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GWの尾瀬で至仏山荘に泊まる:春の尾瀬ヶ原で咲き始めた水芭蕉と夜の星空

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2023年のゴールデンウィーク中日、5月2日に尾瀬の山の鼻にある山小屋「至仏山荘」に泊まってきました。

GW中日に至仏山荘の個室が取れた

今年のGWは残雪期の尾瀬で至仏山登山をして、尾瀬ヶ原の山小屋に泊まる計画を立てました。
「GW前に立山に行けたらGWは尾瀬」と決めていたので、4月の立山の帰路に現地の宿探し、以前から月山ももさんのブログ記事を読んで気になっていた「至仏山荘」の個室に空きがあるのを発見し予約しました。

「至仏山荘」は尾瀬の山林や土地の管理を行っている東京電力系の子会社「東京パワーテクノロジー」が運営する山小屋(山荘)です。この他に「尾瀬沼山荘」「東電小屋」、営業休止中の「元湯山荘」「鳩待山荘」も東京パワーテクノロジーによる運営となっています。空室状況は公式サイトで確認ができ予約も行えます。

5/2はGW期間の平日中日なので(翌日から連休スタート)、なるべく空いてそうな初日のうちに至仏山を登りたかったのですが、初日の天気予報は生憎の雪と強風。どう考えても登山向きの天気ではないので、至仏山登山は晴れ予報が出ている2日目に行うことに計画を変更。2日目の至仏山登山は別記事にします。


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雪がちらつく鳩待峠駐車場へ

この時期、尾瀬戸倉から鳩待峠までのマイカー規制(5/19〜10/31)前ですが、どうやらGWの至仏山はBC目的も含めて人気の場所で、日付が変わる頃には鳩待峠の駐車場は埋まってしまうそうです。
天気も悪いし至仏山にも登らないので、のんびりめのスタートで良いだろうと高速道路の深夜割引にギリ掛かるスタートでしたが、道中で鳩待峠の現地ツイートを見ると天候のせいなのかまだ空きがあるみたい。せっかくだし行ってみるかと鳩待峠まで上がってみると、確かにガラガラ。というかまだ雪が降ってる!

気温は氷点下(表示より3度ぐらい低いはず)。

峠の駐車場なのに既に風もありますし、やっぱりとてもじゃないけど山に登れる天気ではなさそう。たまに尾瀬戸倉からの送迎タクシーが到着して、数名ずつの登山客が入山して行きますが、すごい気合入ってますよね(当日のレポートを見ると虚無&爆風)。

こんな天気の中急いで尾瀬ヶ原に行っても何もできませんし、至仏山荘のチェックインも13時以降なので、とりあえず車でダラダラと時間つぶし。
鳩待峠の駐車料金は1日2500円、2日分なので5000円。結構高いですが、尾瀬戸倉の駐車場は1日1000円、送迎バス/タクシーが片道1000円なので、2人で2日なら鳩待峠に駐めた方が少しだけお得なはず。

駐車場入口のスロープは夜からの雪で凍結。トイレに出た際に見ていたら、せっかくここまできたSUVがスロープを上れずに引き返して行きました。山に行くならGWまではスタッドレスタイヤを履いておくのが安心。


鳩待峠から山の鼻までまさかの新雪ハイク

8時半過ぎ、雪も止んだのでとりあえず荷物を準備して山の鼻まで行ってみることにします。格好は秋山登山ぐらいのウェア(ベースレイヤー、フリース、ソフトシェル、アルパインライトパンツ)にレインウェア。

鳩待峠からの尾瀬ヶ原入口はいきなり雪解けのビシャビシャ道からスタート。

すぐに残雪にうっすら新雪が乗った雪道に。

チェーンスパイクを履くか少し迷いましたが、木道も多いのでストックを1本だけ出して滑らないようにしつつ進みます。雪は数センチから吹き溜まりで10センチ程度積もっている感じ。

完全に冬景色に戻ってます。至仏山方面は真っ白の虚無。

川には落ちないように……。

湿原に薄く氷が貼ってますが、よく見ると水芭蕉の花がチラホラ。

もう既に咲いているんですね。今シーズンはは雪が少なかったですし春の訪れも早いのか。


山の鼻で時間つぶし&ランチ休憩

山の鼻に到着。GW期間だというのに(この天気に中日の平日なこともあってか)テントも少なめ。

この日お世話になる至仏山荘。時間は10時前なので、チェックインまであと3時間以上。10時になれば食堂(レストラン)が営業するようですが……。

植物研究見本園のあたりを歩いてみます。ここでも水の流れの中に水芭蕉が咲いてます。

雪解けが進みつつ突然雪が降った尾瀬ヶ原。

池塘は半分ぐらい凍ってるところも。

燧ヶ岳方面も完全に雲の中。

少し散歩して時間つぶしをして11時にやってきたのがこちらの「山の鼻小屋」。至仏山荘も軽食メニューが充実してますが、こちらの軽食メニューが美味しそうだったので、11時の開店まで待っていたのでした。

メニューはこんな感じ。群馬といえば豚肉ということで、「上州麦豚丼」「カツ丼」「カツカレー」などのメニューがあります。

「上州麦豚丼」と「生ビール(小)」。

「上州麦豚丼」甘じょっぱい系の味付けの豚焼き肉丼で、なかなかに美味です。夕飯は至仏山荘の食事になりますし、この日のランチに山の鼻小屋を選んで大正解でした。

外はまだ寒いのですが軽めにビールが飲みたくなったので。

お茶が入ってるこのワンカップの空き瓶、水芭蕉の絵柄がかわいい!

