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もっと評価されて良いのでは? 3万円台の超望遠ズーム M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 II で野鳥撮影①

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久々にOM SYSTEM(OLYMPUS)の望遠ズームレンズ、M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 IIを使っています。以前も持っていたレンズですが、安いのによく写るしコンパクトでとにかく最高。

既にブログでも報告してますが、野鳥観察の散歩中に望遠レンズの「M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO」を破損してしまいました。既に修理は終わっていますが、その間の繋ぎという訳ではないものの(多少はある)予備の望遠レンズを買いました。以前からもっと評価されて良いのでは?と感じているこのレンズ。せっかく2度も買ってしまったので改めてじっくりレビューしてみたいと思います。

OM SYSTEM M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 II

以前も所有していたことがある「M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 II」。マイクロフォーサーズ初期に発売された超望遠ズームレンズが外装デザインを変更して2型になったモデルです。当初の希望小売価格63,000円、かつては市場価格5万円前後だったレンズですが、2020年に価格が改定され現在は3万円台半ばで手に入る、非常にコストパフォーマンスの高い超望遠ズームレンズです。

値下がりした際にも軽量な予備の望遠レンズとして買おうか迷ったのですが、その頃は今ほど望遠レンズを使うシーンがなかったこともあり見送り。しかし野鳥を探すようになって望遠での撮影が楽しくなりましたし、かといって重量のある40-150mm F2.8 PRO+MC-20(といっても1kg以下ですが)をどんなときも持ち歩ける訳ではないので、軽くて楽に携行できる超望遠レンズがあっても良いかなとレンズ修理のタイミングで買い戻してみました。フジヤカメラで新品が33,400円、WEB会員新規登録の1000円OFFクーポンで少しお得でした。

箱は少し古いタイプのデザインのままです。旧製品の箱やレンズキャップ、保証書、説明書などは何処かのタイミングでOM SYSTEM版になったりするのでしょうか。

焦点距離は75-300mmなので、35mm判換算で150-600mm相当。開放絞りはF4.8からF6.7、フィルター系は58mmとなっています。

レンズ鏡筒は樹脂製ですが質感はそこまで悪いものではありません。1型から2型にリニューアルされているレンズですが、残念ながら(14-150mm F4.0-5.6のような)防塵防滴にはなっていません。

重量は実測で422g。大きさは300ml前後の小さなペットボトルと同じぐらい。このサイズ感で600mm相当までの超望遠ズームレンズはマイクロフォーサーズでもこのレンズだけでしょうか。パナソニックLUMIXに100-300mm F4.0-5.6のレンズもありますが、サイズ重量ともに一回り大ぶりで価格帯も倍近のもの。

ズームリングを回すとテレ端で5cm弱伸びます。ズーム途中で重さが変わることもなく、そこそこにスムーズ。気のせいか、以前使っていた同製品よりもスムーズに感じます。

レンズフードは付属しません。メーカー指定のフードは「LH-61E」ですが、これはフォーサーズ時代の70-300mm(懐かしの梅レンズ)用フードと同じもの。無駄にサイズも大きく価格も高いので、フィルターネジに固定するフードを使うことにします。

金属フードとラバーフード。どちらもAmazonで1000円前後で買えるものです。

フィルターネジを使うフードを使うので、保護フィルターは不要と判断しました。

金属フードも悪くないですが、ぶつけた際に衝撃を吸収してくれそうなラバーフードを使うことにしました。


E-M1 Mark IIIやGX7MK3と丁度いいバランス

OM-D E-M1 Mark IIIに装着、このサイズで600mm相当までカバーしてくれます!

GX7MK3と組み合わせてみても悪くないバランス。

ボディとレンズでほぼ1kg。E-M5 Mark IIIなどの軽量ボディと組み合わせれば更に軽量化できます

野鳥撮影で使うドットサイト照準器(EE-1)を装着してもこのサイズ。実際のこのセットで何度も出掛けてますが、本当に軽くて軽快。周囲からどう見えるかまでは分かりませんが、所謂「大砲みたいなレンズを持って野鳥撮影」をしている姿には見えないかもしれません?(場所によっては撮影者間の機材マウントとかあるのかな? 自分は経験ないので分からないけど……)

手乗り超望遠鳥撮システム

金属フード、ラバーフード装着でズームをテレ端まで伸ばしてみます。

35mm判換算150-600mm相当の画角。フォーカスはスムーズ

オリンパスには75mm F1.8の単焦点レンズもありますが、そんなギリギリ中望遠とも望遠域とも言えそうな画角から、超望遠600mm相当の画角をカバーしてくれます。いつも使っている40-150mm F2.8 PROに2倍テレコンの80mmよりも、一歩引いた75mmの画角がなかなかに使いやすい。

多摩川河川敷にて75mmと300mm。


Lightroomでの中央あたり200%拡大。ワイド端もテレ端もいい感じ。

河川敷を歩いていて、鳥をいきなりアップで撮るのでなく周辺の様子も収められる75mm。

そこから一気に300mmまでズーム。

75mm→286mm→300mmmどれもよく写ってます。



オートフォーカスはズーム全域で速くスムーズですが、比較的近距離ではピントが奥に抜けて合いにくいこともありました。また、最短撮影距離は0.9m〜1.5mで、テレコンを付けたPROレンズや100-400mm F5.0-6.3 ISのような、テレマクロ的な使い方には向いていません(といっても最大0.36倍相当)。

300mm側で蝋梅に目一杯寄ってこんな感じ。

レンズ内手ブレ補正はありませんが、5軸手ぶれ補正のあるOM-Dボディならば十分にその効果を享受することができます(今回の作例も、次項の電柱の写真以外は全て三脚を使わない手持ち撮影によるものです)。

テレ端300mmの描写は本当に甘い?

