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途方に暮れる 犬とよばれる でも生きてゆく

ココヘリとジローの制度改定についての所感と山岳保険の見直しなど

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2023年6月に行われたココヘリの制度改定と、旧jRO制度の事実上の消滅についてのあれこれ。

既に各所で話題になってますが、自分なりの所感をまとめておきます。「なんのこっちゃ?」という方もいると思うので、ざっくりと経緯を説明するとこんな感じ(あくまで私視点です)。

  • jRO(ジロー)日本山岳救助機構:山岳遭難で発生した捜索費用の支払いに特化した共助の仕組み「山岳遭難捜索救助費用カバレージ制度」。会員は年会費の他に、前年の支払い実績による事後分担金を支払うものだった(過去形)。2007年のサービス開始以来、多くの登山者が利用。2022年時点で会員数約9.7万人。
  • ココヘリ(運営会社:AUTHENTIC JAPAN):小型の発信機を携行することで、遭難時に民間のヘリ捜索で位置捜索をして貰うサービス。2016年サービス開始。2022年時点で会員数5.1万人。
  • jROとココヘリは山岳遭救助に関連するサービス同士、入会キャンペーンや発信機のデザインなど、兼ねてよりコラボを行っていた関係(ジロココ特別プラン等)。
  • 2022年6月、AUTHENTIC JAPAN社がjROを子会社化。サービスが統合され、ココヘリ加入者には自動的にjROが付帯するようになる。jRO単独の新規契約も続行。(←ここで情報が止まってる人多め?)
  • ココヘリは倍以上の会員規模だったjROを飲み込んだこともあり、2022年から2023年にかけて会員数が5.1万人から15.5万人に爆増
  • 2023年6月:ココヘリが制度を改定jROのカバレージ制度を止め、ココヘリが独自に民間捜索の手配を行いその費用を負担する制度に移行。事実上の旧jROサービス終了。
  • 現在のjRO単独契約(ココヘリ準会員)は、発信機貸与のないココヘリ。依頼を受けたココヘリが民間捜索の手配を行いその費用のみを負担するという、2022年以前の旧jROとは全く別のサービスとなっている。
  • 2024年6月:前年の制度変更を念押しする内容へのメール経由のPDFリンクがユーザーに届き、1年越しでX等で話題になる。旧jROでは支払い対象だった、(ココヘリ手配ではない/業務提携してない)山小屋、民間救助隊、遭対協による捜索活動では捜索費が下りない事実が明らかになり(その他、発信機不携行、ココヘリ指定方式の登山届が不提出の場合も)困惑するユーザーが発生。(←イマココ)

こんな感じ。この制度改定に戸惑ったのは主に私のような旧jRO会員が中心と思われます。
そもそも、ココヘリの制度改定は1年前のことなので、もっと前に話題になるべきだったことでしょう。制度変更のアナウンス(メール)は自分にも届いていましたし、今になって騒いでいるのはユーザー側の怠慢とも言え、この点は自分も多いに反省してます。

ココヘリ側はこの制度改定について、契約者が捜索手配や費用の立替を行わなくて済むことになりメリットであるとアピールしていますが、結果として旧jROではフォローされていた遭難費用補填に大きな穴が生まれているので、旧jRO契約者の視点では著しい改悪だと感じています。

ちなみに私は2017年にjRO加入、2020年ココヘリに加入。2022年以降はココヘリの案内に従ってjROの継続を止めてココヘリのみの契約となっていました。この1年間、我が家の山行数は少なかったものの、旧jROの機能が消失していることを知らないまま、北アルプスなどで登山を行っていたことになります

ちなみに我が家の山岳保険(登山保険)は、旧jROの捜索費保証をベースに、当初モンベルの保険だったり、その後はココヘリに付帯する個人賠償、自動車保険の特約で個人賠償、ケガ保証をフォローしていたので、現行のココヘリによる捜索手配だけでは穴があります。

元々、jROの共助の仕組みへの賛同もあって契約していたこともあり、ココヘリと関係なく別々に会費を払っていたもの。子会社化によりjROが自動付帯となり、ありがたかったのは事実ですが、旧jRO制度を消滅させるぐらいなら別料金のままで構わなかったのが正直な気持ち。まさに「俺達のジローを返せ!」と叫びたいところですが、既に制度は1年も前に変わっているので今更どうにもなりません。今から値上げなり別料金で旧jRO相当のサービスを復活させてくれるなら、そうして欲しいぐらい。後半は殆ど愚痴になってしまいまいした……。

それはそれとして、ココヘリはまだまだ代替の効かない重要なサービスであることも事実。また、三井住友海上を引受保険会社とする個人賠償補償や、少額ですがアウトドア用品補償が付帯するのも特筆したいところ。
イリジウムの衛星通信端末(Garmin inReachなど)はそれなりに高額ですし、登山界隈では期待されているauとStarlinkの直接通信も現時点ではまだ実用化はされていません。

ということで、旧jROを遭難救助費用に限定した保険として使っていた人間にとっては、現行ココヘリで足りない範囲をカバーする保険を探す必要があります。自分も主に遭難救助費用の部分をメインに、いくつかの山岳保険を調べてみました(以下ポストからのスレッドにまとめています)。

・ABC少額短期保険「レスキュー費用保険」
・YAMAP「外あそびレジャー保険」
・やまきふ共済会「一般会員」
・ヤマレコ「チーム安全登山一般会員 」
・モンベル「山岳保険/野外活動保険」

……このあたりを候補にして、今のところはやまきふ共済会の一般会員、ヤマレコ保険の一般会員あたりを検討中。最近は山行回数も減っているので、スポットタイプの保険で加入がスムーズなものもありかも。

自分のココヘリ契約は今年の12月が更新月。今後、また今回のようなサービス改定が行われる可能性もありますし、この数年間契約をしてきて特にここ数年のココヘリ公式のアナウンスや振る舞いを見ているとやや不信感もあるので、代替サービスは引き続き検討します。
発信機や通信機ではないですが、一般登山道のハイキングならばヤマレコの「いまココ」やYAMAPの「みまもり機能」のようなサービスもありますし、以前とは山行頻度なども変化しているので、保険や遭難対策に関しても柔軟に見直して行こうと考えています。

今回の件は、かなりざっくりまとめたので、詳細はこの辺りの記事が分かりやすくまとまっていると思います。月山ももさんのnoteもココヘリの制度改定については無料部分のみで読めます。