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OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 75mm F1.8はいつもと異なる視点が楽しくなる望遠単焦点レンズ

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オリンパスのマイクロフォーサーズ用単焦点レンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 75mm F1.8」を購入しました。この数週間使ってみてのファーストインプレッションです。

150mm相当のハイグレードポートレートレンズ

「M.ZUIKO DIGITAL ED 75mm F1.8」は2012年に発売されたM.ZUIKO PREMIUMシリーズの単焦点レンズ(ブラックの発売は2013年)。現在は単焦点レンズもラインナップに加わったM.ZUIKO PROシリーズが登場するのはその1年後。当時オリンパスのハイグレードクラスの単焦点レンズは、この75mm F1.8を始めとする数本しかなかったと記憶しています。

交換レンズ M.ZUIKO DIGITAL ED 75mm F1.8 | 交換レンズ M.ZUIKO PREMIUM | オリンパス:カメラ、オーディオ、双眼鏡

焦点距離は75mm。35mmフィルム換算の画角は150mm相当という望遠域に属するこのレンズ。メーカーサイトのキャッチコピーは「卓越した描写性能を誇る、ハイグレードポートレートレンズ」でした。

コピーで損をしてると言われがちな「ママのためのファミリーポートレートレンズ」ことM.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8(安くてよく写る銘レンズ)の中望遠90mm相当と比べてもかなり長い焦点距離は「正直使いにくそう」という気持ちが大きく、これまで手にすることはありませんでした。

しかしながら、以前より中望遠〜望遠の苦手意識も薄れてきたこと、山で撮る望遠画角を面白く感じ始めたこと、そして当時「M.ZUIKO最高クラスの画質」と言われていたこのレンズの存在がきになり、先日マップカメラの夜市に出ているのと見たこともあり今回手にすることとなりました。

M.12-100mmPROの75mm丁度で撮っている写真

一般的にポートレート用と言われるレンズの焦点距離は85mm、105mm、135mmあたりの中望遠ですが、この150mm相当の画角はそれよりさらに狭い画角となります。
以前、シグマの60mm F2.8 DNを結局あまり美味く使ってあげられなかった過去もありますが、あの頃よりは少しは扱えるようになっているといいのですけども……。

レンズの基本情報や外観に関してはさらっと流しますが、58mmのフィルター径全体に広がった大きな前玉はなかなかの迫力。MFT初期のレンズ群の中ではそれなりにボリュームではありますが、PROレンズ以降の現在の感覚だと十分コンパクトサイズ。OM-D E-M1 MarkIIとはベストバランスですし……

小型ボディのパナソニックLUMIX DMC-GX7MK2に装着しても悪くないと思います。

手持ちのレンズだと「M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO」のサイズ感にかなり近いですね。重量は305gと、Fisheye PROの315gにやはり近い。ちなみにPROレンズと違い防塵防滴にはなっていないので、その点は注意が必要です。

鏡筒はPROレンズ同様に金属製パーツが多く高級感があります。しかしながら別売の金属フード(LH-61F)が定価8,640円と高額なのはいただけません(しかも現在はメーカーで販売終了しているようで、Amazonなどではかなり高額な価格設定になっています)。

そこで私は自宅にあった58mm径の金属フード(M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0-5.6で使っていたもの)を装着していますが、単焦点レンズは保護フィルターを使わない運用をしているので(レンズキャップも基本使わない)、このフードを付けっぱなしで問題ないかなと。

M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8との画角、ボケ味比較など

中望遠の単焦点といえば安価でも写りが良いことでお馴染み、同じオリンパスM.ZUIKO PREMIUMシリーズの45mm F1.8を以前より使っていますが、実際に90mm相当と150mm相当ではどれだけ画角に差があるか、ボケ具合の違いなど簡単に比較してみました。

まずは比較的近距離から花を撮ってみました。75mm F1.8は最短撮影距離が0.84mとやや長めになるので、それに合わせて同じ位置から撮っています。これだけでも全く性質の異なるレンズであることが分かります。90mmと150mmってこんなに違うのか……

左:M. 75mm F1.8(F1.8)/右:M. 45mm F1.8(F1.8)