このワンカップ買えるのかな?と思って聞いてみたら、現在はアルミ缶になってしまったお酒(永井酒造 水芭蕉)の古い容器とのことで、今は瓶のワンカップは売ってないそうです。残念。

外に出たらまだ結構冷えるので、今度は至仏山荘の食堂に移動してコーヒー休憩。ずっと休憩してる。

そんなこんなでお昼を過ぎた頃に徐々に青空が見えてきたので、バックパックを至仏山荘に預かって貰って尾瀬ヶ原に繰り出します。至仏山もようやく高天ヶ原あたりまでは見えました。山頂はまだ雲の中。


春の尾瀬ヶ原を散歩

燧ヶ岳はまだ厚い雲の中。川の流れの中に見えている白い影は水芭蕉。

完全に水中花だけど、ここはちゃんと水が引くのか?

水芭蕉、結構あちこちに咲いてます。

向こうにもめっちゃたくさん咲いてる。やはり今年は早いのかな?

しかし今回は望遠寄りのレンズを持ってないので木道から離れた群落を撮ることができず……。やはりM.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROを持ってくるべきだったか、ライチョウはいないけど予備でLUMIX G VARIO 45-150mmを持ってきておけば良かったか。

木道の間に水芭蕉が沢山咲いているので、それを眺めつつお散歩。

こんな感じ。そうそう、尾瀬の木道は「右側通行」、たまにしか来ないと最初ちょっと迷う。

至仏山の雲がかなり晴れて、池塘に逆さ至仏山が映るようになりました。

ところで尾瀬ヶ原の池塘って、こんな境目がないぐらいびちゃびちゃだったかな?と思いましたが、秋頃の写真と比べてみるとかなり水が多いようです。この時期は雪解けの水がかなり流れ込んでいるのでしょうね。

燧ヶ岳もかなり見えてきた。さて、逆さ燧ヶ岳は見られるか?

牛首あたりでまたまた水芭蕉の群落エリア。

やっぱりもうちょっと長めのレンズが欲しくなる。

牛首分岐までやってきました。

燧ヶ岳方面はかなり雲が晴れました。しかし風が強いのでリフレクションはちょっと厳しいかも。そろそろ引き返すことにします。

至仏山方面も相変わらず雲は多いものの、山頂まで見えました。

「逆さ燧の池塘」ポイントで風が止むのをしばらく待ってみましたが、これが限界ぽい。

まあこれでよしとします。

それにしても午前中の天気が嘘のように晴れました。

やっぱり尾瀬ヶ原は気持ちがいいですね。

雪が残っている池塘は水深が浅いのか地下の水の流れが少ないのか……。

明日の至仏山登山、晴れるといいですね。


至仏山荘で過ごす

至仏山荘にチェックインします。宿泊料金は先払い。基本的には山荘(山小屋)だけど有名観光地ということもあって設備は充実。立山(室堂)や上高地の山荘と同じようなイメージで良いでしょう。
ホテルや温泉旅館ではないので必要以上のサービスは期待しないこと。アメニティ類ないので寝間着(必要なら)、洗面具等は準備して、山荘で買ったもの以外のゴミは持ち帰りましょう。

宿泊料金は個室を2名利用の場合、1泊2食付きで大人13,000円×2でした。宿泊料金はキャッシュレス決済OK。その他の飲食はお土産は現金決済とのこと。

この時期のチェックインは13時から、チェックアウトは翌日8時まで。夕飯は17時から18時、朝食は6時から7時。15時半から19時の間はなんと入浴も可能です。売店の営業は19時まで、翌朝のチェックアウト時には開いてないので飲み物やお土産を買う際は、前日の夕飯後1時間のうちにどうぞ。

チェックアウト後に登山や尾瀬ヶ原のハイキングをする場合、おにぎり弁当を注文することも可能。6時前にスタートしたい場合は朝食をお弁当に切り替えることもできるそうですが、我々はしっかり朝食を食べたいので、今回このおにぎり弁当を利用することにしました。

