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多摩丘陵の里山風景が残る長池公園をトンボを探しながら歩く

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八王子市別所の長池公園に行きました。素晴らしい公園だったので紹介したいと思います。

長池公園は八王子市の別所にある広さ20haの地区公園で、公式サイトなどでは「自然保全型公園」と紹介されています。多摩丘陵の自然や里山風景が残された多摩ニュータウン最大の自然環境エリアだそうです。ちなみに同じ多摩丘陵の八王子市、町田市にある小山内裏公園(46ha)、小山田緑地(146ha)、長沼公園(31ha)、平山城址公園(12ha)は都立公園で、長池公園は少し管轄が異なるようです?

長池公園 | Hitomachimidoriyugi
長池公園|八王子市公式ホームページ

前々回の記事で紹介した長池見附橋はこの長池公園に架かる車道橋です。

当初、車で行きやすい小山内裏公園でトンボを探そうと思っていたところ、少し離れた場所にある長池公園の地図上に「とんぼ池」という名前を見掛けたのでこちらに行くことにしました。

長池公園があるのは南大沢駅のやや東寄り、南多摩尾根幹線沿いにありますが普通に走っていると通り過ぎてしまうので今まで意識したことはありませんでした。今回はニュータウン通り方面から車でアクセスしました。

公園の北と南に無料駐車場があるのもありがたいですね。

南北に細長い多摩丘陵の地形を残す公園で、公園の名前にもなっている「長池」を含む3つの池が敷地内にあります。最も大きい「築池(つくいけ)」は明治時代にかんがい用として作られた池で、「姿池」は前々回紹介した長池見附橋や長池公園が整備される際に作られた浅いコンクリートの池。

駐車場の横に立派な長池公園自然館(長池ネイチャーセンター)があったので立ち寄ってみました。

園内の動植物に関わる展示、定期的に行われている自然教室の展示の他、レンタル会議室などもあります。

シジュウカラの巣箱の中を観察できるモニターなども。もうかなり大きいですね。

園内マップなどを確認して園内へ。「築池」「とんぼ池」に向かって段差を下りて行きます。

長池公園で最も大きい「築池」、数年前の台風被害による池への倒木はカワセミなどの野鳥が利用するのでそのままにしているそう。

そんな倒木の上ではアカミミガメが甲羅干し中。

そして親の顔より見たオオクチバス(ブラックバス)。大きなものは30cm弱、20cm以下のスクールも見られかなり繁殖しているようでした。公園内は釣り禁止ですがブルーギルと合わせて増えてしまっているようです。

後ほど登場する「長池」は数年前にかいぼりを行って駆除を行ったようですが、こちらにこれだけ多いとまたいつ放す人が出るかもしれませんね(当然ですが特定外来生物の生体移動は禁止されています)。

シオカラトンボ。

相変わらずコシアキトンボが飛び回っていますが、池の外周を大きくパトロールしている大きいトンボが1匹います。なんだろう……? 目が緑色でオニヤンマぽいツートンカラーだけど……
なかなか上手く撮れずに苦労しましたが、なんとかこんな感じ。オニヤンマみたいだけど、小川ではなく池の上だし模様もよく見ると違う。オオヤマトンボだと思われます。

似たようなコースで飛んでいるので待ち構えているのですが、いざファインダーに捉えたと思うとコシアキトンボに邪魔をされる(コシアキトンボを追い払いに急ターンしてしまう)。