発売からかなり時間が経っているレンズなので、市場の評価もある程度出揃っています。75mmから200mmあたりはシャープな写りをするものの、テレ端の300mmでは描写が甘くなるという評価が多いようですが、実際に使ってみるとテレ端でも十分な描写力を持っているように感じます(上のアオサギの写真を見ても)。

200mmと300mmで撮り比べてみたのですが、普通に安定しているように感じてしまう……。



(本記事ではこの電柱の写真のみ三脚を使用しています)

中央あたり200%拡大。

周辺部200%拡大。

有名なオリンパスユーザーであるRobin Wong氏のレビューでも「ベストなシャープネスは75-200mmの範囲内だが300mmでも美しくシャープ」である評価されていますし、このレンズの携行性などのアドバンテージを考えれば特に気にする部分ではないでしょう。

実際、改めてテスト結果は載せますが私の使っている機材では、2倍テレコンのMC-20を装着した40-150mm F2.8 PROよりも、75-300mm F4.8-6.7 IIを使った方が300mmの描写は同様か少し勝っているので、これ以上の描写力を求めるとなるとサンヨンのような単焦点レンズなど、より重量級のレンズを使う必用がありそうです。

このメジロやモズは300mmでの描写と大きくトリミング。3万円台で買えるコンパクトなレンズでこれだけ写ってくれたら、十分ではないでしょうか。



現在、OM SYSTEMの600mm相当で恐らく最も描写性能の高いレンズは、300mm F4.0 IS PROだと思われますが(私も欲しい)、価格差は約10倍(重量差は3倍弱)。もちろんサンヨンを使ってこその写真はあるはずですが、描写だけでなく可搬性も大きく変わってくるので、システムのバランス的にも魅力的なレンズだと感じます。

75-300mm F4.8-6.7 IIで野鳥撮影

40-150mm F2.8 PROの修理期間、75-300mm F4.8-6.7 IIを使って野鳥撮影をしていました。とにかく荷物が軽快でカメラバッグを一回り小さくしたり、或いは別の荷物(カメラやレンズ)を増やす余裕もできて、F5.6/F6.7の半段分の明るさを求めないならば、毎回このレンズで良いのでは……?と感じてしまったほど。

以下、しばらくトリミングなしでの野鳥作例。

75-300mm F4.8-6.7 II散歩で最初に遭遇した野鳥はコサギでしたが、距離がそこまで遠くなければ300mmでも画面一杯に写すことができます。ボケは少し固いですが、うるさいというほどでもなく。

小鳥サイズの野鳥も軽快されなければこの大きさで撮ることができます。人馴れしたハクセキレイやセグロセキレイに比べると警戒心の強いキセキレイですが、じっと一箇所で待っていれば近づいてきてくれることも。

この縦のダイサギ、表情?がかっこいいのでお気に入り。

258mmmでマガモ。

187mm。ヨシガモのメス?

お約束のカワセミ。普通に撮れるしよく写ってます。

切り出し。

プロキャプチャーや連写を使っての飛び出しもレンズが軽いせいか、手持ちで待っているのが楽です。

水面から戻ってくるところ。ピントが甘いか。

オオバン、なんか好きな鳥なんですよね。

75mmで多摩川のオオバン。野川ではいつも1〜2羽位でしか見ないオオバンですが、多摩川には沢山いて嬉しくなります。75mmの描写はとても良いですね。

弁足を呼ばれる木の葉のような足が特徴的なオオバン。171mmです。

バンも好き。300mm。

これだけ写ればいいじゃないですか(ピントが目じゃないのは私の腕のせい)。

水の中でガサガサをしてることが多いコガモ、木に止まってじっとしているのを見るのは少し珍しい。


75-300mm F4.8-6.7 IIで野鳥撮影(トリミング)

私の野鳥写真は基本トリミングをしていることが多いのですが(マイクロフォーサーズの20MPなのであまり無茶なトリミングはできませんが、800mm相当ぐらいまでなら余裕でしょう)、レンズの作例なのでノートリのものはここまで別に分けて紹介しました。

ここからはいつもの(?)トリミング写真で。野鳥を撮るにはまだまだ広角なんて言われる600mm相当ですが、トリミングに拘らなければファインダーも安定していますし、野鳥撮影初心者には却って扱いやすい画角だと思います。

カワセミの飛翔もあまり寄りすぎると少し動いただけで画角からロストしてしまうので、600mmぐらいが手持ちで撮りやすいのでは?なんて。

オオバンはかわいい。

カワセミうんち連写。その瞬間に尾羽根がピコッと上がるのがかわいい。

長くなってしまったので、まずはここまでで第一弾。次回、40-150mm F2.8 PROとの比較や、F6.7の暗さ故に感度が上がってしまう場合についての対策などを中心にもう少し続きます(→ 続きも書きました)。


M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 IIの主な仕様

交換レンズ M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 II | 交換レンズ M.ZUIKO | オリンパス:カメラ、オーディオ、双眼鏡

  • マウント:マイクロフォーサーズ
  • 焦点距離:75-300mm(35mm判換算150-600mm相当)
  • レンズ構成:13群18枚(スーパーEDレンズ、EDレンズ2枚、HRレンズ3枚)
  • 開放絞り:F4.8(75mm)- F6.7(300mm)
  • 最小絞り値:F22
  • 最短撮影距離:0.9m(75mm)/ 1.5m(75mm以外)
  • 最大撮影倍率:0.18倍(35mm判換算 0.36倍相当)
  • フィルター径:Ø58mm
  • 絞り羽根:7枚(円形絞り)
  • 最大径×全長:Ø69 x 116.5mm
  • 重量:423g
  • フード:別売
  • 希望小売価格:63,000円(税込69,300円)

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