妻には申し訳ないと思いつつ、今回は1人で山に行かせて貰うことに。丁度、9月末の誕生日に新しい登山靴を手に入れていたこともあって、どこかで履き馴らしたいとも思っていたのですよね(と色々な理由を付けて……)。

登山靴の試し履きも兼ねているので、あまりハードでなくできれば知っている場所…… で候補に挙がったのが、北アルプスの焼岳か同じ北アエリアの唐松岳。中央アルプスの木曽駒ヶ岳は千畳敷までのアクセスが少々面倒ですし(1人だし)、八ヶ岳(赤岳〜硫黄あたり)は紅葉にはまだ少し早いかも……?

※焼岳は同じ日にはてなブロガーのはらですぎ氏が登られていました。

車の運転が楽なのは焼岳ですが(上高地 or 中の湯ルート)、白馬八方スキー場の黒菱駐車場に車を停めると、八方アルペンライン(ゴンドラ&リフト)のオープン前にスタートできるということで、今回は八方尾根からの唐松岳日帰りに決めました。

唐松岳は北アルプス後立山連峰にある標高2,695.9mの日本三百名山。八方尾根は唐松岳の東に延びる、もっともメジャーな登山ルートです。
唐松岳と八方尾根はこれまで積雪期(2月)と残雪期(4月)に白馬八方からのピストンで、夏山シーズン(7月)には遠見尾根〜五竜岳からの下山路として歩いたことがありますが、無雪期の日帰りピストンは初めてです。直近だと今年の2月に登って以来です。

10月10日の未明に都内の自宅を出発、中央道〜長野道と走って黒菱駐車場を目指します。白馬の駅前の八方麓から黒菱駐車場までは標高差760mの黒菱ラインという林道を10km弱。舗装のしっかりした林道ですが、一部すれ違いに困難な細い道路なので夜中よりはむしろ帰りの方が気を付ける必要があります。

山行ルートと活動データ

当日のYAMAPログはこちら。黒菱駐車場からの唐松岳は登り4時間半〜5時間、下り3時間半〜ぐらいのコースタイムですが、この日は単独ということもあって普段よりはややハイペース、かつ写真タイムや休憩をたっぷり取って歩いた感じです。


唐松岳(黒菱駐車場〜八方尾根) / OKPさんの唐松岳の活動データ | YAMAP / ヤマップ

夜明け前に黒菱駐車場からスタート

4時半前に黒菱駐車場に到着。平日ですが既に十数台の車が停まっていました(黒菱駐車場は200台駐車可能)。カフェテリア黒菱のトイレが公衆トイレとして開放されていました。大変ありがたいですね。

準備を済ませて4時40分頃にスタート。日の出は5時50分なのでしばらくはヘッドライトを頼りに。さすがに日の出前の標高1500mなので気温は5度ぐらい。ソフトシェルを羽織ってのスタートですが、歩き始めてすぐに汗が噴き出します。

鎌池湿原まではコンクリート舗装の坂道を20分ほど。うさぎ平と繋がってるアルペンクワッドリフトが見えてきました。

後ろを振り返るとうっすらと明るくなった地平線に白馬の街灯りが見えています。

鎌池湿原では暗くて、道を間違えてグラートクワッドリフト側に向かう湿原の木道に入ってしまいました……(右側から回り込む道が正解)。

10分以上ロスしてしまいましたが、まだまだ日の出までは時間があるので改めてつづら折りの登山道を登っていきます。

八方池山荘が見えてくる頃には薄明かるい状態に。

白馬三山が綺麗に見えています。予報通りいいお天気になりそうです。

白馬三山が徐々にオレンジに染まってきました……。


八方池山荘あたりで日の出を見る

振り返ると東の空から太陽が昇ってきました。間に合って良かった。

いやー、美しい。八方池山荘の周りは山荘に泊まっていたと思われる方達が撮影を楽しんでいます。

見事なモルゲンロート。草紅葉も相まってオレンジが映えます。

しばらくは朝日を浴びての登山道。

遠くの山もよく見えています。

八ヶ岳の隣に富士山。

最高の1日になりそう。


鹿島槍ヶ岳に五竜岳(この後も何度も登場します)。

この時間に歩いているのは同じ黒菱スタートか八方池山荘スタートの登山客のみなので、紅葉シーズンの人気ルートにしては人もまばらい(平日なのも大きいかと)

木道には霜が降りていて滑りやすいの気を付けましょう。

モルゲンパワーで盛り盛りされた紅葉と五竜岳&鹿島槍。



八方山ケルン通過。

モルゲンロートタイムが終了してもこれはこれでよい。



八方池のリフレクションとまさかの……

八方池に寄って行きましょう。

爆リフってる!!!

