本日6月17日より、登山系ウェブサービスの「ヤマレコ」より登山地図アプリ「ヤマレコMAP」(Version 1.83より)のApple Watch対応が発表されました。
これは「ヤマレコMAP」アプリをインストールしたiOSアプリ(iPhone/iPad)とペアリングしたApple Watchで、登山地図の表示、現在位置の確認等が可能になるというもの。これまでも登山計画作成や地図表示、GPSログ取得機能を持ったスマホ用アプリとしてのヤマレコMAPは存在していましたが、その大きな追加機能としてApple Watchでの地図表示に対応したことになります。
今まではオフラインの登山地図表示に対応したスマートウォッチは筆者も使っているカシオのWSDシリーズ(PROTREK Smart)やGARMINのfenix 5X位しかありませんでしたが、恐らく現在国内で最も普及しているスマートウォッチであるApple Watchに対応した登山アプリがリリースされたことは、かなりのインパクトがあります。
PROTREK SmartもGARMINも登山地図を内蔵したアウトドア専用スマートウォッチという立ち位置なので、ユーザーも「地図機能を使いたいからこの機種を買う」といった購入動機が大半だったかと思われますが、既に普及しているApple Watchが新たに登山地図機能に対応するというのは、山でスマートウォッチを使う層の大きな拡大に繋がりそうな可能性を感じます。
今回のApple Watch版ヤマレコMAPについての詳細、導入の手順について、早速ヤマレコホームページ内に専用ページが作られています。現在Apple Watchを所有していなくても、このページを読み込むとある程度今回の新機能について理解できると思います。
解説を読むとPROTREK Smartと違い、行動中のGPSログの記録や現在位置の取得はApple WatchではなくiPhone側で行うようです(地図データはApple Watch側に事前にダウンロードして、ルートや現在位置はiPhone側からApple Watchに随時転送される仕様)。
iPhoneの電池消費が気になる所ですが、もしかしたらApple Watch側の電池消費に配慮した仕様なのかもしれません(或いは開発期間の短さからスマホのみのアプリ版から最も作りやすい形がこれだった可能性も……?)。
他にもApple Watchは電子コンパス非搭載なので(これは知りませんでした)方位を確認する際はやはりiPhone側で確認する必要があるそうです。この辺からもあくまでスiPhone側のヤマレコMAPアプリを使うことを前提に、Apple Watchはその表示を拡張するデバイスという思想なのかもしれません。
この辺り単独での使用を前提にしたアウトドア専用のスマートウォッチとは大きく異なるポイントになりますが(GPSが非搭載だった初代WSD-F10でYAMAPを使う際はまさにこれでしたね)、Apple Watch自体が単独での機能拡充路線を歩んでいるよにも見られるので、今後のバージョンアップ次第でその辺は変化していくのかもしれません。
このヤマレコMAPは初代モデルを除いたApple Watchに対応していますが、全機能に対応するのは最新のApple Watch Series4のみ。Series 1〜Series 3については機能を制限した「軽量モード」での動作となるようです。
Apple WatchでのヤマレコMAP動作については以下の公式動画で見ることもできます。尚、ウォッチ側への地図のダウンロードは登山計画の有無に関わらず行えるそうです。
今回のApple Watch対応などについてヤマレコ代表の的場一峰氏がブログでその裏話を語っています。今回のApple Watch対応は、アップルの開発者向けイベントであるWWDC 2019への参加に際し「5月23日ごろから開発を開始」した機能だったそう。一ヶ月も経たずにリリースにこぎ着けるスピード感に驚かされます。
その合間に雪山登山を行ったりトレランのレースに参加したりと、驚きのバイタリティ……。
そんな、ヤマレコ代表がTwitterでApple Watch+ヤマレコMAPの電池持ちなどにも言及していました。
1. 意外とできます。Apple Watch Series4の44mmモデルだとそもそも画面が結構大きいですし、他のモデルも現在地確認には十分なサイズです。
— 的場一峰(ヤマレコ代表) (@matoyan) 2019年6月17日
2. GPSログはスマホ側で行うので、日常の利用とあまり変わらないレベルです(Watchを見る頻度やバッテリーの劣化状況次第ですが、日帰りなら問題ないかと) https://t.co/NovxffzLUX
さて、現在は登山中の主な地図確認とログ取得は「PROTREK Smart WSD-F30+YAMAP」を使い、登山計画や休憩時のルート確認は「山と高原地図ホーダイ」を主に使っている筆者ですが、手元で地図を確認できることの利便性は常々感じています(スマホを取り出さずに道迷い、ルート間違いの予兆に即気付くことができるのは大きい)。そんなこともあり今回、Apple Watchのようにユーザー数の多いデバイスに、登山地図アプリが対応したことを非常に嬉しく思います。
機会があれば、ぜひこのヤマレコMAPを使ってみたいものですが、以前使っていたApple Watchは借り物だったこともあって、現在は手元にないのですよね。Apple Watch Series 4欲しい……。
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