以前からアウトドアウェアの「ソフトシェル」が気になっていました。レインウェアや冬山の必須アウターである「ハードシェル」(雨・風・雪から身を守る文字通りの「殻」)に対して、近年グングンとそのシェアを広げているソフトシェル。
風を防ぎ、小雨程度ならレインウェアいらずの高い撥水性、通気性とストレッチ性の高さでハードシェルにはない着心地の良さを実現。レインウェア、ウインドブレーカー、薄手フリースのいいとこ取りのようでもあり、どこか中途半端にも感じていたのがソフトシェルです(高級ジャージなんて言われたり?)。
ずっと気になりつつも急を要することもなく(なきゃないで困らないので)、本当に自分に必要なものなのかと、登山に行くようになって5年近くも手を出していなかったのですが、この度ようやく導入しましたよ、という報告になります。
- finetrackの「ニュウモラップフーディ」が気になっていた
- 2017年秋 後継モデルの「フロウラップ」が発売に!
- フロウラップ&ニュウモラップの両方を試着した結果…
- 早速、着てますがいい感じです!
- 追記:フロウラップフーディも我が家にやってきた!
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finetrackの「ニュウモラップフーディ」が気になっていた
今まで山での防風対策は「レンウェアで十分」と思ってましたし、気温の下がる時期も化繊やメリノウールのロングスリーブTシャツを着ていれば(最初は少々冷えても)行動中は丁度よくなると、そこまでソフトシェルの必要性を感じていませんでした。防寒はダウンやフリースがありますしね。
しかし、秋〜冬期に森林限界を超える山に行くようになると、常に吹き付ける風で体温が奪われますし、かといってレインウェアでは行動中に汗で群れてしまいがち…。
フリースやシェルを脱ぎ着して調整するよりも「こんなときソフトシェルがあれば…」と感じることが増えてきました。
ネットの記事などを見ていて気になったのがfinetrackの「ニュウモラップフーディ」です。
実際に店頭で試着してみると「こりゃええわ」と、今年の春頃から購入を検討していたのですが、他にも色々と入り用があったりで伸び伸びに。そうこうしてるうちに秋が近づき、finetrackからはニュウモラップの後継となるソフトシェル(finetrack社のレイヤリングシステムでは「L4ミッドシェル」の位置づけ)の発売がアナウンスされてしまいました。
2017年秋 後継モデルの「フロウラップ」が発売に!
そして先月頭に発売されたのが、finetrackの最新L4ミッドシェル「フロウラップ」です。
ニュウモラップ® | 国産アウトドアブランドのファイントラック
フロウラップ® | 国産アウトドアブランドのファイントラック
新しいものが出るなら当然そちらの方がいいのだろう… と、狙いは一旦フロウラップに傾いたのですが、どうやらニュウモラップとフロウラップは同型、同機能のソフトシェルながら、使われているメンブレン(生地)の違いで着心地などに多少の変化があるみたい。
生地の素材はゴアテックスの「ウインドストッパー」から、自社開発の「エバーブレスメンブレン」に変更となり、ストレッチ性や耐摩耗性(ニュウモラップ比2倍だとか)を高めること、でよりハードな環境での使用が可能となっているとのこと。
ただし、その代わりに若干の重量増と着心地の変化があるようです。エバーブレスメンブレンのウェアは少し前からレインウェア(フォトン)を使っていて、着心地の良さやストレッチ性の高さは実感していましたが、やはり実際に着比べてみないと決め切れません。
フロウラップ&ニュウモラップの両方を試着した結果…
そして、finetrack製品の在庫が充実している(専用コーナーのある)新宿の石井山専新宿東口ビックロ店ならば、フロウラップとニュウモラップの両方を試着して比べられるとTwitterで情報をゲットして行ってきたのが先月のこと。
実際に両方を着比べてみると、思ってた以上に着心地が異なります。確かにフロウラップは生地がしっかりして丈夫そうになっているのに、伸縮性の高さも感じます。しかし「とても着心地の良いレインウェア」とでも表現できそうなシャカシャカした素材感は、最初にニュウモラップを試着した際に驚いた、バツグンの着心地とは異なるものです。
結局「ニュウモラップフーディ」を買いました
さらにfinetrackのオンラインストアでは売り切れていたSサイズの赤の在庫があったことも決め手となり(次点で黒を選ぶつもりでしたが、山でのアウターはできれば派手な色を着たいので)、結局旧モデルのニュウモラップフーディのお買い上げとなりました。
私が感じた着心地の違いについては、お店の方も「分かります」と仰ってましたし、やはり同様の判断をされるお客さんもいるそうです。もちろん山で使う上での性能ならば新製品の方が完成度が高いのだと思いますが、今回はスペック面での進化よりも「実際に着てみたい」と感じる方を選ぶことになりました。
フロウラップはこれからどんどん市場に出回って行くと思いますが、私のようにニュウモラップが気になっていた方や、両方試着してから判断したいという方は市場在庫のある今のうちに動いた方がいいかもしれませんね。
早速、着てますがいい感じです!