ということで定番ポイントへ…… あれ、テント!? まさかのテント? 八方池でテント泊???

どうやら写真を撮りに来ている中国系のグループのよう。多くの方はご存じかと思いますが国立公園(北アルプルは中部山岳国立公園)内での指定地外の幕営は原則として許されていません。
これだけ目立つ場所でこの時間まで張りっぱなしというのは、完全に無知故の行動なのでしょう(だからOKという訳ではないですが)。ここでうまく会話をしながら正しいルールを伝えてあげられるコミュニケーションスキルがあるといいのですが、自分がやるとどうしても非難めいたトーンになってしまいそう…… この登山日和に嫌な気分を1日引きずることにもなりかねないので結局スルーしてしまいました。

実際、この現場で他の登山者たちとも顔は合わせているのですが、彼らについても「テントか、うーん…… それにしても今日の天気は最高ですね」みたいな、容認ではないにしても極力スルーで、この時間を楽しむことに気持ちが向いてしまって気がします。

だってこんなに美しいんですもの。


彼らも何もこんな目立つ定番の写真スポットで堂々とやらんでも…… なんて。

最近は写真趣味の方が山の美しさ目当てに山岳写真を始めることも多いようですが(ここ数年で一眼カメラを山に持って来ている人が本当に増えたのを感じます)、基本的な山のルールや常識を理解しないまま山に入ってしまう人もいるようです。幕営ルール等の無視も大きな問題ですが、それ以上に中途半端な知識や装備、経験不足のままに山で行動したら命に関わる危険も多いだけに、急がずに正しい知識を付けながら楽しく山と写真を楽しんで欲しいものです。

それでは八方池にサヨナラして……


樹林帯の紅葉から森林限界へ

この先の樹林帯が最後の紅葉スポットでしょうか。

八方尾根で見られる紅葉は、(涸沢カールや立山などの)紅葉名所的な鮮やかな焼け方ではありませんが、これはこれで渋くて悪くないです。

森林限界に出る前の樹林帯をたっぷり楽しみながら標高を上げて行きます。










扇雪渓…… もう全然残ってません。冬までに一度消滅してしまいそう?

丸山ケルンからは森林限界へ。




何度でも撮ってしまう五竜岳。

そういえば雪のない季節に八方尾根を登るのは初めてなのですよね(以前夏に歩いた際は五竜岳周りの下山ルートだったので)。


この迂回ルートは以前も通行止めだった気がします。

不帰ノ嶮。かっこええ。

積雪期や混雑した夏とも雰囲気が異なるこの尾根を独占できる贅沢。


たまに下山していく登山者もいます。唐松岳や五竜に泊まっていたのでしょうか。前日もお天気だったようですし、なんとも羨ましい。

唐松岳の山頂が見えて来ました。

最近、氷河認定された唐松沢雪渓はここでいいのかな。


ここを越えれば……


目の前に唐松岳ドーン!


唐松岳山頂でのんびり過ごす

ここまで来たらあとひと息。

不帰ノ嶮に……

剱岳。

あと少し……


到着ー。

五竜岳、遙か彼方に富士山!

五竜ドーン!

槍ヶ岳から奥穂まで!

それにしてものどピーカン!

どこを見ても快晴&絶景。



最近お気に入りのセブンイレブンとんかつサンド。高カロリー高タンパク。

あまりに気持ちよさに1時間弱、唐松岳山頂でのんびりしてしまいました。それでも時間はまだ10時前。


紅葉が鮮やかに見えた下山の八方尾根

下山のタイミングはそろそろトイレに行きたくなったから(笑) それさえなければもっとのんびりしていたかも。唐松岳頂上山荘でトイレをお借りして下山します。

名残惜しいですが……。

ゴンドラ&リフト組が上がってくるにはまだ少し早いかな?

