以前から気になっていた、Peak Design社のワンタッチストラップ着脱システムを使い始めることにしました。今回買ったのは「アンカーリンクス AL-2」という製品です。
Peak Design社の製品は、現在バックパックホルスター(カメラクリップ)の「Capture PRO Camera Clip」を使っているのですが、それ以外にもストラップやカメラバッグなど、カメラ携行周りをシステマチックに運用する製品が多数ラインナップされています。かつ、全てをPeakDesign製品で揃えずとも、自分のシステムに必要な製品のみ、柔軟に取り入れ組み合わせることができるのも同社製品の魅力。
その中に「SLIDE」という速写ストラップを軸にアンカーと呼ばれるパーツを介し、カメラとストラップをデタッチャブルに交換可能なシステムがあります。私が普段よく見ているカメラ・写真ブログの方々も使っていて、ずっと気になっていたものです。
Peak Design のカメラストラップ「SLIDE」をPENTAX K-1で使ってみる – 酔人日月抄
http://www.spaceflier.com/entry/2016/07/04/170000
そして、SLIDEを使わなくとも普段使っているストラップに、このアンカーを用いるデタッチャブルシステムを導入できるのが今回導入した「アンカーリンクス AL-2」。併せて「キャプチャーツール CT-1」という製品も購入したのですが、こちらについては後述します。
アンカーリンクス/Anchor-links AL-2
既に各所でレビューされてる製品ではありますが、簡単に開封から装着までの流れを紹介します。PeakDesignらしい、扉を開くと中身が見えるオシャレパッケージを、バリバリと無残に破いて中身を取り出します。
「アンカーリンクス」の本体(?)が2個に「アンカー」が4個付いています。
アンカーは軽く押し込むようにスライドさせてアンカーリンクスに装着します。外すときは押し込んで戻すので、使用中に簡単に外れるようなことはありません。
アンカーをOM-D E-M1兄弟に装着
早速アンカーをカメラに取り付けていきますが、取り付け方法でちょっと悩むのが、カメラ側のストラップ取付用の三角環(三角リング)を外すかどうか…?
ストラップとカメラの間に、三角環とアンカーリンクスの2箇所で支点ができてしまうのが煩わしく思ったので、三角環を外してみたのですが、カメラの釣り金具の穴にリンクスの紐を通す所で問題発生。紐が思ったよりもしっかりした太さなため、素手のみでは絶対に通せない状況…。千枚通しを使って、力任せに無理矢理押し込みなんとか装着できました。
アンカーリンクスは1個で耐荷重90kgと相当に余裕のある作りのようですが、ミラーレスカメラで使う私にはかなりオーバースペックですし(そんな力が掛かったら先にカメラかストラップが壊れます…)、少々耐荷重を落としても少し紐が細いと助かるのですけども。
(2017.8追記:アンカーリンクス及びアンカーがリニューアルし、新しいアンカーAN-3はこれまでのものに比べて紐が細くなりました)
とりあえず1台目のE-M1 MarkIIは三角環を外してアンカーを取り付けましたが、もう1台の初代E-M1は三角環越しにリンクスを取り付けました。しばらく使ってみれば、どちらが良いかも判断できるでしょう。
アンカーリンクスを取り付けてみました。あとは、アンカーリンクスに普段使っているストラップを装着すれば、お気に入りのストラップがデタッチャブル仕様になるという訳です。
ここでいきなりアンカーリンクスが2セットに増えていますが、1個目を装着したところなかなか具合が良かったため、すぐに2個目を購入してしまいました。
2017.8追記:Peak Design製品リニューアルでアンカーリンクスがAL-2からAL-3に進化しました。新型アンカー(AN-3)は耐荷重90kgのまま紐が細くなり、より使い勝手が向上しているようです。
キャプチャー用プレートを使ったストラップ装着
さて、アンカーの取り付け位置ですが、通常のカメラ両サイドの釣り金具を使う方法の他に、Peak Designが推奨する(?)装着スタイルとして、キャプチャー用のプレート(写真はプロプレート)を挟んでカメラ底部の三脚ネジ穴側に片方のアンカーを装着するというものがあります。
これは同社のSLIDEなどのスライドストラップを使った際、カメラ本体の向きを斜めにすることで体への密着度を高める狙いがあるのだと思われます(動画参照)。しかし、アンカーリンクス経由で普通のストラップを使う場合にも思わぬ効果が期待できそう。
通常、右手でカメラのグリップを掴んだ際、親指と人差し指の間をストラップが通るのですが、普段の撮影ならば特に気になることではありません。しかし、これが登山中かつカメラホルスターやトップローダーバッグを使って頻繁にカメラを着脱(出し入れ)してると、このグリップ回りのストラップが邪魔に感じることがあります。無造作な使い方をしていると、ストラップがグリップに絡むことすらあります。
それがカメラの底にストラップの片側が行くことで、右手の周りがとてもスッキリ。この携行スタイル、まだ実戦投入した訳ではありませんが、結構イケるのでは?とかなり期待しています。
ただし、キャプチャーのプレートを常に使う訳でもないので(今の時期はバックパックホルスターとしてb-grip UNOの方が出番が多くなりがちです)、グリップ側のアンカーは外さないようにしておこうと思います。
「カフ(CUFF)リストストラップ」も気になっています
