近所を散歩したり、川で野鳥観察をしたり緑地に写真を撮りに出掛けたり、買い物や車の運転の際にも、そんな日常の外出の際によく履いている靴の話。
昨年末、ニューバランスのスニーカーをレコメンドする記事をホッテントリ経由で読みました。ニューバランスにゴアテックスのウォーキングシューズがあるなんて知りませんでした。妻がここ最近、防水のローカットシューズを持ってなくて、私と散歩に出掛けると突然川を渡らされたりしてよく浸水してるので早速紹介しておきました。
私も普段からゴアテックスのハイキングシューズを履いて歩き回っているので(防水でない所謂普通のスニーカーはかなり長いこと履いた記憶がない)、今回はそんなお気に入りの靴を紹介してみます。
それがサロモン(SALOMON)の「XA PRO 3D GORE-TEX」というモデル。サロモンは山系のスポーツブランドで、スキー用品のブランドとしてもよく知られていると思います。
サロモンの靴は当然アウトドア用途のラインナップが中心になっていて、その中で「XA PRO 3D GORE-TEX」はトレイルランニングやハイキング用途のモデルになります。同社のハイキングシューズの中ではかなり古くからある定番モデルで、最新モデルの型番は「XA PRO 3D v8 GORE-TEX」となっているので、何世代にも渡ってアップデートを繰り返しているようです。
妻と奥多摩の山に行くようになった頃に、好日山荘でセールになっていて試着した感じも良かったので購入したのがこの靴でした。しばらくこの靴で奥多摩の低山ハイクを楽しんでいました。軽くてグリップも効きそこそこにクッション性もあり、日帰で低山を歩くには結構いい感じでした。
八ヶ岳に行くようになった頃からはハイカットの登山靴も買い足し、現在登山の際にはハイカットの登山靴を履くことが多いのですが、上高地や乗鞍、霧ヶ峰など平坦が多かったり、それほど足に負担がないハイキングのときはたまにローカットの靴も履いています。
XA PRO 3D GORE-TEXは履き心地は良かったのですが、見た目(主に色)があまり街向きでないこともあって、スイス旅行に行く際に都市部とアルプスのトレッキングコースを歩くのにモンベルの「クラッグステッパー」(これもゴアテックス採用のハイキングシューズ)を買ってから、やや出番が減っていました。
クラッグステッパーと合わせて手元には残していて、2足を使い分けていたのでどちらも結構長持ちしてくれました(クラッグステッパーはソールが減ってしまったので先に処分)。それでもややくたびれてきたこともあり、一昨年に買い換え。2足目はもう少し普段でも使いやすいようにと、黒系の色を選びました。
世代が違うのでソールパターンなども変化しています。以前のモデルは雨の日の駅やコンビニ、リノリウムの床などでやたらと「キュキュッ!」と大きな音が鳴ってしまってやや不満でもあったのですが、買い替えた2代目のソールではそんなことはありませんでした。良かった。
重量はカタログ値で380g(27cm)と、軽量スニーカーやランニングシューズに比べたらそこまで軽い訳ではないものの、普段履きからちょっとしたトレイルも安心して歩ける靴としては十分に軽量です。
買い物、屋外での写真撮影、バードウォッチング、軽いハイキング(含む旅行)、登山に出掛ける際の運転…… 全てこのXA PRO 3D GORE-TEXを履いています。元々トレイル(不整地)用に作られている靴なので、都心近郊の緑地程度ならば十分過ぎる安心感で歩くことができます。
普通の散歩ではあまり靴が汚れたり浸水することは少ないのですが、都内でも緑地や河川敷、公園などを歩いていると頻繁に水たまりに突っ込んだり、濡れた飛び石を渡ったり、泥濘んだ湿地を歩くことはあります。
