PEN Lite E-PL7とLUMIX G 14mm F2.5 ASPH.を手に入れてから、この組み合わせで持ちだす頻度がとても高くなっています。コンデジに近い感覚で鞄に突っ込めますし、使用時にはレンズを繰り出す必要もなく電源を入れれば即使用可能。
35mmフィルム換算で28mm相当という単焦点レンズは、GRやX70などのスナップシューターにも採用されている画角。実際に使ってみるとこの画角を持つカメラがスナップカメラとして人気な理由が分かって来た気がします。
単焦点1本で散歩するなら自分は広角が合ってるみたい?
以前も書いたかもしれませんが、私の場合50mm相当となる所謂「標準画角」だとスナップ用途にはやや長く(画角が狭く)感じられ、持て余してしまうことがあります。というか殆ど街歩きなどには使ってないことがLightroomのライブラリを検索して判明しました。
この鷺沼「とうふ屋うかい」に行ったときも、思い通りに庭が撮れなくて本当にもどかしかった…。着座した状態からお料理撮るのには、50mmは最適なのですけどね。
例えばこんな感じで、レストランなどのテーブルフォトには丁度いいのですが、同じ日に目黒や代官山、麻布十番を歩いた写真は全然残ってないのです(あるにはあるけど数枚撮って諦めた感じのものばかりw)
かつての広角基準だった35mm位でも「もう一声」と感じてしまう位。自分が被写体に対して向き合ったとき「見えている画角はもっと広いのに…」と感じてしまうのですよね。近寄りすぎなのかな?(笑)
美味しシーンを「切り取る」のが下手、と言われてしまうとその通りかもしれませんが、初めて28mm相当の単焦点を使うようになって、そんな違和感が一気に解消されました。「自分の標準画角はこれなんだ」とすとんと胸に落ちた感じ。
むしろ、なんならもう少し広くてもいいかな、とか思っちゃう位(笑)
食レポ写真に28mm相当は広過ぎる?
一般的に料理の写真を撮るにはパースペクティブの付きにくい、標準〜中望遠の画角がいいと言われていると思います。着座しているなら50mm位が使いやすいですし、引いて撮れるなら90mm位でもいいかもしれません。
90mm相当のM.ZD45mm F1.8を手に入れてすぐに使ったこのときは、広めの個室スタイルだったこともあって、いい感じに撮れたと思います。
28mm位の広角になるとパースもキツくなってしまいますし、周辺部の歪みが目立つ写真になりがちです。長方形のお盆なんて結構キツ目の台形になってしまいますね。
じゃあ28mm相当での料理写真はダメかというと決してそんなことはなくて、パースが気になるなら少し引き気味に撮ってトリミングをすればいいだけ。画角的にはそれで標準レンズで撮っているのと同じになります。
別に広告写真や商品撮影をしている訳ではないので、トリミングに対しての背徳感など捨ててしまいましょう(笑) というか最近の私の飯レポ写真はほとんど28mm相当で撮ってのトリミング。
周辺部まで使うにしても、直線を入れないなど歪みの目立たないような撮り方をする方法だってありますし、ミラーレスカメラなら(メーカーにも寄りますが)デジタルテレコンなどのクロップ機能を使うことで、ファインダーやLV画面も当該画角のノリで撮ることができます。
例えば次の2枚はデジタルテレコンを使い分けて撮ったもの。例によって18mmを使っているので、28mm相当と56mm相当。後でトリミングするのとは違い、感覚的には広角と標準画角のレンズを切り替えながら使ってる気分でした。
…と割り切ってから、街歩きも食レポも広角単焦点1本でいいや、と気が楽になりました。特にLUMIX G 14mm F2.5 ASPH.はパンケーキ型の薄いレンズということもあって、ちょっと大きなコンデジくらいのノリで持ち運べますし。
話題になるのはF値の明るい20mm F1.7の方ばかりなのですが、14mmは旧型からAFも速くて静かでしたし、画角だってこっちの方が使いやすいと思うんだけどなぁ… 私は。もっと広角なお散歩レンズが欲しくなってきた
さて、先日寄稿をしたSUUMOタウンの街記事では、OM-D E-M1にM.ZD 7-14mm PROという超広角レンズを使った写真をかなり使いました。街歩きでの超広角って「整理されてない写真」になる危険性も高いのですが、超広角レンズだからこそ撮れたシーンもあると思ってます。
