前回、マイクロフォーサーズの気になる超望遠レンズについて書きましたが、そういえば以前こんな超望遠ズームレンズを使っていたことを思い出しました。そう、このような写真を撮っていたレンズ……
オリンパスの「M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 II」、現在なんと新品が36000円弱で買えてしまう格安の超望遠ズームレンズです。
- OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 IIのコスパがすごい!
- 安価なレンズだけど写りはかなり良い!
- お散歩用お手軽超望遠として買い戻したくなる?
- M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 IIの主な仕様
OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 IIのコスパがすごい!
オリンパスの初代「M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7」は元々マイクロフォーサーズの初期に出たレンズで、その後、改良版として2013年に登場したのが現在も販売されている2型のモデル。現在のM.ZUIKOスタンダードクラスに準じたシンプルなブラック塗装のデザインですが、同様にリニューアルされたED 14-150mm F4.0-5.6の2型とは違って防塵防滴にはなっていません。
基本情報|M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 II|M.ZUIKO|ズームレンズ|交換レンズ|製品・オンラインストア| OM SYSTEM公式サイト|OMデジタルソリューションズ
私は2014年頃にフォーサーズレンズをまとめて手放したのですが、望遠ズームのED 50-200mm F2.8-3.5 SWD+EC-14から最初に乗り換えたのがこのレンズでした。レンズのクラス的にはグレードダウンなのですが、軽さとMFTボディでのAFのスムーズさもあってあまり未練はなかったと思います。
その後、ED 40-150mm F2.8 PROとMC-14が発売され、すぐに使い始めたこともあって手放してしまったのですが、75mmから300mm(35mm版換算で150mmから600mm相当)までの焦点距離をカバーしながら423gという軽量さはマイクロフォーサーズフォーマットならではのスペック。
そしてこのレンズ、元々5万円前後で手に入るかなりコストパフォーマンスの良いレンズでしたが、昨年末に突然の価格改訂(?)があり、各量販店で一気に35640円まで値下げされました。
via: 価格.com - オリンパス M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 II [ブラック] 価格推移グラフ
このレンジの超望遠レンズが、新品で3.6万円は驚異的な価格です。
近い焦点距離でパナソニックに「LUMIX G VARIO 100-300mm/F4.0-5.6 II/POWER O.I.S. 」という少し開放値の明るいレンズもあるのですが、こちらは約6万円前後。防塵防滴、600mm相当F5.6のスペックを考えるこちらのコスパもなかなかですが、それでもオリンパスの3.6万円は飛び抜けています。
安価なレンズだけど写りはかなり良い!
さて、このレンズ、安かろう悪かろう?かと言えば決してそんなことはない。むしろめちゃめちゃよく写ります。当時撮影した写真を振り返ってみました。ボディは初代のOM-D E-M1を使っています。
当時はRAWでは撮っていなかったので全てJPEG保存。オリンパスのピクチャーモードVIVIDを好んで使っていた頃で、今の自分には少々どぎつく感じるので、今回Lightroomで少し色味は補正しましたが、シャープネス、明瞭度、ハイライトあたりは一切触っていません。
ED 75-300mm F4.8-6.7 II作例いろいろ
このレンズを買ってきた最初の日に撮った写真。この頃は望遠レンズを持ってよく東京競馬場に遊びに行ってましたっけ……。構図も今以上に下手っぴで、できれば補正やトリミングをしたくなりますが、あえてノートリで出すことにします。まずは走ってくる馬群を150mm(300mm相当)で撮ったもの。
ゴールのあたりでテレ端300mm(600mm相当)までズームしています。ピントも一応来てるかな?
286mmと中途半端な焦点距離。ズームし切れてないだけかも。
上の写真から馬の体あたりを切り抜いてみました。浮き出た血管もクッキリ。
パドックにて。94mm(188mm相当)。
顔のあたりを切り抜き。耳の周りの毛もしっかり描写されてます。
200mm(400mm相当)。
再びレースシーン。ダートコースを300mmで。競馬場のスタンドから撮っていますが、600mm相当は決して長すぎることはありません。むしろもう少しズームしたいぐらい?
