前回に続いて気付くのが遅い話題。山に行ってないと山岳ネタのアンテナも錆びついてしまいがち…… なんて言い訳はともかく、久しぶりのスマートウォッチです。この懐かしいギアが再び使えるようになった!?
- Wear OSで再びYAMAPが使えるようになった
- 昔のPRO TREK Smart&YAMAPとの違い
- WSD-F30でWear OS版YAMAPを使ってみた
- やっぱり見慣手元のYAMAP地図
- 「みまもり機能」と「こんにちわ通信」も試した
Wear OSで再びYAMAPが使えるようになった
2023年3月末でサポート終了していたカシオのWSDシリーズ(PRO TREK Smart)用のYAMAP。これ以降、YAMAPを「Wear OS by Google」のスマートウォッチで使う手段はありませんでした。
1年前にはこんなブログも書いています。
それから1年ちょっとの間、Wear OS版のヤマレコを使っていましたが、今年2024年3月にGoogle Pixel Watchに対応したWear OS版のYAMAPアプリが登場(ここまでは知っていた)、さらに4月末になってそれ以外のWear OS端末にも対応していたようです。なんと、GW前には使えていたのですね。
一昨日ぐらいに「そういえばアレってどうなってたかな?」と調べたらとっくに対応しておりました。
TicWatchシリーズの他、WSDシリーズの初期のWSD-F10やWSD-F20にも対応したとのこと。F10なんて2016年発売のかなり古いモデルですが使えるんですね…… 内蔵電池がまだ生きていればですが。
ということで我が家でもしぶとく使っているWSD-F30にYAMAP Wearアプリをインストールしました。
使い方に関してはとてもシンプル。公式のヘルプを見た方が早いと思いますが、恐らく見なくてもすぐ使えます。基本的には以前からあるApple Watch版と殆ど同じのはず。
Wear OS版YAMAPアプリを使うには? - YAMAPヘルプセンター
Apple Watch版YAMAPアプリの使い方 - YAMAPヘルプセンター
あと、今回登場したのはAndroid OS版YAMAPに対応したWear OS版YAMAPなので、iPhone(iOS)とWear OS端末ペアリングでYAMAPを使うのは無理だと思われます。iOSで使うならApple Watchですね。
昔のPRO TREK Smart&YAMAPとの違い
以前のWSD-F20/30版のYAMAPと大きく違うのは、Watch側で地図データを持たないこと(恐らくWatch内蔵GPSも使用してない)。要はスマホ版YAMAPのBluetooth接続外部モニターのような感じです。
この1年使っていたWear OS版ヤマレコは記録や現在位置の測位はスマホ側で行いますが、地図データをWatch側にも転送する方式でしたが、それよりもさらにスマホ集約を推し進めている感じ。地図データは簡易的なものを適宜BluetoothでWatch側に転送してキャッシュする仕組みなのでしょう。
自分も元々はWatch側で内蔵地図やGPS、記録機能を持った独立型を支持していましたが(Garminの高級機や以前のWSD-F20/30等)、スマートウォッチの仕様はメーカー、機種によってバラバラですし、独立昨日型は価格も高額になりがち。それならスマートウォッチはただのブラウザにする方向が今は正解なのかも。WSDシリーズなんてもう古い機種ですし、毎度の地図転送の面倒さを考えると別にこれでもいいかな……。
WSD-F30でWear OS版YAMAPを使ってみた
ということで屋外活動で実際に使ってみました(写真はスタート時に撮り忘れたので後で再現したもの)。WSD-F30にはWear OS版YAMAPをインストールしているだけ。YAMAPが入ったスマホとはもちろんペアリングしていますが、YAMAPアプリ側で特別な設定はしていません。
WSD-F30でYAMAPを立ち上げると、ただ真っ黒な画面に「YAMAPアプリで活動を開始してください」と表示されています。この状態ではWatch側で何の操作もできません。
スマホのYAMAPでで活動を開始すると、WSD-F30のYAMAPに活動時間や標高、距離、累積標高等が表示されるデータ画面になりました。さらに「地図を見る」を押すと…
地図表示に切り替わります。1年数ヶ月ぶりにWSD-F30でYAMAP地図が使えるように!
