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標高2000mに広がる雲の上の牧場と電波塔群:美ヶ原高原パノラマハイキング

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9月4連休の最終日。長野県の美ヶ原高原に行ってきました。

雲の上に広がる標高2000mの広大な牧草地でのんびりと草を食む牛たち。高原の各所から日本アルプスや八ヶ岳といった周囲の山岳景観を望む素晴らしいハイキングエリアでした。

連休最終日なので早めに長野を発てる美ヶ原高原へ

前日に乗鞍岳にて久々の都外ハイキングを楽しんだ我々。多少足はなまっていたものの、とりあえず日帰り程度なら問題なさそうです。もう少し登山らしい山に行くことも考えたのですが、天気予報では北アルプス周辺は曇り予報(結果的には晴れていましたが)。

なるべく晴れそうな場所がいいなと八ヶ岳と美ヶ原高原を候補にしましたが、どうやら連休後半の中央道渋滞がかなり酷いことになっているようなので、午前中にはハイキングを切り上げて帰路に付ける美ヶ原高原が無難そうです。

「美ヶ原高原」は近くの霧ヶ峰(車山高原)と並んで観光地要素の強い高原景勝地。日本百名山にも数えられる立派な山ながら、なぜか今まで登山の候補地に選んだことはありませんでした。八ヶ岳なら東京からも行きやすいですし、せっかく松本まで来ているのだしいい機会かもしれません。

美ヶ原高原があるのは長野県の「八ヶ岳中信高原国定公園」の北西部。地図で言えば霧ヶ峰や諏訪湖から北、松本から東に位置していて、上田市と松本市、小県郡に跨っているようです。

東西に広い高原を囲うように西の端に最高峰の「王ヶ頭(2034m)」、南に「茶臼山(2006m)」(今回は行かず)、東に「牛伏山(1990m)」などがあり、牛伏山の麓に「美ヶ原高原美術館」と約800台止められる大型の駐車場を擁する「道の駅美ヶ原高原」があります。駐車場は王ヶ頭の側にもありますが、東京へ帰ることを考えると、ビーナスラインの終点でもある道の駅を拠点にするのが良さそう。

松本市内から美ヶ原高原までは、アザレアライン(主に長野県道67号)で扉峠まで出て、そこからはビーナスラインで道の駅(美術館)を目指すコース。全体的に整備された走りやすい峠道ですが、アザレアラインの途中からはガスで視界が10mもなくて少々難儀しました。67号といえば、昔ナビに指定された扉峠〜松本間の松本和田線がかなり凶悪な狭隘路で、ここだけは走らないよう、今回もナビとGoogleマップを入念に確認しましたっけ(現在通行止めらしい)。

連休中日には霧ヶ峰から繋がるほどの渋滞や駐車場の混雑もあったようですが、22時頃に到着した美ヶ原高原は完全に霧の中で、道の駅駐車場も車中泊らしき車が2〜3割埋まった程度(夜中の標高2000mにしては多い?)。道の駅にはウォシュレット完備の綺麗なトイレもあって、とても快適です。

久々の車中泊でサーマレストを忘れてしまいましたが、車常備の銀マットとシュラフでなんとか寝られる環境を整えます。気温は恐らくひと桁で外はかなり肌寒いですが、車中泊には丁度いい気候です。

虚無の美ヶ原高原、牛伏山からハイキングスタート

当初のプランとしては日の出前に牛伏山の山頂から朝活スタートでしたが、夜明け前に目を覚ますと夜から引き続き外は真っ白……。結局日の出時間を過ぎてもガスは晴れることなく、明るくなってからスタートします。まるで月のような太陽……。

美ヶ原高原美術館は主に彫刻などが屋外の庭園に展示された美術館ですが、屋内ギャラリーと受付等は、道の駅美ヶ原高原と共通の建物になっています。そんな建物の横にハイキング道の入口。

牛伏山に掛けては木道の緩やかな斜面を10分ほど。ずっと真っ白でしたけども……。

すぐに牛伏山山頂(1990m)。ガスの中に何かいる……と思ったら牛でした。そう、美ヶ原高原の広範囲は「美ヶ原牧場」になっていて、牧場の真ん中をハイキングコースが走っている感じの高原です。



何も見えないので苔でも見るか……。

牛、見えますか?

