I AM A DOG

途方に暮れる 犬とよばれる でも生きてゆく

野鳥撮影を始めてから参考にしたり読んでみた書籍など

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最近はすっかり野鳥撮影ネタが多くなってしまったこのブログ。緊急事態宣言下の過ごし方として1月から始めた野鳥撮影散歩ですが、やってみるとなかなかに楽しいですし、技術的な難しさ、鳥の生態を知ることの重要さなど、とても奥の深い撮影対象だと感じています。

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機材、フィールドの他に読んで学べることもある?

当初は手持ちの機材だけで間に合わせるつもりでしたが、うっかりドットサイトを買ってみたりと新しい道具に手を出してしまうのは相変わらずの悪いクセですが、撮影機会を重ねるることで、当初「こんな写真が撮れたらいいな」と思っていたシーンに少しずつではあるものの近づいて行くのも感じます。

といってもまだ始めて1ヶ月ちょっとなので、早々に結果が出るものではありませんが、何より大きいのは小手先の技術や道具よりフィールドに出ること(自分の足で動き、より多くの対象に出会うこと、機会を作ること)だというのは、どんな撮影にも共通することだとかもしれません。

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……と言いつつも自分1人の試行錯誤だけでは限られた時間を有効に使えない可能性もありますし、少しでも何かのヒントになればといくつか書籍にも手を出してみました。もちろんネット空間に手を広げれば、素晴らしい写真を公開している多くの人の知見にも触れることができるのですが、自分のレベルだとまだまだ情報に振り回されてしまう可能性もありますし、ここは素直にある程度整った知見を先にしておくのが無難かなと。

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『生き物の決定的瞬間を撮る』日本自然科学写真協会

日本自然科学写真協会(SSP)が監修をする虫・動植物の決定的瞬間を撮影するための技術を紹介する実用書。執筆陣には海野和男氏、尾園暁氏、菅原貴徳氏、佐藤岳彦氏……といったオリンパス系のセミナーでもよく拝見する自然写真家の方々の名前もあり、以前からAmazonのウィッシュリストに入っていた書籍です。版は出ていないようなので紙で購入しました。

各種カメラ機材を駆使し、高速連写やストロボを使ったシチュエーション別の撮影テクニック指南書の側面もありますが、野鳥を始めとする生き物の生態(例:加速・渡り・水浴び・ハンティング・子育て等)を紹介しながら、それに合った撮影方法を紹介していく内容。自分には今すぐ必要ない撮影方法であっても、読み物やコラム的にも十分楽しめます。

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後はやはり生き物の「決定的瞬間」の写真は単純に「自分でも撮ってみたい」と思わせるものが多いので、作例を見ているだけでも写真趣味の人にはいい刺激になると思います。

その他、「オリンパスで撮る」(めちゃくちゃ参考にした)、「富士フイルムで撮る」といった各メーカーの機材・機能にフォーカスした項目などもあり、中には「シグマで撮る」「コーワで撮る」なんてちょっとマニアック(?)なタイトルも収録されています。

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本書のコンテンツは出版社のサイトで見ることができます。

OLYMPUS LIVE:OM-D鳥研"社員インタビュー「写真家 菅原貴徳に聞く野鳥撮影の心得」

追記:OLYMPUS LIVE(OMデジタルソリューションズ)のYouTubeチャンネルより。上の本にも参加してる写真家菅原貴徳さんによる野鳥撮影の心得についての動画。撮影に夢中になるあまり鳥に警戒されてしまったりストレスを与えてしまう危険性があること、また撮影時のマナーやSNS公開時の注意についてのお話なども。

私自身、野鳥撮影は初心者なので知らず知らずのうちに鳥にストレスを与える行動をしているかもしれませんし、またフィールドを歩いていると他の野鳥撮影者のマナーが気になることもあります(立禁への侵入、三脚の使い方など)。
撮影技術を学ぶことも面白いですが、一般的な撮影マナーの問題は当然として、野生の生き物を被写体としていることについて必要な配慮など、もう少し学んでおくべきかもしれませんね動画での菅原さんの言葉に共感できたこともあり、動画でも紹介されていた菅原さんの著書『図解でわかる野鳥撮影入門』を購入してみました。