朝方に比べて太陽光線の違いのせいか、山の陰影も異なり紅葉が少し鮮やかに見える下山路。






いやー、来て良かった。そして申し訳ない、妻。




この控えめな紅葉がまたよい。

12時前になるとさすがに八方池の周りには人がたくさん。

つい、再び昼間の八方池リフを見に行ってしまったり。


行きは木道(右)だったので帰りは左側から。

こっちの道も紅葉綺麗でよいね(木道の方が少し回り道なものの早いかも?)。

八方池山荘が見えてきました。

紅葉が綺麗なのでグラートクワッドリフトには乗らずに……。


ここは歩いて正解だったかな。

紅葉の鎌池湿原から白馬三山。紅葉目的ならば、登山をしなくても鎌池湿原から八方池までのハイキングでかなり楽しめそうですね。普段登山をしない人にはちょっとキツい登りかもしれませんが。

あまりの気持ちよさにそのまま下りてしまいましたが、白馬にお金を落とす意味でも黒菱第3リフトぐらいは乗れば良かったかもしれません……。

駐車場の車も結構増えていますね。

この区間(黒菱第3リフト)はそこまで紅葉はないので、リフトが正解? でもこの先の季節だともう少し焼けてくるのかも。

下山しました。

そうそう、この日デビューの新しい登山靴、LOWAタホープロ。今の所はいい感じですが、紐の絞め具合がまだよく分からないかも…… オールレザーの登山靴は久々なので(冬靴は別にして)じっくりと足に慣らしていきたいものです。


今回も日帰り登山ということでバックパックはBUDDY 22、パーゴワークス フォーカスにカメラはE-M1 MarkIIを2台の基本セットでした。

下山ラーメン、温泉、吉田のうどん

下山後の昼食(?)は3月以来の「温泉らーめん 八方美人」の特性みそラーメン(うまい……けど高い)。八方美人に関しては3月に来たときの記事で少し詳しめに紹介しています。

そのまま八方の湯に入ると見せかけて、お気に入りの「みみずくの湯」へ。平日の白馬、とにかく何処に行ってもガラガラに空いています。今まではスノーシーズンや夏山の連休中にしか来たことがなかったので、ちょっとした驚きです。

高速を休み休み帰りながら中央道初狩PAで、吉田のうどん。

いつもなら週末で渋滞だらけの中央道もスイスイで帰宅。やっぱり平日山行は最高だなぁ……と。今の自分の立場(在宅フリーランス)だとその気になれば、平日登山も行きたい放題ではあるのですが、やはり基本は山は妻と楽しみたい趣味なので今回は偶のイレギュラー回ということで(交通費も1人だと負担がバカになりませんし)。

こんな記事もあります

ペツルのヘッドライトがUSB充電対応になる、専用バッテリー「コア(CORE)」が便利

登山の必需品。ナイトハイクはもちろん、テント泊でも山小屋泊でも、暗くなってからの行動に欠かせないのがヘッドライト(ヘッドランプ/ヘッデン)です。

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手持ちで星がこれだけ写るぐらい暗い。でもヘッドライトのおかげで写真が撮れる!

そんな大事なヘッドライト、我が家はペツル(PETZL)というメーカーの製品を使っています。妻も私も「ティカ(TIKKA)」という照射力200ルーメンのスタンダードなモデルです(公式サイトによると現行モデルは300ルーメンになっているみたい?)。

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なぜかうちに3個もあるPETZL TIKKA

このティカは単4の乾電電池3本で駆動するヘッドライトで、以前はエネループを入れて使っていました。電池切れ対策として予備の電池も持ち歩いていましたが、あるとき気が付いたら予備の電池が液漏れを起こしていました。下の写真程度なら使えますが、やっぱりちょっと心配になりますよね……。

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未使用状態で密閉していても液漏れを起こすことはある……

……というのが理由ではないのですが(笑)、昨年頃から電池をペツル純正の充電池「コア(CORE)」に入れ替えて使うことにしました。下の写真の右側で使っているのが「コア」です。

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これはペツル製の数種類のヘッドライトに対応する充電池で、メーカーサイトによると対応するのは「ティキナ/ティカ/ジプカ/アクティック/アクティック コア/タクティカ/タクティカ+/タクティカ+RGB」(全てヘッドライトのモデル名です)とのこと。

