もうしばらく関東甲信の梅雨は続きそうですが、現在使っているレインウェアやこれまで使ってきた透湿防水素材のレインウェア各モデルについてまとめてみました。
防水透湿素材レインウェア遍歴
雨の日の釣りや登山、写真撮影などの野外活動では、傘ではなく上下セパレートのレインウェア(カッパ)を着用します。ある程度動きを伴う活動の場合、雨は通さない(防水)けど水蒸気は通す(透湿)、「防水透湿素材」を使ったレインウェアを使うことになります。代表的なものがゴアテックス(GORE-TEX)ですが、今回はそんな機能性素材のレインウェアについて今まで使ってきた各モデルの感想などをまとめてみます。
元々は雨の日に釣りをするのが目的で、石井スポーツのオリジナルモデルで上下1万円弱のレインウェアを購入したのがスタート。その後、本格的に釣りにハマったことで、ゴアテックス製のレインウェアが欲しくなりました。当時、釣り界隈ではモンベルのストームクルーザーやレインダンサーが定番でしたが、派手目の1色のレインウェアでなく、差し色が入ってるようなデザインに惹かれて買ったのがこちら。
THE NORTH FACE「レインテックス」
- マウンテンレインテックスジャケット(メンズ)(NP12333)- THE NORTH FACE公式通販|セール
- 耐水圧&透湿性:ゴアテックス(3レイヤー)の参考値
- 耐水圧:45,000mm
- 透湿度:13,500g/m²/24h
現在もモデルチェンジを重ねてラインナップされてる、ノースフェイスのゴアテックス(3レイヤー)採用レインウェア「レインテックス」。当時は上下セット販売で4万円ぐらいだったかな?
これはとても優秀で、釣り程度の運動量なら汗蒸れを感じることもなく真夏の台風の中でもよく着ていました。襟に収納できるフード、ポケットの形状も使いやすく、ロングセラーになっているのも納得のモデル。
破れた箇所はリペアキットで修復しながら、かれこれ10年近く使ってました。ゴアテックスの耐久性なのかノースフェイスの作りが良いのか、シームテープが剥がれることもなく(他メーカーの防水ウェアは数年使っているとシームテープが剥がれたりする)使い続けることができました。
後半はパンツのお尻がすり減って、さすがに浸水するようになっていましたが……。
登山で使うにはちょっと重くて嵩張りますが(現行のマウンテンレインテックスジャケットでもジャケットのみ500gあります)、定番のデザインには安心感があっていつかまた使いたいレインウェア。
ところで、ノースフェイスのゴアテックス製レインウェアといえば、C-KNITを採用した「クライムベリーライト ジャケット」は既にラインナップから消えてるのですね。妻はずっとこれを使っていますし、マウンテンレインテックスだとちょっと重すぎるので残して欲しかったモデルかも。
モンベル「トレントフライヤージャケット」「ストームクルーザーパンツ」
- モンベル | オンラインショップ | トレントフライヤー ジャケット Men's
- 耐水圧&透湿性(現行モデル):
- 耐水圧:50,000mm以上
- 透湿性:44,000g/m²/24h
登山をするようになり旧型のレインテックスは重くて嵩張るからと買ったのが、モンベルの「トレントフライヤージャケット」と「ストームクルーザーパンツ」でした。
どちらもゴアテックスのレインウェアですが、「トレントフライヤージャケット」は2レイヤーのゴアテックス パックライトを使った薄くて軽量なモデル(現行モデルはパックライトプラス)。ただしパンツは薮や岩で擦れることもも考えて、3レイヤー ゴアテックスが使われている「ストームクルーザー」にしました。
トレントフライヤージャケットは軽くて当初は問題なく結構使えていましたが、透湿性に関しては数値が上がったからといっても体感での劇的な変化はなし。
釣りとは違って登山レベルの運動量になると、素材の透湿性だけでは汗蒸れが解消されることはなく(防水透湿素材全般に言えますが、ウェア内の湿度が100%を越えてから透湿が始まるのと、内側が完全に濡れてしまうと透湿性は落ちてしまう)、ジッパーを開けるなど力技で対処する必要があります。
軽いのでウインドブレーカー的用途でも使っていましたが、ゴア バックライト特有の素肌にペタペタとくっつく着心地がイマイチだったり、軽量モデル故にカッティングもシンプルでフードも簡易的、撥水性の著しい低下、強い雨天での登山で夫婦揃ってかなり濡れたこともあって買い替えることに(結露による濡れもあったと思いますが、シームテープが細く縫い目周辺の浸水が怪しかった)。
それでも4年ぐらいは使っていたと思います。
finetrack「エバーブレスフォトン ジャケット」