WSD-F30側に地図は転送してないので表示にタイムラグがあると思いましたが、それも最初だけ。一旦地図が出たら以降はスムーズな表示で、以前の地図データを転送していた頃と比べても使用感に違いはありません。
しばらく表示させてなかったところからの行動中の表示。古い端末ですがスムーズに表示されます pic.twitter.com/CEYTkuZ6rr
— OKP (@iamadog_okp) 2024年7月10日
地図表示はスマホ版に比べるとややシンプルなものになっていてコースタイムや各種マーカーの表示もありません(山頂程度)。コースタイムは行動中に目安にしたいので表示されると嬉しいのですが(以前は表示されていましたし)、今後のアップデート等を期待したいところ。
地図の表示サイズは「+−」を押して切り替え。行動中の軌跡の動きを確認することを考えると、最大表示かその1段階下ぐらいが見やすいのではないでしょうか(老眼意見)。
矢印マークのタップで現在位置をセンターにしたり、通常のノースアップとヘッドアップの切り替え(回転表示はWatch内蔵コンパスが必要な機能とのこと)。表示範囲の狭いWatch画面でのヘッドアップ表示は方向感覚が分からなくなるので、基本ノースアップにしていますが、ルート分岐などで方向を確認する際はいいですね。
電池持ちについては今回5時間弱の記録で残り51%とかなり消費しましたが、これは発売から5年以上も使っている古い端末なことが大きいかも。最新のスマートウォッチならもっと良いはず? あとは、電池持ちに不安があったとしても、記録自体はスマートフォン側で行っているので、例えスマートウォッチの電池が切れしたとしても致命的なことにはなりません(スマホでGPS地図アプリを使う際は電池切れ対策として、モバイルバッテリーや予備スマホを携行しましょう)。
やっぱり見慣手元のYAMAP地図
まだたった1回、数時間使ったのみですが、かつて5年以上PRO TREK Smart+YAMAPで登山をしていたので、やはり手元で見るYAMAP地図はしっくりきます。
習慣もありますがやはり行動中にスマホをいちいち取り出して見るのはちょっと面倒というか、極力やりたくないんですよね。落とすのも嫌だし、なるべくジッパーが閉まるような場所にしまっておきたい。
いよいよWSD-F30の寿命が尽きたとしても、別のWear OSスマートウォッチをペアリング設定するだけで切り替えられますし、山行記録も最初期を除けばずっとYAMAPに保存しているので、行動中から記録までYAMAPで完結できる方が助かります。使い勝手と仕様頻度次第では再びYAMAPプレミアムを検討してもいいかも。
「みまもり機能」と「こんにちわ通信」も試した
長らくYAMAPを使っていますが以前は旧PRO TREK Smartでの単独記録だったので、スマホアプリを使った記録は久しぶり。せっかくなので現行機能である「みまもり機能」と「こんにちわ通信」を使ってみました。
みまもり機能は登山中の位置情報を家族などに共有する機能。事前に通知先として妻のメールアドレスを登録しました(無料会員は1件のみ。課金するとLINE宛にも通知先を設定できるようになるそう)。
みまもり機能とは - YAMAPヘルプセンター
さらにYAMAPユーザー同士がすれ違った際にBluetoothでお互いの位置情報をバックグラウンドで交換して(情報はお互いには確認できない)、携帯電波の届かないエリアも「みまもり機能」の記録として補完されるのが「こんにちわ通信」(という理解でいいのよね?)。
こんにちわ通信能 - YAMAPヘルプセンター
みまもり機能ではリアルタイムでこんな感じの位置情報が共有されていたようです。記録が大きく飛んでいる箇所は携帯の圏外エリアかも。林道沿いでもまあまあ圏外はありました。
こんにちわ通信はオンにしていたけど終了時に確認したらすれ違ったユーザー数は0人でした(笑) ハイカーとは数人出会いましたが、アプリの利用率を考えたらそんなものでしょうか。人気の裏高尾エリアでもメインコースを少し外れると殆ど人の姿はありませんでしたし。
先日のココヘリの件もあってこの辺の機能には少し期待していましたが、有効に機能するのはやはりそれなりに人が多い山域や日程に限り…… といった所でしょうか。後は利用者の増加を期待するしか。
自分が最初にPRO TREK Smartを使い始めた頃に比べると、登山でスマートウォッチを使うハードルはかなり下がったように感じます。Apple WatchやWear OSスマートウォッチが手元にあれば、手軽に試すことができますし、使ってみて便利だと感じたらよりアウトドアに向いたモデルを検討するのもいいでしょう。
今から新たに登山用としてWear OS端末を導入するならやはりTicwatch Proかなぁ。