I AM A DOG

途方に暮れる 犬とよばれる でも生きてゆく

超秋晴れの八方尾根を歩いて唐松岳へ、八方池のリフレクションも満喫した日帰り紅葉ハイク

本ページは商品、サービスのリンクにプロモーションが含まれています

10月10日の木曜日、北アルプス方面(に限らず)の天気予報があまりに良かったこともあって、いてもたってもいられなくなり白馬八方尾根からの唐松岳登山を楽しんできました。

予報通りの素晴らしい快晴と風も殆どないコンディション。以前来た際はあまり綺麗に見られなかった八方池のリフレクションに、見頃を迎えた八方尾根の紅葉、そして唐松岳山頂からは360度秋晴れの展望をたっぷりを満喫してきました。

紅葉登山に行きたい……

今年の紅葉シーズンは毎週末に登山とは別の趣味であるバンドの予定が入っていて、10月三連休までは身動き取れない状態でした。10月半ば以降に標高を下げた場所での紅葉は狙えますが、やはりアルプスの紅葉も見ておきたいなと。

そんな折に三連休には大型の台風19号が直撃する予報…… そしてその直前の10月10日(9日も)の平日に晴れ予報が出ていたこともあり、妻には申し訳ないと思いつつ、今回は1人で山に行かせて貰うことに。丁度、9月末の誕生日に新しい登山靴を手に入れていたこともあって、どこかで履き馴らしたいとも思っていたのですよね(と色々な理由を付けて……)。

登山靴の試し履きも兼ねているので、あまりハードでなくできれば知っている場所…… で候補に挙がったのが、北アルプスの焼岳か同じ北アエリアの唐松岳。中央アルプスの木曽駒ヶ岳は千畳敷までのアクセスが少々面倒ですし(1人だし)、八ヶ岳(赤岳〜硫黄あたり)は紅葉にはまだ少し早いかも……?

※焼岳は同じ日にはてなブロガーのはらですぎ氏が登られていました。

車の運転が楽なのは焼岳ですが(上高地 or 中の湯ルート)、白馬八方スキー場の黒菱駐車場に車を停めると、八方アルペンライン(ゴンドラ&リフト)のオープン前にスタートできるということで、今回は八方尾根からの唐松岳日帰りに決めました。

唐松岳は北アルプス後立山連峰にある標高2,695.9mの日本三百名山。八方尾根は唐松岳の東に延びる、もっともメジャーな登山ルートです。
唐松岳と八方尾根はこれまで積雪期(2月)と残雪期(4月)に白馬八方からのピストンで、夏山シーズン(7月)には遠見尾根〜五竜岳からの下山路として歩いたことがありますが、無雪期の日帰りピストンは初めてです。直近だと今年の2月に登って以来です。

10月10日の未明に都内の自宅を出発、中央道〜長野道と走って黒菱駐車場を目指します。白馬の駅前の八方麓から黒菱駐車場までは標高差760mの黒菱ラインという林道を10km弱。舗装のしっかりした林道ですが、一部すれ違いに困難な細い道路なので夜中よりはむしろ帰りの方が気を付ける必要があります。

山行ルートと活動データ

当日のYAMAPログはこちら。黒菱駐車場からの唐松岳は登り4時間半〜5時間、下り3時間半〜ぐらいのコースタイムですが、この日は単独ということもあって普段よりはややハイペース、かつ写真タイムや休憩をたっぷり取って歩いた感じです。


唐松岳(黒菱駐車場〜八方尾根) / OKPさんの唐松岳の活動データ | YAMAP / ヤマップ

夜明け前に黒菱駐車場からスタート

4時半前に黒菱駐車場に到着。平日ですが既に十数台の車が停まっていました(黒菱駐車場は200台駐車可能)。カフェテリア黒菱のトイレが公衆トイレとして開放されていました。大変ありがたいですね。

準備を済ませて4時40分頃にスタート。日の出は5時50分なのでしばらくはヘッドライトを頼りに。さすがに日の出前の標高1500mなので気温は5度ぐらい。ソフトシェルを羽織ってのスタートですが、歩き始めてすぐに汗が噴き出します。