- エバーブレスフォトン | 国産アウトドアブランドのファイントラック
- 耐水圧&透湿性:
- 耐水圧:20,000mm
- 透湿性:10,000g/m²/24h
ゴアテックス以外のレインウェアに興味があったので、国産ブランドのファイントラックが開発した防水透湿素材「エバーブレス」のレインウェアを使ってみることにしました。
レインウェアとしての性能は特に問題なかったのですが、当時のモデルはポケットが内側に1個のみだったり(現行モデルは外に1つ増えた)、夏山レイヤリングに丁度ぐらいのサイズを選んだこともあって、防寒着を着る秋や残雪期の使用も考えると、もう少しサイズに余裕のあるものが欲しくなり、2年ほどで買い替えを検討することになりました。使用回数はかなり少なかったと思うのですが、内ポケット上部に破れなどが出ていて(メルカリで売る際に気づいた)、素材の強度には少し疑問を持ったモデルかも。
付き合いは短かったものの、このエバーブレスファブリクスを使ったことで「別にゴアテックスでなくても大丈夫そう」なことも分かりました。耐水圧20,000mmはゴアテックスに比べると低い数値ですが、大雨レベルにも耐えられるとされる耐水圧ですし、なによりストレッチ素材は体が動かしやすくニット風(C-KNITにも似てる)の裏地の着心地も良かったです。
MILLET「ティフォン 50000 ストレッチ ジャケット」
- ティフォン50000ストレッチ ジャケット | ミレー(MILLET)公式オンラインストア
- 耐水圧&透湿性:
- 耐水圧:20,000mm
- 透湿性:50,000g/m²/24h
2019年、当時ネット広告にも力が入っていたミレーの「ティフォン 50000 ストレッチジャケット」を試着したところ、いい感じだったので購入。これまで使ったレインウェアの中では最も柔らかな生地で、当初は耐水性能などやや不安になりましたが、今現在まで縫い目を含めて浸水などはありません。
すでに3年ぐらい使ってますが、個人的はかなり気に入ってるレインウェアです。
ポケット内がメッシュになっていて、ベンチレーションの役割も果たしてくれます(開けっ放しの行動は、当然中身を落とすリスクが高まりますが)。透湿性の数値はかなり高いですが、ゴアテックスより優れてるという感覚はなし。発汗量の多い活動を続けていれば、中に着てるシャツは普通に汗で濡れてしまいます。
重量はMサイズ(ユーロS)で実測288gなので、現行トレントフライヤージャケットなど200gを切る軽量レインウェアほどではありません。スタッフサックは付属しませんがフード部分のゴムとフックでジャケットをロールさせた状態で固定することができます。スタッフサックをなくす心配がないのでむしろ安心かも!?
防寒着の上にも着られるサイズを選んだので、残雪期のハードシェル代わりにも使おうと思っていたのですが(残雪期は雨が降るし、重量もハードシェルの半分以下)、GWの立山で使った際には予定していた縦走を諦めるぐらいの爆風に吹かれたこともあって少々頼りなかったです(笑)
買い替える予定はないのですが、山で目立つことを考えて選んだオレンジ系が市街地では少々派手に感じていて、ホワイト系やグリーン系などもう少し地味な色も欲しくなってます。とはいえ登山以外でレインウェアを着るシーンもかなり限定されるので、さすがに勿体ない気もしますが……。
ずっと使っているストームクルーザーパンツ
- モンベル | オンラインショップ | ストームクルーザー パンツ Men's
- 耐水圧&透湿性(現行モデル):
- 耐水圧:50,000mm以上
- 透湿性:35,000g/m²/24h
トレントフライヤー ジャケットと同じタイミングで買ったストームクルーザーパンツですが、実は未だに使っています。撥水性が落ちている以外は防水性能に問題はありませんし、買い替えるほどでもないかなと。シルエットはややダボッとしてますが、Sサイズ/ロングというサイズも丁度良い感じ。
パンツのみの実測207g、ジャケットとセットで500gを少し切るぐらい。現行モデルのストームクルーザー(C-KNITの3レイヤーゴアテックスになってます)だと上下セットで450gになるようです。
サイドのジッパーが膝ぐらいまでしかないので、登山靴を履いたままの着脱では靴によって引っかかるので、買い替えることがあるならジッパーがベンチレーション一体でかなり上まで上がって、素材にストレッチ性のあるファイントラックの「エバーブレスフォトンパンツ」が気になっています。
防水透湿素材についてはそこまで詳しく載っている訳ではありませんが(単独で入手できない素材はテストの対象にもなってない)、アウトドア系の生地については以前買ったこの本が面白いです。