CASIO WSDシリーズのYAMAP Wearアプリサポートが終了
2017年頃から登山中の地図表示とGPSログ(軌跡データ)取得用途で愛用しているカシオのスマートウォッチWSDシリーズ(PRO TREK Smart)ですが、ついにYAMAPが使えなくなってしまいました(正確にはサポート終了により、現状新たな地図のウォッチ転送ができない状態)。
今頃気づいたが新たに地図のインストールができなくてとても困ってる…
— OKP (@iamadog_okp) 2023年5月1日
CASIO WSDシリーズのYAMAP Wearアプリのサポートを終了します https://t.co/jYg7FIzGcR
今年2023年の3月末の時点でYAMAPによるWSDシリーズのサポートは終了していた模様。
実は3月末でサポート終了していたことを知らずに最近まで使っていたのですが(先日も立山の地図を転送して使ったばかりだった)、どうやら私がスマホのYAMAPアプリを最新版に更新したことにより、ウォッチへの地図転送機能が閉じられてしまったようです。
GW中の登山前日に気づいたことだったので、かなり焦ったのですが時既に遅し……。
もう少し早く気づいていれば、アプリが使えるうちに行きそうな山域の地図を可能な限り転送して、しばらく延命できたかもしれないのですが、昨年スマホをiPhoneからPixel 6aに乗り換えて更に最近は山行回数もかなり減っていたので、手元のWSD-F30には殆ど地図が入ってない状態です。大変残念。
WSDシリーズの開発を止めてしまったのはカシオ側の問題ではありますが、そもそもYAMAPを使い始めたのはWSDシリーズを使うためでした。
初代のWSD-F10から3世代、GPSを内蔵したF20からはメインの登山地図として、道迷いを未然に防ぐツールとしても大いに活躍してくれました。海外地図にも対応していたので、エベレスト街道でも頼りになりました。
今となってはスマートウォッチの地図を見ない登山は考えられません。いちいち都度スマートフォンを取り出して、ルートや現在位置の確認とかもう無理だと思います。WSD-F30でYAMAPが使えなくなった以上、新たにスマートウォッチの登山地図を見つけなくては!
WSD-F30+YAMAPからの乗換先を探せ
ということでスマートウォッチでの地図表示ですが、Garminのような独自OSタイプで地図の表示機能を持つものか、Apple WatchやGoogle Android系のWear OSウォッチに地図アプリ(YAMAPやヤマレコ)をインストールして使うという選択肢があります。
YAMAP(Apple Watch)
まずはWSDシリーズとの蜜月が終了したYAMAP。2022年から新たにApple Watch(watchOS)には対応しているようですが、現在Wear OSへの対応はありません。さらに地図データをウォッチ側にダウンロードしてウォッチ単独で使う方式でなく、スマホアプリ側の記録のモニターとしてApple Watchを使う感じぽい。
今更、YAMAPのためにスマホをiPhoneに戻すのも違う気がしますし、YAMAPは一旦保留します。
既に、WSD-F30に入れてる8エリアのYAMAP地図については機会があれば使います。
Garminの地図対応スマートウォッチ
fenix、epix、Forerunner 965など地図表示に対応したGarmin製のGPSスマートウォッチ。過去のfenixシリーズからとても魅力的なシリーズですが、やはり少々高価過ぎる。そして国内地図といっても一般登山ルートが表示される登山地図とは違うもので、YAMAPに慣れきった自分の乗換先としてはちょっと違うかも。
ヤマレコ(Wear OS)
WSDシリーズを使い始めてからしばらく離れていたヤマレコ。
ヤマレコは数年前からスマートウォッチに対応しています。アプリもApple Watch(iOS系)、Wear OS(Android系)の両方が用意されているようです。