身体の横、黄色と黒のようでよく見ると光沢のある緑。これもオニヤンマとは異なる特徴。

築池で水際に寄れるのはこの鉄柵と、いま見えてる対岸の一部のみ。

それではトンボの池に向かって…… 途中、築池に関する案内を読みつつ。

田んぼがありました。ここは里山が再現された体験ゾーンになっているそう。

オオシオカラトンボ。

トンボ池は一度通り過ぎてしまいましたが、里山ゾーンの端にありました。思いの外小さい池でした。ここで見掛けたトンボはコシアキトンボのみ。

地下水や築池の水をそのまま田んぼに流すと水が冷たすぎるので、この池で温めているのだとか。へー。

何かいるなと思ったらガビチョウ。多摩の里山には特定外来生物が多い……。

タマムシ。きれいですね。

「里山口」、職員の方が車で出るところですが、徒歩では出入りできるぽい。向こうは尾根幹線です。

雑木林トレイルへ。ちょっとだけ山。樹液の匂いとかしてクワガタがいそうですが、公園内での採集は禁止とのこと(観察後にリリースすればOK)。

少し登って少し下ると「長池」。丘陵の尾根のヒダをひとつ越えた感じですね。


この長池を含む園内の南側は「特別保全ゾーン」となって立ち入り制限されています。

長池で見たのはオオシオカラトンボとやっぱりコシアキトンボ。あとショウジョウトンボも多分いた。

浄瑠璃姫が長池に身投げしたという長池伝説。恋ヶ窪伝説の姿見の池(国分寺)といい、池に身投げする悲恋話は多いですが、現在は浅く埋まってる池が殆どなので昔はそんなに深かったのか……と思うなど。


長池を水源?とする流れが谷戸の谷底を流れて行きます。


小川の流れに沿って湿地の自然観察スポットなども数か所作られていて、カエルの卵やカタクリの他、水辺の植物を観察できるようになっています。


そして再び築池。少し大きめのバスとオオシオカラトンボを確認。

コシアキトンボ。

ジャノメチョウ。

ちょっと公園を出て……

5分ほど歩くと尾根幹線沿いにあるショッピングモール「ぐりーんうぉーく多摩」があります。

ランチにつけ麺を食べました。

午後の部は自然保全区域を外れて、長池見附橋を見たり姿池へ。2つある姿池の小さい方の奥、さらに水が流れ出しています。

「せせらぎ緑道」と名付けられた水路と遊歩道が京王堀之内駅方面まで続いているようです。大栗川まで続いているかは不明ですが、大栗川橋の少し下に右岸からの流れ込みは確認できます。

こんな感じ。ちなみにかつては大栗川の支流である別所川という川が流れていたそう。多摩ニュータウンの開発により消えてしまった川は、せせらぎ緑道と姿を変えて再び谷戸を水源とする水を流しているようです。

それでは姿池へ。実は緑地よりも姿池にトンボが多かったです(笑) ショウジョウトンボ。

コシアキトンボの交尾。何度か見られたけど、あっという間に終わってしまうので未だ上手く撮影できず。

最初は全く手が出なかったコシアキトンボの飛翔ですが、実はかなり撮りやすいトンボなのでは……。なにより数が多いですが、滅多に止まらずずっと飛び回っているトンボなので。シオカラトンボとかすぐに止まってしまうので、なかなか飛んでいる姿を撮るのは難しいかも。


メスが止まっているのは初めて見ました。交尾のときしか現れないイメージ。そして産卵。


浅い姿池にもアカミミガメ。ミドリガメが少し大きくなったぐらいのサイズもいたので、バス同様に繁殖しているっぽい。


姿池で見掛けたギンヤンマの産卵。

ぐんぐん水の中に潜って行く♀。

しばしギンヤンマ撮影タイム。ずっと連結したまま産卵しては飛んでの繰り返し。しばらく離れて戻ってきてもまだくっついていたので(♀の翅が欠けているので同じペア)、相当長いようです。

飛翔シーン、単独飛翔よりは間違いなく撮りやすいチャンスなのでもう少し綺麗に取りたかった。


ギンヤンマに産卵にコシアキトンボとクロイトトンボが乱入して忙しくなった絵。

これも手前のイトトンボ(クロイトトンボ♀?)のすぐ下の奥にギンヤンマが産卵中。イトトンボを見つけるときってだいたいかんな感じで、別の観察対象の周辺にふわっ…… と見える。

築池に再びオオヤマトンボチャレンジに戻ったら聞き覚えのある鳴き声と共に倒木にカワセミ登場。

オオヤマトンボチャレンジ後半戦、これが精一杯でした……。

オオヤマトンボの同定はトンボハンドブックでほぼできましたが、ちょっと確信が持てなかったので……

自然館に立ち寄ったら図書コーナーに詳しいトンボの図鑑がありました。恐らくオオヤマトンボでいいはず。


というのも、池のほとりにあった看板のオナガサナエの写真を見て同定が揺らいだので(笑)

昼前は元気に鳴いていたシジュウカラのヒナ、数時間の間に全て巣立ったそうです。

長池公園、初めて来ましたがとても良い公園。適度な高低差に水辺が多いのもですし、車で利用できるのがありがたい(京王相模原線は府中からだと調布か多摩モノレール経由になってややアクセスが悪いのです)。