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一見するとコンデジのバッテリーを思わせる薄形の充電池なのですが、このように並べてみると分かりますが単4電池を3本を横に並べたサイズに相当し、特にアダプターなどを使わずにヘッドライトの電池ボックス内にそのまま収まる構造になっています。重量は23gで、エネループ3本(35g)より少しだけ軽量。

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このコア本体にUSB端子(micro USB)が付いていて充電器を使わずに直接USB充電を行うことが可能です。充電の際はコアを取り出すか、ヘッドライトの電池ボックスを開けたまま充電を行うことになりますが、元々充電式ではなかったヘッドライトにUSB充電機能が追加されるような、バージョンアップ感が味わえます。この直接USB充電端子、デジカメの電池にも欲しい機能かも。

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充電中は赤いLEDが点灯、充電が完了すると緑のLEDに切り替わります。説明書によると充電池の容量は1250mAhで、満充電までは約3時間。マイナス30度からの低温下でも動作するらしく(照射時間はさすがに低下しそう?)、充電は0度以上の気温に対応しているそうです。

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照射性能は乾電池を使用した場合と比較して長時間(最大光量で約3時間)一定の明るさを保つものの、徐々に明るさが減少していく乾電池に比べるとカタログ値の照射時間は短くなるようです。
この辺の乾電池との性能差を理解しておかないと、いきなり電池切れを起こす可能性もあるので、乾電池から乗り換える際には注意しましょう。

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Via : リチャージャブルバッテリー『コア』を使用した場合の照射性能 | ALTERIA|HEADLAMP

以前は2個のヘッドライトとそれぞれの予備電池を持ち歩いていましたが(単3と単4)、今はコアを入れたティカに、単3電池1本で動くモンベルのヘッドライトを予備として持っています。いざとなれば予備ライトで凌いで、その間にモバイルバッテリーでコアを充電することも可能です。

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先日も妻がヘッドライトを使った際、外していたのに乾電池が切れていたというトラブルがあり(うっかりなのか放電や液漏れか?)、妻もコアを使った方がいいのではと追加で1個買い足しました。

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妻は常に電池を外して携行するタイプ(正しい)

価格は3,600円(税抜)と少々高いのですが、乾電池で使っていたヘッドライトがUSB充電対応になるのはなかなか便利なので、ペツルの対応ヘッドライトを使ってる方は検討してみてはいかがでしょう?

ちなみに同じペツルの「アクティック コア」というモデルは、「アクティック」(ティカの上のモデル)+「コア」という組み合わせで、両方を別に買うよりは少しお特なモデル ……かと思ったら、アクティックの350ルーメンに対してアクティック コアは450ルーメンと更に明るい謎スペック!?

……どうやらペツルのヘッドライトは同じモデルでも発売時期で少しずつ照射力がアップしているようなので、ヘッドライト購入時は最新モデルを選んでいるか確認した方が良さそうですね。

こんな記事もあります

小型の電子はかりを購入:旅行の荷物や登山ザックの計測に良さげなアイテムです

先日、ネタフルで(LCC旅行用に)紹介されていた携帯式の電子はかり(デジタルスケール)。1000円程度と手頃な価格だったこともあって、試しに買ってみたところ、なかなか便利なアイテムでした。

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荷物の重量を量るのって意外と面倒……?

私もたまに旅行や登山の荷物(バックパック)の重量を量るのですが、体重計を使い自分が先に乗った状態でゼロリセットして、荷物の重量を量るのって結構面倒なのですよね……。

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後は旅先での荷物の計測。LCCなどは手荷物に7kg程度の重量制限があるようですし、今年ネパールに行った際は、国内線プロペラ機の預け入れ荷物に10kg制限があり(手荷物はノーカンだったのでそこで調整した)、パッキング時に荷物の重量を確認するツールがないためぶっつけ本番は緊張しました。

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ということで今回ゲットした携帯電子はかり(一般名称は何?)があれば、そのときのパッキングも安心だったろうなぁ……と。本体重量は100gに満たず(カタログ値95g/金属フック装着で実測85g)、サイズは長辺で145mmとコンパクトなので、旅行に携帯しても邪魔にはなりません。

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計測は10gからなんと50kgまで対応しているので、一般的な荷物の計測ならほぼ対応します。そもそも、片手で持って量る仕組みなので、50kgまで使うこともないと思いますけども……。