ローカットなので決して浸水しない訳ではないですが、雨の日だったり浅い河原程度なら安心して歩き回れるのがゴアテックス靴の良いところ(ちなみにゴアテックスの靴は素材全てが防水という訳でなく、内側にゴアテックスファブリックの袋が入っている仕組みなので、一旦中に水が入ってしまうと防水袋の中に水を溜めるような状態で、かえって乾きが遅いという弱点もあります)。
自分の場合は撮影目的の外出では森や湿地帯に踏み入ったり、買い物に出掛けたついでで気になる緑地に入ったり、高尾山程度のハイキングコースをいきなり歩くこともあるので、街歩きで履いてもギリ恥ずかしくない程度のハイキングシューズを普段から履いている方が何かと理にかなっているのです。
今の時期はローカットシューズだと足首から冷気が入って冷えるので保温材が入ったライトなスノーブーツも履いていたりするのですが、やはりそれなりの時間や距離を歩く際にはどうしても足への負担があるので、「XA PRO 3D GORE-TEXを履いてくれば良かった……」と後悔することもあります。
サロモンのクイックレースは脱ぎ履きがめちゃめちゃ楽
ここまでだとよくあるアウトドアブランドのハイキングシューズってだけですが、サロモンの靴の多くに採用されている靴紐代わりの「クイックレース(QUICKLACE)」が本当に楽チンなのです。
クイックレースは靴紐の変わりに細いワイヤーが通っていて、タンの部分でワイヤーを引っ張りストッパーを締めて固定すれば、紐をしっかり結んだのと同じ状態になります。靴紐と同じなのでキツく締め上げることもできれば、ゆるく結んだように履くこともできます。
ストッパーは指で摘んでスライドさせるだけですが、履いていて自然に弛むこともありませんし、緩める際も摘んで引っ張るだけ。余ったワイヤーと持ち手の部分はタン部分のシューポケットにしまうことができます。
動画を見た方が手っ取り早いかも……。
クイックシューを緩めてある靴には当然そのまま足を突っ込むだけでOKですし、整地を歩くだけならスリッポンやモックのように紐を緩めたままの状態でも普通に歩き回れます。
ちゃんと歩こうと思ったら、クイックレースを締め込めば両足で5秒とかからずきっちり履いた状態にできます。走る訳でもなければ余ったワイヤーをシューポケットに入れない状態でも特に邪魔ではないですし(個人差はあると思うけど)、靴の構造上、左右の足同士で引っ掛ることもありません(ハイカットの登山靴を上まで結ばずに緩めて履くと、逆足の紐を未使用のフックに引っ掛けて転んだりする危険がある)。
もちろんあまり長くブラブラさせてしまう場合、自転車などでは注意した方がいいかもしれませんけど。
フィット感はピッタリ目の靴ですが、自分の場合は幅広型ながら甲の高さがないので必ずしもワイドタイプの靴が合う訳ではありません。同じサロモンの同じサイズでも別のモデルを試着した際にはややキツく、ワイドモデルの方が良かった記憶もあるので、足との相性はしっかり試し履きをして確認する必用があります。
サロモンのクイックレースが使われたハイキングシューズにはよりオールラウンドなX ULTRA(現行モデルはX ULTRA 3からX ULTRA 4に代替わり中)や軽量モデルのOUTlineなどいくつもの種類があるので、サロモンのシューズに興味を持ったならばそれらも併せて試着してみるといいかもしれません。
XA PRO 3DとX ULTRAはAmazonでもよくセール価格になっているので(サイズや色にもよりますが1万円程度になることも)、自分の足にあったモデルさえ分かっていれば結構お買い得に手に入れることもできます(返品作業が面倒でなければAmazonでも複数サイズ、モデルを購入して比較試着することはできますけども)。
現在、XA PRO V8 GORE-TEXの一部の色がセール価格の上に10%OFFクーポンの対象となっているようです。
ちなみにサロモンのクイックレースは交換用として個別に売られているので、既存の靴に後付で取り付けることも可能なようです。一度試してみたい気もしますが、普段履きのスニーカー的な靴は現在サロモンしか持ってないんですよね。