鎌池湿原まではコンクリート舗装の坂道を20分ほど。うさぎ平と繋がってるアルペンクワッドリフトが見えてきました。

後ろを振り返るとうっすらと明るくなった地平線に白馬の街灯りが見えています。

鎌池湿原では暗くて、道を間違えてグラートクワッドリフト側に向かう湿原の木道に入ってしまいました……(右側から回り込む道が正解)。

10分以上ロスしてしまいましたが、まだまだ日の出までは時間があるので改めてつづら折りの登山道を登っていきます。

八方池山荘が見えてくる頃には薄明かるい状態に。

白馬三山が綺麗に見えています。予報通りいいお天気になりそうです。

白馬三山が徐々にオレンジに染まってきました……。


八方池山荘あたりで日の出を見る

振り返ると東の空から太陽が昇ってきました。間に合って良かった。

いやー、美しい。八方池山荘の周りは山荘に泊まっていたと思われる方達が撮影を楽しんでいます。

見事なモルゲンロート。草紅葉も相まってオレンジが映えます。

しばらくは朝日を浴びての登山道。

遠くの山もよく見えています。

八ヶ岳の隣に富士山。

最高の1日になりそう。


鹿島槍ヶ岳に五竜岳(この後も何度も登場します)。

この時間に歩いているのは同じ黒菱スタートか八方池山荘スタートの登山客のみなので、紅葉シーズンの人気ルートにしては人もまばらい(平日なのも大きいかと)

木道には霜が降りていて滑りやすいの気を付けましょう。

モルゲンパワーで盛り盛りされた紅葉と五竜岳&鹿島槍。



八方山ケルン通過。

モルゲンロートタイムが終了してもこれはこれでよい。



八方池のリフレクションとまさかの……

八方池に寄って行きましょう。

爆リフってる!!!

ということで定番ポイントへ…… あれ、テント!? まさかのテント? 八方池でテント泊???

どうやら写真を撮りに来ている中国系のグループのよう。多くの方はご存じかと思いますが国立公園(北アルプルは中部山岳国立公園)内での指定地外の幕営は原則として許されていません。
これだけ目立つ場所でこの時間まで張りっぱなしというのは、完全に無知故の行動なのでしょう(だからOKという訳ではないですが)。ここでうまく会話をしながら正しいルールを伝えてあげられるコミュニケーションスキルがあるといいのですが、自分がやるとどうしても非難めいたトーンになってしまいそう…… この登山日和に嫌な気分を1日引きずることにもなりかねないので結局スルーしてしまいました。

実際、この現場で他の登山者たちとも顔は合わせているのですが、彼らについても「テントか、うーん…… それにしても今日の天気は最高ですね」みたいな、容認ではないにしても極力スルーで、この時間を楽しむことに気持ちが向いてしまって気がします。

だってこんなに美しいんですもの。


彼らも何もこんな目立つ定番の写真スポットで堂々とやらんでも…… なんて。

最近は写真趣味の方が山の美しさ目当てに山岳写真を始めることも多いようですが(ここ数年で一眼カメラを山に持って来ている人が本当に増えたのを感じます)、基本的な山のルールや常識を理解しないまま山に入ってしまう人もいるようです。幕営ルール等の無視も大きな問題ですが、それ以上に中途半端な知識や装備、経験不足のままに山で行動したら命に関わる危険も多いだけに、急がずに正しい知識を付けながら楽しく山と写真を楽しんで欲しいものです。

それでは八方池にサヨナラして……


樹林帯の紅葉から森林限界へ

この先の樹林帯が最後の紅葉スポットでしょうか。

八方尾根で見られる紅葉は、(涸沢カールや立山などの)紅葉名所的な鮮やかな焼け方ではありませんが、これはこれで渋くて悪くないです。

森林限界に出る前の樹林帯をたっぷり楽しみながら標高を上げて行きます。










扇雪渓…… もう全然残ってません。冬までに一度消滅してしまいそう?

