トンボに関心を持ってから見てみたいと思っていたチョウトンボ、やっと見られました。
昨年の秋に境川の上流を歩いたときから気になり始めた昆虫のトンボ。写真に撮ったトンボの同定のために図鑑を買ってから、一度見たいと思っていたのがチョウトンボでした。
このトンボの存在は以前から知っていましたが、実際の姿は見たことがない。都市部にある緑地の池などにもいるらしく、特に珍しい種という訳ではないようですが、少なくと自分は見た記憶がありませんでした。
この日は別で撮影したい要件もあり、立川の国営昭和記念公園に出掛けました。写真ではあまり晴れているように見えませんが(?)、梅雨明けが発表されたこの日の昭和記念公園はひたすらに暑かった……。
メインの用事はそこそこに、園内にある複数の池をトンボを探しながら巡ってみます。昭和記念公園でチョウトンボが見られることは知っていたので、それらしき姿を探していると…… 水面にヒラヒラと写る影があり、見上げると美しい翅のトンボがいました。
最初の印象は「思ったより小さいな」と。シオカラトンボよりも小さく、コシアキトンボと同じぐらい。
前後の翅の形が違う不均翅亜目のトンボは直線的で速い飛び方をする印象ですが、このトンボはハグロトンボやカワトンボのようにヒラヒラと飛んでます。名前の通り、チョウのように飛ぶトンボです。
そしてなにより翅の色が美しい。下から見ると黒っぽいのですが、斜め上から見ると光の加減で青紫から緑色に光って見えます。
見ている限りチョウトンボはずっと池の上を飛んでいますが、近くの木に止まってくれました。
背の高い枝だったので下側から。やはり翅の裏側は黒のようです。そして前額も青紫っぽい。
止まっているよりは飛んでいる時間の方が長そうなチョウトンボの飛翔、高速に飛び回るトンボに比べると写真に撮りやすそうな動きではありますが、まだまだ自分には難しかった……。恐らく数個体いて撮影機会そこそこありましたが、このあたりが比較的まともかな。翅が4枚キレイに広がったタイミングは撮れませんでした。
これは後ろにシオカラトンボが入ってしまったけど、翅のきらめき具合がいい感じ。
このチョウトンボも他のトンボ同様に池の上の縄張りのような場所を周回するように飛んでいるようですが、その他のシオカラトンボやショウジョウトンボ、大きなギンヤンマに何度も追い払われたりしながら、マイペースでヒラヒラ飛び続けていました。
視線よりも高い位置に上がってしまうと見失いやすいのですが、そんなときは水面を見ると分かりやすかったで。直線的な動きではないので、ヒラヒラした動きが水面の反射だと目立つようです。
飛んでるチョウトンボを追いかけていたと思ったら…… いつの間に間違えて水面に写ってる姿を撮ってしまっていました(笑)
そんな感じでチョウトンボを見ていたら、最後にまた岸辺に止まってくれました。撮影できる角度が限られていましたが、じっくり見られて良かったです。
この後、後ろから風に煽られてそのまま前のめりの飛ばされてしまいました。
実は毎年何度も歩いてる池の周囲だったので、本当に今まではただ気付かなかっただけのようです。
その他にこの日見たトンボ。今回もいたキイトトンボ。
前回は連結産卵で静かに飛んでいたキイトトンボ。単独だとヒョコヒョコと上下するような不思議な飛び方をしています。
まるでルアーで魚を誘うような…… 緑の水生植物の中で、黄色い棒が目立って動いているので、すぐに他の捕食者に見つかってしまいそうな動きでしたが、あれでいいのか。
この日も多かったショウジョウトンボ。
ショウジョウトンボの♀かな。
ショウジョウトンボを撮ったつもりでしたが違いますね。翅の付け根にショウジョウトンボのような紋があって、尾の先が黒い(付属器が長い)という特徴だとハネビロトンボのようですが、どうでしょう?
上手く撮れませんでしたが、オオヤマトンボですかね。


シオカラトンボ。遭遇率は多いわりに短く不規則に飛んですぐに止まってしまうので、なかなか飛翔シーンを撮る機会がないのですが、ようやくそれっぽい感じに。結構遠いんですけども……。
シオカラトンボの交尾。
同じペアでしょうか。メスはお腹側と背中側で結構色が違います。
シオカラトンボの産卵。
メスというとこの色のイメージですが、お腹側はオス同様に青っぽい粉を吹いているのですね。
この日、何気に数が多かったのがギンヤンマ。大きいので目立つのもありますが、池の周囲全てに何かしらギンヤンマが縄張りを作って他のトンボを追い払う姿を見ることができました。
速く飛び回っていると全く手が出ないギンヤンマの飛翔ですが、今回は単独でホバリングする様子も見られたので、結構写真が撮りやすかった(笑)
交尾もしてました。


カイツブリ。
その他、いい感じに撮れませんでしたがウスバキトンボなども見られました。このヤゴの抜け殻は大きい方はギンヤンマでしょうか。同じ池で7種類以上のトンボを確認できましたし、水の中ではどんな棲み分けをしているのか、これだけ複数の種類がいるなか上手いことオスメスがペアになって繁殖するものですね。
チョウトンボを含め昭和記念公園という都市部の公園に普通に暮らしている種類ばかりですが、どれも今まで知らなかったし気付かなかった生き物ばかり。少し興味を持って図鑑を1冊手にしただけで、これだけ見えるものが変わる訳ですし、カワセミを見るようになった際にも思いましたが、まだまだ身近な自然は知らないことばかりで面白いものです。
ちなみにこの日はカワセミも見ました。鳴き声ですぐにいることが分かるので、そのタイミングで探せば遠くであっても見立つので分かるのですよね。これも数年前まで気付かなかったことです。