『図解でわかる野鳥撮影入門』菅原貴徳

ということで『図解でわかる野鳥撮影入門』をざっくりと読んでみたので感想を追記。

まず野鳥撮影を初めて最初に読むべきだったのは、この本でしたね。
本の冒頭で「よい野鳥写真を撮るにはカメラ技術や優れた機材は(重要だけど)2割、残りの8割を鳥のことをよく知ること」であると語る菅原さん。もちろん撮影機材やカメラの設定についても十分なページを割いていますが、同じぐらいに鳥を観察し、ストレスを与えない接し方を知ること、鳥の習性を考えた上での撮影方法なども分かりやすい言葉で説いてくれる良書です。

どうしても見栄えの良い写真を撮りたいと考えていると技術面ばかりに気が向きがちですが、野鳥に負荷を掛けないアプローチを知ることで、結果的に良いシーンに巡り会える機会につながるのでしょう。
私自身も一時的な撮影対象としてだけでなく、長く鳥の撮影を楽しめるよう(山に行けばまた新たな撮影機会もできますし)、この本を何度も読み返したり、フィールドでもシャッターチャンスに拘りすぎずもう少し鳥を観察することにも力を入れてみます(次回から双眼鏡も持っていこう)。

『BIRDER 2017年5月号 カワセミ類 大全』

どんなジャンルにも専門誌は存在するもので、バードウォッチング・野鳥観察の専門誌『BIRDER』(バーダー)なる雑誌があることを最近知りました。
カメラ(写真)の雑誌ではないのですが、やはり野鳥観察にとって写真撮影は切り離せないコンテンツのようで(?)、野鳥撮影についての記事や特集も定期的に掲載されているようです。

書名と「カワセミ」で検索してみたところ、やはりありました。2017年の5月号。Kindle版があったのでサクっと購入。全80ページの半分がカワセミ特集に割かれています。

まさに決定的瞬間や美しいカワセミの姿を捉えたグラビア、生態やカワセミの仲間についての解説記事、そして撮影技術については特集の後半に4ページの企画があるのですが、正直自分には書かれていることが技術的に高度過ぎて、なかなかすぐには実践できるものではないなと。動く野鳥を専門に撮っている人の技術の高さに改めて驚かされます。

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今年の初めまでカワセミ自体を数度見たことがある程度で、本当に何も知らない状態から始めている自分にとっては、むしろ撮影技術よりも生態などに関するコラムの方が勉強になることが多いぐらい。
地元での野鳥撮影は県外登山を我慢している今だけのつもりではありましたが、先程の『生き物の決定的瞬間を撮る』も含めて、このような記事を読んでいると繁殖や子育てなども自分の目で見て(撮って)みたくなってきました!?

参考書籍という訳でははないけど……

参考書籍ではないのですが、最近手にした写真集を最後に紹介します。北海道の動物写真家、半田菜摘さんの初の写真集『ピリカ(Pirka)』です。

ピリカ

ピリカ

Amazon

半田さんは北海道を拠点に野生動物を撮影する写真家であり、かつ普段は看護師のお仕事という二足のわらじで活動されている方。以前シャチの写真(SWPAのワイルドライフ部門で入賞した有名な写真。本書にも収録)をネットで見てその生命感あふれる迫力の写真に感動、それからもよく名前は拝見していたのですが、写真集の発売をTwitterで知りAmazonですぐ予約を入れていました。

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19センチ四方のコンパクトな判型ですが、収録されている写真はどれも本当にすごい…… 完全に語彙力を失うレベルで「すごい……」「好き……」としか言葉が出てこない(笑)
もはや刺激になるとかそんなレベルではなく、ただストレートに見て良かったと思える写真が満載。どの写真も素晴らしいですが見開きいっぱいに掲載された写真はもう…… すごい。

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