丸山ケルンからは森林限界へ。




何度でも撮ってしまう五竜岳。

そういえば雪のない季節に八方尾根を登るのは初めてなのですよね(以前夏に歩いた際は五竜岳周りの下山ルートだったので)。


この迂回ルートは以前も通行止めだった気がします。

不帰ノ嶮。かっこええ。

積雪期や混雑した夏とも雰囲気が異なるこの尾根を独占できる贅沢。


たまに下山していく登山者もいます。唐松岳や五竜に泊まっていたのでしょうか。前日もお天気だったようですし、なんとも羨ましい。

唐松岳の山頂が見えて来ました。

最近、氷河認定された唐松沢雪渓はここでいいのかな。


ここを越えれば……


目の前に唐松岳ドーン!


唐松岳山頂でのんびり過ごす

ここまで来たらあとひと息。

不帰ノ嶮に……

剱岳。

あと少し……


到着ー。

五竜岳、遙か彼方に富士山!

五竜ドーン!

槍ヶ岳から奥穂まで!

それにしてものどピーカン!

どこを見ても快晴&絶景。



最近お気に入りのセブンイレブンとんかつサンド。高カロリー高タンパク。

あまりに気持ちよさに1時間弱、唐松岳山頂でのんびりしてしまいました。それでも時間はまだ10時前。


紅葉が鮮やかに見えた下山の八方尾根

下山のタイミングはそろそろトイレに行きたくなったから(笑) それさえなければもっとのんびりしていたかも。唐松岳頂上山荘でトイレをお借りして下山します。

名残惜しいですが……。

ゴンドラ&リフト組が上がってくるにはまだ少し早いかな?

朝方に比べて太陽光線の違いのせいか、山の陰影も異なり紅葉が少し鮮やかに見える下山路。






いやー、来て良かった。そして申し訳ない、妻。




この控えめな紅葉がまたよい。

12時前になるとさすがに八方池の周りには人がたくさん。

つい、再び昼間の八方池リフを見に行ってしまったり。


行きは木道(右)だったので帰りは左側から。

こっちの道も紅葉綺麗でよいね(木道の方が少し回り道なものの早いかも?)。

八方池山荘が見えてきました。

紅葉が綺麗なのでグラートクワッドリフトには乗らずに……。


ここは歩いて正解だったかな。

紅葉の鎌池湿原から白馬三山。紅葉目的ならば、登山をしなくても鎌池湿原から八方池までのハイキングでかなり楽しめそうですね。普段登山をしない人にはちょっとキツい登りかもしれませんが。

あまりの気持ちよさにそのまま下りてしまいましたが、白馬にお金を落とす意味でも黒菱第3リフトぐらいは乗れば良かったかもしれません……。

駐車場の車も結構増えていますね。

この区間(黒菱第3リフト)はそこまで紅葉はないので、リフトが正解? でもこの先の季節だともう少し焼けてくるのかも。

下山しました。

そうそう、この日デビューの新しい登山靴、LOWAタホープロ。今の所はいい感じですが、紐の絞め具合がまだよく分からないかも…… オールレザーの登山靴は久々なので(冬靴は別にして)じっくりと足に慣らしていきたいものです。


今回も日帰り登山ということでバックパックはBUDDY 22、パーゴワークス フォーカスにカメラはE-M1 MarkIIを2台の基本セットでした。

下山ラーメン、温泉、吉田のうどん

下山後の昼食(?)は3月以来の「温泉らーめん 八方美人」の特性みそラーメン(うまい……けど高い)。八方美人に関しては3月に来たときの記事で少し詳しめに紹介しています。

そのまま八方の湯に入ると見せかけて、お気に入りの「みみずくの湯」へ。平日の白馬、とにかく何処に行ってもガラガラに空いています。今まではスノーシーズンや夏山の連休中にしか来たことがなかったので、ちょっとした驚きです。

高速を休み休み帰りながら中央道初狩PAで、吉田のうどん。

いつもなら週末で渋滞だらけの中央道もスイスイで帰宅。やっぱり平日山行は最高だなぁ……と。今の自分の立場(在宅フリーランス)だとその気になれば、平日登山も行きたい放題ではあるのですが、やはり基本は山は妻と楽しみたい趣味なので今回は偶のイレギュラー回ということで(交通費も1人だと負担がバカになりませんし)。

こんな記事もあります