ゴール前で少し落として246mm。
もう1レース。234mm。
215mmで目の前を2枚。
描写に関しては今見てもいい線行ってると思います。被写界深度がやや深くボケがもう少し欲しい気はしますが、お手軽超望遠としては十分な性能でしょう。
月を撮った写真も残ってました。300mmって実はそこまで月を大きく撮れる訳ではないんですよね。
こちらはノートリミングのJPEGで残ってたのでデジタルテレコンを使った1200mm相当でしょう。まあブログ掲載レベルなら十分じゃないでしょうか。
弱点はやはり開放の暗さ
このレンズ、軽くてよく写るのですが弱点はやはり開放値の暗さ。広角端でF4.8、望遠端でF6.7なので日差しの中なら良いのですが、日陰に入ったり、ちょっと光量が落ちてくるとどうしてもカメラ側で感度を上げざるを得ません。森で遊ぶ実家の犬を75mm側で、SS 1/1000、感度はISO1250。
94mm、結構明るそうな光がありますが、ISO2500まで上がっています。まあなんとか。このときは走る犬を撮っていたので、シャッター速度優先の1/1000秒で撮っていたので結果的に感度が上がってますが、ゆっくり動くペットを撮るだけならもっとシャッター速度も落とせますね。
動き物、特に野鳥を撮る際は動きを止めるために1/1000秒以上の高速シャッターを切ることも増えるので、高感度に弱いマイクロフォーサーズだと(常用だと頑張ってISO3200ぐらいかなぁ……?)少しストレスがあるかもしれません。といっても現在開放F5.6のレンズでそこそこ楽しめているので、1/2段差ならなんとさほど変わらないとも思います(高感度半段我慢すればいいだけ?)。
調布飛行場でしょうか。バックは味の素スタジアムですね。
多摩川の是政橋から雲に隠れた富士山を75mmと300mmで。季節はいつの間に冬になっていますが、この頃出た40-150mm F2.8 PRO+MC-14を購入した後で、75-300mm F4.8-6.7 IIとの撮り比べを行っていたようです。
こちらも75mmと300mm。冬になって空気が澄んだせいか、なかなかシャープな描写です。当時は買ったばかりの40-150mm F2.8 PROにそこまでの圧倒的な性能を感じられずに少々がっかりしたものの、結局は両方のレンズを持っている必要性を感じなくなり、75-300mm F4.8-6.7 IIはその後手放すこととなりました。
お散歩用お手軽超望遠として買い戻したくなる?
といった感じで久々に75-300mm F4.8-6.7 IIの写真を引っ張り出してみましたが、記憶通りの良いレンズだと再認識できました。
今ならもう少し上手く使えると思いますし、最近の鳥撮で使っていたとしてもほぼ変わらない写真が撮れている気がします。余裕があるならこのレンズを買い戻して使ってみたいぐらい。
レンズ重量はPROレンズ+テレコンの半分以下なので野鳥散歩には最適ですし、コンパクトなのでPENやE-M5/10系と組み合わせても良いですし、手ブレ補正内蔵のパナソニックボディ(GX7系など)にも悪くないはず(LUMIXの100-300mmが理想ですが、こっちの方が圧倒的に安いので)。
追記:再購入したので改めてレビューしました。
M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 IIの主な仕様
基本情報|M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 II|M.ZUIKO|ズームレンズ|交換レンズ|製品・オンラインストア| OM SYSTEM公式サイト|OMデジタルソリューションズ
- マウント:マイクロフォーサーズ
- 焦点距離:75-300mm(35mm判換算150-600mm相当)
- レンズ構成:13群18枚(スーパーEDレンズ、EDレンズ2枚、HRレンズ3枚)
- 開放絞り-最小絞り:F4.8(75mm)- F6.7(300mm)/F22
- 最短撮影距離:0.9m(75mm)/ 1.5m(75mm以外)
- 最大撮影倍率:0.18倍(35mm判換算 0.36倍)
- フィルター径:Ø58mm
- 絞り羽根:7枚(円形絞り)
- 最大径×全長:Ø69 x 116.5mm
- 重量:423g
- フード:別売
- 希望小売価格:63,000円(税込69,300円)