例えば、この一枚。御殿坂という坂道を下っていくと、視界が開けた左手奥に東京競馬場のスタンドが見えてきた…。という状況を、複数の写真を使わず1枚の写真で見せることができました。
多様し過ぎると広さのインパクトばかりが目立ってしまいますし、私自身そんな使い方ばかりしてしまう所もありますが(下の写真とか完全にインパクト狙いw)、超広角の特性を生かした街スナップに俄然興味が湧いております。
そういえば超広角での街歩きに目覚めてしまったのは、今年小樽の街を歩いたとき以来かもしれません。
ただ、M.ZD 7-14mmというレンズはズームレンズですしMFTの中でも結構大きくて重たいレンズ。PENのような小型ミラレースと組み合わせるにはバランスも悪いですし、7mm側では前玉が出目金状態になって取り扱いにもやや気を使います。
ということで以下、私の物欲が垂れ流されていきます。PN-FのキットにもなったオリンパスM.ZDの12mmはコンパクトかつ広角、そしてF2.0という明るさで、恐らくこれを買えば幸せになれること確実なレンズ。ただし超広角の魅力に目覚めてしまった私にとって、24mm相当という広角はそれなりに広いものの「あと一声」欲しい画角でもあります。1本だけ持ってのお散歩レンズとしてなら風景からテーブルフォトまで間違いなく汎用性が高いですし、かつ広角感も演出できる絶妙さだとは分かっていても… うーん。
何故か、気づくとこっちのレンズのことばかり考えている私(笑) KOWA PROMINARの8.5mm F2.8。17mm相当という画角は間違いなく超広角域。恐らくテーブルフォトには使いづらくなるでしょうし、12mmのような汎用性がないのか明らか。しかもMFレンズですし。それなのに、このレンズを持って街歩きをすることを考えると、妙にワクワクしてしまう。なんて危険な匂いがするレンズでしょう…。7-14mmを持ってること、防塵防滴でないことなどを理由に思いとどまっておりますが、心のたがが外れることが恐ろしい…。
ペンタックスならばこれも楽しそう、DA15mm LimitedのHD版。APS-Cの15mmは35mmフィルム換算で23mm相当となり、MFTの12mmよりはちょっとだけ広い。コンパクトさもあって、K-S2よりK-S1に付けて使いたいレンズ。価格も比較的手頃ですが、開放値がF4とズームレンズと変わらないレベルなのが残念。屋内では必然的に感度を上げることになってしまいそうです。
それならいっそ「超広角しか撮れないカメラを使えばいいじゃない」なんて悪魔のささやきが聞こえてきました。変態カメラの呼び声高いdp quattroシリーズの中でもかなり振り切ったdp0。ボディも横に長ければ、レンズも長い。見た目は間違いなくヘンタイ! しかし、21mm相当という画角は、先ほどの流れから考えると私にとって理想的な画角に思えてくる不思議!
補正なしで歪曲収差0.5%というレンズスペックも凄いですし、一度Foveon使ってみたい魅力もありますが、「21mmしか撮れない、レンズ交換できない」という潔さに何故かもの凄く惹かれてしまう。コンパクトさからもほど遠いですし、もはやお散歩カメラとは呼べないレベルですが、魅力的なものはしょうがない。
超広角寄りのお散歩カメラなら、未だ発売日が未定なニコンの1型センサーコンデジDL18-50が私のニーズにドンピシャなのは間違いない。広角側の18mm相当も使えれば、ズームして50mm相当という標準画角まで使えてしかもF2.8という明るさ。ボケにそれほど拘らない(?)私にとって、SSを稼げる実用的なレンズの明るさがあれば1型センサでも充分でしょう。…なのですけど、PROMINARやdp0のような「持て余しそうだけど使ってみたい!」という強烈な引きがないのも事実。手にする前から分かってる優等生感が、なぜか本機に対する魅力を相殺してしまうという不思議な矛盾です。いや、でも欲しいですけどね(笑)
「欲しい欲しい」と騒ぎながら何も手にしないのが一番平和ではあるので、なるべく14mm F2.5や7-14mmを持ち歩くようにして、おかしな行動に出ないよう気を付けたいところ。暑さで頭をやられ始める頃が一番危険なので、この夏を乗り越えることが当面の目標でしょうか…。Twitterを見ていると、景気のいいつぶやきがあちこちから聞こえてきて、恐ろしい恐ろしい。