牛たちの牧草地の中に人間用の通路を通らせて貰っている感じ?

牛ってクマザサ食べるんですね、知らなかった(調べたら食べるみたいです)。


30分ほどで町営無料駐車場と隣接する「山本小屋ふる里館」。


まだ虚無は続きます……。

「美ヶ原高原ホテル山本小屋」の横にポニーがいました。

100円のニンジンへの食いつきが良い。


突然虚無が晴れ、目の前に広大な高原が!

急にガスが晴れてきました。

有名な電波塔群が見えました! ようやく美ヶ原高原に来ている気分が出てきました(笑)

突然の青空、そして牛。その先には雲海。そう、ここは標高2000mに広がる雲上の高原です。

それにしてもこんな広大な平原だったとは……。電波塔群がある場所が王ヶ頭。


振り返って正面のなだらかな山が、朝は虚無につつまれていた牛伏山。

「美しの塔」。向こうに見えるのは八ヶ岳。

THE高原! Windows XP度は霧ヶ峰の方が上か?

ミニ富士山のような蓼科山から南八ヶ岳の半分はまだガスの中。

青空と高曇りが交互に訪れる。あまり山の上の気分ではありませんが、やはり雲の動きが早いです。



富士山・八ヶ岳・アルプス、色々な山が見えている

北アルプスも見えました。右は針ノ木と向こうに立山?

噴煙を上げる浅間山。

富士山も見えました。

牛と八ヶ岳と富士山。

雲から顔を出している爺ヶ岳、鹿島槍ヶ岳、五竜岳。

牛を見つつ王ヶ頭へへの緩やかな登り。


牛の向こうに御岳から昨日行ったばかりの乗鞍。

御嶽山。

牧場、王ヶ頭、雲海に浮かぶ北アルプス。

穂高連峰から槍ヶ岳は今日もよく見えます。

前日はここから見えている(写真の)左側の乗鞍から右側の穂高連峰を眺めていたのでした。

牛、牧場、王ヶ鼻、雲海、御岳、乗鞍、北アルプス…… 情報量が多い。

電波塔群と建物(王ヶ頭ホテル)ある一番高い所が王ヶ頭、その左手の1段低い崖が王ヶ鼻。

王ヶ鼻の上に人が居るのが見えます(あそこまで行くつもりが行きそびれることに……)。

舗装こそされていませんがホテルのバスも走るような道なので、スニーカーでOKです。


美ヶ原高原高原最高峰、王ヶ頭へ

山頂に電波塔が並ぶ王ヶ頭までやってきました。奥の建物は王ヶ頭ホテル。


ホテルと電波塔群の間を抜けて行くと見晴らしのいい場所に出ます。


王ヶ頭、2034m。

右手の奥が王ヶ鼻。北アルプスと雲の高さがよく分かります。

乗鞍の手前だから松本の町かな? 川っぽいのが犀川?

王ヶ鼻の電波塔の向こうに大キレット。槍穂オールクリアですね。

向こうの王ヶ鼻まで20分ほど。王ヶ頭と王ヶ鼻の南斜面は結構崖になっています。

御岳から北アルプス殆ど見えてる。

南斜面を見下ろして。この下に車を止めて登ってくるコースもあるみたい。

緩やかな美ヶ原高原の端は険しい崖になっているのでした。


王ヶ鼻の先に行きそびれる……

王ヶ鼻側より王ヶ頭を振り返る。

王ヶ鼻にも電波塔がいくつかあります。


ここで勘違い。電波塔の下まで来て、手前のアンテナに塞がれたがっかり景色をなぜか王ヶ鼻の端だと思いこんでしまった我々……。本当はこの手前から崖の方に出る道があったはずなのですが、王ヶ鼻がどんな場所か何も調べてなかったので、手前まで来ていながら肝心の王ヶ鼻に行きそびれてしまいました。
次回は忘れないようにしよう……。