ヤマレコアプリが新Wear OSに対応しました! - ヤマレコ/YamaRecoさんの日記-ヤマレコ
Wear OS ウォッチ版 | ヤマレコ使い方ガイド
さらにウォッチ側に地図データを転送する方式で、ウォッチ単独での地図確認が可能みたい。
Wear OSなら手持ちのWSDシリーズを引き続き使えるはずですし(Wear OS版ヤマレコ解説ページのサンプル写真はWSD-F30でした)、早速Wear OS版ヤマレコを試してみることにしました。感触が良さそうなら今度WSDシリーズからの買い替えなども検討しても良いでしょう。
地図も複数ダウンロードして試す必要がありそうなので、プレミアムプランに加入してみました。
ヤマレコのプレミアムプラン
WSD-F30でWear OS版ヤマレコを使ったファーストインプレッション
GWの尾瀬に出発する前日、Wear OS版のヤマレコをインストール。
ヤマレコのアカウントは昔からありますし、スマホにもヤマレコアプリはインストール済だっったので、公式の解説を見ながらスマホ経由で当該エリアの地図をウォッチ側にも転送します。YAMAPに比べると転送に少々時間がかかる感じですが、これは地図エリアのカバー範囲の違いもありそう。
早速、尾瀬の鳩待峠に付いてウォッチのヤマレコを起動しましたが、現在位置が表示されるまで少し時間が掛かる感じ……。歩きながら時計を見た際にパッと現在位置が表示される感じでもない。どうやらウォッチの内蔵GPSを使わずに、Bluetoothでスマホから位置情報を拾ってるのかな?(スマホのBluetoothをオフにすると現在位置を拾えなくなるので恐らくそう)。方位表示はウォッチ側にコンパスが内蔵されてる場合のみ、表示されるようです。ちなみに国土地理院地図をベースにした地図表示はとても見やすいです。
そしてヤマレコのWear OS版にはGPSログの記録機能はないようです。行動ログを記録する場合はスマートフォンでの記録が必要(そうするとウォッチ側の表示が連動する)。
スマホアプリ側で記録をしつつ、Bluetoothでスマホとウォッチが接続されていれば、現在位置や行動中の記録(地図上の軌跡)は比較的スムーズに表示されます。ただし、[YAMAP-WSD]のようにウォッチ画面を見た瞬間に即表示されるのでなく、スマホから引っ張っていているせいかワンテンポ遅れる感じはあります。
地図上の一般登山道の表示は(山と高原地図やYAMAPのような)クッキリしたした線でなく、過去のユーザーのログの蓄積が透過表示されていて、コースタイムの表示もありません。
コースタイムはヤマレコのスマホアプリ側だと表示/非表示が選べるので、ここはウォッチ側の対応にも期待したいところ。自分の山行スタイルだと等高線の入った地図と一般ルート、CT情報を同時に確認できるのが好ましい(コースタイムに対してどれぐらいのペースで歩けているかの目安になるので)。
2日使った程度ですが、Wear OS版ヤマレコのファーストインプレッションをまとめると
- 良い
- 地図表示が見やすい。コース表示が透過色で、ベース地図の等高線等を潰してないので視認性が良い
- 対応エリアの広さ、多さ
- いまいち
- ウォッチのみでのGPSログ記録、軌跡表示ができない
- スマホと繋いでないと現在位置を取れない(ウォッチ内蔵GPSは使わない?)、現在位置の表示までタイムラグがある
- ウォッチ地図にコースタイム表示がない
といった感じ。
スマホ版とウォッチ版の関係については、あくまでスマホ版の機能拡張として誕生した背景がありそうですが、今まで[YAMAP-WSD]のような行動中はウォッチのみで完結している登山スマートウォッチを長年使っていたので、慣れるまで少し時間が掛かりそうです。
今まで機内モードで温存していた、スマホ側のバッテリーマネジメントも再考の必要ありそうですし、引き続きWear OS版ヤマレコを使うことになるならば、新しいWear OSウォッチの導入なども考えることになるかもしれません(TicWatchは画面が大きく価格も手頃で気になってます)。