ニュウモラップフーディは既にfinetrackのオンラインストアと市場在庫のみとなってしまった商品なので、今更ブログ記事でレビューを書いても仕方ないのかもしれませんが、とりあえず何度か着用してみての感想を書いておきます。
すぐに山で使うことがなかったので外出時の上着変わりとして鞄に入れて持ち歩いていたのですが、最初に活躍したのは外出中に突然の雨に降られたとき。レインウェアではありませんが、それなりの雨を浴びても30分程度では水が入ってくることはなく(生地が保水することもなく)、表地は見事に水を撥水し続けてくれました。
先日の八ヶ岳でも赤岳の山頂で休憩していると徐々に冷えてきたのでニュウモラップフーディを羽織って、そのまま下山時も着続けていました。歩き続けて体が汗ばんでくるとやはりそれなりに暑いですが、通気性の良さとベンチレーションの効果もあり、ザックを下ろして脱ぐまでもないかな… と最後まで着続けていることができました。
朝一番の体が冷えてる状態からのスタートにもピッタリでしたし、高い標高での稜線歩きには間違いなく活躍してくれそう。さすがに午前中の登りでは途中で暑くなって脱ぎましたが、クルクルと丸めるとかなりコンパクトになるので、ザックの上蓋やポケットにさっと突っ込むことが可能です。
薄い生地なので保温性は大したことないかな… とも思っていたのですが、肌に直接触れるニット素材のサラサラ感もあってか、羽織っているとかなり温かく感じます。汗をかいた際にレインウェアのようにベタベタとしないことも特筆事項かもしれません。
透湿性、汗抜けについては流石に同社のドラウトレイのような効果はなく、着続けているとそれなりに裏地に「濡れてる感」は出てしまいますが、もちろんハードシェルとは雲泥の差ですしレイヤリングの効果もあって触るまでは気になることはありませんでした。
これからの時期、紅葉が深まる秋山で活躍してくれそうなのはもちろんのこと、冬の低山ハイクに、また晴れた日の雪山登山もニュウモラップフーディ(+ドラウトレイ)で十分行けそうだと考えています(もちろんその際にもハードシェルは携行しておくつもりですが)。
ソフトシェルは中途半端? なんて考えていたこともありますが、実際に使ってみるとこの快適さはもう手放せなくなりそう。もっと早く着ておくべきだった、なんて思いつつ妻にも猛プッシュしている最中です(笑)(彼女はフロウラップを買いそうな雰囲気…?)
追記:フロウラップフーディも我が家にやってきた!
案の定というか(?)妻が「フロウラップフーディ」を買ってきました。やはりニュウモラップと両方試着して比較した結果、彼女は新しいフロウラップを選んだとのこと。一番の要因は「色」だったようですが(笑)、着心地やストレッチ性などフロウラップが満足できるものだったようです。
改めて私のニュウモラップと比較してみると、やはり生地がかなりしっかりしている印象があります。「ブ厚くなったのでは?」という印象も受けますが、小さく折り畳んででみると収納性は殆ど差がないことが分かりました(メンズSとレディースSの違いはありますが)。
裏地の色がグレーになっているのはエバーブレスエアの裏地の素材の色なのでしょうね。胸ポケットの角度が若干ナナメに変更されたのは、使い勝手を考えてのことだとか。
ピットジップが止水ファスナーに変更されより浸水しにくく、さらに着用時のチャックの上げ下ろしがスムーズになっているそうです。
妻とは山行ペースがほぼ一緒なこともあるので、今後同じような環境で両方のソフトシェルを使い、フィールドでの使用感、また耐久性などを比較していければと考えています。