とりあえずアンテナの向こうに回り込んで、北アルプスを一通り見る。



とかしている間に雲が増えてきました。そろそろ戻りましょう。



富士山、南アルプス方面はすっかり雲に覆われてしまいました。

太陽に向かって歩く。


9時を過ぎると牧場に観光客の姿が増えてきました。

牛が増えてる?(集まった)

再び牛伏山より。なんとか見えている北アルプスもそろそろ雲に隠れてしまいそう……。


再び美ヶ原は雲の中に……

再び雲に包まれそうな美ヶ原高原美術館に戻ってきました。6時にスタートして10時過ぎの戻り、7時からの2時間ぐらいが雲が晴れたお天気を楽しむことができた時間でした。午前中に絞ったハイキングで結果的には正解でしたね。王ヶ鼻には行きそびれましたけど(笑)

途中、山本小屋ふる里館で買ったチーズケーキ。

結局、道の駅からは何も見えなかったなぁ……(笑)

連休最終日、思ったより道の駅は混みませんでした(8割ぐらい?)。


この日の活動データ

ほぼ平坦を歩くだけのハイキングコース。牛伏山、王ヶ頭、王ヶ鼻の周辺で若干の標高差が発生します。基本的にはスニーカー程度で十分歩けるコースですが、標高が高いので気温や天気の変わりやすさは山。防寒、雨対策は忘れずに。


午前中には長野を出たのに結局渋滞……

帰りのビーナスラインも美ヶ原方面は全く渋滞などありませんでしたし、我々も岡谷ICまではすんなり(霧ヶ峰経由で諏訪ICかと思ったら、ナビで岡谷に案内されました)。

予定通りに12時前には中央道に乗れたものの、その時点で既に勝沼付近の事故渋滞に、八王子JCTを先頭にした渋滞が始まっていました……。連休最終日恐るべし。笹子トンネルで軽い渋滞を食らいつつも14時前に初狩PA(に入るのに10分ちょっと並ぶ)で吉田のうどん小休止。


その後、大月から府中までの渋滞についてはもう思い出したくもありません(苦笑)。まさか小仏トンネルを抜けても、八王子料金所の先にまで渋滞が続いているなんて(料金所過ぎの合流がカオスだった)。

まあ、シルバーウィークの最終日、お馴染みの秋の行楽渋滞と言ってしまえばそれまでですが、大月の先から国立府中まで渋滞に付き合ったのは、今まで経験がないレベルかも。
我が家同様、今まで都外移動を我慢していた人たちが一斉に行動を解禁したことが重なったのもあるかもしれませんし、やはり公共交通に比べるて密が生まれにくいマイカー需要が高まっているのも感じます(今回いつになくカーシェアやレンタカーを多く見ましたし)。

初日に行った乗鞍にせよこの日の美ヶ原にせよ人気の観光地ではあるものの、開放された山や高原に出れば三密とは無縁の開放感があります。今後ますますそんなアウトドアの需要は高まると思いますが、交通インフラや宿泊、駐車場といったボトルネックでの渋滞・混雑はどうしても発生してしまいます……。

せっかくアウトドアでの開放感を目当てにしても、これらのボトルネック問題はすぐには解決できないでしょう。個人でできる対策としては結局タイミングと行き先をズラす以外に方法はありませんし、かといって行き先ぐらいは自由に選びたいものですし、どうしたものかと頭を悩ませてしまいます。いよいよGO TOトラベルキャンペーンに東京が対象となる10月以降どうなってしまうのか……。

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