75mmでは画面いっぱいのシェア自転車(最近よく利用しています)も45mmでは一気に周囲の背景まで分かる絵になりました。

左:M. 75mm F1.8(F1.8)/右:M. 45mm F1.8(F1.8)

遠景を撮ってみてもこの通り。中望遠〜望遠の単焦点でも、90mm相当と150mm相当は全く別モノであることを意識して使った方が良さそうです。この写真はどちらもF4まで絞りました。

左:M. 75mm F1.8(F4)/右:M. 45mm F1.8(F4)

ポートレート用途のレンズなので本当は人を撮りたい所ですが、私の撮影目的で人を撮ることは滅多にないので、そのうちまた実家の犬でも撮ってこようと思います(笑)

M.ZUIKO DIGITAL ED 75mm F1.8作例いろいろ

ということで、ここからは実写編になります。ポートレートレンズの作例といった感じではありませんが、花を撮るには使いやすい画角ですし、普段使わない自然の中に持ち出してみると、意外に切り取る楽しさに目覚めたりして、とかく広く捉えることが好きな自分などにはかなり新鮮な体験でした。

ピントを手前の自転車に合わせたものと、走り去る自転車に合わせたもので前後のボケ具合を比べてみました。AFは非常にスムーズでE-M1 MarkIIと組み合わせた場合はC-AFでの動体にもスムーズに反応していました。


この辺りは全て開放で撮っていますがピント面のシャープさはMFTの上位レンズらしいキレ味。75mmという長めの焦点距離とF1.8の明るさも相まって綺麗なボケを見せてくれます。


先日長野に行った際にあえてこのレンズだけを付けていったのですが、望遠単焦点の縛りはかなり不自由かと思いましたが(実際不自由ではありましたが……)いつもと異なる視点を強制されるので、これがなかなかに新鮮で面白い体験でした。



口径食の少ない円形状のボケを売りにしているレンズとのことですが、これといった作例はまだ撮れていないのでこれはまたの機会にでも。この辺りも開放F1.8のまま撮っていますが、悪くないとは思います。

新緑の高原を歩きながら望遠単焦点で頑張ってみると、普段と違って撮影結果を全くトリミングしない写真が撮れているのが面白い。普段はズームをしても思い切った切り取りができてないのですね。





滝も全体像は撮れないので切り抜く方向で。150mm相当の手持ちでこれが撮れるのも楽しい。



テーブルフォトはさすがに難しいですが、空いている時間帯だったので席を立って1歩下がって写しています。


先日の雨の日の府中郷土の森博物館の別カット。全て開放で撮っています。














以上、もっと手こずるかと思っていた望遠単焦点ですがむしろ中望遠よりも思い切った使い方ができるというか、今後もかなり積極的に使うレンズになりそう。扱いやすそうな(?)シグマの56mm F1.4 DCとも少し迷ったのですが、思い切った焦点距離を選んでみてかえって良かったのかもしれません。

M.ZUIKO DIGITAL ED 75mm F1.8犬ポートレート作例?

ポートレート向きレンズでありながら、ポートレート的な作例がまったくなかったので、実家の犬を撮ってみました。小型犬(にしては大きめ)でもそれなりに距離を取らないと全身入れることができないので、人間だとより謙虚になるかもしれませんが、顔の凹凸などは人間よりもあると思うので、目にピントを合わせての開放F1.8での仮名や耳のボケ具合の確認にはなるかと思います。









本製品(M.ZUIKO DIGITAL ED 75mm F1.8)の主な仕様

主な仕様 M.ZUIKO DIGITAL ED 75mm F1.8 | 交換レンズ M.ZUIKO PREMIUM | オリンパス:カメラ、オーディオ、双眼鏡

  • 焦点距離:75mm
  • 35mm判換算:150mm相当
  • レンズ構成:9群10枚
  • 開放絞り/最小絞り:F1.8/F22
  • 最短撮影距離:0.84m
  • 最大撮影倍率:0.1倍(0.2倍相当)
  • フィルター径:58mm
  • 絞り羽根:9枚
  • 最大径×全長:64mm×69mm
  • 質量:305g
  • 希望小売価格:119,000円+税

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