Peak Design社純正のストラップ「SLIDE」は気になるものの、やや高価なことと現在使っているCHUMSストラップのデザインと使い心地(軽くて汗でもベトつかない)が気に入ってるため、当分はアンカーリンクスを使った運用を予定しています。
ただし、その他に気になっているのがリストストラップの「カフ/CUFF(CF-2→CF-3)」。コンデジや小型ミラーレスに丁度良さそうなリストストラップです。他にも「クラッチ/CLUTCH(CL-2)」というハンドストラップが存在しますが、こちらはアンカー2個を使って一眼カメラのグリップ回りに装着するタイプ。小型カメラを気軽にぶら下げて持ち運ぶならば「カフ」の方が便利そうです。
登山でのOM-D 2台携行の際にも、片方のカメラはネックストラップを外して「カフ」で運用するというのも悪くない気がしています。
追記:リストストラップ「カフ」を購入してみました。
Peak Designの「CUFF(カフ)」はコンデジから小型ミラーレスの片手持ちに丁度いいリストストラップ - I AM A DOG
ちなみに、当分は導入を考えていない「SLIDE」ですが、実はカラーモデルの「サミットエディション」は赤と青というカラーリングも格好良くてかなり気になる存在。ただし、重量級の一眼レフでの使用を想定してかかなり幅広デザインで、OM-D用にはややオーバースペック。今後、細いタイプの「スライドライト」にサミットエディションが出たりしたら、グラリと来てしまいそうです(笑)
「キャプチャーツール CT-1」について
アンカーリンクスについては以上ですが、今回このようなものも買ってみました。「キャプチャーツール CT-1」というPeak Design製品専用のドライバー/レンチ的ツールです。
PeakDesignのカメラクリップ「キャプチャー」や「キャプチャープロ」をザックのストラップに取り付けてる方なら分かると思いますが、クリップ本体の装着ネジは相当の力で締め込まないと、滑りやすいナイロン素材のストラップに確実に固定されません。
特に重たい一眼などのカメラを使った場合、どんなにネジを手締めしていても、例えば登山の下山時などのショックで徐々に本体がずり下がってきてしまうといったことがあります。それを手締めでは不可能なレベルまで、ギッチギチに締め込むことができるのが、このキャプチャーツールなのです。使い方はネジにあてがって回すだけ。
正直言うと、締め付けすぎによるストラップ側のダメージも気になりますし、キャプチャーツールを使って閉めたネジは手のみでは戻せない不安などもありますが、キャプチャープロ使用の際はお守り的に携帯してみようと考えています。
その他、キャプチャーのプレート着脱に使える六角レンチがサイドに付いているのと、やはりキャプチャー周辺製品の別サイズのネジにも対応しているようです。
おまけ:「Mind Shift GEAR/ウルトラライトDSLRカバー」を買いました
PeakDesign製品ではありませんが、国内では同じ代理店である銀一が扱うブランド「Mind Shift GEAR」のカメラ携行アイテムで気になっていたものを今回手に入れたので合わせてご紹介します。それは今年のCP+の銀一ブースにて、マインドシフトギアのアンバサダーを務める友人の動物写真家、二神慎之介氏から奨めて貰った「ウルトラライトDSLRカバー」。
ウエストベルトでカメラを腰や腹の周りに固定できる保護カバーで、野外行動の際にカメラをブラブラとさせず体に引き寄せて固定、かつカメラの保護もできる便利アイテム。二神氏はさらにPeakDesignのSLIDEを組み合わせた運用をしているらしく、確かにこれは山間部や森林を歩き回って長時間過ごす動物写真家ならではの知見。
CP+ 2017でアウトドア好きな筆者の心に響いたカメラ機材&カメラバッグ他… - I AM A DOG
私も登山中のカメラ携行に関しては、これまで様々な製品を試していますし、ある程度満足できるアイテムも手に入れていますが、気になったものは積極的に試してみよう… ということで、今回2つのサイズの「ウルトラライトDSLRカバー」を導入しました。
実際のフィールドで使わないと分からないことも多いので、まずは購入報告程度の紹介ですが、近々登山以外のシチュエーションで自然撮影を行う機会がありそうなので早速活躍して貰う予定。
あと、キャプチャープロなどを使い剥き出しでカメラを携行していると、休憩中やテント、山小屋などでどのようにカメラを保護するか悩むのですが(今まではカメララップを使っていました)、そのような際にこの「ウルトラライトDSLRカバー」を持っていれば荷物にもなりませんし、カメラだけ持って宿営地の周辺を散歩するような際にも役に立ってくれそうです。
仕様を見ただけではサイズ感の分かりにくい製品ですが(一眼レフの参考サイズは銀一サイトを参照)、ミラーレスカメラの場合E-M1+7-14mmPROレンズ程度ならば10サイズ(12-100mmPROはフード逆付で収まるけど一部露出アリ)。E-M1に縦グリップ+40-150mmPROレンズを装着した場合は20サイズがベストのようです。
https://www.ginichi.com/shop/products/detail.php?product_id=14468
Size 10:EOS kiss、D5300などの小型一眼レフとキットレンズ。5D Mark3やD800に単焦点レンズを装着した状態。
Size 20:5D Mark3やD800、1DXやD4sに大口径標準ズー(フード逆付)を装着した状態で収納可。