立派で綺麗な建物内。「山小屋」と言ってしまうとちょっとピンとこないので「山荘」がいい表現かも。

個室は6畳間。2人だと広すぎるぐらいですね。個室の他に個人のスペースが区分けされた男女別の相部屋もあります。寝具は一通り揃っています。

部屋の窓からはテント場や至仏山も見えます。翌日から祝日ですしテントも結構増えました。

個室内には石油ファンヒーター。朝夕はまだ冷える時期ですし、これは嬉しいですね。

電源は2口。ファンヒーターを使う場合残り1口なので、うまくマネジメントしましょう。

談話スペース。

廊下にポットが置かれているので、お湯は自由に使えます。カップや水筒は持参しましょう。

トイレはウォシュレット付き、男女別で広い洗面所もあります。

そして至仏山荘ではお風呂に入れます。さすが東京パワーテクノロジー。電気で沸かしているかは知らないが。

3人ぐらいは入れそうな浴槽。ボディーソープとリンスインシャンプーも設置されてます。

浴槽は最後に出る人は銀マットの蓋を忘れないように(銀色が下向き)。

お風呂に入ってサッパリして部屋でダラダラしていたらすぐに夕飯の時間です。17時スタートと早めですが、まあ山小屋時間ですね。受付で生ビール(800円)を買って……。

部屋ごとに指定されたテーブルには、ザ・山小屋メシという感じの夕飯が並んでいます。ご飯とみそ汁(具は玉ねぎ)はセルフサービス。ももさんの記事で見た陶板焼きのハンバーグが気になっていたけど今回はありませんでした。片品村の名産である花豆に、デザートのミニケーキなども。

メインは豚肉と玉ねぎの炒め煮的なもの。ランチと少し被ったけど普通に美味しい。

ちくわ揚げにシウマイとか……。事前に見てた情報と比べると食事は少しシンプルになったのかな? でもご飯のおかずとしては十分、ご飯はしっかりおかわりまでいただきました。

夕飯後、至仏山に太陽が沈みます。これも部屋から。

ちょっと外に出てみます。

満月直前の月。この月が沈むまで星空はあまり期待できないかも。

改めてこうして見ると立派な山荘ですね。

少しビールを追加して、消灯の21時前には寝てしまいました。


夜の尾瀬ヶ原で星空を見る

月がそろそろ沈む2時過ぎに目覚ましを掛けて外を見たら、結構山荘の照明のせいであまり星は見えなかったのですが、せっかくなので外に出て植物研究見本園あたりまで行ってみます。しばらく暗闇にいると徐々に星が見えてきました。写真を撮ると天の川も薄っすらですが映ってます。

至仏山。空が明るいのは少し前まで出ていた月のせいもありますね。沈んだというのに月暈が存在をアピールしています。ちなみに至仏山の高天ヶ原あたりにヘッドライトの光が見えます(少し前はもっと下にいたので山の鼻側から登ってるようです)。登山というよりは写真撮影でしょうかね。

そして燧ヶ岳方面。こちら側の空が一番暗いかな。

今回もM.ZUIKO DIGITAL ED F4.0 PROで星を撮ってみました。Lightroom ClassicのAIノイズ除去を前提で最初からISO6400で撮っているので、レンズの暗さもなんとかなります。ガチで星空を撮る訳でなければ、このレンズでも十分かなと感じます。この日は明るいレンズを使っても光害でどうにもならなかったでしょう。

朝食、チェックアウト

部屋に戻りファンヒーターで冷えた体を温めて(助かる)、朝まで寝て朝食タイム。

おにぎり弁当も朝食テーブルに用意されていました。

朝食。これまた正しい山小屋朝食。カロリー補給が何より大事です。

ご飯のお供は色々選べます。個包装ののり佃煮なんてあるんですね。

そうそう、山の鼻では結構ツキノワグマが目撃されてるんですよね。数年前はテン場が閉鎖されたこともありましたっけ。館内のマスク着用などは個人の判断。共用スペースなどでは付けてる人が殆どでしたね。

尾瀬の水芭蕉が本気を出すとこうなるらしい。カレンダーの写真は5月下旬となっていましたが、今年はもう少し早いのかな? こんな尾瀬ヶ原も見てみたい……。

それではパッキングして出発。快適に過ごすことができました。

至仏山登山。GWなので混むかな…… と思ったら、山の鼻から登る人は殆どいなくて、前半はとても静かな山行でした。この写真のあたりから山頂回りで下りてくる人が増えるのですが、それはまた山行レポにて。


至仏山登山や尾瀬ヶ原だけなら鳩待峠から日帰りで行ける尾瀬ですが、1泊すると湿原と山の両方をじっくり楽しめます。今回は至仏山荘に泊まりましたが、同じ山の鼻エリアの「山の鼻小屋」や「国民宿舎 尾瀬ロッジ」、見晴エリア、尾瀬沼エリアの山荘にも泊まってみるのも良さそうです(テント泊もいいけど尾瀬では小屋泊でお気軽ハイキングに振り切ってもいいかも)。

今週のお題「何して遊ぶ?」