SHANJE 携帯式デジタルスケール

私が購入したのはAmazonで売っている「SHANJE」というブランドの商品。付属品は布ケースと計測時に荷物を吊り下げるためのフックが2種類。布製のベルトが付いたタイプがAmazonでも最も売られているようですが(例によって類似の製品がたくさんあります)、私は交換できる金属フックが付属している商品を選びました。私の用途だと、金属フックの方が使いやすそうですし。

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デフォルトでは布ベルトが付いているので、すぐにフックに交換。この際、布ベルト側のヒートンがなかなか抜けませんでしたが、力業でなんとか(どうやら接着剤だか塗料が塗られていたっぽい?)。

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フックの交換は本体側のウケも金属のネジ穴になっているので、クルクルとネジを回して付け替えるだけ。こんな細いネジのネジ山で50kgの引っ張りに耐えられるのか分かりませんが、まあそこまで激重な荷物はぶら下げないと思うので。

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電源ボタンを押すとバックライト付きの液晶に1/100kg(10g)単位で数字が表示され、電源投入後すぐにボタンを押すことで、lb(ポンド)、g(グラム)、oz(オンス)と計測単位を切り替えることもできます。グラム表示にした場合は10g単位の計測なので一桁目は0固定されます。

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数字がゼロ以外の場合は(フックを交換した際なども)単位が表示された後で電源ボタンを押せば、数字がゼロリセットされます。つまり計測用の袋をぶら下げて数字をリセットすることが可能(風袋引機能)。バックパックの中身だけを計測したい用途(あるのか?)などにも使えますね。

電池はコイン電池(CR2032)。国内ならコンビニなどでも買えると思いますが、海外だとどうなのだろう? 空港とかに普通に売っているのかな?(探したこともないので……)

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しばらく使わなければ電源は自動でOFFになりますし、電源ボタンの長押しでも切ることができます。

精度は十分? 10kg以上のザック計測がすぐできる

秤の精度ですが、カメラをキッチンスケールとこの電子はかりの両方で量ってみたところ……

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キッチンスケール:1222g/携帯秤:1.22kg(1220g)

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キッチンスケール:1287g/携帯秤:1.28kg(1280g)

持ち方によって多少の誤差は出ることもありますが、この程度ならばほぼ問題ないレベルでしょうか。正確に計測するには、なるべく持ち手を水平に、荷物が垂直にぶら下がるように持つと良さそう。

先日、パーゴワークスのカーゴ40の記事を書いた際に作ったパッキングがあったので量ってみました。少し荷物を外していたので11kg弱。これがすぐに分かるのは確かに便利。

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ちなみに片手で11kgの荷物をぶら下げつつもう片方の手でシャッターを切る作業だけで、かなり手がプルプルしてしまいいました(笑) 20kgを越えるバックパックとなると何か踏み台にでも乗らないと(腕を伸ばした状態じゃないと)厳しい気がしますね。今後ブログでそんな写真が公開されたら、「頑張って写真撮ってるんだな……」と察して貰えると嬉しいです。

追記:ブコメを見て改めてもう少し重い荷物でも精度比較。確かに体重計で14.3kgのバックパックが、持ち上げるタイミングによって13.43〜13.94kgと結構な誤差で表示されてしまいました。体重計が正確だとすると、最大で900g近く軽く表示されてしまってします……。

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重量級の荷物を量る際には注意して、特に重量オーバーのチェックの際は、複数計測して一番高い数字を参考値として見るぐらいがいいのかもしれません(クセとしては何度か量った後半に出る大きな数字が、正しい重量に近くなるようです)。

頻繁に旅行に行ったり飛行機に乗る方はもちろん、自分が背負うバックパックの重量が気になる人にとても1個あると何かと便利なアイテム。この価格ならば特に迷うこともないでしょう?

類似商品は他にもたくさんあって(中華ガジェットにありがち)、コンパクトなもの、デザインのスタイリッシュなものなどありますが、個人的には今回の商品が吊りフックの存在で一択でした。

小型の秤といえば、昔バス釣りで使っていたバネばかり(釣った魚の重さを量る)と比べてもこのサイズ。これで2kgまでしか量れなかったんですよね。

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今は釣りの世界も電子スケール化されてるのかな?と思ったらやはりそんな雰囲気ですね。


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