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GWの尾瀬で残雪の至仏山に登る:山の鼻から鳩待峠

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2023年のゴールデンウィーク、5月3日(祝・憲法記念日)に尾瀬の至仏山に登ってきました。

GW期間のみ入山できる残雪期の至仏山

冬の間は雪に閉ざされる尾瀬ですが、4月後半に鳩待峠までの道路の冬季閉鎖が解除されると一時的に鳩待峠〜至仏山〜山の鼻の登山道も開通します。そして、GWが終わるまでの一定期間を過ぎると、至仏山の植生保護のため登山道は7月の夏山開きまで閉鎖されます。

稜線を避けるよう植生保護のロープが貼られた至仏山山頂付近

今年2023年は残雪期の至仏山登山ができるのは4/23から5/6の期間のみでのみで、5/7から6/30の間、つまり現在は既に登山道は閉鎖となっています(もちろん鳩待峠から尾瀬ヶ原には普通に入れます)。

ちなみにこのGW期間のみ、夏山シーズンは山の鼻から至仏山山頂まで登り方向のみという一方通行ルールがなくなり下山方向でも歩くことが可能です(混雑もありませんしシングルトラックではない雪山ですし)。
私たちもそんな鳩待峠からスタートして山の鼻に下りるルートを考えていたのですが、天候不良により計画を変更して、至仏山荘に泊まった翌日、山の鼻から(通常ルートで)至仏山に登ることになりました。

初日の尾瀬ヶ原の様子は前回更新した通り。

山の鼻から至仏山へ

前日の朝は雪と強風が吹き荒れていた至仏山ですが、天候はすっかり好転しています。至仏山荘でしっかり朝食を食べて、7時過ぎにチェックアウトしました。

朝の時点でかなり気温の上がりそうな陽気だったので、足元はトレッキングパンツのみ、上はベースレイヤーに当初フリースを羽織ってましたが、スタートしてすぐに脱ぐこととなりました。


雪が少なかった今シーズン、至仏山も既にかなり雪が溶けて緑が見えています。

登山道入口の階段のあたりは既に雪がありません……。

……といっても少し登るとすぐに残雪が登場。

この先は樹林帯の急登が続くのでチェーンスパイクを装着。

至仏山は森林限界が1700m程と低いのでしばらく樹林帯を歩くと、徐々に周囲の木々が開けて行きます。



森林限界を越えて

森林限界を抜けると後方に尾瀬ヶ原や燧ヶ岳が一望。山の鼻や至仏山荘も足元に見えています。本当はこの景色を正面に眺めながらの(この時期限定の)下山がしたかったのですが、こればかりは仕方ない。

お天気は晴れてるもののやや霞がかったというか薄い雲が広がっておます。見ている角度のせいもあるかもしれませんが、前日に比べても燧ヶ岳の雪が減っているように見えます。

2021年の秋に至仏山に登った際の写真と比べてみると、やはり雪解けのこの時期は尾瀬ヶ原に全体的に水が多いことが分かります。

斜面がかなり急になってくるのでトラバース気味に登っていきます。私達はチェーンスパイクでしたが、下山だったり不安な人はツメのしっかりあるアイゼンを使ってもいいかも。昔使ってたラチェットタイプの軽アイゼンってこういうときに欲しくなります。そういえば夏道だと森林限界あたりから急登&よく滑る蛇紋岩ゾーンが続くので、雪に覆われた残雪期の方が登りがスムーズです

徐々に鳩待峠から山頂経由の早い登山者の下山とすれ違い始めます。この雪面をヒップソリで下りる人の姿も。方向を間違えて谷側に滑ったりスピードが出過ぎると軌道修正が大変そう。

この先で下山の登山者がアイゼンを装着しています。つまりこの先は雪がない。

ここからの木道はチェーンスパイクを外して軽快に登っていけます。

この木道エリアだけ雪が完全に消えているのが面白いというか、雪解けの早い場所だから植生保護のために木道を設置しているのかな。

この辺りが高天ヶ原でしたっけね。天国への階段。

新潟方面はまだ雪山が多い。尾瀬の辺りは太平洋と日本海の分水嶺なので、東西でかなり気候も違うかも。

山頂直下で再び雪面になります。この先もアイゼンは履いた方が良いでしょう。ヒップソリやシリセードで止まれずに岩や人に突っ込みそうになってる人の姿も見られたので、アイゼン着脱の際は注意した方がいいかも。

雲と雲の間に青空。半分晴れ。

山頂方面はかなり雲になってしまった。

いきなり人がいっぱい! 9割以上が鳩待峠から登ってくる日帰り登山客だと思われます。


至仏山山頂

やっぱり人が多いGWの至仏山山頂です。

奈良俣ダムとか新潟方面の雪山とか。



人が多い場所を避けて雪の上にザックを置いてお昼休憩。至仏山荘のおにぎり弁当、おにぎり2個(梅干し、昆布)に唐揚げ2個。タルタルソースと瀬戸風味。尾瀬ヶ原方面の景色を眺めながらいただきます。


鳩待峠へ下山

それでは鳩待峠に下山します。夏道とは違い、小至仏山に掛けて植生保護のため稜線のハイマツ帯に入らないよう、尾瀬側の雪面をトラバース気味に下って行きます。

小至仏山の山頂部分もトラバースしていきます。夏道だとこの登り返しが地味にダルいので、残雪期の方が楽でいいですね(笑)

特に危ないとこはありませんが、たまに谷側に滑り落ちる人がいるそうなので、すれ違いの際にはしっかりアイゼンを効かせて止まりましょう。

山頂方面を振り返り。うーん、すっかり曇ってしまった。

たしかこの辺りは夏道では階段が続いていて、その先に高層湿原の「オヤマ沢田代」があったはず?


悪沢岳、笠ヶ岳方面の分岐があったりやや開けた場所なので、ガスっていたら迷いそうな場所。

赤い目印を頼りにしたり、GPSマップ等を上手く使いましょう。

あとはひたすら樹林帯の緩やかな下り。


ここに来て空が晴れてきました。前日もでしたが午後から晴れるな尾瀬。

鳩待峠の手前まで雪は残っていたので、チェーンスパイクはずっと履いたままでした。

この辺りで鳩待峠から登ってきた2人組に「この先も雪が続きますか?」と聞かれました。どうやら尾瀬ヶ原に行くのにアイゼンも持たずに至仏山回りを選んでしまったらしく、諦めて引き返すことを強くすすめておきました。平面の観光地図などを見ると行けると思ってしまうのかな…… 危ないっす。

お昼ちょっと過ぎに鳩待峠に到着。

何この晴れっぷり……。

至仏山山頂あたりまですっかり青空になってます。気温も上がって完全に夏のような陽気。

殆ど雪だったので最後に少しだけ汚れた靴とチェーンスパイクを洗って……

下山花豆ソフトクリーム。


前日の雪が嘘のような駐車場に戻って今回の尾瀬旅はおしまい。バスやタクシーに乗らずに、いきなりマイカーなのが嬉しいかも。この後は「花の駅・片品 花咲の湯」に向かいます。



登山ルートとGPSログ

今回からYAMAPのWSD-F30地図が使えずにWear OS版ヤマレコを使っています。ただしGPSログの記録はヤマレコとYAMAPアプリの両方を起動して記録。下のリンクはYAMAPのログですが、毎度2つのアプリで記録をするのはバッテリー的にもエコでないはずなので、今後はヤマレコ一本化を検討しています。


GW至仏山 / OKPさんの尾瀬・至仏山の活動データ | YAMAP / ヤマップ

今週のお題「何して遊ぶ?」